天翔ける竜   作:アルアール

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ヒーロー基礎学③

爆豪はヒーローチーム、緑谷を探していると足音がきたためとっさに身を隠す。

心の中では激情が渦巻いてはいるが、彼はこれでも、誰よりも戦闘センスが高い。

 

 

「おらぁ!!!!」

爆豪が通路の脇に身を隠し、緑谷の姿が見えると同時に飛び上がって殴りかかった。

 

緑谷も、爆豪の声が聞こえたためか、殺気を感じたためか、反射神経のごとく反応することができたが、彼にできたことといえば、お茶子を寸前に脇へ突き飛ばし防御態勢に入ることだけだった。

 

緑谷は爆轟のパンチの威力に負けて壁に激突する。

「かはっ!」

 

「で、デクくん!!!」

お茶子は、爆豪の声で襲撃に気がついたもののなにもすることができなかった。次に気がついたのは、自分が緑谷に突き飛ばされて、彼が壁に激突していたことだった。

 

 

それをモニターで見ていた者の反応は賛否両論であった。

 

「爆豪、あいつずりーな!!」

ヒーローであり、漢であるなら奇襲なんて卑怯な手ははできるか!!!と言う、切島。

 

「いや、本当に爆豪の戦闘センスは高いね。見た感じすごい切れてたように見えたけど、足音を聞いた瞬間一瞬で身を隠したよ。」

翔は初めから注目していた爆豪の行動に、さすがと言うふうに賞賛した。

別に翔にとって爆豪がどのような性格であろうと気にしない。

ただ爆豪に自分をトップから突き落とすって宣言されたためか、少し他の人より注目していたのだ。

 

彼のセリフを理解できたのか、数名頷いていた。

 

「そうですわね、あんな性格ですが、彼は戦闘においてはこのクラストップかもしれませんわ。」

八百万が胸の下で手を組んでいるためか、胸が持ち上げられて強調されながらも、爆豪の行動を見ていた。

 

翔はその胸を横目でチラッと確認しながらも、再び爆豪のモニターに注目した。

 

 

「わ、私の言うことが....。」

オールマイトも爆豪の行動を擁護しようとしたのか、言葉を発しようとしたが思った以上に彼の行動を見ていた二人に言われてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

爆豪の目にはすでにお茶子は入っていない。

彼はこの試合を利用して、どれだけ緑谷でイライラが発散できるかしか考えていなかった。

 

「試合が中断されないように手加減してやっからヨォーー!!!!」

爆豪はそういいながら、自分の癖とも言える、右手をおおきく振りかぶって殴りかかった。

 

 

緑谷はそれを知っていたかのように、とっさに体を半身ずらして躱すと同時に、爆豪の右腕を両手でつかみ、背負い投げを打った。

 

「っっっ!ぐっ!」

爆豪は自分の攻撃が躱されるとは思っていなく、ましてや反撃が来るなんて夢にも思っていなかった。

 

 

「クソが!!!なんで俺の動きがわかりやがった!!!」

爆豪は焦った様子で立ち上がり緑谷の反対側にバックステップで距離をとった。

 

「どれだけ見てきたと思ってる!僕がどれだけ君にのそばにいたと思っている!!!僕は、君がすごいと思ってる!僕は自分がすごいと思っているヒーローは必ず研究してたんだ!僕がどれだけ君を研究したと思ってる!!!」

緑谷は、怒れる爆豪に向かって意を決したかのように声を上げた。

緑谷にとってこれが、爆豪へ近ずく第一歩であった。

 

 

 

そんな爆豪の内心は穏やかではない。

ーーーなぜだ、なぜだ、なぜだ!!!!!!

 

ーーー俺がすごい?!ふざけんじゃねぇぞ!!!

 

ーーーお前は嘲笑ってたんじゃねぇのか!!!

 

ーーー今まで俺を騙しておいて!!!

