「あ……提督さん」
消灯時間も過ぎた真夜中の執務室に、瑞鶴はいた。振り向きざまに二
どうやら執務机の上の書類を
「どうしたんだ、今日は当直じゃなかったよな。それは……明日の作戦計画か」
「うん、けど心配ってわけじゃないよ。提督さんを待ってただけ」
僕を? 少し驚いて問い返すと、瑞鶴はおもむろに
視線を上げて瑞鶴を見つめると、照れた様子で視線を
「この前渡し
内心の
「えっ、ちょ、提督さんっ? いきなりなにして……」
近づいて抱きしめると、
その表情にはもう、赤みは差していなかった。普段の彼女なら、怒りにせよ照れにせよ、顔を真っ赤にして
「身体、震えてる」
そう、指摘すると、腕に彼女の
表情には、失敗したという気持ちがありありと浮かんでいた。
「ちが、べつに震えてなんか――」
「寒いんだろう? 待たせたからな」
だから、もう一度言葉をかぶせてやった。
瑞鶴は、え、と再び言葉を失って、こちらを見やる。少し、普段の顔に戻った気がする。
腕の中の瑞鶴は、いつもより小さく感じた。だから、抱きしめなおして、重ねて続ける。
「
「それ、は……」
驚いたような、
なんでもないような調子で、けどしっかりと気持ちを込めて、瑞鶴に伝える。
「どんなに対策したって、この時期の寒さはやっぱりこたえるよな。だからさ……」
少し身体を離して、目を合わせて、瑞鶴を見つめて、
「だから、夜の間くらい、
「……っ、バカ」
顔を埋めるようにして、抱きしめられる。その直前の表情があまりに
やっぱり、身体は震えている。震えが止まるようにと、ぬくもりを分け与えるように強く抱きしめる。
「バカ」
「うん」
「あほ、変態」
「ああ」
「ちょっと寒くて震えてるだけなんだからね」
「待たせてごめん」
今日は、
だけど、明日を越えたなら……。
「瑞鶴」
「ん……」
お互いに少しだけ、身体を離して、再び向き合う。
向き合った瑞鶴の顔は、赤みが差していた。いつもと違うのは、少し
「笑ってる。なにかおかしい?」
「ばーか」
そっと