「お兄ちゃーーーん!朝だよーーー!!!」
「ぐはっ!!!」
今は朝の7時。
昨日の襲撃事件から日を跨いだ次の日だ。
昨日の襲撃事件があったため、今日は平日であるが雄英高校は休校になっていた。
普段の翔は5時30には起きて、1時間のランニングに出かけるところではあるが、
昨日の個性の使いすぎにより出て来た疲労が抜けきっていなかったため、ランニングには行かなかった。
ランニングを休んだ翔は珍しく、それに自分が兄を起こしたことがなかったため、妹の風香はそんなイベントがしたかったらしく翔のベットへダイブしたのだ。
風香は兄の部屋の扉を開けると兄が寝ているベットへ向けて勢いよくダイブをした。
「ふ、風香かな?お兄ちゃんちょっと痛いかな。」
翔は突然起こされたことにイラっとしながらも風香であるためか怒れないでいた。
翔は今の衝撃で目が覚めてしまったのか、左手で目をこすりながら、右手で、布団の上にまたがっている風香を抱きかかえてベットから降りた。
「お兄ちゃんがランニング行かないなんて珍しいね!」
「昨日の事件で少し疲れが抜けなくてね。それより風香は今日も学校だろう。準備しておいで。」
翔は少し寝癖のついた金髪を撫でながら風香を送り出した。
風香も兄を起こすというイベントに満足したのか素直に出て行った。
翔は朝食をとるためリビングへ向かうと、父である翼と母の飛鳥がいた。
「あら?今日はランニング行かなかったの?」
飛鳥は朝食の準備をしながら翔のパジャマ姿を見るとそう言った。
「きっと昨日のことで疲れたんだろう。ヴィラン連合かぁ、これから忙しくなるなぁ。」
「そう。昨日の疲れが抜けてなくてね。」
翼は朝食をとりながら、朝のニュースを見ていた。
翔も自分の席に座ると朝食が出てくるまで自分もテレビへと視線を向ける。
『では昨日の雄英高校襲撃事件でヴィランの動きが活性化するのでしょうか?』
『えぇ、そうでしょうね、このニュースを見た、自分の個性を持て余したヴィラン達の動きは活発になるでしょう。まぁ、逆にこれによるヒーローの警備強化を警戒してなりを潜める者もいますがチンピラ程度のヴィランの動きは活性化するでしょうね。』
テレビではニュースキャスターとコメンテイターがそう議論を交わしていた。
「父さん、やっぱヴィランの動きは活発化するの?」
翔は朝食を持って来てくれた飛鳥にありがとうと告げてつ翼に質問した。
「凶悪犯罪を犯すような奴は、出てこないだろうが、このニュースを聞いたチンピラ程度のヴィランは自分も暴れよう!と動き出すだろうね。多分今回のせいでヒーローの地域警備が強化されるだろうし。」
それを聞いた翔はそこまで興味がなかったのかふーんと話を流した。
それから暫くすると風香は学校へ行き、翼は仕事へ向かったため暇を持て余していた。
飛鳥は家事で忙しいため話をすることはできない。
翔は家にいても仕方ないと思い家から出ることにした。
「母さん、ちょっと出かけてくるねー。お昼は外で食べてくるよ。」
「気をつけて行ってらっしゃい。夕食前には帰ってくるのよー。」
「わかったー。」
翔は部屋で寝巻きから外出用の服に着替えた。
下は紺のジーパンに、上は灰色のパーカーと少し地味めの格好、
首にはヒーローコスチュームが収まっているペンダントをかけた。
翔は家から出ると、とりあえず都心へ行こうと電車に乗った。
平日の日中であるためか思ったより人が少なく、こんな平日の日中に出かけることはないため、翔は新鮮な気持ちでいた。
翔が都心で電車を降りると、どこで暇を潰そうかと駅前をぶらぶらしていると、
少し暗めの金髪が爆発したような髪を持つ少年がいた。
その少年は今、ゲームセンターに入ろうとしていた。
彼は暗い迷彩色の少しダボついたズボンに、黒を基調とし派手めの色でペイントされたTシャツを着ていて、大きくピースサインのしてある帽子を後ろに被っていた。
そう爆豪だ。
翔は外で爆豪を見たことがないため、珍しいと思いながらも、声をかけて見ることにした。
