ありふれた転生で世界救済   作:妄創

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 一ヶ月に及ぶ休載、大変申し訳ありませんでした。

 帰って参りました。不定期更新になりますが、またどうぞよろしくお願いします。

 久々の執筆の為、つたない文章、低い語彙力に、誤字脱字が目立つかも知れません。
 


ウザすぎる同業者

 

 

 

 ミレディ・ライセン。

 

 彼女は解放者の一人であり、唯一存命していた人物でもある。レンジからすれば、神殺しを夢見た同業者と言える存在だ。

 

「やっほー、さっきぶり! ミレディちゃんだよ!」

 

 だが、何と言うかべきか……、ゴーレムに憑依してまで存命するミレディは、すごくウザかった。

 

「「……」」

「ほれ、みろ。こんなこったろうと思ったよ」

「まぁ、そうだよね」

 

 ハジメ一行は、なんやかんやでライセン大峡谷にある解放者の迷宮を攻略していた。というか、したのだ。

 

 最後の試練として、何らかの魔法で存命してゴーレム化していたミレディ本人と死闘を繰り広げ、見事に打ち破ったのだ。

 

 その際に、ミレディが“最後の時”を感動的な演出を見せて消滅したのだが……、まあご覧の通りピンピンしている。

 

 言葉もないユエとシア。ハジメとレンジは予想がついていたので、ハジメはウンザリした表情を浮かべており、レンジは苦笑する他なかった。

 

 ハジメもレンジも、ミレディの本質を攻略の道中で看破していた。この迷宮のトラップの嫌らしさや、ウザい文章の数々は、本当にまともで真面目な人間では発想に至らないレベル。

 

 レンジでさえ、呆れてしまうくらいである。

 

 他にも、最後のボスを存命してまで担ったのに、たった一度きりの挑戦者に撃退されたら終わり、なんて事になった次の挑戦者には試練が無くなってしまう。

 

 なので、男二人は、ミレディ・ゴーレムを最終試練で破壊してもミレディ本人は死なないっという予想が出来ていた。

 

 さて、黙り込んで顔を俯かせるユエとシアに、元凶の張本人が非常に陽気な感じで話し掛ける。

 

「あれぇ? あれぇ? テンション低いよぉ~? もっと驚いてもいいんだよぉ~? あっ、それとも驚きすぎても言葉が出ないとか? だったら、ドッキリ大成功ぉ~だね☆」

 

 ユエがシアがぼそりと呟くように質問する。

 

「……さっきのは?」

「ん~? さっき? あぁ、もしかして消えちゃったと思った? ないな~い! そんなことあるわけないよぉ~!」

「でも、光が登って消えていきましたよね?」

「ふふふ、中々よかったでしょう? あの“演出”! やだ、ミレディちゃん役者の才能まであるなんて! 恐ろしい子!」

 

 相手をおちょくってテンション上がりまくりなミレディ。これが同業者の末期なのか……? とレンジは悲しみに満ちた顔を作る。

 

 お調子者ミレディにユエとシアがブチギレて暫くの間、ドタバタ、ドカンバキッ、いやぁーなど悲鳴やら破壊音が聞こえてきたが、ハジメとレンジはその一切を無視して、この部屋の観察に努める。

 

 部屋は全体的に白く清潔感はあるが、何処か物寂しい。それは、これ言って特筆するようなモノが無いからである。この部屋にあるのは、中央の床に刻まれた魔法陣と壁の一部になっている扉だけ。その扉の向こうには、ミレディの住処が広がっているのだろう。

 

 ハジメとレンジは、当然のように魔法陣へと歩み寄って勝手に調べ始める。それを見たミレディが慌てて二人の下へやって来る。その後ろから、無表情の吸血姫とウサミミがドドドドッと効果音を背負いながら迫って来ている。

 

「君達ぃ~勝手にいじっちゃダメよぉ。ていうか、お仲間でしょ! 無視してないで止めようよぉ!」

 

 文句、というか注意しながらミレディは二人の背後へと回り込み、怒れる二人の般若に対する壁とする。

 

「……ハジメ、レンジどいて、そいつ殺せない」

「退いて下さい。ハジメさん、レンジさん。そいつは殺ります。今、ここで」

「まさか、そのネタをこのタイミング聞くとは思わなかった。っていうかいい加減遊んでないでやる事やるぞ」

「そうだ、そうだ、真面目にやれぇ!」

 

 ハジメの背後から煽りミレディが顔面を義手でアイアンクロー。頭部からメキィメキィという音が鳴り、ゴーレムの顔が心なしか、悲痛な表情になっている。

 

「このまま愉快なデザインになりたくなきゃ、さっさとお前の神代魔法をよこせ」

「あのぉ~、言動が完全に悪役だと気づいてッ─“メキメキィメキィ”─了解であります! 直ぐに渡すであります! だからストープ! これ以上は、ホントに壊れちゃう!」

 

