Twitterでも書きましたが、すっごく感動したし、幽々子様がエロ可愛い。
推しキャラが揺らめきそうだったよ。
「あぁん!もう!ちょこまかとすばしっこいわね!」
苛立ちを含んだ博麗の巫女が叫び、札を放ち続けている。それに対して私は博麗の巫女の心を読んで、札の先の軌道を分かっているため、避けるのも苦労はしなかった。
「想起「飛行虫ネスト」」
縦に落ちるビーム弾幕と横から出現する蝶弾幕が博麗の巫女を襲う。博麗の巫女もそれが危ないと分かったのか、即座に私から距離をとった。
「あなた…心が読めるのよね?」
「ええ」
「なら……紫!」
「はいはい」
「?」
私は博麗の巫女と地上の妖怪の会話を首を傾げながら聞いていたが、全く意図が分からなかった。
「さぁ、行くわよ!」
博麗の巫女はまた札とお祓い棒を持って、構えた。
「無駄よ!心が読める限り、あなたに勝機は無いわ!」
「それは……どう、かしらね!」
私のサードアイが見開かれる。そして私は能力を使って、もう一度先のことを読もうとした。
「!?何で?!」
私の心に流れ込んできたのは、別の者の記憶だった。今の博麗の巫女の心ではなく、誰かの「記憶」。それだけが私のサードアイに届いたのだ。
「くっ!?何したの?!」
「陰陽玉はね。心を支配することも出来るの。だから、今あなたに流れているのは、私の"記憶"。今の"軌道"は読めないわ。もっとも、私が最低限戦えるほどの心はあるけど、八割は陰陽玉に支配されているわ」
「何よそれ……」
仕方ないので、自力で避けるしかなかった。しかし、自力と言っても、私はそこまで運動が得意なわけでもなく、目がいいわけでもない。
「想起ーーーーー」
「させない!」
スペルカードを唱える暇もなく、私は札が次々に当たっていく
「さすが覚り妖怪ね。体力が高いわ」
「はぁ………はぁ……たかが人間に負けてられないのよ……」
「その割には、負けそうよっ!」
博麗の巫女は一枚のカードを取り出し、大きな声で詠唱を始めた。危機を感じ取った私はすぐさま後ずさるが、もう遅かった。
「封魔陣!」
赤く激しい波がホールを覆う。それは熱くもなく、冷たいわけでもない。私はその威力に押され、遠くまで吹っ飛んでいった。私が放った弾幕もその場で消されていた。
「きゃあ!」
「ふぅ……終わりっと」
地面に仰向けで倒れる私の前に立つ博麗の巫女。その顔は私を見下しているようにも見えた。
「さて、ペットの居場所を教えてくれるかしら」
私は確証はないが、恐らくここだろうと言う検討は付いていたので、保険をつけながら私は博麗の巫女に場所を明かす。
「恐らく、ここの地下、間欠泉地下センターにいるはずよ。まぁ、人間なら熱くて熱中症にでもなるんじゃないかしら?」
「そ、心配してくれてありがと、じゃあ、異変が終わったら猛省するのよ」
「……分かりました……」
博麗の巫女の迫力に押されたからか、私は博麗の巫女に対して敬語で話してしまっていた。当の博麗の巫女はそんなことを気には留めず、そのままホールの奥の方に入っていった。
私は窓から地霊殿を出て、勇儀さん達に報告しようとした。飛び回って勇儀さんを探すが、一向に見当たらなかった。するとその時、下から聞いたことのない声が聞こえた。
「あ、おーい!」
最初は私に向けられたものでは無いと思っていたが、下を見ると、明らかに私に向かって手を振っていた。念のため、私は自分を指さす。すると下にいた者はコクコクと頷いた。私はその場で垂直に落ちていく。
「よっと………あの、誰でしょうか?」
「うん、私は洩矢諏訪子。んで、こっちが八坂神奈子。よろしくね」
「は、はぁ……古明地しんりです」
「しんり………君がお空の主人かな?」
「あ、はい。そうですが……」
金髪の小柄で目玉付きの帽子を被った者と注連縄を背負った紫のセミロングの者が私に語りかけてきたのだ。
「私達は神様、土着神と天津神なんだ」
