ボーイズ&ルフトヴァッフェ~空の道化師~   作:Ocean501

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ドーモ、オーシャン501です

今回は若干趣向を変えまして
外から見たクラウン隊と言った雰囲気です(建前
たまにはほかのエースパイロットも書きたい(本音

主役は白を基調とする2個飛行隊
がんばれサンダース超がんばれ(愉悦


Mission33 鷺と鷲

《くそっ!黒森峰か!》

《ブルワーズ3!チェックシックス!》

《被弾した!エンジンから火が!》

《ブルワーズ3!燃料流路(フュエル)カットだ!急げ!》

 

 断末魔の叫びとともにドーントレスの瑠璃色の機体が爆散し、空に咲く赤と黒の華の一つとなった。数分前まで無防備な獲物に襲い掛かる歓喜の只中にあったエンタープライズ航空隊とヨークタウン航空隊に所属する36機の急降下爆撃機は、横合いから踊りこんだ鉄十字の部隊章を身に着けた戦闘機によって狩られるものへと転落してしまう。最初に急降下に移ろうとした4機が先行していた4機のエースによって瞬時に葬られてからというもの、エコーズ隊所属の12機のFw190A-5に執拗に追い掛け回されていた。

 既に爆弾を捨てて退避を選んだ機には目もくれず、また1機、隙をついて急降下しようと翼を傾けたドーントレスが待ち構えていた20㎜弾の集中攻撃を受けて主翼を吹き飛ばされて空中分解。がら空きだった知波単学園艦隊の上空に居座った12機のFw190が、編隊を乱され動きの鈍くなった攻撃隊を駆除していく。

 そして、エコーズ隊を上空直掩に振り分けた後の黒森峰戦闘機隊の大半は、今まさに迫りくる100機以上のサンダース攻撃隊へと鉤爪を向けつつあった。

 

 

 

 

《奴らは先日の戦いでの消耗から立ち直ってはいない。往生際の悪い奴らに引導を渡してやれ》

《ブルージェイズ隊はプレゼントを配達後、戦闘に参加せよ。ただし、緊急時にはその限りではない》

《サバンナ隊、編隊を密にしろ。はぐれたやつらから食われるぞ》

 

 彼我の距離が接近するにつれて混戦する敵攻撃隊の無線が多くなっていく。Bf109特有の狭苦しいコクピットの正面の風防からは味方艦隊へ向けて一直線に進撃するサンダース攻撃隊の編隊がずらりと並んでいるのを一望することが出来た。100機以上の大編隊のうち、半数近くが増槽を捨てて自分たちの上を取ろうと蒼空を駆けあがり始めるのが見える。上昇性能ではこちらに一日の長があるようだが、いかんせん数が多い。行く手を阻もうとするサンダースの戦闘機は軽く40機を超えるだろう。

 機種はほとんどがF6Fヘルキャット、かつて太平洋戦争で零戦を圧倒した実質的な主力戦闘機。一撃離脱を主眼に置いた設計だが、旋回性能も侮れるものではない。こちらも72機の戦闘機で迎撃にあたるが、悠長に相手をしていたのでは第2次攻撃隊が到着してしまう。それは僅かに優勢に持って行った戦力バランスを一気に覆されることを意味していた。

 つまり、同等以上の練度と機体性能を持つ相手を赤子の手をひねるようにあしらわなければならないという、無理難題ともいえるような勝利条件を突きつけられていることに等しかった。

 

 ――だが、それを何とかしてこその学園嚮導隊(スクール・リーダー)だ。

 

「インディゴ・リーダーより全機、我々は敵戦闘機部隊の排除にあたる。味方の道を切り開け。インディゴ1、エンゲージ!」

 

 スロットルを緊急出力にまで叩き込み、緩降下を開始。純白に藍色のラインで縁取られたBf109K-4の12機編隊が優雅な弧を描いて前進したサンダース戦闘機部隊へ次々と躍りかかる。

 

《白に青いラインのBf109、”藍色の騎士団”のお出ましか!》

 

 真っ先に自分に反応したF6Fが機首を持ち上げたまま降下する自機とヘッドオン、ずんぐりむっくりとした機体が威圧するかのように迫るのを風景画のように眺めながら、インディゴ1は操縦桿を倒してバレルロール。一瞬遅れてヘルキャットの両翼が瞬き6挺の12.7㎜機銃が金切り声を上げるが無数の徹甲弾は一瞬前までインディゴ1が存在していた空間を貫く。進行方向を変えずにBf109がロールを終えようとするころには、標的との距離は100mを切っている。

