ハマりすぎてコミック買っちゃった次第です。
近々、にわかながら小説作ってみたいと思います。
覚り→覚ではというご意見をもらいました。
しかしごめんなさい!覚りの方が語呂が良いのでこのままということにさせていただきます!
ご指摘くださった通りすがりさん、申し訳ありません。
私たち3人はお空やお燐の後ろに引っ付きながら人里へと降りていく。また覚り妖怪は邪魔者だとか言われたらそれこそ前のように殺意が湧いて人を殺してしまうだろう。まぁ、殺せる勇気はないんだけどね……
「じゃあ……入ろうか…」
人里の入口まで来た時、手の震えが段々と大きくなってきていた。そして、恐る恐る人里を歩く。
「……………っ!?」
何故だろうか、人々の目線が私たちの方に向かない。こいしがまた無意識でも使っているのだろうか?私達は不思議に思いながらそのまま大通りを歩いていく。あの天狗の言う通りだったみたいだ………
「大丈夫だね。よかったじゃないか」
お燐が私の頭をわしゃわしゃと撫でた。何やら子供扱いされているみたいで嫌だ。
「あ、あの子可愛いー!」
「っ!?」
突然、私は誰かに声をかけられた。声の主は私と同じくらいの身長の女の子。目をキラキラさせてこちらを見ていた。私はどうしていいか分からなくなりタジタジしていると、女の子がこちらに駆け寄ってきた。
「あなた可愛いね!お名前は?」
よく見ると白が基調のドレスで少しだけ黒が混じっていて、上品だ。髪の毛もセミロングだが、しっかりと手入れがされており、真っ直ぐに黒い髪が伸びている。俗に言う「お嬢様」だ。私もその幼いながらの美貌に少々見とれた後、慌てながら自己紹介をする。
「え、えと、古明地しんり………」
「しんりちゃんって言うの?」
私はコクっと小さく頷くと女の子は私の手をぎゅっと握って引っ張った。
「ね、私達友達になろ!」
「とも……だち?」
「そ、友達!」
私は初めて友達ができた。それが何よりも嬉しくて、おそらく年下であろうこの子に、友人として惹かれていったんだ。私は歓喜のあまり口が緩んでしまっていた。
「うん!よろしくね!」
「良かったじゃない姉さん。私達は先に地底に帰ってるけどいい?」
「あ〜、そうだね。うん、先帰ってて」
そう言って他の4人は私のことを微笑ましそうに見た後、来た道を戻っていた。
「あれは妹さん?」
「そうだよ、後は友達」
「沢山いて楽しそうだね!」
「ね、あなたの名前はなんて言うの?」
「私はセリカナ・クレセ・ステナミア。長い名前だけどセリカナで覚えてね!」
「セリカナ………」
長い名前をつけられているあたり、お嬢様であることは確定だな……もっとお嬢様ってわがままなイメージあったけど…私の偏見みたいだったね。
「じゃ、どこか遊びに行こっか!」
「う、うん」
セリカナが思ったりよりも活発で最初はただ疲れるだけだったけど、最終的にセリカナが考えたものは全て面白く感じるようになった。自分ももう16歳。大人にはなったつもりだが、まだまだ子供の部分が抜けきれていないというか、たまにはこういうのも悪くないって実感できた。
こうして夢のような時間はあっという間に過ぎていった。
「今日はありがとうね。セリカナ。楽しかったよ」
「こちらこそ、ところで、しんりはどこに住んでるの?」
「……実は地上じゃなくて地底に住んでるんだ。妖怪だし」
「しんりって妖怪なんだ!通りでそこに目がある訳だ!」
びっとサードアイを指さす。怖がらないんだ………私はそれに少しだけ感動を覚えた。
「そう、あ、もう時間だ。もう帰るね!」
「うん!またね」
私は元気よく走って人里を抜けていった。セリカナ・クレセ・ステナミア……長い名前だなぁ……私はそんな初めての友達、セリカナと知り合った。
「ただいまー」
「あ、姉さん。おかえり、あの子どうだった?」
「楽しかったよ。優しかったし」
「そう、良かったじゃない。仲良くなれて、それに嫌悪の心が一人もいなかった」
そう、今日は特別なのか何なのか、覚り妖怪に嫌味な目線を送る人は誰ひとりいなかった。まぁ、約10年前の出来事を覚えている人物なんているわけが無い。