「よっ!爆豪!こんなとこで何してるの?」
翔が爆豪の後ろから肩を叩くと爆豪は振り向いた。
「....あぁ?なんでオメーがここにいんだよ!」
爆豪が翔の姿を確認すると眉間にしわを寄せ、チッと舌打ちをしながら言った。
「まぁまぁ、僕も暇してるんだよね、一緒にやろうよ。」
翔はいつもの爆豪の様子に気にすることなく話しかける。
「あぁ?!なんでオメーなんかと遊ぶんだよ!ついてくんじゃねーぞ!!」
爆豪は翔の腕を振り払うとそのまま歩いて行ってしまう。
翔は暇であったためここで暇を潰そうと爆豪の後をついて行く。
「へー、爆豪ってUFOキャッチャー上手いんだね。」
爆轟がUFOキャッチャーをほぼ一発で成功するため驚いた表情で爆豪に話しかけた。
「...まだいんのかよ。チッ。」
「ぼっちの爆豪について行ってあげてるんだよ。」
翔は不機嫌な様子の爆豪に、ニヤニヤしながらそう言った。
「はぁ?!誰がぼっちだ!!!舐めてんのか?!」
爆豪はその言い分が許せなくて翔に対してキレるが翔は、まぁまぁと気を沈めながら隣の台で自分もやり始める。
「あっれー。意外と難しいな。」
予想以上に難しかったため翔は苦笑いをしていた。
それでも翔は諦めることなく続けていたが、爆豪はそんな様子に我慢ならなかったのか月を挟む。
「チッ。下手くそが。もっと隙間を狙え。そこだそこ。」
爆豪はめんどくさがりながらも翔にアドバイスをした。
「へぇ。あ、取れた。」
それから翔は爆豪のアドバイスにより2回めで景品を獲得した。
「いやぁ、サンキューサンキュー。爆豪ってうまいんだね、ゲーセンにはよくくるの?」
「....あぁ。たまにだ。もういいだろ!俺は行くからな!ついてくんじゃねーぞ!!」
爆轟はかけるの質問に答えると怒りながら去っていった。
「あーあ、いっちゃった。それより、楽しかったな。」
翔は爆豪とこんなことするとは思っていなかったため、予想以上に楽しめていた。
それと同時に爆豪に少し近づいた感じがした。
それから翔はゲーセンを出ると再び街を歩き回る。
翔が空腹を感じたため時計を確認するとすでに12時を回っているため昼食をとることにした。
昼食を終えて、これからどうしようかと考えていると、珍しことにお茶子に出会った。
今日1日で同じクラスの二人に会うことに運命的な何かを感じつつも、一人でいたため話しかけにいった。
「お茶子さん、こんにちは。」
お茶こがその声を聞くとこちらを振り返り、驚いたような表情をしていた。
「あれー?!翔君?!奇遇だねぇ!こんなとこで会うなんて。私は買い物してたんだよー!翔君は?」
お茶子は、足がすらっと見える薄茶のチノパンをはき、少しヒラヒラした可愛らしい花柄の短めのワンピースを着ていた。
「僕は暇だったからちょっとぶらぶらとね。お茶子さんは買い物なんだ。今日の私服似合ってるね。」
女性の私服を褒めることを忘れない翔だ。
「ありがとう。私はもう買い物終わったんだ!よかったらお茶してこうよ!」
お茶子は自身が買った袋を翔に見せながらそう言った。
翔達が喫茶店につきそれぞれドリンクを頼むと翔から話し始めた。
「実は今日の午前中には爆豪と偶然あったんだよね。」
「え、えーー!大丈夫だったの?!」
お茶子が何故か翔の身の安全を聞いてきたことに、爆豪はどれだけ危ないやつと思われているのか少し不憫に思いながらも、大丈夫と伝えた。
「大丈夫だよ。爆豪とはゲーセンで遊んできたんだよね。爆豪意外とUFOキャッチャーがうまっかよ。」
「あ、あの爆豪君がUFOキャッチャー....。」
翔のセリフを聞いたお茶子は爆豪の意外な姿に驚いていた。
それから、お茶子は自分が買った服などを見せ、色々と話題を振りながら会話を楽しんでいった。
「あ、もうこんな時間に!私そろそろ帰るね!今日は楽しかったよー!またねー!」
翔達は2時間近く話していたため、すでに夕方になっていた。
翔は楽しそうに話すお茶子を可愛いと思いながらも、時間が潰せたことに満足していた。
それから翔は寄り道することなく家に帰った。