 

「さよならだ」

 

 小さく呟きトリガーを一瞬握りこむ。両翼に搭載されたMG151/20ガンポッドが数度咆哮したかと思うと、至近距離から20㎜薄殻榴弾を叩き込まれたF6Fが機首を巨大なハンマーで潰されたようにへしゃげさせ、きりもみしながらインディゴ1とすれ違い後方へと滑っていく。

 馬上槍試合の様な鮮やかな対面攻撃を成功させたBf109は急降下の速力を落とさないうちに機首上げ、急上昇。DB605が大気を貪り改良に改良を重ねた名馬(サラブレッド)を高空へと押し上げていく。

 

 

『インディゴ隊とズィルバー隊が戦闘機を押さえているうちに爆撃機を始末しろ!』

『クラウン1が2機連続撃墜!』

『馬鹿に早いのが混じってるぞ!注意しろ!相手はヘルキャットだけじゃうわぁっ!?』

『ジュリエット4がやられたぞ!…おいおい、嘘だろ!?』

 

 ジュリエット4のFw190A-5が紅蓮の炎に包まれて墜落していくのを背面飛行する愛機の頭上で確認。周囲に首を巡らせると奴らは居た。機体はアメリカ海軍機おなじみの群青色で塗装され、空冷エンジンを搭載された骨太な機体はどことなくF4Fから始まる野良猫の遺伝子を感じさせる。しかしその心臓は2000馬力級航空エンジンR-2800(ダブルワスプ)、コンパクトな機体に大馬力エンジンと言う組み合わせはBf109に通じる部分もあるが、よりパワフルな性能を有している。

 陸軍のP-51と並び最強のレシプロ戦闘機とみなされることもある、レシプロ戦闘機とジェット戦闘機の時代の狭間に消えた幻の傑作機、グラマンF8Fベアキャット。

 とはいえ、流石のサンダースもすべての機体をF8Fに転換することは容易ではなく、1部の優秀な飛行隊にのみ配備されるのが現状だった。つまり、今目の前で爆撃隊にかみついている味方を責め立てているのはサンダースでも有数のエース部隊と言う事だろう。

 

『ツュアーン7!チェックシックス!ベアキャットだ!』

『マジかよ!畜生!俺は犬派なんだけどなぁ!』

『馬鹿なこと言ってないで動き回れ!ジンキングでもシザーズでもいいから救援が来るまで逃げろ!』

 

 煙を吹いたSB2Cへ止めを刺そうと動きを止めたBf109G-6の後ろへと1機のF8Fが回り込む。ツュアーン7は即座に左へと回避軌道を行うが、改良を重ねた結果より一撃離脱機としての側面を大きく受け継いだG-6のターンにベアキャットは難なく追従。右へ左へ巧みに機体を振り回し振り切ろうともがくが、ダブルワスプを吠え立たせたF8Fは旋回を行うごとに着実に距離を縮め、哀れな獲物を追い立てていく。

 インディゴ1は追い立てられる味方機へ向かって躊躇なくダイブ、同時に無線機へ怒鳴る。

 

「ツュアーン7!上方ループだ!」

『上手くやってくれよ男爵(バロン)!』

 

 G-6が最後の力を振り絞るかのように跳ね上がるように機首上げで上方ループへと入り、一瞬遅れてF8Fも追従すると同時に機銃を発砲。AN/M3機関砲4挺から吐き出された20㎜榴弾が弧を描きながらツュアーン7の尾翼を掠める。F8Fのパイロットはさらに操縦桿をきつく引いて旋回率を引き上げ、Bf109よりも小さな旋回半径で縦旋回を行うが、それが運の尽きだった。

 F8Fは宙返りを行うツュアーン7の機体を隠れ蓑にして上空から逆落としに急降下したインディゴ1に気づくことが出来ずループの頂点部へ。その瞬間を狙いすましたかのように、インディゴ1の30㎜モーターカノンが焔の吐息を吐き出した。

 いくら最強のレシプロ戦闘機とたたえられていたとしても、大型爆撃機すら1撃で粉砕する30㎜薄殻榴弾を腹へと受けたのだからたまらない。巨大な榴弾の炸裂で機体を構成していた外板がことごとくめくれ上がり、爆圧と風圧で空を飛ぶためにデザインされた戦闘兵器が見るも無残なスクラップへとなり果てる。

