ハートだよ!覚り三姉妹!   作:かくてる

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今回から真面目回入ります。


ほのぼのは少しお休みを………それと、話の内容がぶっ飛びすぎてよくわからないです。
私もわかりません。


こいしが心を閉ざした日 その1

「あっつい…………」

 

 地霊殿にはクーラーも扇風機もないため、暑さを凌ぐものは無い。汗だくのまま、私はリビングのソファに倒れ込む。服がベトベトして気持ち悪い…………8月14日。夏、真っ只中だ。私は先月13歳の誕生日を迎え、さとりとこいしもそれぞれ成長し始めた。

 

「姉さん、クーラー買いに行きましょ?」

「そうだね……お金もまだあるし………クーラーくらいなら買えるでしょ………」

「なになに?またお買い物?こいしも行く!」

 

 さすがにこの暑さの中何もなしにただ耐えろなんて地獄すぎる、"旧"地獄なんだから暑いのはおかしいでしょ……

 

「って言っても………クーラーなんてどこに売ってるの?」

「河童………でしょうね…」

「ってことは妖怪の山か………………とおおおい……」

「2人ともだらだらしすぎだよ!もっと元気よくいかないと!」

「逆だよ………どうしてこいしはそんなに平気なのよ………」

「へ?」

 

 こいしはさとりのその言葉に首を傾げる。大丈夫なのか私の妹は………

 

「何が何だかよく分からないけど、早く外に出ようよ!」

「外に出るのも一苦労よね……」

「仕方ない……これが終わったらいっぱい涼めるよ……」

 

 ベトベトする服を脱ぎ、新しい服を棚から取り出す。着替えた後の爽快感は相変わらず気持ちいい。地霊殿の玄関まで歩く。こんな中、私の中には一つの心配事があった。私達覚り妖怪は人々から嫌われ、避けられている。それに、嫌われている的は私とさとりの2人なのだが、嫌われていることをこいしは知らない。こいしが生まれてからは地上には出ていないからだ。妖怪とは中がいいのだが、妖怪の山に行くには人里は通らないといけない。こいしに姉ふたりが避けられる様子なんか見られたくないんだけどね………

 

「じゃあ、姉さん、行こうか」

「うん」

「はーい!」

 

 どうやら、さとりも少し恐れているみたいだ。やっぱり心配だ……クーラーなんて買わなくてもいいのではないだろうか…そんなこともつゆ知らず、こいしの表情は笑っていた。その笑顔がさらに私たちを心配させる。ドアの鍵を閉めて歩き出す。こんな感じで姉妹三人で歩くのも久しぶりかもしれない。地底と地上を結ぶ通路まで来る。ここに来るのはほぼ9年ぶり、お母さんの出産の日以来だ。あの日から鈴仙さんとは何かと関わりを持ってくれて、今でもたまに地霊殿に何か食べ物を送ってくれる。それ以外、地上との関わりは絶っている。私とさとりはずっと心臓の鼓動が鳴り止まない。私たち覚り妖怪を覚えている人間は少ないと思うが、まだまだ覚えている人間もいるだろう。こいしに人間の汚れた心の声を聞かせるのもあまり良くない。人里はそそくさと行って、妖怪の山に行こう。

 

「よし、行こう、さとり、こいし」

「ええ」

「おー!」

 

 私達はゆっくりと通路を歩く。岩肌が出て、少し角張っているため、歩きにくい。しかし、ここはとても涼しい。しかし、私とさとりはそんなこと考える余裕なんかなかった。

 そうして、地上に出る。

 

「久しぶり…………だね」

「そうね」

「すごぉーい!ここが地上なの?きれー!」

 

 私たちのマイナスなテンションとは裏腹にこいしはぴょんぴょんと跳ねてはしゃいでいた。そして、下を見下ろすと人里が見える。数年前と変わってないその町並みは少しだけトラウマを燻られる気分だ。早足で降りて、人里の入口まで行く。

 

「姉さん、周りは見ないで一直線に行きましょう」

「分かってる。こいし、黙って着いてきてね。絶対にサードアイは使っちゃダメ。わかった?」

「?うん、わかった」

 

 小首をかしげながらも私の忠告にしっかりと対応し、頷いた。そして、私たち三人は人里に足を踏み入れた。

 

「……っ!」

 

 空気が変わった。どんよりした嫌な雰囲気。この原因は言わずもがな、私たちだ。人間は2人1組くらいになってヒソヒソと耳打ちをしていた。それは妖怪の耳なら絶対に聞こえるほど。

「あいつら……覚り妖怪じゃねぇか…」「どうしてここに来たんだよ……」「気味が悪い……」などと言いたい放題だ。私は直接危害が加わらないので無視をしていた。さとりも同じように、こいしはさっきの笑顔とは裏腹に心底怯えていた。そんなこいしの手を握る。

 

 

 

 

「心を読むとか……死んじゃえばいいのに…………」

 

 

 

 

 その言葉に、さとりが歩を止めた。

 そしてその言葉を放った男を睨みつける。

 

「さとり。抑えて」

「……………分かってる…」

 

 さとりの顔は今にも泣き出しそうで、見ているこっちの心が痛くなる。しかし、「死んじゃえばいいのに」か……………確かにここまで言われたことは無いな………私も何気にショックだ………よし後100メートル……早く河童のところに行こう…………と、その瞬間。

 

「止まれ!!」

「は?」

 

 人里警備隊だ。

 警察のようなもので、人里の安全を守っている団体だ。そんな所に私達は声をかけられた。そんな犯罪を犯した覚えもないし、そもそも地上に出たのが久しぶりなのだから明らかにおかしい。

 

「あの、何ですか?」

「あそこのお兄さんが、お前ら覚り妖怪に友人が昨日、殺されたと警備隊の方に連絡が来た」

「え?!ちょ、どういう事ですか?!」

「そのままの意味だ。お前らは人殺しを犯した。今の幻想郷のルールくらいは知っているだろう?」

 

 もちろん知っている。目的がしっかりとした明確なものであれば罪は軽くなるが、ただ妖怪の食欲を満たすためだけに人間を殺すことは重罪になる。無差別に人を殺すのも同様だ。

 しかし、私達は本当に身に覚えがない。

 

「本当に……やってないです…」

 

 さとりの弱々しい声がする。

 

「ダメだ。しっかりとした証拠がつかめるまで署にいてもらう。お前ら覚り妖怪は危険だしな!」

 

 その男は煽ってくるかのように笑いながら私の手を引く。

 この男も私たちが覚り妖怪だからこんなにつっかかってくるのだろう、その友人が殺された男性も後ろでケラケラ笑っている。私は堪忍袋の緒が切れそうになった。

 

「や、やめて!」

「おら、暴れんな!」

「離してよ!」

 

 私はスペルカードを使ってやろうかと思ったが、ここで無闇に騒ぎを起こしたら博麗の巫女が来る可能性が極めて高い。言いなりになろう……………そう思って力を抜いて黙ってついていこうと思った瞬間だった。

 

「ふざけないで!!!」

 

 私の背後から、ヒステリックなさとりの叫びが聞こえる。さとりの目尻には涙が溜まり、背後には白く、巨大な魔法陣が展開されていた。そして

 

 

 

 さとりはなんの躊躇もなしに、人里で私達をバカにしていた住民達に向け弾幕を放った。

 

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