お空の持ってる第3の足、右手についてる大砲はまだ守谷の神が付けたものではなく、お空自身の武器です。
なので、お空はまだ核融合は出来ず、強力な灼熱を操る設定となっています。
「わわわわわわわわわわ!!」
「ちょ、姉さん危ないわよ!」
私達は必死に鴉の弾幕を避けていた。密度も濃く、少しでもずれたら被弾しかねない。私とさとりとこいしの3人はそれをしっかりと見切りながら避けていく。どうやら、休憩の暇もないようだ。
「ありゃ?当たらないなぁー?」
鴉は首を傾げながら、さらに弾幕を放つ。がむしゃらに避け続ける私達はついに体力が切れてしまった。はぁ、はぁ、と息をつきながら、私達は前方を見る。キリがないとおもったわたしは頭をポリポリと掻きながら
「あぁー!もう、さとり、こいし!下がってて!」
「え、しんりねぇ戦うの?!」
「仕方ないよ!ここは地上だから別にいいでしょ!」
「全く……幻想郷壊さないでよ?」
「何の心配してるのさとり………」
呆れる私は地面から足を離し、久しぶりに飛行した。鴉と平行になる高さまで浮き、しばらくの間睨み合う。緊張感のない顔がお互い見受けられた。
「真理「真実の向こう側」!」
私の周りに10メートル四方の鏡が出現し、小さな弾幕を無数に放っていく。それは全て鏡によって反射し、鴉へと向かう。しかし、鴉の弾幕は全て破壊力が高く、小さな弾幕ではほぼ一振りで半分が消え失せてしまった。
「うにゅ、なかなか強いね!」
「………あんたこそ!」
見た感じ、鴉にはスペルカードはないようだが、通常弾が異常に速く、破壊力がある。スペルカード以上の威力だ。私は心底ビビりながらも恐怖心に打ち勝ち、続けて弾幕を放つ。
「火焔「燃え続ける心臓」!」
ここは地上で、なおかつ人気のない竹林の中だ。いくら強力な弾幕を放とうが、被害は無いはずだろう。私は大きな炎を纏う弾幕自分の妖力を込める。しかし、それもまた安易に防御され、私は膝に手をつく。妖力と体力は同じようなもの。妖力を酷使すれば、体力も自ずと無くなる。
「はぁ………はぁ……」
見ず知らずの妖怪に突然攻撃され、意味も分からないまま応戦してしまったが、思った以上の力に私は少しだけ後悔する。話せば分かってくれたのではないか。もう奥の手を使って黙らせるしかないのかな………
「およ?もう終わりかい?」
つまらなさそうに鴉は首を傾げる。私は少しだけ語尾を強めて、こう質問した。
「あなたは、なぜ私たちを攻撃したの?」
「…………私が、あなた達を?」
私は鴉の答えが出るまで待っていた。まともな回答をお願いしたいところだが、これが人里の人間の仕業だったら大人しく引くしかないだろう。しかし、今更人里の人間共が私たちを攻撃しようとは思わないし、確率は低いと思われる。するとようやく、鴉が口を開いた。しかし、その答えは私の予想の一周半回って意外すぎるものだった。
「……何でだっけ?そもそも、あなた誰?」
「……………は?」
言っている意味が分からない。あっちから攻撃してきたのに………もしかして私が覚り妖怪ってことも知らないんじゃないのか?すると鴉はしばしの間考え、こう放った。
「お前達がいたから!攻撃したんだ!」
「……いやいやいやいやいやいや…」
ますます意味がわからない。私たちが、ここにいたから攻撃されたのか?
