SCP的なのを書きたかった、

1 / 1
廃棄手記

今、かろうじてこれを書いている

もう私も長くはないのだろう。覚悟は出来ている

 

貴様はおそらく死ぬだろう、脅しではない

私はいま、この鎮守府の生き残りとしてこれを書いている

貴様がこれを読んでいるとき、ここがどうなってるかはわからない、好転はしていないだろうが

 

どこから記せばいいだろうか、おもえばきっかけがわからない

いつからか、奴らがおかしくなっているような気がしてきていた

だが、皆それを戦火によるものだと思っていたのだろう

もしくは、気づいていて尚無視していたのかもしれない

今思えば奴らは成長していた、砲塔を我々では無く、弱者に向けるように

 

奴らについて知っていることは殆ど無かった

単に忌むべき対象だと、そう思っていた 信じていたのかも知れない

もしくは信じさせられていたか

 

今、思えばおかしなことだった どうして今更になって気づいたのだろうか

奴らは我々からなにかを奪っていっていた、比喩ではなくもっと物理的に

 

何故、誰も戦友の遺骸すら無いことに疑問を持たなかったのだろうか

何故、誰も奴らが日に賢く、新しくなっていくことに気が付かなかったのだろうか

何故、誰も何も知らされないことについて不満を持たなかったのだろうか

 

もうそれも、今となっては遅いのか

 

 

今考えれば、直ぐに結論が導き出せる

 

 

単純な話だ

 

簡単な話だ

 

奴らは我々だ

 

私はそれを確信できている

 

 

ここが何処だと思うか

或いは鎮守府であり、或いは墓場であり、或いは戦場でもあった

 

皆、ここで戦い、そして倒れた 死んだ

 

いや、死んではいないのかも知れない、もしかしたら私が撃った一つがそうだったのかもしれない

だが後悔はしない、私は私に出来ることをした

 

 

奴らは、いや、奴らたちには種類がある

我々と、それ以外だ

 

私は見た、どうして我々が奴らになるのか

奴はほかの奴らとは違う

 

ほかの奴らよりも大きく、甘美で、そして暖かかった

 

奴が戦友の首を掴んだ事を私は知っている

彼女が苦しみもがいて変わっていったことも知っている

 

奴は彼女を掴んで、そして包み込んだ

少しずつ、少しずつ彼女は沈んでいった

黒い何かが彼女を覆っていった、それは奴からでていた

霧のようでもあり、水のようでもあり、影のようでもあった

 

不思議なことに、彼女は安らかに、眠るように沈んでいった

そして、そこには奴と奴らだけが残っていた

 

一人、また一人と減っていった

例えどんなものだろうと、奴は止まらなかった、止められなかった

奴は一人ずつ、一人ずつゆっくりとそうしていった

誰もが、藻掻き、苦しみ、安らかにしていた

 

 

思うに奴は影のようなものなのだろう

光の中で奴は動いた、闇の中では、奴は動かなかった

だから光を灯すな、闇の中では影は生まれない

 

気づくまで我々は光を付け続けた、気づくまでは

 

 

ここで貴様がするべきことは一つだ、私にはできなかった、貴様ならもしくはできるかもしれない

それをしても貴様がどうなるかはわからない、だが重要なことだ、私は信じている

 

私には分かっている、おそらく、奴の止め方に気づいている

 

 

奴に掴まれたとき、私は見た、奴は臓腑を持っている、それもひとつだけの

 

 

 

私がどうして助かったのかはわからない、きっと闇に溶けれたのだろうとおもう

 

私は走った

 

私には出来なかった

 

後ろで何かが聞こえた、それが私を呼び止める声だったのか、奴の物だったのかはわからない

 

わたしは皆から別れた、そして隠れるのに最適な衣装棚を見つけ、そしていまこれを書いている

 

わたしはここから動けない、銃弾はもう無い、奴がどこにいるのかもわからない

 

 

だが、これを貴様が見つけてくれたのなら、やり遂げてくれ

おそらく、貴様は私よりも強い、決心が付いたら、あの臓腑を砕いてくれ

そうすれば、きっと奴は止められるはずだ

これが私の考えつく唯一の方法だ。貴様は死ぬだろう、だが、ここに隠れていたところで結果は同じだ

 

私は、私はこれから奴を探す、貴様がこれを見つけてくれると祈って

無論、私の身体はやつには使わせない。

 

私達は未来の為に死ぬのではない。家族を守る為に死ぬのだ。

 

幸運を祈る。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。