ポッキーの日の次の日ののぞにこいちゃいちゃ話です。

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初投稿作品です
問題やルール違反など何かあれば教えていただけると助かります



1日遅れのポッキーゲーム

窓の外から聞こえる鳥の声に朦朧とした意識がハッキリしてきて目を開けると、目の前ににっこり笑った恋人の顔があった。

「にこっち、おはよ。ポッキーゲームしよ?」

「…希、ポッキーの日は昨日よ」

 

◇◆◇

 

「朝一番は普通挨拶でしょう」

「だってぇ!」

昨日μ'sのみんなと練習して、それからそのまま希の家に泊まった。

希はポッキーの日を利用してイチャイチャしたくて私を泊めたらしいけど、私が疲れきって希がお風呂に入っている間に寝てしまっていた。

だからって朝一番に言うことかしら…。

そんなことを考えながら体を起こし、乱れた髪を手ぐして伸ばす。

私が起きたのを見て、希も体を起こした。

「昨日の夜はめいっぱいにこっちとらぶらぶしようと思ってたのにうちがお風呂入ってる間ににこっち寝てるし…うち寂しかったんよ?」

希は人差し指を唇に当て上目遣いでこっちを見る。

あざとい…。

「そう言われても眠かったんだからしょうがないでしょ。練習後に疲れることしたくなかったの。」

寝起きの希が妙に色っぽくて直視出来ず、気のないふりをしながら寝癖ではねている自分の髪を触りながら言い訳をする。

すると希がこちらを見ながら静かに呟いた。

「疲れること…。」

「な、なによ」

私が希の顔を見ると希は手を口に当ててにやっと口角を上げた。

「ふふーん、にこっちナニするつもりやったん?」

「~~~~っ!あんたがラブラブとか言ったんでしょうが!!」

ニヤニヤと得意げにそう言う彼女に無性にイラつき声を荒らげて怒鳴る。

そう言いながらも自分の顔に熱が集まっていくのがわかり恥ずかしくなった。

「にこっちー、顔真っ赤やで?」

「うっさい!!」

「もうにこっちは可愛いなぁ」

希は目を細め愛おしそうに私の頭を撫でた。

同い年なのに大人っぽく、その上私を子供扱いする希に呆れながらも、触れられたところから感じる希の手の温かさに何も言えず俯く。

「あっ!」

突然声を上げて両手を胸の前でパンっと叩いた音にビクッと肩を揺らし希を見つめる。

「忘れてたわぁ、ポッキーゲーム!」

っ、覚えてたのね…。

希は立ち上がるのが面倒なのか四つん這いになり、ベッドのそばの机の上にあるポッキーに手を伸ばした。

希の長く綺麗な紫の髪が背中から肩を通りスルスルと下に流れていく。

モコモコの半ズボンから伸びる綺麗な生足につい目を引かれてしまい、ダメだダメだと目を閉じ頭を振った。

「んーー」

ベッドから机が少し離れているせいで希は箱に触ろうと一生懸命腕を伸ばしている。

「あんた…女の子なんだからもう少し上品に振舞ったらどうなの…」

「取れた!ん?にこっち何か言うた?」

ポッキーの箱を手にして膝立ちで目の前に戻ってきた希が首をかしげた。

「何でもない。…そういうこと私以外の前でしないでよ…」

「なになに?うちがえっち過ぎるって〜?」

「言ってない!!」

希は私をからかいながら赤い箱を開けてポッキーを取り出して咥えた。

「ん」

…は?

「え、なに?」

希はポッキーを咥えてニコッと笑った。

もしかして私から食べにいかなきゃいけないみたいな感じなの?

なんでよ…。別に私はポッキーゲームしたいわけじゃ…。

希を睨みつけると希は少し寂しそうにまゆを下げてこっちを見ている。

その表情が可愛くて流されてもいいと思ってしまう。

「~~~~あーもう!!」

恥ずかしさよりも恋人への愛おしさの方に天秤が傾き、目の前に差し出されたポッキーをパクっと咥える。

咥えた瞬間、想像以上に顔が近くなったことに気づき目を見開いて固まってしまった。

「ふふw」

希はそう笑うと綺麗な緑色の大きな瞳を嬉しそうに揺らした。

「っ!」

その色っぽさにあてられてしまいそうだ。

差し出された反対側を咥えたのはいいものの、自分からは進めず固まっていると、希は私の手の上に自分の手を重ね、一口ずつかじって近づいてくる。

重ねられてた手の少し湿った熱さから、希も緊張しているのが伝わってきた。

そんな気をそらしていても近づいてくる彼女からは逃げられない。

あまりの近さに恥ずかしくなり、あとは希に任せるように目を閉じた。

目を閉じても分かるくらい近くなり、触れてしまいそうな距離に来た時、ふと希が止まった。

「(…なに…?)」

私が恐る恐る目を開けると、希は私と目が合ったのを確認した瞬間、ニッと悪戯そうに笑って目を閉じグッと唇を合わせた。

「?!」

私がすぐ逃げようとすると、希は私の手の上に置いていた手を肩に乗せ、深い口付けをする。

「ん…っふぁ…ん、」

気持ちよさで漏れる声が止められず、二人しかいない静かな部屋に響く。

それがとても恥ずかしく涙が溢れてきて視界が揺れた。

「っぷはぁ…」

希はわざとらしく声を出し口を離した。

離した私と彼女の口を銀色の糸がつなぐ。

「はぁ、はぁ…急にそういうのしないでよ…」

「え〜ポッキーゲームってそういうもんなんよ?」

「知ってるわよ…」

「にこっち泣いてる?…嫌やったん?」

「嫌なわけないでしょ!ただ…そういうずるいことされるともっと好きになるじゃない…」

真っ直ぐ顔を見れず、顔を逸らしながらそう呟くと、希が固まった。

何も返事が返ってこないことに疑問を持ち、そっと希を見ると希は顔を真っ赤にして目を見開いて固まっていた。

「え?なに、どうしたの、、

「にこっちほんと可愛すぎ…」

「えっ」

そう言うと同時に肩に置いた手に力をかけられ、そのままベッドに押し倒された。

「の、のぞみ…?」

私は未だに状況が飲み込めず、私にまたがる希の顔をのぞき込む。

すると希は余裕のなさそうな顔をしていた。

「今日日曜日やし、ええよね?」

完全にスイッチが入ったようで、希は頬を染めている。

その様子に後のことを察し、はぁとため息をついた。

「…しょうがないわね、いいわよ」

私は優しくそう言って、希に笑いかけた。

 

「にこっち、好きやよ…」

「私もよ、希」

 

Fin.

 




読んでくださりありがとうございました
これからよろしくお願いします


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