「これ以上考えても頭が痛くなるだけだな…………」
「うにゅ?もっかいやる気かー!」
「真相「混合のバレットハート」!」
とっとと終わらせたいがために、私は強力なスペルカードを唱えていた。鴉のサイドから襲う弾丸のような弾幕。真上、真下からはレーザー弾幕が流れるように、真後ろは大玉弾幕。私は右手を上にかざす。すると手のひらに一つの物体の感触があった。それは白銀色の光を放つ銃。私は標準を鴉に合わせる。
「邪魔だ邪魔だー!」
鴉は周りの弾幕を少しずつ減らしていっている。そして、その弾幕たちが消えかかった瞬間、私は銃の引き金を引いた。
銃口からはハート型の小さな弾幕が連射され、素早く鴉を囲む。
「これで
まぁ、
私は下に落下した鴉の元へと向かう。地面には足をピクピクと動かしながら力尽きた鴉が伏せていた。
「強かったわね………この鴉」
「そうだね…久しぶりに強い相手と戦えたし、私は満足かな」
「いってて………」
鴉が顔を上げる。全く、妖怪というものは回復が早くて困る。私は溜息をついて鴉にこう言った。
「もう、いいから早く家に帰りな?もう日も沈んだし、これからはところ構わず戦っちゃダメだよー?」
「うにゅ………うん」
どうやら反省はしてるみたいだ。私はそれに少しだけ安堵した。もう一回戦いたいなんて言われたらそれこそ私の体がオーバーヒートする。すると鴉はまたとんでもないことを言った。
「あれ?私の家ってどこ?」
「……大丈夫?」
「あ、思い出した!私家ないんだった!」
一体この鴉はどうやって生き延びてきたのだろうか……家がないってよっぽどの事じゃないか……
「……連れはいないの?」
「いないよ?私一人だもん」
「……どうする?さとり……」
「どうするって言われても……どこか預けてくれる所は無いの?」
「とゆーか、この鴉……馬鹿を偽ってる訳では無いよね?」
私がさとりにそう投げかけるとさとりのサードアイが見開き鴉の心を読む。
「どうやら、この鴉の馬鹿さは本当のようだわ。本心から言ってるもの」
「え、ホントなの……」
それもかなり重症だと思うけど…本当にどうやって生きてきたんだろ…………?
「ねぇ、あなたはどうやって生活してたの?」
「狩り!」
「それは覚えてるんだ………」
狩りって本当に無一文で身よりも無かったみたいだな………なんか可哀想………
すると今まで一切口を開かず、黙りこくっていたこいしが元気よく手を挙げ、提案をした。
「はいはーい!この子ペットにしよーよ!」
「ぺっ、ペットぉ!?」
「だってカラスだし!可愛いじゃん!」
確かにこの鴉は思ったよりも可愛い。黒髪もしっかりとセットしてあり、艶がある。それに…………デカイ!ずるい!私がそう悔しがっていると、早速さとりが口を開いた。
「ダメよ、こんな危険な妖怪」
「うぅー、瑞乃のこと飼えなかったし、いいでしょー!」
「………瑞乃の代わりなだけならいいけど、あの姉さんがあそこまで苦戦するほど危険な妖怪を地霊殿に住まわすことは出来ないわ」
「うにゅぅ…………」
こいしと鴉が俯く。正直、私もこの子を飼いたい。一緒に生活したら、楽しそうだし何よりいい相手になる。
「ねぇ、さとり。私からもお願いするよ。身よりが無いのも可愛そうだしさ………」
「う、姉さんまで………」
「実際、地霊殿も広すぎるくらいなんだからさ、ペットの1匹や2匹いいでしょ?」
「まぁ、姉さんがそこまで言うなら……」
さとりがついに折れた。溜息をつくさとりとは裏腹に、こいしと鴉は飛んで喜んでいた。
「やったぁ!ありがとうさとりねぇ!」
「ありがとー!私は霊烏路 空!八咫烏っていう妖怪なんだってさ!私もよく分からないけど!」
全く元気のある妖怪だ。こいしと仲良くなれそうだな…とゆーかぴょんぴょん跳ねる時に揺れる乳がせこい………私もあれくらい欲しいのに………子供だから仕方ないのかな………
「……うつほってどういう字なの?」
「空って書くの!」
地面に自分の名を書く空。するとこいしが考え込む。
「うつほじゃ言い難いから………あだ名みたいなの……」
「『お空』でいいじゃない。可愛いし」
さとりのネーミングセンスには敵わないな………私とこいしはブンブンと首を縦に振る。
「君はそれでいいの?」
「うん!ありがとうさとり!いや、さとり様!」
「別に飼い主だからって『様付け』はいいわよ………」
「まぁまぁ、お空なりのお礼でしょ?素直に受け止めよ?」
「…………そうね」
「じゃあ帰ろ!お空!」
「はい!」
私たち古明地三姉妹に新たに霊烏路空という八咫烏のペットが家族として地霊殿に加わった。