天翔ける竜   作:アルアール

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USJ③

「や、やばい!」

 

今緑谷、梅雨、峰田がいるのは相澤が戦っている広場から少しばかり離れた水場の中にいた。

彼らは自分が飛ばされた水難エリアで、そこで待ち構えていたヴィランたちをなんとか撃退し、相澤の様子を見るために来ていたのだ。

 

「緑谷ちゃん、だめよ、あなたじゃ無理。」

「そ、そうだよ緑谷ぁぁあ!!オイラたちには無理だって!!!な?急いでみんなの方へ行こうぜ!!!」

 

梅雨と峰田は相澤が2メートルヴィランにやられているのを見た緑谷が飛び出しそうになるのを止めていた。

 

「で、でも!!相澤先生が!ぼくが個性を使えば....!」

緑谷が悔しさで、両手を握り締めながらそう言った。

 

緑谷が、相澤の敗北を眺めていると2メートルヴィランが相澤にとどめを刺そうと腕を振りかぶっているのが見えた。

 

 

「く、くそ!!」

「相澤先生ぇええええええ!」

峰田が泣きながら相澤の名を呼んだ。

 

 

緑谷がもう我慢できないと水から上がり、相澤を助けようとした時、突然こちらの方に激しい風圧が飛んで来た。

 

「な、なんだ?!いまの?!」

 

「う、うぉぉーー!!」

 

緑谷が突然の風圧に驚き、風圧から身を守り、峰田が風圧で飛ばされないように、とっさに梅雨の胸を掴んでいた。

 

梅雨は突然の暴挙に拳を怒りで震わせ、峰田の頭を鷲掴みにして水に突っ込んだ。

 

緑谷が、突然の風圧に目を守り、風が止むのを確認するとそこには翔が2メートルヴィランを尻尾でぶっ飛ばしているのが見えた。

 

「うぉぉーー!さっすが天野ーーー!」

峰田が水から顔を出してその光景をみるとそう叫ぶ。

 

「そうね、さすが天野ちゃん。」

 

「す、すごい!天野くん!」

 

そのまま翔は相澤を回収し飛び立っていくのが見えた。

 

 

 

 

 

 

 

翔は相澤をみんなに預け、再びヴィランの元へ向かっていた。

 

「おいおい、嘘だろ、再生能力あるのか!」

 

2メートルヴィランは相澤を戦闘不能にするだけの攻撃力だけでなく、強力な再生能力まで備えていた。

 

 

翔が再びリーダーとワープヴィランの元まで来ることが声が聞こえた。

 

「死柄木弔(しがらきとむら)。思いのほかできる生徒がおりまして、13号は無傷、一人の生徒を逃がしました。」

 

 

「.....はぁ?・・・・・・はぁぁぁあああああああ!!!!!」

ワープヴィランの報告を聞いたリーダー死柄木は一瞬唖然として、突然自分の首を掻き毟り声を上げた。

 

 

「黒霧(くろぎり)、・・・・・お前...!お前がワープゲートの個性じゃなかったら粉々にしたよ...!!!」

死柄木は首を掻き毟りながら怒りに震えた声で、ワープヴィラン、黒霧へそう言った。

 

 

「あーあ。流石に何十人ものプロには敵わない、ゲームオーバーだ。あーあ、今回はゲームオーバーだ。帰ろっか。」

死柄木は落胆して息を吐きながらそう言った。

 

 

 

(帰るのか....?ここまで用意周到に襲撃しといてあっさり帰るのか....?)

翔はその手のひら返しを疑問に思った。

 

「でもその前に、平和の象徴としての矜持を少しでもへし折ってからにするか!!!!」

死柄木は今まで黙って見ていた翔を見てニヤっと笑うとそう言うと、足で地面を蹴り翔の前に躍り出た。

 

 

「は、はやい....!」

翔は竜人形態になったことに上がった反射神経でそれをとらえた。

 

 

死柄木が、個性を発動しながら翔へ手を伸ばす。

 

(こいつの個性はなんだ!!!...くそ!!)

翔は相手の個性がわからないため強く出ることができず、相手の伸ばした手をとっさに左腕で掴み上げ、死柄木に腹へと右の拳を叩き込んだ。

 

「...かはっ!・・・・・。でも掴んだ、あははははは!!!」

死柄木は翔に腹を殴られて口から少し血を出しているが、掴まれた逆の方で翔の左腕を捕まえながら、口を歪めて笑った。

 

(くそ...!接触することによる発生する個性か!!!)

 

翔はそのセリフを聞いて掴まれた腕を離そうとするが、少しだけ遅かった。

 

 

「あはははははは!!」

 

 

翔の鱗が少しずつ崩れていく。

 

「.....あれ、少し侵食が遅いなぁ。まあいっか。そのまましね。」

死柄木はそのままもう片方の腕で翔の顔を掴みに行った。

 

(そうゆう個性か!!!)

