東方銀呼録-白亜の幻想譚   作:星巫女

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最近新大陸で調査ばかりしてる巫女さんです。
まさか序説投稿してから7分で最初の感想が来るとは...感謝します。
とりあえず今作品はいくつかの‹話›で構成したのちに‹第○章›でまとめるという手法をとりたいと思います。
というわけで長くなりましたがどうぞっ

追記
ごめんなさい...早速タグ追加いたしました...
キャラ崩壊←NEW‼
グロ表現←NEW‼
戦闘表現←NEW‼



第一章『朱と紅との邂逅』
第一話 「その少年、人外につき」


「…今日の収穫はこれだけか…」

そう誰に向かってか分からず一人空中に愚痴る僕。

右手に護身用の古刀を持ち上げ、左手で本やら機械やらがごちゃごちゃと入って重くなった麻袋をよっこらせと肩に担ぎ上げる。

そのまま辺りを見回して自らが此処に入ってきた目印である一際大きな石柱を見つけ歩き始める。

 

こんな物漁り紛いの事をしている僕の名前は森近霖之助。

一見ではどう見ても里の人間にしか見えないであろう僕は一応妖怪なのである。

 

いや、正確には「妖怪と人間のハーフ」であると言うべきかな?

まぁ両親はもういないんだけどね。

 

なんでこんな物漁り紛いの事をいい歳した男がやっているのかと言ったら...

うん半分趣味でもう半分は里では購入できない物をウチの店で取り扱っているから…かな?

 

何を売っているかというとそれはこの地では入手できないもの、つまり外界の品物だ。

 

知らない世界の物を売って大丈夫なのかという声もちらほら聞いたりするんだけどそこらへんは

大丈夫。

なぜなら僕には「能力」があるから。

 

能力…というとすごく大層なものに聞こえてしまうけども実際はそんなに大したことはない。

ざっくり言ったら{各々が持つ固有の特技}…と言えば分かりやすいかな?

 

それで僕の能力は「道具の名前と用途が判る程度の能力」。

詳細は名前の通り。詳しく知りたいなら幻想郷縁起でも見たらいいと思うよ。

でも僕の能力は名前と用途は分かっても使用方法は分からないという決定的な弱点がある。

 

例えて言うのなら最近ようやく知ったものとしては「さっかーぼーる」というのがある。

能力で見てみると上記の名前と用途である「さっかーに使用する」というのは分かるのだがそもそもさっかーが何かわからない…という次第だ。

最近賢者に聞いてようやく里でいう蹴鞠に使うということが分かったんだけどね。

不便という声を知り合いからもらったりするけど…うん事実。

まぁその使用方法を模索するのが楽しいからいいんだけどね。

 

でもこの世界には大層である能力を持つ者たちも確かに存在する。

例えば博麗の巫女の「空を飛ぶ程度の能力」とか賢者の「境界を操る程度の能力」とか。

羨ましいかと言われたらまぁ…否定はしない。

でも持つ者なりの苦労もあるだろうから僕はこの能力を気に入ってる。

 

そして気になってるここは無縁塚。

たまたまこの世界と外界との境界が曖昧な場所…らしい。

だから僕の目的にはうってつけというわけだ。

 

さてそろそろ店に戻るとしよう。天気も悪くなってきたし。

 

 

……あれ?なんで僕はこんなに独り言を話しているんだ?

 

あ、新しい漂着物発見。

 

~店主早足移動中~

裏口から店内に入り一息つく。帰ってくる際は基本的には両手が塞がっている為敢えて鍵はかけてない。

…さすがに寝るときはかけるけどね。

 

「(…さすがに重かった…しかもすごい喉乾くし…)」

そう心の中で呟きつつ霖之助は袋を床に下ろし(半ば落とし)た。

 

落とした弾みに中から何冊か本が零れるが気にしない。

そして机の上にあるタオルで雨で濡れた髪をぬぐいながら戦利品を持って裏口から直接つながっていた個人的作業部屋から商売をしている方の店先へ移動する。

 

「さて鑑定を…」

 

店の入り口にある物置台に戦利品をどさっと置いて自らは揺り椅子に腰かける…

 

 

「っぷしっ」

 

くしゃみの音がした。

 

……くしゃみの音?

