他作品も追って投稿します。
会場に戻った私とレミリア。会場にはもう霊夢やこいし達は色々な人と関わりあっていた。
「さて、私達も輪に入りましょ?」
「う、うん…」
「……お?お前が……」
そこに来たのは金髪ロングの可愛らしい少女、いかにも魔法少女という感じの容姿で顎に手を当て、私の全身をマジマジと見ていた。私はその行為に少したじろぐ。
「あ、あの……」
「お前か!さとりの言ってた姉さんって」
「へ?あ、はい…まぁ…」
「へぇ……まぁ、よろしくな、私は霧雨魔理沙」
「あ、古明地しんりです」
差し出された右手を私は優しく重ねてみる。男らしい口調の割には小さく細い指が私の手を包んだ。その指は滑らかで憧れるほどの白さだった。そんな私の目線を見て不思議に思ったのか、魔理沙さんは少し目を細めた。
「どうした?」
「へっ?あ、いえ、なんでも……」
「姉さん、魔理沙。そろそろ乾杯するわよ」
「わ、マジか」
私と魔理沙さんは隣で酒を注ぎあった。レミリアと同じく、魔理沙さんともすぐ仲良くなれそうだ。
乾杯の時には両サイドに紅魔組と魔理沙さんがいた。
私はいつの間にか、こんなに友人が増えたのかと、少しずつ自覚してきていた。
「では、みんな酌を持ってぇー」
「気だるそうだな……霊夢」
どうして霊夢に乾杯の音頭を取らせようとしたのか、疑問である。しかし、周りは皆それに対して笑い。楽しそうな雰囲気が一気に漂い始めた。
「では、かんぱぁーい」
『乾杯!!』
その音頭と共に守矢神社にいた全員が酒を飲み始めた。私は端の方で魔理沙さんと長い長い会話をしていた。
「んでな?そのチルノってやつが馬鹿でさー」
「あははははっ!」
「あら、魔理沙だけずるいわよ」
「お?レミリアと……フラン?来てたのか?」
「うん、お姉様に許可貰ったんだ」
レミリアにかなり似た少女、彼女の言う「お姉様」は恐らくレミリアの事なのだろう。なんとも可愛らしい容姿と髪だ。女の私でも少しだけ見惚れてしまった。
「紹介するよ、古明地しんり。地底に住む妖怪だ」
「よろしく!私はフランドール・スカーレット。レミリアお姉様の妹よ」
「あ、うん。よろしく」
私はまた握手をする。宴会だから仕方ないのだろうが、私は今日だけで何回握手をすればいいのだろうか。心の中でそう思いながらも実はこうやって友人が増えていくのは嬉しいことだった。
「さーてさてさて、飲もうぜ!しんり!」
「え?でも、お酒はちょっと……」
以前にさとりから痛い目にあったので、お酒はあれ以降から少し避け気味になっている。今もこうやって魔理沙さんの誘いも敬遠してしまっている。
しかし、魔理沙さんは不機嫌そうな顔をして、さらにずいっと酒を押し付けてくる。
「いいから飲め!うめーから!」
「え、え……まぁ、いいか……宴会だし」
私は思い切りその酒をグビッと一気飲みしたのだが、何故か拍手が起こるような雰囲気にはならず、何故か驚愕の顔で私を見るレミリアと魔理沙さん。
「あ、あーあ……」
「ど、どうしたの?」
「それ、めちゃくちゃ度が高いぞ」
「えっ……」
終わった。私はこれから暴れることだろう。さとりにめっちゃ怒られて、お小遣い減らされるんだ。通りかかった霊夢に抱きつき、大声で泣く。
「うああああ!小遣いがぁぁぁ!」
「ちょっ、何よ!?」
「あ、わかったわ。さとりにお酒飲み過ぎて怒られて、その後お小遣いを減らされるってとこね」
レミリアの正確すぎる推理に、私はさらに泣きたくなった。そして背後から大声で笑う声が。
「きゃはははは!しんりねぇださ!だっさ!」
「う、こいしうるさい!」
「まぁ、この後が大変だな。レミリア、酔ったしんりの対応よろしく」
「嫌よ。飲ませたのはあなた。自分が撒いた種よ」
「うぐぐ」
「とりあえず、大人しくしてなさい。酔わなくなるから」
「う、うん……」
私は霊夢に宥められ、また魔理沙さんとレミリアの間にちょこんと座り込む。さっきまで馬鹿にしていたこいしはフランさんと仲良く遊びにいった。
