ボーイズ&ルフトヴァッフェ~空の道化師~ 作:Ocean501
前回のIL10二キの人気に嫉妬
ちょっとホモ多すぎじゃないですかねぇ(困惑
あ、そうだ。作者はノンケです(くっそ情けないノンケアピール
今回で合同戦編は終了です。主役は特務戦の地上攻撃と言えばこいつら
ジルウェット隊の魔王とゆかいな仲間たちです
推奨BGMはもちろん、Stuka Lied
さあ、こんな前書き読んでる暇はないぞ読者諸君!出撃だ!
(コンラーツヴァルダウの方言で「本編をどうぞ」の意)
【警告、サイレンの使用を中止せよ。隠蔽能力低下】
「いいじゃねぇか、無理言って付けて来たんだから。これがないと飛んだ気にならん。対象に心理戦を仕掛けるためサイレンの使用を続行。それにしても、まったく素晴らしい光景じゃないか?ええ?」
【了解、隠蔽能力低下を無視、続行。命令の意味不明、再入力せよ】
火器管制コンピュータの無機質な合成音声に、簡単な雑談プログラムでも仕込めないかなと妙な考えが沸き上がる。目の前に見えてきたのは幾筋もの黒煙が吹き上がる3分割された森と、その上を乱舞する十数機の爆撃機と戦闘機。乱舞すると言っても、2機の灰色の戦闘機から必死に逃げ続けていると表現する方が適当だろう。2機の戦闘機は隼のように上昇、下降、銃撃、撃墜、再上昇を繰り返している。戦闘機がダイブするたびに、1機から2機、時には3機が翼をへし折られ、火球となって空に散っていく。その度に、打ち上げ花火のようにパイロットが射出されている光景はなぜか滑稽に見えてしまう。
『スカイアイよりジルウェット隊、低空の敵はクラウン隊が掃除している。君たちは前進し、プラウダ戦車隊を叩け。適宜、戦車道隊長の指示に従い近接航空支援を開始せよ』
「ジルウェット・リーダー了解。ジルウェット・リーダーより地上部隊、聞こえるか?」
『こちら戦車道隊長、西住だ。よろしく頼む。先陣は空征く騎兵隊に譲ろう、敵を丘から追い出してくれないか?』
「了解、書記長閣下のケツを蹴り上げてやる。其方は森から狙撃するのだな?」
『いいや、気を見て突入する。森の中では連携がとりづらい。一度部隊を再編せねばならないが、時間が惜しい。突入中に再編成し火力の集中をもって決着をつける』
ヒュウ、と小さく口笛を吹く。並の指揮官なら追い立てられるプラウダを森の中に入ったまま狙撃するだろうが、西住流の淑女は違うらしい。空飛ぶ猛禽に襲われて逃げ出した先に、鋼鉄の猛獣が突撃して来るなど、普通の部隊なら一瞬で指揮崩壊を起こして壊乱状態になる。
しかし、ただ単に追い出し役になるのでは面白くない。取って置きの玩具を両翼にぶら下げて来たのだから思い切り暴れてやるつもりだった。
「では、一つ忠告しておく」
此方を攻撃しようと上昇を始めたが、Bf109に燃料タンクを撃ち抜かれ流星となって速度を失ったl-16が足元で爆散し、その光が両翼につるされた猛禽の鉤爪を鈍く照らす。
『なんだ?』
「できる限り早く突っ込め、ウチの部隊が全部食い散らかさないうちにな」
『フッ、了解』
クラウン隊に文字通り虐殺されているプラウダ攻撃部隊の上を通り過ぎ、丘陵の裏でこちらを見つけたのか、サイレンの音を聞いたのか慌てて動き出すプラウダ戦車隊を見渡す。総勢21両、IS-2が5両、T-34が11両、KV-1が2両、KV-2が1両、SU-100が2両。重戦車がやたら多いのは火力の高い黒森峰を警戒しての事だろうか?
