天翔ける竜   作:アルアール

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雄英高校入学式③

翔は50メートルを走り終わり、みんなが待っている場所へ向かった。

 

「いやー!天野すげーな!!お前!個性はなんかカッコいいし!」

切島が興奮気味にそう言ってきた。

上鳴も同意するように首をブンブン振っている。

 

「ありがと、それより、君たちも頑張ってね。」

翔は疲れた様子も見せずに彼らを鼓舞する。

 

順番が回ってきたのか、切島と上鳴は準備に入った。

 

 

 

それを尻目に、翔は自分の個性について考えていた。

 

実は、翔がさっき行った部分竜化もそうだが、普通に全身竜化をする際にはただ、竜化を行なっているだけである。

 

実際に、人間の時に行う内にある力を全身に行き渡らせるようなことはしていない。

 

そもそも竜化の時点で強力であるため、わざわざ全身に力を行き渡らせずとも良かったからだ。

訓練では、それを行なったりはするが、それをすると竜人化の持続時間が30分ほどに縮んでしまう上に、ひどく疲れるため、よほどのことがない限り使わないと決めていた。

 

 

「もし使ったら、1秒切れたかな?」

なんて少し残念がりながらも、そう呟いた。

 

 

それをたまたま耳にした人がいた。

爆豪である。

 

彼は翔にトップを引き摺り下ろすと宣言してから、個性把握テストを見て彼の個性をどのようなものか先程から考えていた。

 

しかし、蓋を開けて見たら、2秒弱と言う。自分で出来るか?と一緒の敗北感を味わう結果となっていた。

 

その上そのセリフである。

 

(クソが!まだなんかあるのか?!)

 

彼は自分が1番出ないのが許せないのだ。

 

そしてついに爆豪の番がきた。

 

爆豪とともに走るのは彼が目の敵にしている緑谷である。

彼は、爆豪と走ることが怖いのだろうか、ビクビクと爆豪の顔色を伺っていた。

爆豪がそんな緑谷の様子を見て、先程から、翔に対してのイライラに加えて、余計に機嫌が悪くなっていく。

 

(クソデクの分際でそんな目で見てんじゃねーよ!!!まさか、こいつ俺を憐れんでるのか?!)

 

彼は入学時点で自分が1番じゃなじゃなかったことで少しばかり自信が折れそうになっていた。

ただの自意識過剰であり、疑心暗鬼に陥っていた。

 

 

 

二人が準備につくのを確認すると相澤は合図を鳴らした。

その瞬間に二人は走り出す。

やはり、運動神経は抜群なんであろう、爆豪は緑谷よりも早く一歩を踏み出した。

彼は一歩を踏み出した瞬間に、両手を後ろへ向け、手から出るニトロを爆破させ、爆風により、エンジンのごとく加速する。

一度加速し、空中に浮くとこまめに連続で個性を発動することにより地面へと足とつけると言うタイムラグを消し、走りきった。

 

 

タイムは4.13秒であった。

 

それを聞いた爆豪は走る前の緑谷へのイライラ以上に、自分が1番ではない、翔に負けたことへの悔しさでいっぱいであった。

唇を噛み締め血を垂らす。

 

 

 

 

 

 

 

50メートル走が終わることにより次々と種目を行なっていく。

2種目目は握力測定。

翔は1種目目と同様に、今度は腕だけを部分竜化をして測定した。

 

340キロ

 

3種目目は、立ち幅跳び。

 

翔は今度は翼を使い飛ぼうと考えたため、流石に服を脱がなくてはいけなかったため、上着を脱いだ。

 

 

 

 

そんな様子をお茶子がぼーっと眺めていたため、心配になって彼女の友人の女の子が声をかけた。

「お茶子どうしたの?ぼーっと見つめて、何かあったの?」

友人の女の子はそっち系には疎いのだろうか純粋に疑問を投げかけた。

 

「え、えぇ?!私ぼーっとしてた?!あ、あれーなんでかなぁ〜。」

お茶子は友人の言葉にハッと気がつき顔を赤らめながらもそう答えた。

 

実際なぜ見ていたのか、わからないのである。

彼女の初恋はまだであるため、なぜ見つめていたのか、わからないのである。

 

