ハートだよ!覚り三姉妹!   作:かくてる

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コラボでございます!

お相手は鹿尾菜様です。
なかなかよくわからない展開となっていますが、2話に分けて投稿しますので、よろしくお願いします。


番外編コラボだよ!覚り三姉妹!
第二のさとりと博靈の巫女


 昼の地霊殿。

 私はいつも通りの日常の中の日課、ティータイムを終え、外に出た。

 

「あ〜、いい天気だなー」

「気持ちがこもってないね。しんりねぇ」

「だって地底だし天気わからないでしょ」

 

 私、古明地しんりは妹である古明地こいしと共に散歩することになった。これは日課ではなく、「気が向いたから」である。

 

「ねぇ、さとりねぇは?」

「あ〜、なんか別の仕事があって来れないんだって」

「………」

「どうしたの?」

「しんりねぇはお空が来る前は家事をしてたよね」

「まぁ、そうだけど、今はしなくなったなぁ」

「……何もしてないんだね」

「…………そうなる」

「…ほんとに長女?」

「うるさい」

 

 地霊殿を出て、地底の大通りに出る。鬼や妖怪が酒を酌み交わしていて、大きな笑い声が暗い大通りを支配する。私やこいしは慣れっこなのだが、どうにもさとりだけはこの賑やかさが嫌いらしい。よく鬼に絡まれるらしくて、まともに歩けないとか。

 ………それは同感だね。

 

「ね、しんりねぇ、「甘武」行きたい」

「……まぁ、いっか」

 

「甘武」とは、以前にお燐やお空、さとりを連れて行った高級甘味処であり、地底の穴場の店である。穴場と言っても客の数は多いんだけどね……。

 大通りの途中で右に曲がる。小さな細い道を歩くと「甘武」の文字が見えた。

 私は右手でスライド式のドアを開け、顔を覗かせるように入店した。

 

「失礼しまーす……」

「入ろ入ろ!」

 

 私はこいしに引っ張られて店内に入った。

 そんな私は、途中の客に視線が行った。私のサードアイが何かを感じ取り、反応したからだ。その方向がその客の方だったのだ。

 

「あ、このパフェ美味しいですよ」

「はぁ?こっちの方が美味しいに決まってるじゃない」

 

 敬語で柔らかく話すピンク色の長髪の少女とツンケンした態度の黒髪で黒い巫女服の少女が対面で座っていた。何故だか、私はそんな二人が気になっていた。

 

「しんりねぇ?」

「ねぇこいし、あの2人、なんか不思議に思わない?」

「可愛いふたりだね」

「………えっ?」

 

 んんんんんんんん?

 私は目を疑った。こいしが理解出来ていなかったからもう一度ピンク色の長髪の少女を見返すと、私やさとり、こいしと同じように細い管が全身を囲うように伸びていた。

 そしてその中心には大きな目玉がある。これは覚り妖怪である証拠だ。

 私達三姉妹以外の覚り妖怪は既に滅んでいる。幻想郷の初期から存在する妖怪なのだから、いつかはそうやって系列が切れるからだ。

 そんな中、あの桃髪の少女のサードアイは偽物なのか、自然とそう思ってしまう。

 

「ご馳走様でした。これからどうします?」

「知らないわよ。というか呑気に甘い物食べてる暇なんか無いってのに……」

「それは靈夜さんも同じですよ?」

「うっさい、さとりはどうしたいのよ?」

 

 ん、んんんんっ!?

 私とこいしはその場で硬直。そしてその少女に近寄って私は肩を強く掴んだ。

 

「あの」

「?はい」

「あなたの名前は……?」

「古明地さとりです」

「え、ええ?嘘ですよね?」

「ほんとですよ」

 

 よくよく見ると、その長い髪の毛の少女、さとりという少女は顔も名前も、合致している。

 

「あの…?」

「あなた本当にさとり!?」

「へっ?さとりですよ?」

「私だよ?私、しんりだよ!?」

「ちょっと、何してるの?」

 

 私がさとりの両肩を掴んで私を思い出させようとすると、さとりの隣にいた黒い巫女服の少女がこちらを睨む。赤色の双眸が私を見据えていた。

 

「ごめんなさい。私達は今別の世界に飛ばされたみたいなんです」

「……はぁ?」

「さ、さとりねぇは別の世界の人ってこと?」

「えっ?こいし?」

「へっ?」

 

 私はもう今の状況が全く理解出来ず、他の三人を見渡すしかなかった。

 変わりに変わってしまっている長髪のさとり、そして霊夢さんと少し雰囲気が似ているこの人。地底じゃ一度も見たことがない。

 

「……」

「……」

「ちょ、ちょっと一回整理しよう」

 

 流石に誰もちんぷんかんぷんなこの状況じゃ、話が進まない。

 

「まずあなた達は?」

「私は古明地さとり。そしてこちらが博麗靈夜さん」

「はぁ……靈夜よ。よろしく」

 