「あ、しんり様!」
「ん、どしたの、お空?」
「お燐がここに住みたいって!」
「お願いだ。あたいの住むところがないんだよ……」
「え?!う、うーん……」
お燐がここに住むのはこちらとしても歓迎したいが、今の地霊殿はお金が少ない。別に困っているわけではなく、贅沢ができない状況ということである。さとり曰く「姉さんの誕生日会でお金使いすぎた」とのこと。
「いいわよ。別にペットが増えるのは嬉しいし……」
「ほ、ほんとかい?!ありがとう!」
お燐は顔を明るくし、私たちに頭を下げる。まぁ、猫だしペットって事でさとりに管理してもらおう。するとお空が少しだけドヤ顔でお燐を早速指摘した。
「お燐。あの3人にはしっかりと「様」を付けること!」
「え、あ……そういうの恥ずかしいな……」
「恥ずかしがってちゃペットなんか出来ないぞ!」
あの鳥頭……めんどくさい性格してるな……まぁ、2人は元々親友だったらしいし、これからの関係で困ることは恐らくないだろう。お空の面倒も見てくれそうだ。お金のことなんか気にしてられないな。
「分かったよ……よろしくお願いします。しんり様」
「うん、よろしくね。これからはお空のパートナーとして面倒見て貰えると嬉しいな」
「んなっ!お言葉ですけどしんり様!私は面倒見てもらうほど鳥頭じゃありませんよ!」
「お空、寝言は寝てからだよ」
私がそう一言零すとお空はうぐぐ………と唸ってお燐の背中をバシッと叩いた。
「いっ!?」
「これからよろしくね!お燐!」
「どれだけ負けず嫌いなんだよお空……」
「負けず嫌いじゃないです!ごはん作ってきます!」
そう言って、ズカズカと歩きながら厨房の方へと早歩きで行ってしまった。それを目で追いながら苦笑いをする。あんなに意地を張ったお空は初めてだ。
「あはは………まぁ、いつも通り接してやってよお燐…」
「え、ええ……そのつもりですけど……あんなお空初めてですね……」
「さてと、私は書斎に戻るわ…」
さとりは一度大きく背伸びをした後、体を所々伸ばしながらお空とは反対方向へと歩いていった。私もこの後やることがあるんだよなぁ……
「「真実の歯車」読まなきゃ」
「あ、あの瑞乃から貰ったやつ?」
「そう」
瑞乃から貰った憧れの小説。まだ内容は詳しく把握出来てないため、今日明日でじっくり読みたいと思っていた。
「じゃあ、夕飯時になったらお呼びしますね。こいし様はどうします?」
早速お燐のペットが板についてきたみたいだ。なかなか飲み込みの早いヤツでお空よりも扱いやすいかも………まぁ、猫姿は可愛いし、関わりやすいしね。
「私はお燐とお話してるー!」
「あはは……しかし、お仕事がありますので……」
「いいよ初日くらい。こいしのお話し相手になってあげて」
「い、いいんですか?ありがとうございます」
「じゃ、夕飯の時はよろしくねー」
右手をヒラヒラとさせながら私は自室へと向かう。暖房のない廊下はやはり冷える。長袖を着ているとはいえ鳥肌が少しだけ立ってしまう。自室のドアを開け、静かなこの空間の中、私は椅子に座って「真実の歯車」を手に取る。そして1ページ目からしっかりと読んでいく。
大方の物語は一人の女性の愛人が何人もの女に手をかけていた事が判明し、その女性が男を殺し、そして、女もある場所で自害するというシリアスな物語。どこにでもありそうな小説だが、私は元から「稗田阿求」さんのファンで、目に入った時は無性に惹かれたのだ。
「やっぱり………書き方が上手だな……」
まるで自分が小説の世界に入っているかのようにめり込ませてくれる。これができるのは阿求さんしか見たことがない。それに、鈴仙さんは阿求さんと知り合いなのだ。ということは意外と身近にいるってことなんだよね………
「今度……お願いしてサインだけでも貰おうかな……」
私は阿求さんの容姿を妄想する。かっこいい人かな……それとも美人さんかな………楽しみだなぁ……
余談だけど、この後私がずっとニヤニヤしていたらさとりが私の部屋に来て、見られたんだ。そしたら真実の歯車が実はエロ本なんじゃないかって間違われてさ、危うく捨てられるところだったよ。