「その……なんだ。色々ごめんな」
「いえ、魔理沙さんの話を聞かずに飲んだ私が悪いですよ……」
う……この後が思いやられる……
私は憂鬱になりながらも、この宴会を見渡した。人間や妖怪、神など、様々な種族が壁を超えて交流している姿に、私は驚いた。
「コレ見てると、地底にこもってた私たちがバカみたいよね」
「さとり……」
「だってそうでしょ?今の幻想郷は以前とは違う。そんなの分かりきっていたのにね……」
「……そうだね。まぁ、機会が来ただけありがたいや」
「そうね。あ、姉さん」
「んー?」
「またお酒飲んだりしてない?次酔って迷惑行為したら今度こそお小遣いなしだからね?」
「だ、大丈夫だよ?多分……」
「そ、ならいいけど」
素っ気ない態度を取りながら、別の場所へと移動するさとり。もしかしたら、酔っても宴会だから許してくれると思っていたが、今釘を刺されて私はもう終わったと、そう確信した。
数時間後。
「魔理沙さぁーん、飲みましょーよぉー!」
「し、しんり……さっきの酒か…」
見事に。本当に見事。
私はベロンベロンに酔っ払っており、もう中年男性のそれだった。流石の魔理沙さんもドン引き。
「ちょ、しんりっ、飲み過ぎ……」
「レミリアもぉ、一緒にのもぉ?」
「……ふ、不覚にも少し可愛いと思ってしまったわ。後はよろしく魔理沙」
「って、おい!私を1人にしないでくれ!」
「ええー、レミリアつまんないのー。まぁいいや、魔理沙さん。飲みましょ?」
「え、私もそれ飲むのか?い、嫌だ嫌だ嫌だぁぁぁぁ……」
魔理沙さんの断末魔の叫びは守矢神社に一瞬だけ反響したらしいが、そのまま他の人の声でかき消されたらしい。
「はぁ……姉さん……また…」
「うへへぇ……さとりぃー?」
「もう姉さん、小遣いゼロね」
「ええー?やだなぁー」
「見たところ。完全に回ってるわね……」
「いいわよ。そういう所なんだから」
「霊夢さん……」
さとりが私に呆れている中、背後から顔を赤くした霊夢が姿を現した。彼女もまた酔っ払っているんだろう。
「よっぽど疲れてるんでしょ?手の焼ける妹が二人もいてね」
「……手を焼いているのはこちらなんですけどね……」
さとりは苦笑いをして霊夢に微笑み返した。しかし、そのさとりの顔は何故か不機嫌には見えなかった。それは、心の底からこの宴会を楽しんでいるのが分かったそうな。
「ほらぁー!霊夢ものもぉー!」
「あ〜、はいはい。飲みますか」
「やったー!はい、さとりも!」
「………仕方ないわね……」
さとりはこの後、楽しそうに私や霊夢達とお酒を楽しんだ。
それはもう、私たち古明地姉妹にとってはかけがえの無い思い出となった。
「全く……飲みすぎでしょう……」
宴会が終わる午前0時。私の背中でイビキをかきながら眠る姉さんとまだテンションが高いこいしと共に帰っていた。
「あららぁ、姉ながら可愛い顔だね?さとりねぇ」
「……そうね。いつもの姉さんとは思えないわ」
「…………優しい人たちだね…」
「………前みたいに、いじめられることはない……わね」
少し、自信がなかった。なぜなら、私は今日、一度も能力を使用していないから、彼女たちの本心が見えていないから。本当は嫌っているのかもしれない。
しかし、今日の彼女たちを見ると、そうは見えなかった。綺麗事を並べようともしていなく、ただ純粋に宴会を楽しみ、私たちと仲良くなろうと歩み寄ってくる人もいた。
「こいしも友達出来たでしょ?」
「うん!フランちゃん!とっても可愛い子なんだ!」
「そう……」
私も、咲夜さんと言う方とよく話すことが出来た。話も合うし、とにかく話しやすかったのだ。私はその事が今日一番の歓喜であった。
「さ、早く帰りましょ?」
「あれ?お空たちは?」
「先に帰ったわよ?」
「あ、そうなんだ」
そう言って、私は姉さんを担ぎ、こいしと一緒に地底へと帰った。私は何故か、地上を離れることに抵抗を覚えてしまっていた。