 

翔は痛みに顔を歪ませながらも左足お思いっきり引いて、死柄木の腹に再び叩き込んだ。

 

その衝撃で、死柄木は耐えられなかったのか、翔の腕を離して吹き飛んだ。

 

 

「いてて、ずいぶん危ない個性だね。」

 

翔が崩れた腕を見てみると、鱗が頑丈であったのか、数枚剥がれ落ちて皮膚が見えているだけで、そこまで深くはなかった。

 

「.....くそ。ほんと硬いなぁ。おい、脳無(のうむ)お前の出番だ。いけ」

「あはははは、そいつは対オールマイト用に作られた超強力な再生能力に、力がある!これでお前も終わりだ!!!」

 

 

 

死柄木は痛みで顔を歪ませながらも地面から立ち上がり、近くまで来ていた2メートルヴィランへそう言い放った。

 

 

「対オールマイト用の超強力な再生能力と、力か。」

翔も対オールマイトと聞いて自分で対処できるかと悩んでいると、脳無が動くのが見えた。

 

 

いや、一瞬で視界から消えた。

 

(なっっ!!さすが対オールマイト用か!!!)

 

翔は一瞬でかき消えた脳無をギリギリで認識して、両腕で相手が殴りかかるのをガードした。

 

「ぐぅっ!」

 

翔は地面を2メートルほど引きずりながらもガードに成功した。

 

「重いなぁ、父さん以上に重いや。」

翔は焦った様子で笑いながら言った。

 

 

「へぇ、脳無の攻撃をガードしたんだぁ。」

 

「死柄木、そろそろプロヒーローが来ます。撤退の準備を。」

 

 

「まだまだ大丈夫だって、アイツを殺してからだ。」

死柄木は翔を見て口を歪めた。

 

 

 

翔は襲ってくる脳無をガードし、躱し、その隙に反撃をしていた。

 

翔が思いっきり拳を叩き込んで入るものの聞いた様子がない。

 

(まさか、攻撃を吸収してるのか...?いや、でも鱗のせいで表面は傷ついてる。)

翔は、流石に効かなすぎて疑問に思っていた。

 

(なら試してみるか。)

 

翔は自分の鱗を意識して立たせるようにした。

これで余計に傷を負うことになる。

 

 

脳無の大ぶりの一発を加速した思考でなんとか認識して躱し、拳を叩き込んだ。すると、さっき以上に表面が傷つき、肉を割いた。

それでも、再生能力で、次から再生していくが。

 

(やはり切り裂くことはできた。なら、次は毒で行くか。)

 

 

翔は指から生えた爪の先から紫色の分泌液を出し始めた。

 

 

 

 

そう、翔の能力はドラゴン形態になって、身体能力が上がるだけではない。

 

今までは訓練しかしてこなかったため使う機会がなかったが、翔の爪から分泌される紫色の液体は即効性の強力な麻痺毒である。

 

翔は脳無からの攻撃を躱した隙に、思いっきり奴の腹を引き裂いた。

腹を思いっきり引き裂いたため傷が深いのか血がドバドバと溢れ出す。

 

毒が効いたのか、脳無は動きが鈍り膝をついたが、腹が再生すると同時に毒が解毒された痺れることなく立ち上がった。

 

(効いたのか?いやでも再生で解毒されたか....。)

 

翔は爪で切り裂けたことから奴の攻撃吸収のではなく吸収するのは衝撃ではないか、と思い今度は、傷をつけないように、思いっきり拳で殴りかかった。

 

予想通りといいうか、衝撃が相手へ伝わることはなかった。

 

 

(攻撃吸収じゃない、衝撃吸収能力か....!)

翔はやっと解けた疑問に攻撃の糸口を見つけたのか、頬を吊り上げた。

 

 

(ならあれならいけるか!!!)

 

翔は周りに人がいないのを確認すると、

 

ついに個性の真価を発揮した。

 

 

 

翔は全身に力を入れて個性を発動する。

 

 

体がぐんぐんと大きくなり、流石に耐えられなくなったのかズボンがはじけた。

 

脳無も相手の変化に警戒したのか、一歩下がって様子を見ている。

 

 

翔が変化を終えるとそこにはドラゴンがいた。

 

 

全長は6メートル程であり、

全身を覆う銀の鱗は一つ十数センチ程の大きさだ。

鋭そうな、爪で地面にしっかりと立ち、体を支える強靭な足。

背中から生えていた翼は腕から背中に伸びるように生えて来て、

両翼合わせて10メートルはあった。

尻尾が数メートル伸びて、尻尾の先が大きく膨らんでいた。

 

縦に伸びた首の先にある顔は大きな牙が生えており、薄い銀色の光を放つ青い瞳が輝いていた。

 