 

 

爆豪は緑谷に言われたことが心に響いたのかはわからない。

これは、怒りが爆発したのかもしれない。

 

それでも、彼の心では、

あのヘドロ事件で感じた胸の痛みが再び強く感じた。

 

 

 

 

 

「おおおおーーー!!!緑谷やるじゃねーか!!」

それぞれの生徒がそう口に漏らす。

 

 

「あれ完全に緑谷くん、爆豪の動き読んでたわね。」

ケロケロと語尾に続くように、いつのまにか、一佳とは逆方向の彼の横にきていた梅雨がそう声を漏らす。

 

入学試験と同様の、体にピタッと張り付く緑色のコスチュームを着ていたため胸の大きさがダイレクトにわかり、

そのコスチュームを押し上げる胸を見て、翔はこの学校には巨乳しかいないのか、と慄きながらも平常心を保って梅雨に言葉を返す。

 

「そうだね、幼馴染だって聞くし、もしかしてあの動きが癖なのかもね。」

翔は梅雨に顔を向け笑顔でそういった。

 

 

 

それから、何かの作戦なのか緑谷は爆豪の注意を引くように、逃げ出した。

爆豪は、自分の個性を使って、それを追っていく。

 

その隙に動いたのは、今まで息を潜めていたお茶子だ。

彼女は核兵器を探すために虱潰しに部屋を回っていった。

 

すると5階の部屋でそれを発見した。

お茶子は中の人にバレないようにしていた扉から瞬時に中に入り、部屋の中にある柱に身を隠す。

幸いにも中にいた、飯田は自分がヴィランになりきるように、練習していたのか、高笑いをしていたため気がつくことはなかった。

 

しかし、そこでお茶子はミスを犯した。

 

 

「ぷっ....!」

彼女は飯田のそんな姿を見たことがなかったために声を漏らしてしまった。

お茶子がとっさに口を両手で塞ぐも遅かった。

 

「うむ?今のは!麗日くん!君だね!うわははは!!

俺は君対策のため、この部屋にあるすべての道具をかたずけてやったぞ!!!わははは!どうするヒーロー!!!」

彼なりのヴィラン像がそれなのであろう、役になりきっていた。

 

 

 

 

モニターに声は届かないが、飯田の演技が上手いのであろう、身振り手振りでヴィランを表現していたため声無しでも何をいっているかがわかりそうだった。

 

 

 

 

 

「あはは、もしかして飯田はヴィランになりきってるのかな?すごい、迫力だね。」

翔は飯田の行っていることに気がついたのか苦笑いを浮かべていた。

 

一方、八百万は少し苦い顔をしていた。

 

「これは訓練とはいえ、麗日さんはヒーローですのよ?いくら飯田くんが面白いからって笑ってはいけませんわ。」

そう頬を膨らませて言葉を漏らす。

 

 

 

 

「デクくん!バレちゃった!あれをやって!!!」

お茶子は気がつかれては仕方ない、と思ったのか、前もって立てていた作戦を実行するため緑谷に通信を入れた。

 

 

 

緑谷は緑谷の方で絶賛ピンチ中である。

 

「コラァ!!!クソデク!待てやコラァ!!!ぶっ殺してやる!!!」

爆豪は緑谷の逃げる様子にイラついたのか、そこらじゅうの壁を個性で壊しながらも緑谷を追っていた。

 

(こここ、殺しちゃダメでしょ!!!)

緑谷は自分が挑発しすぎたか、脂汗をダラダラと垂らしながら必死で走る。

 

緑谷は逃げるのをやめたのか、何か作戦があるのか、ある一室に入るとそこで爆豪を待ち構えていた。

 

 

 

 

「何か始まりそうだね。緑谷の表情が変わった。」

モニターで見ていた翔は緑谷の変化の気がついたのであろう。

そう言葉を漏らした。

 

それを隣で聞いていた一佳からも同意の声が聞こえる。

「そのようだね、何するのかな?」

一佳も楽しみなのであろう、目をキラキラさせながら興奮気味にそういった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

緑屋は部屋に着くとインカムがなるのを感じた。

 

ーーーデクくん!バレちゃった!あれをやって!!!

 

 

それを聞いた緑屋は意を決したように爆豪の対峙する。

 

 

 

 

 

爆豪はイライラしていた。自分が途中で放った大技、自分の手から分泌されるニトロのようなものを貯めて、一方向に一気に爆発させる大技。

 

それを使ったのはいいが、観戦していたオールマイトから愚策と言われ、次やったら中断すると言われているからだ。

 

 

 

爆豪はそのイライラをぶつけるため、緑谷がこちらを振り返るのを確認すると爆発を利用して一気に接近した。

緑谷もそれに対処するため拳に力を入れて殴りかかった。

 

そこで爆豪は緑谷の動作に対処するため、右手を緑谷の前で爆発させ、それと同時に自分を上方向に吹き上げ、緑谷の背中に回ると左手を爆発させそれ以上行かないように軌道修正をする。