 

『インディゴ・リーダーがベアキャットを落としたぞ!』

《ちっ、ヤンキース6が落とされたか。藍色の騎士は伊達じゃないってことだな》

《おい!ヤンキース10も落ちたぞ!?誰にやられた!》

 

 遠くの方で10とナンバリングされた群青色の機体が火炎の尾を引いて海面へと真っ逆さまに落ちていくのを確認する。確かそちらにはインディゴ隊のメンバーは行っていない。レシプロ最強と呼ばれるベアキャットを葬るパイロットがいるのであれば、自分たちが加勢する必要はないだろう。

 そう判断し、ペダルを蹴飛ばして背後に迫りつつあったF8Fの火箭を紙一重で回避する。主翼のすぐ近くを貫いた光の奔流は無駄うちは無用とばかりにすぐに止み、背中からはひりひりと焼けつくような殺気を感じる。敵はよほど腕に自信があるのかセオリー通りの一撃離脱ではなく、そのまま自分を追尾する道を選択した証拠だ。

 

「ダンスをご所望か?ヤンキー」

《どうせなら姫騎士と踊りたいね。恨みはないがここで落ちろ!》

 

 白と青、対照的な2機の戦闘機がシザーズを繰り返し戦闘空域に鋭いエッジを刻み付ける。上下左右に縦横無尽に機体を振り回し、軌跡を絡みつかせ、時折曳光弾が空を裂く。速度、高度、旋回率を刻々と変化させ背後に迫りくるベアキャットの射線を絞らせない。

 旋回性能では勝っているはずなのに、フラップとエンジン出力を活用した白いBf109をとらえることが出来ない。あと1歩のところでするりと照準器から逃れ、致命傷どころか命中弾すらも期待できない。インディゴ1の後ろを取り優勢に思えるが、その実追い詰められているのはサンダースのパイロットの方だった。

 

《くそっ、小賢しい!》

 

 Bf109が、もう何度目かわからない急旋回に移る瞬間、ベアキャットのパイロットはその旋回先を予想して今までにないほど思い切り操縦桿を引いた。水平線が垂直に切り立ち、高G機動で視界が若干暗くなる。旋回に移ったインディゴ1がコンソールの下に掻き消え、数瞬の後に自分から照準器の中へ飛び込んでくる瞬間に備えトリガーに添えた指にわずかに力を籠める。

 しかし、その瞬間は永遠にやってこなかった。

 

「鋭く曲がるだけが格闘戦じゃないさ、よく覚えておけ新参者(ルーキー)

 

 ベアキャットがひときわ鋭い旋回に移った瞬間、インディゴ1はわざと操縦桿を緩め緩やかな旋回を間に挟んだ。先ほどまでの鋭い旋回に慣れきっていたベアキャットは、その旋回を見越して急旋回を行ったため自らの機体が死角となりインディゴ1を見失う。結果的にオーバーシュートさせられた敵機は鮮やかな急旋回で腹側にまんまと潜り込んだBf109に対し有効な手を打てなかった。

 再び30㎜モーターカノンが吠え、機体後部をバラバラに吹き飛ばされる。前半分だけとなったF8Fはフラットスピンに陥り部品を空に散らしながら脱落していった。

 

《ベアキャットがまた落ちたぞ!》

《こちらヤンキース3!メーデー、メーデー!主翼をやられうわっ!?》

《F型相手に何やってんだ!?》

《ピエロのエンブレムに2機も落とされてるぞ!》

 

『ピエロ?クラウン隊か、ベアキャット相手によくやるぜ』と通信機から2番機の感嘆するかのような声が漏れてくる。周囲を確認すると何とか編隊を維持して前進を続けようとするSB2Cの編隊をあざ笑うかのように食い散らかしている2機が見えた。面白みのない灰色の制空迷彩で塗装された2機がかわるがわる編隊に突入し、そのたびに数機のヘルダイバーが煙を吹いて落ちていく。高々2機の編隊を相手にした12機の急降下爆撃機は見る見るうちにその戦力を擦り減らせ、無残な有様へとなり果てている。