 面倒くさそうに挨拶をする靈夜さん。気だるそうな性格まで霊夢さんにそっくりだ。

 

「それで、あなた達はどこから……」

「それが分からないんですよね。いつの間にかよく分からない妖怪達の前にいて……」

「転移?ってこと」

「まぁ、そゆこと」

「じゃあ、このさとりはまた別のさとり?」

 

 別って言い方はあまりよろしくないと思うが今はそう言うしかなかった。

 

「ところで、あなたは?」

「私は古明地しんり。この世界の地霊殿の主だよ。んで、この世界のさとりのお姉ちゃんなんだ」

「え、この世界じゃ私達は三姉妹……てこと?」

「そういうこと、こいし、さとり、私でね」

「ややこしいわね……」

 

 靈夜さんが隣で気だるそうに肘を机につきながら言ってきた。あっちの世界には私の存在は無いのか……。何故だか少しだけ悲しい。

 

「とにかく、私達は元の世界に帰れる術を探しています。協力願えますか?」

「…いいけど、さとりのキャラが全然違うね」

「まぁ、とりあえず、地霊殿に来なよ。手がかりが何かあるかもしれないしね」

「そうですね。そうしましょう」

 

 私とこいしはさとり(?)と靈夜さんを連れて地霊殿へと戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーーー地霊殿の書斎。

 私が帰ってくると、姉さんもこいしも地霊殿にはいなかった。どうせまた「気が向いたから散歩行く」とか言って私がいないあいだに外に出てしまったのだろう。

 私はもうこんなことには慣れっこだ。多少のアクシデントや奇想天外な出来事には驚かない耐性が付いていた。

 …………………しかし今日だけは、今日だけは驚きを隠せなかった。

 

「ちょ、えっ!?ええええええええ!?」

「あ〜、さとり、紹介するよ。別世界から来た博麗靈夜さんと…………古明地さとりさん……」

「ま、待って姉さん!さとりはここよ!?」

 

 すごく言いにくそうに紹介する姉さんに私は必死な顔で否定する。

 

「よ、よろしくお願いします……さとりさん……」

 

 別世界のさとりさんも自分自身に挨拶しているようでぎこちなさそうだった。まぁ当たり前だろう。同じ人物が現れたのだからそりゃビックリもするか。

 

「……この人は、別の世界の私ってこと?」

「そういう事ですね」

「随分優しいさとりだよね。こっちの世界とは違って」

「姉さん。これ以上お小遣い減らされたいの?」

「まぁ、どっちのさとりも優しいね」

「……なんで姉のあんたよりも妹の方が強いの」

 

 呆れたように言う靈夜さん。仕方ないじゃない。さとりが怖いんだから

 

「でも、さとりと顔は似てるのに服装とか髪型とか違うんだね」

「まぁ、色々ありましてね」

「とりあえず、こんな所まで足を運んで頂き、ありがとうございます。泊まる場所などは決まっていますか?」

「いえ、まだ何も決めていないわ」

「じゃあここにお泊まりください。部屋は余っていますので」

 

 さとりは旅館ばりの接客をし、靈夜さんとさとりを部屋へと連れていった。私はさとりと話すためにさとりについて行った。………なんか変な感じがするね。

 

「ねぇ、分かりにくいからさとりの呼び方変えよ?」

「そうですね、ここのさとりさんはどう呼ばれているのですか?」

「さとり」

「……」

 

 これはなかなか決まらなさそうだ。私は顎に指をつけ、考え始める。

 

「じゃあさっちゃんとさっちんで」

「はぁ?」

「別の世界のさとりがさっちゃん。私の妹のさとりがさっちん」

「いいですねそれ…」

「そ、そちらの私はいいかもしれないけど、私はさっちんよ!?なんか………なんか……」

「なんか?」

 

 私はニヤニヤしながらさっちんに迫っていく。さっちんは顔を真っ赤にしながら顔を覆う。われの妹ながら可愛い仕草だ。

 

「とにかく、別世界のさとりがさっちゃんで、こっちのさとりがさっちんね」

「ええ、よろしくお願いします」

「じゃあ、靈夜さんの部屋はここです」

「さっちゃんはここだね」

「はい、ありがとうございます」

「ん、ありがと」

 

 優しく丁寧な挨拶をするさっちゃんとは裏腹に靈夜さんは素っ気ない態度で部屋へと入っていく。何だか霊夢に似通った部分があって親近感が湧いてくるのは私だけなのだろうか。

 二人が自室に入り、ここにはさっちんと私しかいなくなった。

 

「さっちんって嫌よ。姉さん」

「我慢して、あのふたりが元の世界に帰るまでね」

「………分かったわよ」

「じゃあ二人を帰す方法を考えようか」

 

 そう言って、私とさっちんは踵を返し、友に書斎へと帰っていった。

 二人が戻れる方法が見つかればいいけど……異変とかだったら少し面倒くさいな……とずっと考えていた。

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