「ま、俺達には関係のないことだが」
幾ら重装甲車両であっても、それは
2000mの距離を飛びぬけ、獲物を探すようにゆっくりと旋回する。眼下の猛獣たちは突然現れた猛禽の群れに驚いたように、回避機動を取りながら散開し始めた。これでは有効な相互支援はできないだろう。上空では敵戦闘機が地上部隊に近づこうとする自分たちへ攻撃しようと躍起になっているが、高度を下げようとした機体から集中的にたたかれて爆散している。疑似的なノーマーク状態、難易度は演習以下。
「ジルウェット・リーダーより各機、敵部隊のケツから叩いて物騒な虎の方へ追い立てろ。ああ、別に食い尽くしても構わんぞ。早いモノ勝ちだからな」
『ジルウェット2、了解!花束を投げつけてやりますよ!』
『ジルウェット3、了解!切り取り放題だ!ヒャッハー!』
『ジルウェット4、了解!プラウダの皆さーん!宅急便でーす!』
《頼んでないわよ!?あっちいけぇぇぇぇ!!》
《蛇行しつつ攻撃を避けて》
混線したのか幼い少女の声と、冷静な声の2種類が聞こえる。下のプラウダ戦車隊のどれかだろうが、些細な事だ。気にするだけ無駄だろう。
まずは一番最後尾を右往左往しているT-34へと狙いをつける。中戦車としては快速な足を利用して蛇行運転で追いすがるJu87を振り切ろうとするが、せいぜい40㎞/h後半の戦車が300㎞/h以上で接近する魔王を振り切れるはずがない。角度を調整して緩降下、狙うのは勿論エンジングリル周辺。ラダーで針路を調整しつつ、トリガーへと指を駆け乍ら地上へと接近する。その距離およそ100m、トリガーを引き絞る。
瞬間、
両翼につりさげられた37㎜BK3,7航空機関砲の先端からマズルフラッシュと共に2発の37㎜砲弾が発射される。強烈な反動はJu87の機体を大きく揺さぶるが、ハンスはいとも簡単にそれを制御し、手綱を握って再上昇し、次の獲物へと向かう。
一方、目標まで97mの地点で発射された2発の37㎜砲弾は僅かな距離を疾走し、T-34後部の45㎜均質圧延装甲を簡単に貫きエンジンに直撃した。装甲板表面で火花が散り、一瞬遅れてボン!と大量の爆炎がエンジングリルを吹き飛ばして膨れ上がり、砲塔から小さな白旗がはじき出された。
Ju87G-1。Ju87D-3から翼内武装を取り除き、37㎜航空機関砲2門をぶら下げた機体で、空軍道では改修キットにより短時間のうちにD-3からG-1に改造することが出来た。ただし、2つの巨大な鉤爪は元々は素直だったJu87の機動性を根こそぎ奪い去り、恐ろしく操縦の難しい機体に変えた。また、発砲による強烈な反動は殺しきれるものではなく2門を斉射しないとバランスを崩して墜落しかねない。さらに、搭載するためには翼内の機関銃を取り外す必要があるため前方機銃が皆無に等しくなってしまうなど、G型への改修は大きな代償を負う事になった。
しかし、2門の37㎜機関砲から吐き出される
そしてこの気難しい猛禽こそ、ハンスが最も得意とする機体でもあり、愛機であった。
次に標的として選ばれたのは2両で蛇行しつつ森の方へと逃れていくT-34-85。一両が左へ行けばもう一両は右へ、一両が右へ行けばもう一両は左へと針路を重ね合わせ絡みつくように前進している。その振れ幅は不規則であり、狙いをつけづらい。
「それがどうした」
一言ぼそりと呟き、操縦桿を倒し降下させる。大砲鳥が降ってくることを確認した2両のT-34-85はその機動をより大きく、より不規則に変化させ何とか射線をずらそうと足掻き続ける。それをあざ笑うかのように接近したJu87G-1は機体をロールさせ80度ほど右へと傾ける。相手の機動は確かに不規則だが、その瞬間は必ず存在する。ペダルを踏みこみ、機首をずらしながら発砲。変則的な姿勢で撃ったため機体各部がぎしぎしと嫌な音を立てる。
そして、大砲鳥の鋼鉄の爪はほぼ同時に2両のT-34-85の背面部を撃ち抜く。心臓を同時に穿たれた2両の戦車は土煙を巻き上げながら停車するほかなかった。左右をスイッチする際、必ず2両の戦車は直線に並ぶ。機体を傾け、機首を手前から奥へ滑らせている最中に発射すれば、2発の37㎜砲弾は戦車の進行方向に対して直列に飛んで行く。
《ハァッ!?なんで!?》
《たいちょー、無理っす。変態が紛れ込んでるっす》
誰が変態か。と思わずもう1発叩き込みそうになるが、携行弾数は実質12発なので睨むだけで済ませておく。周りを見てみると他のメンバーも順調に戦果を挙げつつプラウダを追い立てていく。爆弾とは違い、数えていなければ降下するJu87G-1に弾が残っているかどうかなんてわからない。只降下して攻撃する素振りを見せるだけで、敵は慌てて回避し追い立てられてくれる。そして追い立てた先は、猛獣使いの目の前だ。
『隊長車より通達。これより全面攻勢に移る、上空はフライング・サーカスに任せろ。各小隊は突入しつつ本部小隊と合流、合図があり次第小隊長車指示の目標へ集中射撃。全車両、我に続け。
森からは木立を吹き飛ばしてサンドイエローに塗装された装甲部隊が壊乱してばらばらに進むプラウダの前へと躍り出る。森の全域からほぼ同時に踊りだした十数両の装甲車両はすぐ近くを走る車両と合流しながら草原を進む。彼女たちの眼前に、特に突出していた2両のT-34とIS-2が硬直したように直進し砲塔を回すが、それよりも早くまほの指示が飛んだ。
『全車停止!小隊長車指示の目標!