 周りの飛行隊もあの一団はクラウン隊に任せておけとばかりに他の群れへ攻撃の矛先を向けており、数的優位を勝ち得た戦場がいくつも存在した。

 

「負けてられんな」

『は?』

 

 ぽつりと無意識のうちにそんな言葉が口をついて出ていた。背中を十分に任せられる味方部隊が有るというのは安心感が違う、背後に余計な気を回すことなく自分たちの飛び方を十分に発揮できるというものだ。学年が一つ下でここまで戦えるのだから、来年にはどうなっているのだろうと好奇心と少しばかりの無念が頭をもたげる。

 

「敵の無線がクラウン隊の活躍ばかりをがなり立てているからな。味方が恐れられて誇らしいのは事実だが、だからと言って引き立て役になってやるつもりもない。藍色の騎士団としても矜持だってあるさ」

『焼きもちですか?隊長』

「じゃあ貴様は、この戦いがクラウン隊スゲーで終わっていいのか?」揶揄いを含んだ2番機の通信を鼻で笑う。『それは御免ですね』と揶揄いを消した真剣な声が耳朶を打った。

『こちとら学園嚮導隊って看板もあるんです、ポッと出の新参者に負けるわけにはいきませんよ』

「結構!インディゴ隊(俺たち)が何故、最精鋭部隊と呼ばれているのかを教えてやろうじゃないか。まずは危険なベアキャットを優先して撃破しろ、考えなしの旋回戦には付き合うなよ!」

 

『了解!』と11機のメンバーから返事が返ってくると同時に、戦場を舞う12機の鷺が凶暴な猫へと襲い掛かる。機体性能では分が悪いものの、強大な敵に臆せず立ち向かう様は嚮導の二文字を冠するにふさわしく、サンダース戦闘機部隊は多くの出血を強いられていくことになる。

 

 

 

 

 

「ズィルバー4、右旋回だ」

『了解、ボス』

 

 白と黒のゼブラカラーに塗装されたG-6が急降下から右旋回して水平飛行に移ると、その瞬間を狙ってズィルバー4の後ろについていたF6Fが同様に右旋回を行って予想進路上に機首を向けようとする。しかし、旋回の為に機体をバンクさせるということは横合いから突っ込んだズィルバー1に対して無防備な背中をさらすことと同義であり、機首に搭載されたMG151/20の1撃で翼をへし折られて叩き落とされてしまう。

 

『ボス、攻撃機の排除が間に合っていません。このままでは20機程度が艦隊に到達します』

「だからと言って、ここで我々が戦闘機を押さえなければもっと多くの敵が到達する。焦るな、ズィルバー8。いつも通りでいい、1機ずつ落としていけば道は開ける」

 

 200機以上の航空機が所狭しと乱舞し曳光弾が駆け抜ける戦場であっても、ズィルバー1の落ち着き払った口調が変わることはない。自身の空戦技術も高いが、それを他人に伝える能力も同等以上に高い彼が率いるズィルバー隊の戦闘スタイルはある意味でインディゴ隊とは真逆と言える。インディゴ隊はここの戦闘能力がけた外れに高い文字通りエースパイロットが集められた精鋭飛行隊であり、味方の援護は行うものの、それは味方が1対1で戦える状況を作り出すための限定されたものだ。対してズィルバー隊は常に複数機が同数以下の目標を補足、撹乱し隙を見て撃墜する集団戦闘メインの飛行隊と言える。

 インディゴ隊やロト隊の様な華々しさはなくとも、12機の戦闘機が高度に連携することで粘り強く、負けづらい戦いをするのが特徴だった。

 

『ズィルバー3、3時上方にF6F。俺がやる、気にせず目の前の敵を追尾しろ』

『ズィルバー12、敵機撃墜!ズィルバー10、正面にF4Uだ、ヘッドオンは避けて回避だ!』

 

 F4Uと正対したBf109G-6がバレルロールで敵の射線をはぐらかしたかと思うと、少し離れたところから様子をうかがっていたズィルバー5がF4Uの横合いから突入し、13㎜徹甲弾の雨がコクピットへと殺到する。着弾の衝撃で痙攣したかのように震えたコルセアはピンクのスモークを炊きながら脱落し、サンダースの戦力がまた一機戦場から取り除かれる。

 

『ズィルバー9!チェックシックス!回避!右だ!』

『くそっ…動けこのポンコツ…あれ?』

 