(か、翔君、かっこいいもんね。見ちゃっても仕方ないよ。うんうん。)

お茶子はそう自分にいい聞かせて一人で納得していた。

 

 

翔は上着を脱ぎ上半身を裸にすると肩甲骨の辺りから羽を生やし始めた。

羽を生やした影響であるか、羽の周りを中心に脇腹まで鱗が所々生えていた。

 

翔は1時間以上は飛んでいられることを相澤に告げたら

「じゃぁ、測定不能ってことでいい。お前以上の記録がいない場合はこの種目のトップで表すから。」

 

翔の記録 無限

 

 

4種目目 反復横跳び

 

 

翔はこれはどのようにもできないため内にある力を全身に行き渡らせ、反射速度と時間の体感速度を上げ、極限まで地面にいる時間を短くして対処した。

 

記録79回

 

 

5種目目 ボール投げ

 

測定の順番は名前順なため翔が1番始めであった。

この競技も翔は握力測定と同様に腕の部分竜化で対処した。

 

 

記録 890メートル

 

 

翔が、記録測定を終え、切島たちと話していると、声が聞こえた。

 

「な、なんで?!い、いま確かに使ったはず!!」

緑谷が記録を図っていたのであろう、円の中にいて、ひどく焦った顔をしていた。

 

「なぁ、天野。やっぱ緑谷やちっとまずいよなぁ。他の種目もほぼ後ろから数えたほうが早い結果だったし。」

切島が真剣そうに緑谷を見ながら天野に話しかけた。

 

「そうだね。でもいま彼は個性を使おうとした。でも、発動しなかったらしい。たぶん、先生に消されたんだ。イレイザーヘッドの個性で。それだけ危険な個性なのかどうか....。」

天野も緑谷を見ながらそう呟いた。

 

 

緑谷は相澤に何か言われているらしいがこちらからは聞こえなかった。

 

緑谷は円の中心に戻ると、何かを決心したかのような顔をしていた。

 

相澤からの合図があり、緑谷は深呼吸をした。

そして右手を牛をまで伸ばし大きく振りかぶり、そして、先程、何もなかったものとは違い、投げると同時に衝撃波が発生し、ボールは勢いよく飛んで行った。

 

 

記録は、705メートル

 

「お、おーーー!緑谷やるじゃねーか!!スッゲーなぁ!!」

切島が興奮してそういうと、周りも同じことを思っていたのか興奮して声を上げていた。

 

「本当にすごい、でも.....。なぜ個性を使うだけであんな負傷を?それほどデメリットがすごいのか...?」

翔も緑谷の記録に驚きながらも、彼の手の人差し指が尋常じゃないほど赤黒く腫れ上がっているのを見てそう分析した。

 

 

「やっとヒーローらしい記録でたねーー!すごいよーー!」

お茶子が興奮した様子でそう言った。

 

 

(な、なんだあのパワーは?!個性の発言はもれなく4歳までに起こる。じゃぁなんだあのパワーは?!無個性のあいつが出せるわけねぇーだろ?!)

 

爆豪は緑谷が無個性であることを知っていたため人一倍驚いていた。

 

(もしかして、もしかしてあいつは、個性のことを俺に今まで、ずっと隠してきたのか?!それでばかにしてたのかよ?!)

 

爆豪はその考えに思い至り、よほど許せないのか怒りを爆発させて、緑谷に詰め寄った。

 

「どういうことだ...。訳を言え!デクテメェ!!!(俺を騙してたっていうのかよ!!)」

爆豪が個性を発揮しながら緑谷に詰め寄ったため、相澤の個性によって爆発が消され、彼のつけていた特殊なマフラーにより拘束された。

 

「ひぃっ!」

緑谷が恐怖で悲鳴を上げたが爆豪の拳が届くことはなかった。

 

「くっっっっそがぁ!!!!」

それからしばらくして、爆豪が落ち着いたのを確認して相澤は拘束を解いた。

 

「ウォー、デクくん大丈夫?!すごい怪我だよ?!」

お茶子は緑谷怪我に気がついたのか心配そうに駆け寄った。

 

 

 

