天翔ける竜   作:アルアール

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雄英高校入学式①

4月7日

ヒーロー科のある、全国屈指の高校、雄英高校。

偏差値は75を超え、倍率は300オーバー。

全国各地から雄英の生徒となるために集まって来るがそのほとんどが志半ばで散ってゆく。

 

国立ヒーロー育成学校、雄英高校。

ヒーロー育成学校屈指の偏差値を誇るこの学校に入学を許されたこと自体、強力な個性と認められたエリートである。

 

しかしこの学校には、入学の時点から優等生と劣等生が存在する。

 

 

 

 

翔は雄英高校の前で一佳を待ちながら、そんな電波なナレーションを頭に浮かべていた。

 

しかし言っていることは間違っていない。

この学校を受験する際に、普通科を選ぶ場合は少ない。大抵がヒーロー科志望であり、残りは経営科、サポート科を志望している。

 

では普通科の生徒をどうやって選んでいるのか。

 

それは簡単だ、ヒーロー科40人を決めた後に、普通科を第一候補として選んだ人を考慮し、ヒーロー科に落ちた上から順に普通科への合格資格を与えるのだ。

 

 

 

 

 

 

入学資格を与えられた生徒たちが門をくぐる中翔は一佳を待っていると、声がかかった。

 

「おーい!お待たせ!翔!」

雄英高校の制服に身を包んだ一佳が声をかけてきた。

 

「それじゃあ行こうか。クラスを見に。」

彼らは一緒にクラスを見るため待ち合わせをしていた。

 

一佳が翔の横に並ぶと、二人して歩き出す。

 

大きな門をくぐり、中に入るとそこには両脇を桜が満開に咲き誇る桜並木ができていた。

まるで、彼らの合格を祝福しているようである。

 

翔達が歩いて行き、校舎の入り口の前の階段を上ると、そこには人が集まっていた。

きっとクラスが書いてあるのであろう。

 

かける達も自分たちのクラスを確認するためにその人混みに近づいていった。

 

ヒーロー科はA、B組と別れている。

 

彼らが自分のクラスを確認するとお互いが頷いた。

「翔!一緒のクラスだね!」

あまりにも嬉しかったのか一佳がかけるに抱きついたため少し目立っていた。

 

「そうだね。これからよろしく。一佳。」

翔も同じクラスになれたことが嬉しいのか一佳の頭を撫でながらそう言った。

 

 

そこに声がかかる。

「あなた達目立ってるわよ。」

そんな語尾にケロケロと言葉を続ける少女がいた。

 

彼女は翔が入学試験で仮想ヴィランから助けた少女だ。

彼女の名前は蛙吹梅雨(あすいつゆ)。

身長は150センチと少し小柄。

丸みを帯びた可愛らしい顔立ち、大きめのパッチリと開いた目。

黒に少し青を加えたような綺麗なロングな髪。

一佳ほどではないが、低身長ながらも制服の上からでもわかる胸の膨らみ。

 

 

 

 

彼女は自分のクラスを確認するために掲示板へ近づくと、その前で抱き合っている男女がいた。

一瞬なんだ?と疑問に思いつつも男の顔を見ると、以前に自分を助けお尻を触った男であった。

それを見た瞬間、自分でもわからない胸のモヤモヤを解消するために彼らに声をかけたのだ。

 

 

「あぁ、そうだね。じゃぁ一佳、教室に向かおうか。それと君は、入学試験の時の子だよね?合格おめでとう。これから三年間よろしくね。」

一佳の頭から手を離し、彼女に向き合うと爽やかな笑顔で語りかけた。

 

 

梅雨は翔の笑顔に慄きながらも自分がAクラスに配属され一緒であると伝えた。

 

そのあとは一佳が彼女のことを知りたそうにしていたため軽く自己紹介を交えながら、入学試験でのことを伝えた。

 