土煙を巻き上げ、一斉に停車した黒森峰の戦車がほぼ同時に咆哮する。砲口から漏れた発射ガスが周囲の草や土を巻き上げ、戦車砲の反動を受け止めた地面が穿たれた。
散々シュトルモビクに良いようにされたという、八つ当たり気味な怒りを乗せた88㎜硬芯徹甲弾と75㎜硬芯徹甲弾が1000mほどを突き進み、3両のプラウダ戦車を一瞬でスクラップに換える。着弾を確認せず、一斉に動き出した黒森峰の装甲部隊は3両で一つのグループを形成しそれぞれの死角をカバーしながら突入を開始。また一両、丘の上から顔を出したSU-100が副隊長車の放った砲弾で主砲を弾き飛ばされ、隊長車に止めを刺される。
前に進めば黒森峰戦車隊の集中射撃で嚙み砕かれ、かといって止まれば大砲鳥の鉤爪の餌食。前門の虎、後門の魔王と言える状況。頼みの綱の航空機は道化師に切り刻まれて機能していない。陸と空からの包囲攻撃はプラウダ戦車道の命運を根こそぎ断ち切っていった。
戦場の空を大きく旋回していると、丘の裏を走りつつも巧妙にハルダウンし、黒森峰に攻撃を加えている小隊を見つける。IS-2が1両にT-34-85が2両で構成された小隊は、重戦車が囮となって丘上に砲塔を晒し注意を引いてから2両が飛び出し砲撃、1両のⅣ号戦車が直撃弾を受けて沈黙する。報復の砲弾が届くころには丘裏に隠れ、別の丘へと退避。戦車道には疎いが上手い動きだ。
次の獲物はそいつらに決めて降下する。こちらに気が付いたのか小隊は散開して逃げ始めるが、狙うべきは厄介な装甲と火力を持つIS-2、
《舐めるなよスツーカ風情が!》
超低空を舐める様に飛んで来たl-16がIS-2と自らの間に割り込んでヘッドオン。恐らく、高度を下げることでクラウン隊の目から逃れたのだろう。Ju87G-1には前方を攻撃できる対空機関銃は付いていないため、後部機銃の有る後方から攻撃を駆けるよりもリスクは少ないと判断したらしい。
しかし、l-16のパイロットは致命的な勘違いを2つ犯していた。一つは、鈍重な37㎜対戦車砲でも当たれば致命傷になりうること。もう一つは、それを操る
「
射線を調整して7.62㎜弾を数発主翼や着陸脚に被弾しながらトリガーを握りこむ。三度、大砲鳥が咆哮し2発の37㎜砲弾は吸い寄せられるようにl-16に着弾する。本来ならば重装甲目標を措定して作られた高速徹甲曳光弾に対し軽量単発戦闘機は脆弱に過ぎた。左翼に直撃した弾丸は主翼を翼桁ごと引き裂いて粉砕し飛行能力を根こそぎ奪い去る。そして、機首に1発が飛び込むと大型トラックにでも衝突したかのように機首が一瞬にして拉げ、プロペラの破片が花火のように飛び散った。弾丸はシュベツォフ ASh-62エンジンを貫通し、加熱されたエンジン部品と共に操縦席前面の燃料タンクまで撃ち抜いた。危機を感じたコンピューターがパイロットが射出させた瞬間、燃料が引火し巨大な火の玉となってl-16が爆炎の中に消える。
Ju87が爆炎を引き裂き目と鼻の先にまで迫ったIS-2へと、その爪を突き立てた。先ほどの獲物と同じように後部のエンジンを正確に打ち抜かれたIS-2は土煙を巻き上げながら停車し、白旗を上げて沈黙する。
「さあ、次だ」
Ju87G-1は楽しそうに翼を翻し、逃げ散った残り2両のT-34を狩りに行く。後に残されたのは、黒煙を上げるIS-2のスクラップだけだった。