 

 

6種目目 上体起こし、

7種目目 長座体前屈は個性ではどうしようもなかったため

普通に測った。

 

上体起こし、36回

長座体前屈53センチ

 

 

 

そして最後の8種目目の持久走

 

 

これは2回測ることはないらしい。

それはそうだろう。何キロも走る持久走が、2回もあるのは地獄以上のものはない。

 

 

翔は、持久走と言うからには直接走らなくてはいけないのか疑問に思い、相澤に聞きに行った。

 

「相澤先生、持久走は羽を使ってもいいですかね?」

 

そうかけるが尋ねると、相澤はなんでもないように答えた。

「個性ありでって言っただろう?個性を使ったものならなんでもいい。」

 

 

 

21人全員がスタートラインに立つとそれぞれ準備を始めた。

1番目立っていたのは女性にしては身長が170もあり大きめの女の子だ。

彼女の名前は八百万百(やおよろずもも)。

艶のある黒髪をポニーテールに縛っている顔はしっかりと筋の通った鼻であり、少しツリ目気味の綺麗な目。日焼けを知らないのかきめ細やかな肌。

スタイルは身長に比例して誰よりもいいかもしれない。

すらっとした足に高い腰、キュッと引き締まった腰のラインから一佳以上にあるのではないかと思はれる胸へかけてのラインは黄金比といっても過言ではない。

 

彼女は、体の表面から自分の知識にある物を創造することができるらしく、何やら機械のパーツを取り出し、バイクを作っていった。

 

 

翔はこれを見て本当に個性を使うのならなんでもいいらしい、と思った。

 

 

 

スタートと同時に走り出し1番先頭を走っていたのはやはりバイクに乗っている、八百万出会った。それに続くのは左が赤、右が白という特徴的な髪をしていて、赤の髪の方にある目から頭にかけて火傷の跡がある男だ。彼の名前は轟焦凍(とどろきしょうと)。

彼は火と、氷を作り出せる個性も持っており、地面を凍らせて滑ることにより八百万に続いていた。

 

彼らが走っていると突然影か通った。

不思議に思い、上を眺めてみると、翔であった。

翔はみんなが走り出した途端に背中から羽を生やした勢いよく飛び上がり羽ばたいた。

 

 

 

 

 

全ての種目が終わり相澤からの結果を、生徒たちは不安そうな表情で伺っていた。

これで除名処分が出る人が決まるのだから。

 

「じゃぁ一人一人言うのが面倒だから一覧で出すぞ。」

相澤はそう言うと、空中へと順位表を投影した。

 

上から

一位 八百万 百

二位 天野翔

三位 轟焦凍

四位 爆豪勝己••••••

 

••••••二十一位 緑谷出久

 

 

 

と言う結果が投影された。

 

みんなは自分が最下位ではなく喜んで入るが、やはり除名処分にになるのだろうかと、みんな緑谷を見つめていた。

 

 

 

そんな時の声がかかった。

 

「除名処分っていうのは嘘だから。君らの本気を出させるための合理的虚偽。」

相澤はなんでもないようにそんなことを言った。

 

「はぁぁあああああ?!?!」

 

それを聞いた生徒たちは、安堵のためか、怒りのためか、声を上げた。

 

 

「デクくーん!よかったね!」

お茶子が緑谷にそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

それからは、各自更衣室に向かい着替えている。

 

「おーい。緑谷大丈夫か?その指?めちゃくちゃ痛そうやけど。」

切島と、上鳴が若干引きながらそう聞いた。

 

「だ、大丈夫。けれど、一応保健室に行ってくるね!」

緑谷は痛みに我慢して、表に出さないようにししながら着替えを終えて、保線室に向かった。

 

 

 

 

これで今日の行事も全て終わったため、翔は、一佳と仲良く二人で帰っていく。

 

「翔、今日は。楽しかったね。」

一佳が翔に顔を向けることなく歩きながらそう言った。

 

「そうだね、楽しかった。三年間楽しみだね。」

翔も一佳に顔を向けることなく歩きながら同意する。

 

 

 

 

こうして彼らの雄英高校の初めての1日が終わった。

 

 

 

 

 

 

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