翔はお尻を触ったことを言わなかったが、梅雨は流石に空気を読めたのかすでにそのことを言うつもりはなかった。

 

「翔、あんたあのでっかいヴィランぶっ飛ばしたの?」

一佳は呆れながらも改めて翔のすごさを思い知った。

 

「いやぁ...。あの時多分いけると思ったんだよね....。」

あの時は気分が高揚していたため勢いあまってやってしまったのだ。

彼はそれを少し恥ずかしがっていた。

 

そして、3人は揃って自分の教室であるAクラスへ向かった。

 

 

「ハーレムしね!!」

 

掲示板の周りにいたある男子から声が漏れたがそれが彼らに届くことはなかった。

 

 

 

 

 

かける達が教室へつくとポツリポツリと生徒がおり、各自で友好の輪を広げていた。

 

かける達は座席を確認するために教卓へと向かう。

 

 

そこには席順が書いてあったのだが、その人数を見て翔は疑問を呈した。

「あれ?人数が21人だ。募集では20人だったはずだけど....。」

翔の疑問に一佳と梅雨は同意しながらもあまり気にはしていないのは各自で席へ向かった。

 

 

 

 

天野翔はあ行であるため廊下側の一番前だ。

そのためか来る人来る人に挨拶をして愛想を振りまいていた。

 

「机に足をかけるな!!雄英の先輩方や机の製作者の方々に申し訳ないと思わないのか!!!!」

 

そう声をかけたのは、入学試験内容の説明会で0ポイントヴィランについて聞いた彼だ。

名前は飯田天哉(いいだてんや)。

身長も180前後と高く、よく鍛えられているのかガタイも良い。

それ以上にとても姿勢が良いためか、実際の身長以上に以上に背が高く見える。

きっちりと髪を整えており、四角の銀のフレームの眼鏡をかけているため、委員長をしていても違和感がないくらい好青年だ。

 

「あぁ?!思わねーよぉ!!お前どこ中だよ!端役がよぉ!」

威圧を込めてそう返した。

 

その彼の質問に答えたのはまだ入学式であるのに、何年もきているように思わせる、服を着崩してきている少年だ。

彼は爆豪勝己。

薄暗い金髪で、鋭い目つきが特徴であり、翔に続いて入学試験を2位で通過した天才である。

 

 

 

そんな光景を見た翔はこの学校生活に若干の不安を覚えながらも楽しくなりそうだと、柄にもなく思っていた。

 

 

そこで、扉がガラガラと開いた。

そこに立っていたのは、緑色の髪を天然パーマなのか爆発させた髪を持ち、童顔であり、頬に少しばかりのそばかすがある少年だ。

彼が、爆豪達の会話を聞いたのかビクビクしていたので、翔は挨拶をした。

 

「おはよう。僕は天野翔。よろしくね。君は?」

 

翔がニコニコと話しかけるのを見て少し強張っていた顔が治り、自分も挨拶をする。

「ぼ、僕は、緑谷!緑谷出久!よろしくね、天野くん!」

 

それを聞いていた爆豪は、緑谷が現れたことに驚き、そしてより一層不機嫌になりながらも、かけるの挨拶を聞いて余計に苛立っていた。

 

 

「おいおいおい!デクヨォ!お前なんでこの学校にいるんだよ、おい!無個性のオメーがよぉ〜!!!」

 

彼は緑谷にそう言いながら近づいた。

 

爆豪は無個性の奴が入学しているのが許せないのもあるが、

彼は去年のヘドロヴィランに襲われた時に緑谷に助けられそうなになった光景が、頭から離れないでいた。

あの時の緑谷のセリフ、表情がなぜか頭から離れないのだ。

そのイライラのせいもあって、

ヘドロ事件から緑谷に突っかかるのをやめていた爆豪であったか、今回は突っかかってしまった。

 

「か、かっちゃん!」

緑谷は自分の秘密を知られそうになったので、慌てて爆豪に声をかけた。

 

