天翔ける竜   作:アルアール

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雄英高校入学式②

翔たちが入り口付近で会話をしていると何やら声が聞こえた。

 

「お友達ごっこをしたいならよそへ行け。」

そんなボソッとした、やる気の感じられない声が聞こえたのは廊下からだ。

 

そこには寝袋に包まれて横になっていた男の人がいた。

彼はイレイザーヘッド。

本名は、相澤消太(あいざわしょうた)。

180を超える大柄であり、黒い髪を肩より長く伸ばしているが、手入れをしていないのであろうぼさぼさの髪。

ドライアイなのか充血した目。

そして特徴的な大きなマフラー。

 

 

そんな彼の声が聞こえて教室から生徒たちの声消えると、相澤は寝袋で立ち上がりチャックとおろして、中から出ると、またボソッと声を漏らした。

「はい、君たちが静かになるまでに8秒かかりました。時間は有限、君たちは合理性に欠けるよ。ちなみに、僕は君たちの担任の相澤消太。よろしく」

 

誰もが、彼の挨拶に驚いているとまた言葉を続けた。

「突然だか、これを着てグラウンドに出ろ。」

彼は自分が入っていた寝袋から運動着を出してそう言った。

 

 

 

それから男子は男子、女子は女子と体操着を受け取って更衣室に向かっていた。

 

翔が同じように更衣室に向かっていると後ろから声がかかる。

 

「よう!天野!俺は切島鋭児郎!よろしくな!それよりお前すげーなぁ。あの女の子になんな直球に褒めるなんてよ。」

 

そう声をかけてきたのは、切島鋭児郎(きりしまえいじろう)。

身長は170ほどであり、赤い髪で、真ん中がオールバック風になってるのが特徴の男だ。

 

「ほんとに、マジですげーな!天野!あ、俺は上鳴電気よろしくっ!」

彼に続いて話しかけたのは上鳴電気(かみなりでんき)。

身長は168ほどであり、黄色の髪の毛を右から左に流している、長めの髪が特徴であり、チャラそうな見た目をしている男だ。

 

「くそぉーーー!羨ましいぞおーーーー!オイラに彼女を紹介してくれよぉ〜!」

翔に泣きながらすがりついてきたのは峰田実(みねたみのる)。

身長は100センチほどしかなく、紫のブドウのような髪をしている男だ。

 

翔は、彼らのそんな様子に苦笑いを浮かべながら友好を深めて行った。

 

 

 

一方女子の方では、一佳が積極的にあの女の子、麗日お茶子に声をかけていた。

「私は拳藤一佳。よろしく、お茶子ちゃん。」

 

「うんよろしく!一佳ちゃん!」

一佳に話しかけられたお茶子は友達ができることに嬉しいのか、笑顔で返していた。

 

一佳は着替えながらそんなお茶子の体を見ていた。

しっかりと鍛えられており、すらっとした足。

キュッとくびれた綺麗なくびれ。

一佳ほどではないは少し子供っぽい花柄のブラジャーから覗く大きめの谷間。

シミひとつ見当たらない綺麗な肌。

 

自分より可愛いのではないかと一瞬危惧したが、

胸が勝っていたことに安堵したのか、少し表情を柔らかくして色々と自分について話していた。

一佳は翔と幼馴染であることを、少しばかりの牽制の意味を込めて教えたが、お茶子は全く気にすることなく驚いているだけだった。

 

「そういえば、お茶子ちゃん翔に名前褒められて顔真っ赤にしてたねぇ〜。もしかして?まさかのもしかして?」

一佳は自分が1番気になっていることをさりげなく聞いた。

顔は笑ってはいるが、目が笑っていなかった。

 

お茶子はそんな一佳に気がつくことなく、少し顔を赤らめながらも答えた。

「いやいや!ただ照れてただけだよー!翔君顔はかっこいいからさぁ。私そういうの興味ないよ!!」

 

一佳はお茶子が嘘を言っているようには見えなくそれで、ようやく安堵の息を漏らしていた。

 

 

 

 

 

 

生徒たちがグラウンドに集まると、そこにはボール投げのためか白線を引かれて準備してあった。

 

「えーこれから個性把握テストをする。」

生徒たちが集まるのを確認すると相澤はそういった。

 

それを聞いた生徒たちは各人が思っていたことを口に漏らす。

「えー!入学式は?!ガイダンスは?!」

お茶子は入学式を楽しみにしていたのか残念そうにそう漏らした。

 

 

 

それから個性把握テストの説明が始まった。

 

相澤によると、今まで中学校で行なっていた個性を禁止していた体力テストの個性を使用して測るものらしい。

 

彼によると、今の時代個性を禁止して子供達の運動能力を測ることは無意味であり、合理性に欠ける、とのこと。

これは、文部科学省の怠慢だ。とため息を漏らしていた。

 

一方個性を解禁しての体力テストに興奮してきたのか、各人が喜びの声を上げていると、それを見た相澤は何を思ったのかこんなことを言った。

 

「よし、8種目トータルで最下位の者は除名処分としよう!」

相澤は唇を釣り上げて獰猛そうに笑いならそういった。

 

「「「はぁぁあああああ?!?!」」」

 

生徒たちから驚きの声が上がった。それはそうだろう。まだ入学して1日も立っていたいのに、除名になるかもしれないからだ。

 

しかし、流石にこれは先生の嘘であろうと思っている生徒多かった。

その中で、彼、翔が納得いった表情で声を漏らす。

 

「.....。そうか、だからAクラスだけ一人多めに21人生徒を取っているのか....。これは、予定調和だ。」

 