 

顔を上げるとそこには。

 

今までそこにいたのに気付いてもらえなかったような者の顔をした白髪の少年が立っていた。

 

「「……………………」」

 

沈黙。

そして店内の時計の秒針がきっかり3秒の時を刻んだ後。

 

「うわあああぁぁぁっ!?」

 

霖之助の方がひっくり返った。

正確には椅子の上で飛び跳ねんばかりに慌てた。

普段の彼を知っている者からすれば滑稽極まりない慌てぶりだが少年は特に表情を変えずに首を傾げる。

 

「…どしたん?ふぁっ…ぷしっ」

 

聞いてくる途中にもくしゃみを挟む少年。

 

「……」

 

いや、君、だr

 

「…いや、誰?」

 

こっちが聞きたいわ。

 

「とりあえず落ち着こうか」

「うむ」

 

~少年・店主着席中~

 

うんやっと状況が飲み込めてきた。

なんとなくどうせ「どこか別の世界に転移させられたんだろうなぁ」というのは予想できていたけども。

 

どうせテンプレ展開で鳥がぴーぴょるるるるって鳴いてる森の中かと思っていたから嬉しい誤算だ。

 

それにこうして一応茶まで出してもらってしまっている。

 

「…それで君は何者なんだい?」

煎餅を静かに齧りながら霖之助が問うてくる。

 

それに対して湯飲みに用意された緑茶を返答とばかりに喉に流す。

茶の熱さと心地よい仄かな苦みを感じながら言葉を返す。

 

「何者っていうのがどういう意味で聞かれているかによって返し方が大分変ってくるんだけども…

種族?出身?所持金?」

 

「…君には僕が見ず知らずの人間から金を奪う者に見えたのかい?」

 

「いいや、見えない」

と即座に切り返す少年。

 

会話から察するに言語障害や記憶障害は患っていないらしい。

 

「…じゃあ聞き方から変えて聞くけども出身は?」

「外界から飛ばされてきた。あーあ…まだワ〇パン〇ンの新刊覗いてなかったのに…」

 

少年の口から出てきた言葉には聞き覚え、いや、見覚えがある。

外界では人気だという漫画の名前だ。

ということは少年は本当に外界出身なのだろう。

 

「じゃあ…次。種族は?」

「人間以上、神未満。」

 

……ん?

 

今とんでもないことを口走らなかったかこの少年。

 

「まぁ、人間じゃないって認識してもらえれば嬉しいかなぁ…」

 

そういいつつ一旦区切りだと言わんばかりに海苔の巻いてあるタイプの煎餅をぼりぼりと口の中へ放り込み噛み砕く。

 

「いや、明確な種族名はないのか…?」

 

「少なくともお兄さんみたいな妖怪ではないかな」

 

と、同時に少なからず衝撃を受け、思わず顔を上げる。

 

そこには口の端を微かに上げ、こちらを見つめている顔がある。

 

そこで改めて霖之助は少年の顔を観察してみる。

 

髪の色が白髪であるという特徴以外には特に変わっている点はみられない。

 

そこまで見てみてから視線を下に逸らしていってみる。

 

霖之助が取り出して彼に座ってもらっている椅子にある体は白色の服にさらに黒い上着を重ねており、下半身はこれまた藍色よりもさらに若干濃い色のじーんず?に包まれている。

身体は特に、肥満体でもなく、どちらかというと細身だ。

それでも決して肉がないわけではなく、適度に肉が付いている。

 

あまり運動を嗜むタイプではないのだろうか…?

 

そして長く沈黙したフリをして少年に返す。

 

「…なぜ僕が妖怪だと?」

 

「出ている気が知り合いの奴に似てるんだよね、っていうか普段は隠してるみたいだけどもお兄さん、妖気普通に出てるし」

 

「それだけ材料が出てれば判別は難しくないかな」

 

うん。間違いなくこの少年はたとえ人間であったとしても人間じゃないな。

 

霖之助は心の中で少年の項目にそう書き加えた。

 

「質問は以上でいいのか?」

「あ、あぁ」

 

そういうと同時に少年はぐっと立ち上がる。

そのままむーという声と共に伸びをして霖之助の方に見向く。

 

「それじゃあ雨止んだっぽいんでそろそろお暇致しますわ」

「…大丈夫なのか?」

 

それは強さ的な意味合いではなく、地理的な意味合いで霖之助は聞いたため

どちらの意味合いで受け取られたか不安になったが

 

「まぁ、道端で人捕まえて聞いてみるよ。何もこの世界の住人は見つけた瞬間、悪即斬みたいな人たちではないんだろう?」

 

「そりゃあ…」

 

…ないと言い切りたかったが言えないのもまた事実。

それが幻想郷。

 

「まぁいいや」

 

そういうと少年は先程霖之助が注いだ茶をぐいっと飲み干した。

「ふう…御馳走様。お茶と煎餅旨かったっすわ…あ、そうだ。お兄さん名前は?」

 

そういえばまだ互いに名乗っていなかったなと今更ながら思い出す。

 

「森近霖之助だ。君は?」

 

そういうと少年は見覚えのある笑みを滲ませ返答を寄越した。

 

「雪村蒼月(あつき)。一応むこうだと外見的立場上、学生やってた」

 

ー幻想に誘われた少年ー

蒼月はこれからどうなるかは分からなかったが

 

それ故に

自らの胸中でどうしようもなく渦巻いている興奮を味わっていた。




霖之助って右利きなのかな…?
そして赤色要素どこだよって思ったそこの貴方。
ごめんなさい。多分現実時間的にもう少し先になるかも…。



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