変化を終えた翔は、威嚇のため大きく息を吸い込んで口を開けた。

 

 

 

 

『グガァァァアアアアアアアアアアアア!!』

 

 

 

 

このドームのどこにいても聞こえるような大きな咆哮が放たれた。

 

 

 

 

 

「....なっ!!!!」

「や、やっベーよ!!!天野やべーよ!!ちょぉかっけー!!」

「あ、天野ちゃんドラゴンになっちゃったわね。」

 

緑谷達は翔の咆哮に本能からか体を硬直させてしまう。

それが解けるとそれぞれ声を漏らした。

 

「やっぱり!あれはウェルシュ・ドラゴンだ!!!やっぱ天野くんは彼の息子だったんだ!!!

初めて天野くんの個性を見たときはまさかと思ったけど、彼に似てる。いや、もうそっくりと言っていい。もし彼と同じ個性だとしたらボソボソボソボソ....。」

 

緑谷はこんな状況であったが、ナンバー2ヒーロー、ウェルシェ・ドラゴンと同じ個性を間近で見れて、目を輝かせながらブツブツと独り言をつぶやいている。

 

 

 

天野は、変化を終えると、翼を大きく広げて飛び上がった。

 

「おいおいおい、まさかウェルシュか?いや息子か.....?こんな情報なかったぞ.....!あぁぁああああ!」

死柄木は予定にないことが起こりパニックになったのか、再び首を掻き毟りながら叫び声をあげた。

 

「死柄木、流石に撤退しましょう。」

黒霧もこれはやばいと思い、撤退を死柄木に言うは、彼は聞こえていない。

 

 

 

翔は上空から脳無目掛けて一気に襲いかかった。

脳無も思いっきり、拳を振りかぶりドラゴンに殴りかかるが、翔は一瞬怯みながらも両足で、脳無を張り倒し地面に叩きつけた。

 

 

(再生能力あるから死なないよね.....?)

翔はそう危惧しながらも息を大きく吸い、脳無の両足へ向けて火の玉を口から吹き、燃やし尽くした。

 

 

 

(なっ!まさかここまで再生能力強いのか!!!)

 

脳無は痛みがないのか苦しむ様子もなく、足をどけようともがいてて、両膝まで燃え尽きた足が焦げ目から順に再生していった。

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、今の鳴き声ってあのドラゴン?!」

 

お茶子たちは突然ドーム中に響いた声に怯みながらも声がした方向の噴水を眺めた。

 

「で、でっかーー!もしかしてあれって天野くん?!」

 

「か、翔だ!」

 

一度見たことがあったのか一佳はお茶子の声にそう答えた。

 

 

「......。ん。今の声、天野か....。」

今の声で気がついたのか、相澤が仰向けになりながら言葉を漏らす。

 

「せ、先生!大丈夫ですか?!」

お茶子や、瀬呂、芦戸と言ったメンバーが相澤に駆け寄った。

 

「あ、あぁ大丈夫だ。それより、俺も援護に....!」

相澤は痛みに震えながらも立ち上がろうとしていた。

 

そこで声がかかった。

 

生徒ではない、13号でもない、

 

声が聞こえたのはこのドームの出口からだった。

 

 

 

 

「相澤くん。もう大丈夫だ!私が来た!!!!」

 

 

 

「オールマイト!!!!!!」

 

出口へ視線を向けるとそこにいたのはオールマイトであった。

 

 

 

「1-Aクラス委員長!飯田天哉!ただいま戻りました!!!」

飯田が雄英高校まで走り彼らを呼んで来たのだ。

 

「ごめんよみんな、遅くなったね!すぐ動けるものをかき集めて来た!手分けして生徒達の保護を!」

 

それに、雄英高校の校長である、白鼠のような見た目の男を筆頭に、彼によって集められた十数名のプロヒーロー達が集まっていた。

 

プロヒーロー達はそれぞれが自身の個性を使い、ヴィランの残党を退治し、生徒を保護するために駆け出して行った。

 

 

「相澤くん、もう大丈夫だ。君は休んでいてくれ。」

 

そう言うと、オールマイトは巨大なドラゴンの元へ駆け出した。

 

 

 

 

 

 

翔が脳無を地面に縫い付けながら、これからどうするか迷っていると、オールマイトの声が聞こえた。

 

(オールマイト先生がきた!)

 

 

 

 

「くそ、くそくそ、オールマイトも来た。もう無理だ本当に、ゲームオーバーだよ...。」

「えぇ、撤退しましょう。」

 

彼らが諦めて撤退しようとすると、プロヒーローの中の個性により死柄木の両腕と両足は撃ち抜かれた。

「くっ!」

死柄木は突然の痛みで体を崩すが、黒霧はすぐさま死柄木を抱えてワープして行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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