雄英高校入学試験 ①
冬に降った雪が溶け始めてる、2月某日。
彼、天野翔は日課となっているランニングへ出かけるために、準備をしている。
今日は、彼が入学試験を受けようとしている、雄英高校の試験日だ。
彼は、大事な試験日といえども、もはやルーティーンとなりつつある朝のランニングをしたくて、いつもより早く起床した。
まだ日の出が出るか出ないかの時間帯のためか、部屋の中でも息が白くなるくらいに気温が低かった。
彼は慣れているのか、気にする様子も見せずに布団から出てクローゼットを開けた。
クローゼットの中からいつもの運動着を着替えるために取り出すと、今着ている寝間着を脱ぎ、着替え出した。
「....。あっ。」
ボソッと声を漏らす。寝起きのためか、声少しばかりいつもより低くかすれていた。
彼は着替え終わった後に、自分がTシャツを反対にきていることに気がついたのだ。
いつもと同じ動作なのに間違えたのだ。彼も流石に試験日となると緊張しているのだろうか。
頭をかきながら苦笑していた。
彼が服を脱ぎ、着直す頃には日の出が出始めていた。
「....行ってきまーす。」
朝が早いため、家族を起こさないようにと配慮して小さく挨拶をして家を出て行った。
いつも通りのペースで、いつも通りのコースを走る。
交差点の信号を渡り、公園に差し掛かる。
公園の入り口に佇んでいるのは、薄青のカールがかかっているロングの髪を持つ少女、波動ねじれだった。
翔は、ねじれは土曜日にしか走ることがないと知っているため予想外の出会いに驚きながらも、近づいて挨拶をした。
「ねじれちゃん、おはようございます」
その声を聞いて、ねじれは顔を上げた。
かけると会えたことが嬉しかったのか笑顔になりながらも元気よく挨拶を返す。
「かけるくん、おはよう!」
その後翔は疑問に思っていたことを聞いた。
「ねじれちゃん、なんでここに居るですか?今日は平日なのに。」
普通なら会わない日に会うので、翔は少し新鮮な気持ちでいた。
「それはねー、今日雄英の試験でしょ?だからかけるくんが緊張してるんじゃないかなーって思ってね、会いにきちゃった!この時間走ってるって前聞いてたし。」
ねじれは寒さのせいか、頬と耳を赤くしながらそう答えた。
ねじれは、翔が緊張していると言っているはいるが、翔と一佳の合格をほぼ確信していた。
今日、会いに来たのは、ねじれが不安であったからだ。
「そうですか、ありがとうございます。」
翔はそれ嬉しくて、つい頭を撫でてしまった。
「んん〜。気持ちいい。」
ねじれは一瞬驚きながらもそれを受け入れて、気持ち良さそうにしていた。
「かけるくん大丈夫?緊張してない?」
ねじれの質問に、翔はなんでもないように、答えた。
「大丈夫ですよ。ねじれちゃんの頭を撫でてたら、緊張が解けたよ、ありがとう。」
それからは少しばかりねじれと話すと、時間がないので翔はねじれに別れを告げてランニングを再開した。
翔は1時間のランニングが終わると家に帰宅した。
「ただいまー。」
かけるのその声に反応するように、かけるの妹、風香が飛び込んで来た。
「お兄ちゃんおかえりー!」
風香はかけるのお腹に頭をグリグリと愛情表現をするように抱きついていた。
「ただいま、風香。今お兄ちゃんは汗臭いから少し待っててね。シャワー浴びて来るから。」
翔は、家族と言えど汗臭いのに、これだけ至近距離にいることに抵抗があったのであろう。
翔は、妹の風香を体から離すとそのまま風呂場へと向かって行った。
翔が、シャワーを浴びてさっぱりし、制服に着替えると朝食に食べるためにリビングへと向かう。
リビングで待っていたのは、彼の父の翼、母の飛鳥、そして先ほどの妹の風香が食卓に座って翔を待っていた。
翔が椅子に着き、食事を始めると会話が始まった。
「翔くん今日が試験日だね。調子はどう?」
恋する乙女は美しいという。相も変わらずラブラブである。
昔と相変わらず、美しさを保ち、二人の子供を産んだことを感じさせないプロポーションを維持している母が、翔にそう聞いて来た。
「大丈夫だよ、筆記も十分対策して来たし、後問題は実技だけかな。」
翔はねじれとの会話である程度緊張も解けていたので、普段通りに答えた。
「翔ならどんな実技でも大丈夫だよ。なんて言ったって僕が鍛えたんだから。」
彼の父、翼が気負うことはないとの気持ちを込めてそう言った。
「そうだね、父さんが鍛えたんだから大丈夫だよね。」
「お兄ちゃんなら大丈夫だって!私が保証するから!」
隣に座っていた妹の風香が元気よく、彼に語りかけた。
彼の朝の朝食が過ぎて行く。
彼が朝食を終えると、部屋に戻る。カバンに、腕時計、参考書、受験票、筆記用具など忘れ物がないかの最終確認を済ませる。
