「さぁ、演習を始めよう!ヴィラン退治は統計によれば屋外で見られることが多い。しかし凶悪犯罪などは屋内で行われることが多い!
監禁、軟禁、裏商売などな!よって今日行うのは室内における戦闘訓練だ!」
彼、翔がオールマイトの元に集まると、オールマイトは今日の趣旨を説明し出した。
その後すぐに生徒らから、オールマイトの説明に対して疑問に思ったことをそれぞれ口にする。
流石のオールマイトでも全てを聞くことができなかったのか、慌てた様子で、カンペらしきノートを取り出した。
オールマイとはそのカンペを見ながら生徒の質問に答えていく、
オールマイトの説明をまとめるとこうだ。
演習内容は、室内における戦闘訓練。
訓練が行われる場所は、市街地エリアにある一つのビル。
5階建くらいのビルだ。
制限時間は15分。
くじにより2対2の、ヒーローチームと、ヴィランチームに分ける。
予め、この訓練の目的を決めていたようだ。
設定は、ヴィランは自身のアジトに直径2メートルほどのロケット型核兵器を隠し持っている。
ヒーローはその情報を独自のルートで手に入れることができた。
ヴィランは1〜5階まで好きなところに核兵器を隠すことができる。
ヴィランの勝利条件は、15分以内に、ヒーローチームに核兵器にタッチされないこと、ヒーローチームを全滅させることだ。
ヒーローチームは時間になったらビルの中に侵入し、核兵器を探す。
ヒーローチームの勝利条件は、ヴィランチームを全員倒すか、核兵器にタッチすることだ。
この説明をオールマイトが終えると、翔は自分が疑問に思ったことを口にする。
「先生、Aチームは21人いるんですが、どうしましょう?一人余ってしまいます。」
他の人もそれに気がついたのか同じく疑問の声が上がっていた。
「うーん、そうだね、ヴィランチームとヒーローチームの組みはくじで決めるからそれだけ一人用のくじを用意しよう!最後に2ペアできたグループの代表にまたくじを引いてもらって、残りの一人を選んでもらおうか!」
オールマイトは一瞬、悩んだそぶりを見せるが、そう言葉を告げた。
「チームは、くじで決めるのですか?!」
飯田天哉は、くじで決めることに驚いたのか疑問を口にした。
「ヒーロは、災害時は即興のグループを作って活動するからそれを見据えたんじゃないかな!」
飯田の疑問を聞いた緑谷は飯田に自分が思ったことを口にする。
「なるほどそういうことか!流石オールマイト先生だ!」
緑谷の説明に納得したのか、飯田は感激してるると体で表現しながらオールマイトに頭を下げていた。
「貴方達、それよりもっと大切のなことがあるでしょう?
オールマイト先生、15分という制限時間の中でこれ以上バランスを崩すと、流石にどちらかに有利すぎではないでしょうか?」
緑谷と飯田のコントのような会話を聞き、呆れた風に言葉を発したのは八百万百。
彼女は自分の体の表面から生物以外の物質を想像できるためか、肌面積が非常に多く、彼女のスタイルがいいことが合わさり非常に卑猥な格好になっていた。
お腹を出した、上着ではあるが、彼女の胸を覆う布面積が非常に少なかった。
彼女は胸の先端にある1番大事な部分を脇の方から少し覆う程度で、動けばめくれるのではないかと思うくらいであった。
八百万が質問を投げかけたのを聞き八百万を見ると、八百万を見た翔は流石に理性が働いたのか、一瞬胸に視線が行ったものの強引に顔を彼女の顔に向けた。
「おいおい、流石にあれはやばくないかな。」
翔は苦笑しながらも、誰にも聞こえないような声でそう漏らした。
八百万の質問を聞いたオールマイトは予め考えていたのか、スラスラと言葉を発する。
「そうだな!流石にそれではどちらかに有利すぎだろう!3人チームになった方はハンデとして、仲間内での通信をできないようにしようか!」
今回の演習では仲間内での連絡のやり取りをするためにそれぞれ通信用のインカムを渡されるが、3人チームの方は通信機械の故障という設定を盛り込んだ。
そしてクジを引くようにと、オールマイトは生徒達に自らが用意したクジを引かせる。
「僕が一人かぁ。」
翔は自分のせいで自分がいくチームが通信不良という設定が加わってしまうことに罪悪感を覚えながら、そう言葉を漏らす。
チーム分けは決まった。
Aチーム 麗日お茶子 緑谷出久
Bチーム 轟焦凍 障子目蔵
Cチーム 八百万百 峯田実
Dチーム 爆豪勝己 飯田天哉
Eチーム 青山優雅 芦戸三奈
Fチーム 砂藤力道 口田甲司
Gチーム 上鳴電気 耳郎響香
Hチーム 蛙吹梅雨 常闇踏陰
Iチーム 拳藤一佳 葉隠透
Jチーム 切島鋭児郎 瀬呂範太
Kチーム 天野翔
「よし決まったな!じゃぁ次はKチームのみとなった天野くんをどのチームに入れるか、クジを••••。」
オールマイトがくじが最後まで終わったのを確認すると、翔をどこに入れるかくじで決めると言っている時、生徒達の中から一つ声が聞こえた。
「先生、もしよかったら、俺たちの相手チームに入れてくれないか?」
そう言葉を発したのは、身長175前後の左右で髪の色が、白と赤とのツートンカラーの少年、轟焦凍だった。
「轟、本気で言ってるのか?」
流石に自分のチームメンバーのセリフに驚いたのか、障子が本気かどうか彼を横目で一瞥しながらそう尋ねた。
「ふむ、別にいいが理由は何かね?轟くん。」
オールマイトも本人達がいいのであればと、気にはしないが一応理由を聞くことにした。
「あいつが、入試一位の天野ですよね?それが理由です。俺は自分の実力が知りたい。」
轟は障子の疑問に気にすることなく、いつもはクールであるためか無表情なことが多かったが、今は少し笑っていた。
そのようなことがあってか翔は轟の敵チームに入ることになった。
敵チームは試合前に決めるらしく、翔は予めチームメンバーを知ることができなかったが、それもハンデの内と諦めることにした。
そうして訓練は始まろうとしていた。
「よーし、はじめのチームは、こいつらだーーーー!