そう声を漏らした声が聞こえたのであろう、周りの生徒はそのことを理解したのか、より一層顔を青ざめ出した。

 

その中で1番顔を青ざめているのは、緑谷であった。

 

ここで緑谷の個性の説明を使用。

彼の個性は「ワン・フォー・オール」である。

これはオールマイトと同じと思うだろう。

そう、全く同じだ。

もともと、個性「ワン・フォー・オール」とは人へ譲渡できる能力がある。

人から人へヒーローの意思とともに受け継がれてきた個性である。

オールマイトは元々自分の後継者となる者を探しているときに緑谷に出会い彼に託そうと決め、彼はオールマイトの個性を受け取ったのだ。

 

しかし、オールマイトの個性は、強力だ。

強力であるが故に、体もできておらず、受け取って数週間のの緑谷に制御をしろというのは到底無理な話であった。

彼ができるのは、0か100。

個性を使わないか全力で使うかのみである。

しかし彼は個性を使うと衝撃がひどく一発で腕をダメにしてしまうため、今回の個性把握テストは個性なしで受けなければならなかったからである。

 

 

 

 

 

それからお手本ということで初めにボール投げを一人の生徒がすることになった。

 

「えーじゃぁ、見本として今から実技成績1位のやつにボール投げをやってもらうか。こい、天野。」

 

「はい、わかりました。」

 

相澤の言葉に天野は返事をして腕をまくりながら前へ出た。

それを聞いた爆豪は大きく舌打ちをしていたが、彼には聞こえなかった。

 

「あぁ、円の中から出なけりゃ何をしてもいいぞ」

 

相澤のその言葉に翔は準備を始めた。

 

翔は相澤から距離を図れる機械でできた特殊なボールを受け取ると、

体の中にある力を練り込み全身に行き渡らせる。

 

全身に力が行き渡ったのを確認すると右手にボールを持ち、おおきく振りかぶって力を極限まで込めながら腕を振り抜いた。

 

「おぉーー!」

周りから驚きの声が漏れた。

 

投げられた球は半円状を描きながら地面に落ちた。

 

「記録は....。620メートルだな。」

相澤が翔の飛距離をタブレット端末で表示しながらみんなに見せて、教えた。

 

「うぉーーー、すげぇーーー!」

その飛距離に自分も早くやりたいのか、それぞれが言葉を漏らす。

 

 

 

 

そして個性把握テストは始まった。

 

 

 

初めは50メートル走からだ。

基本的に、記録は2回取るため、彼は1回目は普通に人の状態の、力を練りこんだ状態で挑む。

 

翔とともに走る女の子に挨拶しつつ、全身に力を浸透させる。

 

合図とともに、足に力を込め、強く踏み込む。

翔が走り終わりタイムが出ると4秒38であった。

これが翔の人間の時の限界である。

 

翔は再びスタート位置に戻ると言葉を漏らした。

 

「うーん。一部分だけ竜化したらもうちょっと伸びるかな。」

 

翔はそう呟くと、突然、靴を脱ぎ始め、ズボンをまくっていく。

 

「あいつどうしたんだ?靴脱いで。靴擦れでも起きたか?」

切島がそう疑問を口にして、上鳴もそれに続く。

 

「そうじゃね?次のテスト大丈夫か?」

 

「翔は大丈夫だよ。まぁ見てなって。」

上鳴の心配に、一佳が大丈夫と言うと、上鳴が一佳から視線を外し、翔を見た。

 

 

翔は一部分だけ竜化することを少しだけ苦手としていた。

一部分だけ竜化しても戦えなくはないが、全身竜化よりはるかに神経を使うため、戦闘では基本全身竜化している。

しかし、個性把握テストではそれだけに集中すればいいため一部分だけ変化することができる。

 

翔は太ももあたりまでズボンを捲ると部分変化を始めた。

足から鱗が生え始め、足を覆っていく。

太もものあたりまで生え揃うと、翔は準備をするために、地面を掘っていく。

 

「おぉー!足が変化したぞ!鱗か?あれ?なんか生えてきた!」

切島が翔の個性を見て興奮気味に声を上げた。

 

 

「.....。へぇ。」

翔の変化を見た相澤は声を漏らす。

 

「先生!準備ができました!始めてください。」

そして準備が終わったのかスタートと体制に入った、翔は相澤に声をかけた。

 

翔は盛り上げた土でクラウチングの体制に入ると両手を地面につき、獣が走る体制を作った。

 

翔と隣の女子が準備を終わったのを確認すると、スタートの合図を出した。

 

翔はうちにある力を全身に浸透させると身体能力が劇的に上がる。

それは筋力だけではない。

反射神経、時間の認識速度も上がるのだ。

 

0.01秒単位で認識できるためスタートの合図がなった瞬間に、右足にためていた力を利用し、地面を蹴り上げるように前へと飛んだ。

スタート地点から半径1メートルほど地面から2、30センチ沈むほど衝撃により地面が割れた。

 

 

一回の飛びで35メートル弱飛んでいたので、地面につく瞬間に左足に貯めていた力を利用してまた地面を蹴り上げ、飛んだ。

 

 

 

「お、おぉーーーー!は、はや!あいつめっちゃ早いやん!!!!!!」

 

「や、ヤベェ才能マンや、才能マン!」

 

切島や上鳴などがそれぞれ声をあげる。

 

 

 

驚くことに、翔はたった2歩で50メートルを走りきったのだ。

 

 

 

翔のタイムは、2.02秒であった。

 

 

 

 

 

 

 

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