 被弾し動きの鈍ったズィルバー9に止めを刺そうと急降下したF6Fだったが、突然飛来した20㎜薄殻榴弾を燃料タンクに被弾し、真っ赤な火の玉となってゼブラカラーのBf109の横を通り過ぎて落ちていく。ややあってパイロットが射出されると同時に、大柄な期待は火球となって空に散っていった。

 弾丸が飛来した咆哮へと視線を走らせると、用事は済ませたとばかりに灰色のBf109が主翼を翻して新たな獲物を求めて空へと駆け上がっていくのが見える。距離を大雑把に計算しても1㎞は離れており、先ほどの光景を思い返してみても、放たれた弾丸の数は10に満たないだろう。

 

『ボス、あれは』

「クラウン隊だな。なるほど、切り札(ジョーカー)と言うだけのことはあるようだ」

 

 先ほどまでヘルダイバーの編隊を相手にしていたようだが、あらかた処理したため別の獲物を探している途中だったのだろう。たった2機編隊で多数の敵機を手玉に取り、見世物のように虐殺していく様を実際に目にするとフライング・サーカスは単なる噂や戦場伝説などではなく、事実を端的に現した良い比喩と言える。

 

『アイツらの飛び方を見てると、映画でも見てる気分ですよ』

「彼らの戦い方は我々とも、インディゴ隊とも違う。強いて言うならばグリューンやゲルプに近いか」

『臨機応変な相互支援が奴らの真骨頂だと?』

「ズィルバー6、断言を急ぐのが君の悪い癖だな。ズィルバー8、左へ回避、私がやる」

 

 高空から飛び込んできたF6Fの攻撃をズィルバー8が隊長機からの警告で難なく回避し、そのままダイブで離脱を図ろうとするF6Fへズィルバー1の火箭が伸びていく。打ち砕かれた尾翼が宙を舞い、機首を上げる能力を失ったヘルキャットが海面へ向けて真っ逆さまに落ちていった。

 

「相互支援はあくまでも補助に過ぎない。1対多の乱戦において、彼らはその真価を発揮する。最小の消耗で最大の打撃を敵に与え、せいぜい2機の飛行隊でありながら戦局そのものを左右する。そういう存在だ、彼らは」

『2機でそんなに状況が変わるとも思えませんがねぇ』

「変えるさ、いずれな。これでも私は、人を見る目はあると自負している。さあ、無駄口をたたく前に敵を叩くぞ。バカガラスは居ないが、帰りの燃料の心配はしなくていい」

『了解!全機ボスに続け!インディゴやクラウンに後れを取るな!』

 

 結果的にサンダース艦隊の2派にわたる第1次攻撃は黒森峰航空隊の乱入によって攻撃能力を喪失し、駆逐艦3隻を撃沈し、軽巡2隻を大破させるのみにとどまった。至近弾により蒼龍に小破相当の被害が出たものの、空母2隻に戦闘機を満載した奇策は実を結んだ。サンダースの航空隊がひとまずの撤退を完了させた頃、空母赤城に一つの報告が舞い込んでくる。

 

 

 ”発:赤城航空隊指揮官機 宛:空母赤城 我、空母ワスプノ轟沈ヲ確認セリ!”

 

 

 数百キロ離れた海上ではサンダースからレンタルされたワスプからもうもうと撃沈を示すスモークが立ち上っている。それは知波単の逆襲を示す反逆の狼煙では決してない。これより始まる、熾烈な海上航空戦の開幕を告げる開戦の狼煙だった。

 

 

 

 

 

「全機、知波単へ帰還後速やかに再出撃の準備を整えろ。地獄()はまだまだこれからだ」

 

 

 

 

 

 

 

 





歴戦のエースから見てもクラウン隊はヤヴァイ(確信
今回、知波単艦隊に攻撃を仕掛けたのは
最初の攻撃隊がヨークタウン級の2隻
この話でいいようにボコされたのがエセックス級の2隻です
サンダースがぼろ負けてるような書き方ですが
ぶっちゃけ黒森峰の被害も馬鹿にならないです
特にツュアーンとかリーラとかのモブ飛行隊
無双系小説はモブに厳しいってそれ一(ry

そしてスナック感覚で沈むワスプ
仮想戦記で沈まないワスプなんてワスプじゃないやい!(暴言

次は艦載機によるサンダースへの対艦攻撃ですかね

では、また ノシ

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