ヒーローチームがAチーム!ヴィランチームがDチームだ!
残りの生徒は、観戦ががしやすいようにモニタールームへ移動してくれ!AチームとDチームは準備を始めてくれ!」
オールマイトはチームのボールが入った箱から二つのボールを取り出してそう言った。
Aチーム 緑谷出久 麗日お茶子 VS Dチーム 爆豪勝己 飯田天哉
翔はオールマイトの言葉に従って皆んなと揃ってモニタールームへと来ていた。
モニタールームの前では、4つのモニターがありそれぞれ一人ずつ映っていた。
「よっ!翔!一人になっちゃったね!」
一佳は翔のすぐ隣まで来るとおどけた風にそう言った。
「あはは、そうだねぇ。やっぱ味方チームに申し訳ないかな。轟の敵チームになっちゃったし。」
翔は一佳のそんな様子に苦笑しながらもそう言った。
『時間だ!それでは始めてくれ!』
そうして準備時間が終わりを告げたのか、オールマイトがマイクを持ってスタートの合図を出した。
やはりと言ったところは初めに動いたのは、爆豪であった。
作戦外なのであろう、慌てた様子で飯田が爆豪を制止するがそれに止まる爆豪ではない。
爆轟の目には何が映っているのだろうか。
その目には一人しか写っていない。
その、彼の個性のように燃え上がる感情を胸に、彼は扉を勢いよく開けて飛び出した。
「くそ!爆轟くん!」
飯田もすでに彼に言葉は届かないのであろうと思ったためこれ以上彼を追いかけるのをやめる。
幸い、彼は戦闘力ならトップクラスであるためか、その行動が裏目に出ないことを祈りつつ自分のできることをしようとした。
彼が初めに思ったことは相手の個性であった。
「緑谷くんと、麗日さん。
多分だが、緑谷くんの個性は超人的な衝撃を放つだろう個性だ。
見た限りだと、まだ制御ができないのか、一回で腕をダメにしてたから早々使ってこないだろう。それにこっちは核を所有している。あんな威力の個性は使わないか。
問題は、麗日さんだ。彼女の無重力の個性は強力だ。落ちているものなら軽々と放てるからこの部屋のものでも排除するか。」
飯田はそう分析すると、内装もされていないコンクリートの壁、床を見渡し、彼女の武器になりそうなものを排除して行った。
一方飛び出した爆豪の内心は穏やかではない。
「くそくそクソガァ!!!!くそデクが!!やっぱ俺を騙してやがったか!!!」
そう口にした爆豪は少しでも怒りを発散しようとしたのか、個性を使って加速する。
彼はこの訓練が始まる直前に飯田にある事を聞いていた。
それは緑谷の個性の有無だ。
飯田はそれにあれは強力な個性だと答え自分の考えを話していったが、それ以上爆豪の耳には届かない。
彼はそこではっきりと、自分は緑谷に騙されていた。と思ってしまった。
彼は常にトップであった。
人よりなんでもできる。それゆえか彼はなぜ周りが何もできないのか不思議でならなかった。
そして個性が発揮すると同時に、気がついてしまった。
ーーーそうか....。みんなができないんじゃない。俺がすげーんだ。俺が最強なんだ。
と。
それからは金魚の糞よろしく、爆豪のすごさに目を輝かせながら彼の後ろをついて回る緑谷は彼にとって当たり前となっていた。
(それがだ、それがあいつはあの時、いい気分になっていた俺を騙していたのか?
あいつは、内心では自分の方がすげーって思ってたのか?!)
爆轟の内心は穏やかではない。
緑谷の個性を見て一瞬すごいって思ってしまった自分、今まで自分を騙していた緑谷。
彼はこの感情を発散できないままでいた。
この回でわかったと思うのですが、尾白くんにはB組に移動してもらいました。