「か、神様ぁ!?」
私は慌てて姿勢を正そうとしたが、二人はそれを止めた。
「いいよいいよ。いつも通りで」
「は、はい。そうですか……」
苦笑いをする二人につられて私も苦笑いをした。すると天津神の神奈子さんが真面目な顔に戻った。
「実は、彼女に核融合を取り付けたのは私達だ」
「え?そうなんですか?」
「ちょっとした産業革命のため……というか、新たな灼熱地獄を生誕させたかったんだけど……」
「だけど?」
二人の神様は困り果てたような顔で私にお願いをしてきた。その顔を少しだけ、いや、本当に困っているような顔だった。
「お空があそこまで鳥頭だとは思わなくてね。ただ地上を破壊しようとしてるだけになっているんだ」
「そ、そもそも、どうしてお空に核融合を取り付けたのですか?」
「あぁ、八咫烏の力を手に入れたら、地獄鴉は太陽の暑さに強いんだ。だから、最適かと思ったんだが……予想外でな…」
「だから、頼むよ。しんり。お空を大人しくして欲しいんだ」
「それなら、今博麗の巫女が止めに出動してますけど……」
私がそう言った途端、二人の顔が一気に青ざめた。そして私から数歩後ずさりながら、私に問う。
「それは……本当?」
「ええ」
「や、やばいよ神奈子……私達に飛び火が来るよ……」
「こ、こればっかりは…仕方ない……だろう……」
「お二人共、足が震えてますけど……」
私がそう指摘すると、二人は深呼吸を始めた。そして小さく「落ち着けぇ………落ち着けぇ……」という声が聞こえていた。
「だ、大丈夫ですか?博麗の巫女に何か……」
「以前、私たちが異変を起こした時に、ボッコボコにやられてね……黒幕だと分かった瞬間から容赦しないんだよ、彼女は」
「そ、それはまた……とんでもない巫女ですね」
「とっ、とにかく、頼むよ!しんり」
そう言って、二人は勢いよく上に飛んだ。そのスピードも、天狗にも匹敵するのではと思うほどの超スピード。私は姿が見なくなるまでそれを見送る。
「ってことは……私もボコボコにされると」
いつもなら怯える私だが、今はそんなこと無かった。女の子が言うのもあれだが、ぶっちゃけ上等だ。博麗の巫女と戦えるのはとても楽しみだし、さとり達がどれだけ強くなったかも知りたいから。
「さてさて、地霊殿に戻るか」
勇儀さんを探すつもりで外に出たが、結局いないし、時間だけが過ぎていきそうなので、私は地霊殿に帰ることにした。帰りの道中も少しだけ探したのだが、勇儀さんは結局見つからず、すぐ地霊殿に帰ってきた。
今度は玄関から入り、私は中を確認する。私は未だに博麗の巫女と対峙していない。なので警戒は怠らずにいた。
「………」
私は玄関を入ってすぐのホールを見渡していた。罠や不意打ちに注意しながら進んだ。すると階段の下に座っていたさとりを見つけた。
「さ、さとり!?」
「んあ……姉さん?」
「ど、どうしたの?」
服はボロボロで体には軽い傷があったが、重症ではないようだ。私は体を持ち上げ、瞼をあげたさとりに問う。
「は、博麗の巫女……かなり強いわよ……」
「え…さとり負けたの?」
「え、ええ……桁外れね。ただ実力があるだけじゃなくて、しっかりと考えて、どうやったら勝てるかを無意識に分析していたわ」
無意識に相手に隙を突き、そして弱点を解析する。これはいわゆる"天才"の領域だ。私はそれを聞いて息を飲んだ。さとりは自分で体を起こし、その場で私の方を向く。
「恐らく、お燐でもお空でも勝つのは難しいわよ」
「そ、そんなに?」
私は耳を疑うような事を今日何回も聞いた気がして、正直うんざりだった。
「よし、じゃあ、お空が倒されたら、私は博麗の巫女と一度手合わせしてみようかな…」
お空やお燐よりも強い相手ならむしろ私は燃える。何も無い日常生活にはもう飽きた。もう少し広い視野を持ってこれから生活していけたらいいな。そういう思いも、心の片隅にあった。