ハートだよ!覚り三姉妹!   作:かくてる

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ありきたりなフラグ立てた方がいいよね


実際の東方地霊殿とは違ったストーリーですので、それを知った上で読んでいただけると嬉しいです。


地底異変だよ!覚り三姉妹!
異変の始まり、核融合


 いつも通りの朝、地底の天井の岩の間から差し込む陽の光が地霊殿の私の窓まで届き、微かな光となって私の目を刺激する。

 

「ん、んん……」

 

 私の瞼が少し震えた瞬間、扉の木製の軽快な音が聞こえた。その後、ドア越しなので少し籠り気味の女性の声が聞こえる。

 

「しんり様ぁ〜、朝ですよ。起きてください」

「わかったぁ……」

 

 お燐の声だ。今現在一番長く共に過ごしているのはお燐なので、すぐに分かった。

 私は重い体を起こし、部屋を見渡す。いつもと変わらない部屋に安堵感と悲壮感が同時に生まれる。平和なのはいい事だが、何か刺激が欲しい。地底パーティをしてから、瑞乃ともよく遊ぶようになったし、鈴奈庵にも定期的に訪れている。楽しい日常なのだが、言わば平凡なのだ。

 ベッドから足を下ろし、立ち上がる。朝食の時間なので、ドアを開けて廊下に出ると、さとりと鉢合わせした。

 

「ん、おはよ」

「おはよう、姉さん」

 

 私と同様に、さとりは目が半開きで、欠伸が連続で起こる。お互い無言で歩きながらも、すぐに食堂についた。そこにはもういつも通りの朝食が並べられていた。

 

「……あれ、お空は?」

「分からないです。ご飯だけ置いてあったので私が多少作りました。今日は朝から見てませんね……」

「どうしたんだろ?」

 

 結局お空はここに来ず、四人で食事を取った。その後、髪を結って、いつも通りの格好に戻った後、「真実の歯車」を読んでいた時だった。慌てて走る音が廊下に響く。

 

「し、しんり様!」

「あ、お燐、どしたの?」

「お、お空が……」

 

 お燐の必死な慌て様に、私も動揺を隠せないでいた。急いでお空がいるところに向かう。

 地底にある間欠泉という温泉の元が噴き出していると、地底の妖怪達が騒いでいる。

 

「お空!」

「うにゅ?」

「何やってるの?」

 

 動揺を悟られないように、落ち着き払った声でお空に問う。

 

「なんか神様にかくゆーごー?ってのを貰って強くなったから地上を攻撃してみよっかなって……!」

「またバカなことを……」

 

 お燐はそのお空を止めようとするが、それを私が制す。

 

「やってみようよ、お燐、セリカナちゃんや、永遠亭の面々には迷惑はかからないよ。人里の真下に地底はないし、迷いの竹林にもない。一度やってみようよ。今頃地上には温泉が噴き出してるんじゃないかな。お空も色々溜め込んでたんてしょ」

「……しんり様がそこまで言うなら…………」

「でも、さとりには黙っておこう」

 

 最後に付け加えるように言った私に苦笑いするお燐。乗り気ではないが、面白そう…って考えてる。お燐は地底を見渡し、間欠泉の方へと歩いていく。

 

「こちらの方で異常が起きていなかったら、地上にも迷惑はかかりません……」

「そうだね。お空は博麗の巫女に一度退治されればいいよ。そしたら反省するかな」

「というか、核融合なんてあいつどこで手に入れたんですか?」

「さぁ?そういや、昨日の夜からお空いなかったな」

「そこですね。誰かに取り付け………………………………あ」

 

 お燐は言葉の途中で冷や汗が流れ始める。口をパクパクさせ、声にならないかすれ声が聞こえる。

 

「ち、地霊が…………」

「どしたの?」

 

 お燐はピッと間欠泉のある上空に指を向ける。私はそれをなぞるようにお燐の指の先を見る。そこには紫色の塊が次々と地上に出ていくのが見える。お燐が管理する怨霊たち、地霊が間欠泉の穴から出ていくのが見える。

 

「あ〜、あれってどうすればいいの?」

「………恐らく、しんり様が博麗の巫女に怒られますね。いや、退治されるか」

「……じゃあ、これが異変ってやつ?私達黒幕?」

「そうなりますね。まぁ地底の妖怪達が博麗の巫女くらい食い止めてくれますよ」

「まぁお空だしね……」

 

 安堵のため息とともに、このままお空が止まってくれるのか、心配もあった。お燐がいるし、博麗の巫女もいい人だと鈴仙さんも言っていた。そこまで大事にはならなさそうだ。私とお燐はそのまま地霊殿に帰った。

 

「多分、今日中に博麗の巫女は来ますよ」

「まぁその時はその時だね」

 

 別に、正直どうでもよかった。これで地上が荒れようとも、博麗の巫女が私達のところに来ても、ちょうど暇だったし。お空にこのまま暴れさせてもいいかな。核融合なんて誰につけられたのか知らないけど。

 

「とりあえず、さとりには黙っておこう」

「そうですね……バレたら怒られるの私ですけど……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………はぁ」

 

 博麗神社。唐突に噴き出した間欠泉からの温水。博麗神社に温泉が加わったら参拝者が増えるのでは………。そう思った私は温泉の道具を集めようとしていた。

 

「霊夢」

「……………誰?」

「紫」

「何しに来たの?」

「地霊が出たのよ。恐らく、地底の方に」

 

 めんどくさい。紫のその少ない口数からも伺うことが出来た。

 

「嫌よ。せっかく博麗神社にも温泉が沸いたのだから」

「そこから霊が出てくるのよ?」

「………まだ出てきてないけど」

「もう何体も出てるわ。だから霊夢。地底に行きなさい」

「ええ……一人で?」

 

 肩をがっくりと落とす私。ポリポリと後頭部を掻き毟る。憂鬱すぎてため息が何度も出てしまう。

 

「安心なさい、陰陽玉でサポートするわ」

「…………しゃーないわね。お賽銭いれときなさいよ」

「はいはい」

 

 すると私の周りには紫と白の私の頭程度の大きさの陰陽玉。私のサイドを浮いている。

 

「じゃあ、行くわよ。どこから行けばいいの?」

「そうね………妖怪の山から入れるはずだけど……」

 

 博麗神社は山の上なので、飛ぶのはだいぶ楽だ。そのまま風の抵抗を受けながらも負けずに前に進む。少し時間がかかるが、そこまで困らないだろう。その間、隣の陰陽玉から嫌味ったらしい声が聞こえる。

 

「どこかでサボらないでね?私見えるんだからね?」

「分かってるわよ!もう声かけないで」

「はーい」

 

 ふてくされる演技の声をしながら紫からは一切声が聞こえなくる。私はため息をついて

 

「とっとと終わらせて温泉入ろ……」

 

 そう決めた私は妖怪の山にたどり着き、小さな穴を見つける。

 

「よし……」

 

 急降下し、スピードを上げて小さな穴に入り込む。唐突に気温が下がり、鳥肌がたった私はスピードをもっと上げた。早くこの空間から出たかった。

 

「早く終わらせて早く温泉入るっ!」

 

 持っていたお祓い棒を強く握りしめ、なびく髪が少しだけくすぐったかった。

 段々と地底に近づいていくと、気温は少しずつ上がっていた。

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