そしてすぐさま次は右腕で緑谷の背中めがけて爆発させた。

 

 

 

 

 

 

「すっごいな!なんだ今の動き!!!」

切島が興奮した様子でそう声をあげている。

 

そこで、八百万は自分が見て思ったことを告げて繊細な戦闘をするのね、と声を漏らした。

 

「あーあ、ヤダヤダ、才能マンじゃん!」

上鳴はその才能に嫉妬したのかそう声を漏らした。

 

 

翔はそれを見て、個性ゆえか本能ゆえか少し戦いたいなとおもっていた。

 

 

 

 

 

 

それでも緑谷は強い意志を感じる目を爆豪に向けて立ち上がった。

 

それを見て何を思ったか爆豪のイライラは最骨頂に達した。

 

 

「このクソナードがぁぁあああ!!!!!!」

爆豪はそう言葉を漏らすと思いっきり緑谷を吹き飛ばすため個性を使って殴りかかった。

 

緑屋はそれを見て決心したかの様子で自分も殴りかかる。

 

 

拳が当たると同時に、爆発した。

 

 

 

 

いや爆風が巻き上がった。

 

 

 

 

 

その爆風は壁を気にすることなく、緑屋の上にある天井をぶち抜いていって、彼女、お茶子がいる、床をぶち抜いた。

 

 

 

 

 

そう作戦である。

 

 

 

お茶子はハナから知っていたのか、衝撃に驚きながらも行動に移った。

 

お茶子はその爆風により壊れた柱を無重力にして抱きかかえる。

 

それをバットのようにふりかぶり、爆風により巻き上がった瓦礫を野球のごとく核兵器の前にいる、突然の出来事に動揺していた飯田に向かって打ち込んだ。

 

そしてお茶子はその瓦礫をガードしている飯田を横目に、核兵器にタッチした。

 

 

 

 

『ヒーローチームwinnerrrrrrrr!!!』

 

 

 

 

そうオールマイトの声が響いた。

 

 

 

それからAチームもDチームもモニタールームに集まって講評が始まる。

 

 

「色々言いたいことはあるが今戦のベストは飯田少年ではあるがな!わかる奴はいるか?」

オールマイトのその評価に飯田は驚きの声を出し、周りもなぜ勝ったお茶子や緑谷ではないのかと戸惑っていた。

 

「勝ったお茶子ちゃん達ではないの?」

 

そう疑問を漏らした梅雨に、八百万は自分が答えると手を上げて、発言した。

「それは飯田さんが1番状況設定に順応していたからです。爆豪さんの行動は見た限り私怨丸出しの行動に、独断専行。

緑谷さんも同様、受けたダメージから鑑みてもあの作戦は無謀としか言いようがありませんわ。

麗日さんは中盤の気の緩み、そして核を背にした飯田さんへのあの攻撃。

二人とも、相手が核を所有しているってわかっていたのかしら?

核の設定をきちんと理解し、相手への対策をこなし、核の争奪を理解してたからこそ、彼は対応に遅れた。

核に向かって緑谷さんに麗日さんみたいなあれほど危険な攻撃が来るとは思っていなかったのでしょう。

飯田さんがベストなのは火を見るより明らかですわ。」

そう言葉を着ると同時に納得の感情が広まる。

飯田は、それほど自分が評価されていた事に感激したのか、目に涙を浮かべていた。

 

「そ、そうだね!その通りだ! (全部言われちゃったな....。)」

オールマイトもそこまで正確に言われると思っていなかったのか、そう言葉にするしかなかった。

 

「天野さんはどう思いますの?」

八百万は中盤に自分と同じ評価をした、天野が気になり、彼の方向に体を向けるとそう言葉を投げかけた。

 

 

「そうだね。Aチームの危ない行動はいけなかったけど、彼なら対処できたはずだよ、爆豪。彼が、独断専行をせず、飯田と協力すれば余裕を持って対処ができたはずだ。それをできるだけの力と頭脳は、爆豪は持っている。

緑谷に何があるのかはわからないけど、勿体なかったね。」

天野は自分に質問に投げかけられた事に驚きながらも自分が思っていたことをそう口にした。

 

彼らの評価を聞いた、お茶子は自分の行いに反省していた。

 

「あぁ?!うっせーんだよ!バカが!そんなのわかってるわ、ぼけ!!!」

 

一方で爆豪の方も、冷静になってみればそのとうりであったためか、うまく言い返すことができずにそう言い返すことしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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