爆豪の言葉を聞いた、周りの生徒達は、驚きをあらわにしていた。

 

「無個性?.....冗談だろ?無個性が雄英にこれるわけないじゃん。」

 

そんな誰かの言葉を皮切りに、冗談だったと周りは思い始めた。

 

 

爆豪は緑谷に突っかかるだけではなく、一番前に翔が座っているのを一瞥した後、威圧しだした。

「おい!お前が、天野翔かぁ?!」

 

「そうだよ。よろしくね。爆豪勝己くん。勝己って呼んでいいかな?」

そんなセリフ怯む様子も見せず、微笑みながら答えた。

 

「あぁ?!なんで名前呼びなんだよぉ?!それよりお前が入試トップの野郎か。舐めてんじゃねーぞ!直ぐにそっから引き摺り下ろしてやる!モブが!」

 

爆豪は大きく舌打ちをして、自分の席に戻ると、先ほどと同じように両足を机の上へ上げて周りを威圧しだした。

 

周りも爆豪の天野の成績を聞いて驚いていた。

 

「面白い子だね。緑谷。あ、緑谷って呼んでいいかな?」

翔は爆豪のそんな様子を笑いつつも、緑谷に声をかけた。

 

「う、うんいいよ!って違う違う!天野くんって入試トップだったの?!す、すごいね!!」

緑谷は、爆豪に一歩も引かず話している姿に少し驚きながらも、入試の成績を聞いて、褒めだした。

 

 

「あー!君は緑のもじゃもじゃ頭の、地味目の子!!!」

そこで緑谷がいた扉の後ろから声がかかる。

 

その人は、女の子だった。

名前は、麗日お茶子(うららかおちゃこ)

身長は155センチほどで、ねじれ以上に童顔な顔。

綺麗な茶髪のボブの髪。

少し太めの眉であるが、タレているためかとても可愛らしく似合っている。

目は大きめでぱっちりしており、より童顔を強調していた。

スタイルは制服の上からはよくわからないが、確かにわかるのは胸元が大きく膨れ上がっていることだろう。

 

 

 

そこから顔見知りなのか、女の子が一方的に色々話しかけていた。

緑谷の方は女の子と話し慣れていないのか顔を赤くしながら照れていた。

 

そこで、翔のことを思い出したのか、慌てて彼女を紹介しだした。

「あ、ごめん、天野くん!彼女は麗日さん。」

 

緑谷のセリフに、天野の存在に気がつく慌てて挨拶しだした。

「あ、私、麗日お茶子!よろしくね天野くん!」

お茶子は翔の顔に驚きながらもそう答えた。

 

「よろしく、お茶子さん。僕は、天野翔。うららかおちゃこ、とても綺麗な響きだね。字はどんな字を書くの?」

翔はそんな綺麗な名前に驚き、挨拶をしたら字を聞き出した。

 

「え、えぇーー?!え、えっと、こんな字だよ!」

お茶子はペンと紙を取り出し自分の名前を書いた。

顔は真っ赤である。ここまで直球に名前を褒められたことがなく、しかもそれが異性のためか、すごく照れていた。

 

「本当に綺麗な名前だね。」

翔はお茶子が書いた字を見て、笑みを深めて再びそう漏らした。

それを聞き再びお茶子は照れていた。

 

それを見ていた、緑谷、その他大勢の男はただただ驚愕するしかない。

恥ずかしげもなく、直球で褒めるその姿勢に、女性との会話に慣れているのか、気負うことなく、簡単に可愛い女の子と仲良くなってしまった、その光景に。

 

 

「また翔のやつ。ばか。」

そんな光景を見ていた、一佳は誰にも聞こえないような声で、頬を膨らませながらそう漏らした。

 

 

 

 

 

 

 




ごめんなさい。一佳がヒロインのためB組だとちょっと面倒なので一人B組へと飛ばします。
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