彼が最終確認をし、服装の乱れを直して彼は家を出る。
少し歩いて行くといつもの交差点へ出た。そこには彼の幼馴染の拳藤一佳が待っていた。一佳も緊張しているのであろう、少し顔が強張っていた。
「一佳、おはよう。緊張してるの?」
「おはよう、翔。うーん、ちょっとだけね、でももう大丈夫!」
一佳は翔を見て少し緊張がほぐれたのか、少し苦笑いを浮かべながら返事した。
翔たちは試験会場に一緒に行くために待ち合わせをしていたのだ。
二人はそれから、一番近い最寄り駅へと向かった。
最寄り駅に着くと、同じ雄英受験者なのか、制服姿の学生たちが至る所で電車を待っていた。
電車が来ると二人は乗り込んだ。
電車が雄英高校の最寄り駅までつくと二人は、電車を降りた。
そして、駅前では雄英高校の先生方が雄英までの地図を掲げながら案内していたのでそれに従って歩いて行く。
「そろそろ雄英つくね。」
翔が隣を歩く、一佳に話しかけた。
「う、うん。翔、筆記で失敗しないでよ。一緒に雄英行こうね。」
流石に雄英高校を前にして一佳も緊張がぶり返していたのか、突っかかりながらもそう答えた。
「あぁ、そうだね。」
翔は、一佳にそう笑いかけると、二人は受験番号に従って別れていった。
筆記を終えた翔は、次の試験の実技を受けるため先生の指示に従って大きなホールがある建物に入って行く。
そこには試験を受けていた多くの受験者が集まっていた。
それから暫くしてホールの中央に、
ヒーロー名「プレゼント・マイク」で有名な、金髪をオールバックにしていて、黒いサングラスをつけた身長180ほどの男が出て来た。
『受験生のリスナー!今日は俺のライブによーこそー!!everybody say ‘hey’!!!!』
ホール中に響く。
「........。」
誰もが声をあげない。
『こいつはしゔぃぃー!なら受験生のリスナーに実技試験の内容をサクッと説明するぜ!』
『Are you ready?! イイェェエエエエイ!!』
「.....。」
プレゼント・マイクは受験生リスナーの無言にも屈しず、実技試験の内容を話し始めた。
プレゼント・マイクが説明したことはねじれが教えてくれたこととあっていた。
内容はこうだ。
受験生をいくつかのグループに分ける。
そのグループを各試験会場に分けて、ポイント別に別れている仮想ヴィランを倒してポイントの量で競うという内容だ。
そこで、プレゼント・マイクが、ポイントのヴィランについて説明している時に、大きな声が響いた。
「質問よろしいでしょうか!!!」
ガタイも良く、身長も高い、メガネをかけており、いかにも真面目と言った風貌の男は声をあげた。
『Ok!!』
プレゼント・マイクは質問を許可する。
「プリントには、4種のヴィランが記載されております!誤載であれば、日本最高峰の雄英にして恥ずべき事態!我々受験者は規範となるご指導を求めこの場に座しているのです!.......ついでにそこの縮毛の君!先程からボソボソと気が散る!物見遊山のつもりなら即刻ここから去りたまえ!」
緑色の天然パーマ髪を持つ少年は怒られて萎縮している。
周りはそれがおかしかったのはすこし笑いが起きていた。
それに答えるようにプレゼント・マイクが質問に答えた。
それは、0ポイントのヴィランであり、受験者の邪魔をする存在であると。これは以前にねじれが言っていたことである。
「ねじれちゃんが言ってたことと一緒でよかった。」
試験内容が同じなことに翔は安堵していた。
それから試験内容の説明が終わると各人着替えて、指定されたグループの会場に向かっていた。
翔が指定されていたのはEグループだった。
一佳と会うことができなかったため、どのグループにいるかは分からなかった。
しかしプレゼント・マイクが言うには知り合い同士で協力しないように同じ中学校の生徒同士は一緒にならないと言っていたので、一緒のグループにいないなと翔は思った。
「一佳とは一緒じゃないのか。まぁ、これで心置きなくできるな。」
翔はいつもとは違い少し好戦的に笑っていた。
一緒のグループではなくて良かったと思っている。
翔は一佳がいないと分ったなら他の人の分を気にすることなく倒せると思ったからだ。
かけるのこれは決して慢心ではない。
翔の個性は強力であり、なおかつ竜人形態になると翼が生えるため、ぐんと機動力が上がるからだ。
それになんと言っても、試験時間が、10分しかない。
本気を出すなら完全形態で行けそうだが、それだと人への被害がすごくなるので第三形態になることはないのだが。
そうしてかけるは、着替えるために更衣室に向かって言った。
あぁ、原作に沿う場合は一々アニメを確認してセリフを間違えないようにしなきゃいけないし面倒だなぁ