 ジタバタともがいて取り乱すミレディ。このまま壊れては堪らぬ、と潔く魔法陣を起動させた。

 

 それを確認するとハジメ達は魔法陣の中へと入る。今回は前置き無しに直接脳に神代魔法の知識や使用方法が刻まれていくようだった。ハジメとユエ、そしてレンジは経験済みなので無反応だったのだが、唯一初めてのシアはビクンッと体を跳ねさせる。

 

 数秒で知識の刷り込みは終わり、あっさりとハジメ達はミレディ・ライセンの神代魔法を手に入れた。

 

「これは……やっぱり重力操作の魔法か」

「そうだよ~ん。ミレディちゃんの魔法は重力魔法。上手く使ってね…って言いたいところだけど、君とウサギちゃんは適性ないねぇ~もうびっくりするレベルでないね!」

「やかましいわ。それくらい想定済みだ」

「けど、そこの子は……少しおかしくない?」

 

 いきなりミレディに凝視されたレンジ。

 

「……何か?」

「いやいやいや、何かじゃないでしょ!? 君ィ、神代魔法を超える魔法を持ってるでしょ!」

 

 腐っても解放者、という訳か、ミレディ・ライセンはレンジの内包している力に気が付いたようだった。

 

 重力魔法、おそらくは星や大地に関する魔法であるのだが、ご生憎様とレンジはそれらを司り支配する地脈神グランドルの力を有しているのだ。

 

 元々、地図の書き換えが必要なレベルでの地形の変化や、地殻の操作は御手の物。勿論、重力も操れた。

 

 ただし、前世の話である。1%の力ではそこまでの大規模な事は出来ないし、今は制限が……

 

「……ぉ? 解けたな」

 

 どうやら、重力魔法の取得により、星に関する事柄を司る神格の制限が解除されたらしい。

 

 地脈神グランドルは勿論の事、鳳凰神フレアデスと月光神ルナトリアの力まで解放されている。

 

 さらには、2%までの使用が可能となった。流石、神代魔法。前世の世界からすれば、下位世界の魔法だが神代というだけの事はある。

 

「………ミレディ・ライセン、君に話したい事がある」

「え? 急にどうしたの? はっ! まさか愛の告白──」

「ふんっ!」

 

 ドゴッ! とレンジの張り手がミレディを襲った。ミレディはその場で錐揉みして、ペタッと腰を落とした。

 

「ミレディさん……いやライセンさん、ふざけないで人の話は聞こうか?」

「はい、ごめんなざい……」

 

 ミレディは理解した。この人、冗談の通じないタイプだと。

 

 ハジメ、ユエ、シアの三人も彼の張り手には驚かされた。迷宮中のウザい文を読んでも別段いつもと変わらぬ様子だったのに、いつも以上に厳しい……というか優しくない。

 

 実はフラストレーションが溜まっていたのだろうか?

 

 いや、人格破綻者ばかりの神々を相手にしてきた英雄があの程度のちゃちな文字でイライラする筈がない。彼から言わせれば、ミレディの文章は子供の悪ふざけ程度のものである。

 

 しかし、ミレディご本人には厳しめな対応である。まあ、これは単に遥か昔に精神が熟成しているのにも関わらず、真面目に話を聞こうとしなかったからだ。

 

 基本的にレンジは、子供には優しい。が、相手が自分の総合年齢と同等あるいはそれ以上になると、まあ厳しくなる。

 

 ちなみに、その考えでいくとユエも年上なのだが、彼女の場合は約三百年もの間、暗闇の中に閉じ込められていた為か、精神が成長するどころか若干退行しているので、子供という認識である。

 

「シアちゃんも仲間入りしたし、ここで話しておこうと思う」

「レンジ、良いのか?」

「……大丈夫?」

 

 ハジメとユエはその話が何か心当たりがある。というか、何の話か確信しているので、レンジの事を重んじてしまう。

 

 シアは勿論知らないので、はて? と傾げながらも、自分の知らない仲間の事を知れる機会である事を察知して心を少し踊らせる。

 

 ミレディは……再びふざけようとした雰囲気を醸し出していたので、レンジからありがたくも拳骨を頂いた。

 

「……俺の過去と、力の秘密を話すよ」

 

 レンジの力、というトータスのは全く異なる魔法については、シアも不思議に思っていたところである。それに一度だけ見た、あの超巨大な剣山『竜脈峰剣(ティエラ・クラテル)』について。

 

「俺の、前世の話をしよう」

 

 前世。

 

 その言葉に、シアはゴクリと生唾を呑み込む。

 

 ミレディはおどけて、「この子、頭大丈夫?」みたいに頭をツンツンとしていたので、ハジメからボディブローを頂戴するのだった。

 

 

 




 

 しばらくは、今回のような文字少な目のリハビリ回が続くかと思います。

 あと、大分話をはしょりました。唐突すぎて、混乱した読者様も多いかと思います。大変申し訳ないです。


 
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