「何なのよ!何なのよアイツ!?37㎜で戦闘機落とすとか人間なの!?」
サイレンの音が遠ざかっていく中、車長席でがなり立てるのは小学生かと思うほどの少女。周りからはカチューシャと呼ばれており、小柄な体形に反して非常に勝気かつ自信家。一部の者からは小さな防空とか地吹雪とか言われているが、実のところ後輩の面倒見も良くリーダーシップに関しては高い物を持っている。しかし、時たまこういう風に体形相応の言動を見せてしまう事があった。
まあ、今回は仕方が無いか…
そんな事を思いながら、車長席とは別のハッチを開けて周りを見る。既に白旗が上がっているため、攻撃を受けることはない。後ろを見るとエンジングリルから黒煙が立ち上っている。どう見ても全損、丸ごと交換するしかない。森の方では追い詰められた味方部隊が黒森峰の車両に集中砲火を喰らっている。この分では後数分も持たないだろう。
途中までは勝っていたはずだった、事前の作戦では空軍道部隊が最初に黒森峰の爆撃機部隊を最優先で潰した後、黒森峰の戦車を森からいぶりだして我々が止めを刺す。黒森峰爆撃機部隊の抵抗は予想以上に激烈で旧式戦闘機が壊滅したが、戦車道の部隊を温存することには成功した。しかし、爆撃機を守るはずだった精鋭の戦闘機部隊は黒森峰空軍道の相次ぐ一撃離脱を受けて上昇を余儀なくされた。
あの部隊だ。たしか、味方はピエロのエンブレムと叫んでいた。その部隊が、たった2機で戦況をひっくり返した。気が付けば私たちの対地攻撃部隊は戦闘能力を喪失していた。出来の悪い詐欺にでもあった気分だ。
そして、決定的だったのは先ほど自分たちを屠った
ゴウ、と直ぐ近くを自分たちを撃破したらしきスツーカがフライパスする。機体後部に01のペイントとブーメランを咥えた鳥のエンブレム。そして尾翼には巨大な砲を背負った風見鶏の部隊章。暗い茶色で塗装されたコクピットの後方にはお椀をひっくり返したような火器管制コンピュータ、前方に居る人物こそ、今回自分たちを撃破した張本人。
一瞬、バイザーで覆われているはずのパイロットと、目があった気がした。そのパイロットは撃破された戦車から見ている自分に気づいたのかラフに敬礼、翼を数度振って黒森峰の陣地へと飛び去って行く。悔しさはあまりない、それどころかまた戦いたいという欲求のようなものすら湧き上がってくる。
知らず知らずのうちに、口元には小さな笑みが浮かんでいた。
「…
さて、回収車が来る前に砲塔の中でわめいている女王様を諌めなくては。
風に揺れて顔に掛かった長い黒髪をはらい、ノンナは車内へと身をかがめハッチを閉じる。それまでうるさいほど聞こえていた魔王のサイレンは、ぱったりと止んでいた。
地上攻撃書くの楽しすぎワロタ
スツーカに頭を取られた戦車に勝ち目はありません
しめやかに爆発四散あるのみです。ワザマエ!
戦車の描写も2回目ですがなかなか楽しいですね
空戦に比べて窮屈なのが玉に瑕ですが
WTでスツーカGまで行きながらまともに使えない作者は
これは魔王専用機これは魔王専用機と唱えて折り合いをつけています
でも、当たらなさ過ぎて辞めようとしたときに限って
初弾命中して中戦車が爆発四散するのを見ると使い続けたくなる不思議
ははぁん、スツーカG型はツンデ(37㎜直撃
次からはちょっとした拠点回ですね
特務戦諸君もたまには羽を休めましょう
ではでは ノシ