女子中学生が幼馴染の女の子を堕とすまでの話 作:テッポウユリ
こっからは蛇足です。
「あの、高良美歩さんと四条波留さん、ガチで付き合ってるらしいよ――」
「マジで! 女子高だからあるかもとは思ってたけど……」
「しかも高良さんの方から中学の時に押し倒して、そして両思いが発覚して付き合いだしたんだって!」
「キャー! 何それ大胆!」
―――
「本人たちに聞こえてるって気づかないもんかな……」
「美歩が噂流したくせに何言ってんの」
呆れたようにため息を吐く彼女は、その姿さえ惹かれるものがある。私が虫避けに噂を広めると言った時も、今と同じように苦笑いを浮かべていた。
「それにしても、随分マイルドな噂だねぇ」
「まあ、これくらいにしとかないと引かれちゃうしね」
ホントは薬盛って襲い掛かったとはさすがに言えなかった。今でも周囲にアピールするために二人で身体接触(イチャイチャ)を繰り返していたから、耐性のない人からは少し気味悪がられていると思う。
「あ、そうそう。今週の日曜は美歩、暇?」
「暇だけど……」
爛々と目を輝かせる彼女に、嫌な予感が芽生えた。
「じゃあうちで、シよ」
「待って待って、月曜小テストなんだけど」
「毎回満点の人が何言ってんの」
「いや、けど、あれすごい疲れるから……」
本当に疲れるのだ。もう腕一本どころか指一本動かせない感じになる。瞼を開くこともただひたすら億劫で、声を出すために息を吸い込むだけで疲労感を感じるのだ。
でもその中ですら幸せに浸れるのだから、うまく断る言葉が見つからない。
「だいじょーぶ。美歩は何にもしなくていいから。私の腕の中で喘いで、かわいい姿を見せてくれればそれでオッケー」
「波留さあ、私が嫌がること好きなの?」
「美歩が可愛すぎるのが悪いんだよー。この前の、快感のキャパオーバーでパニクって声漏らしてるときとか、最っ高!」
痴態を具体的に言葉にされ、カッと顔が熱くなった。
「偶には私にも攻めさせてよ」
「えぇー。でも私は受けるより責める方が好きだな。それに実は美歩も『される』の、かなりハマってるっしょ」
ぐぅ。
図星を突かれて言葉が出ない。
にぃっと笑う彼女に恨めし気な視線を送る。ここで引いたら負けた気がするんだよな……。
「でも――」
「実は道具系に手を出しちゃったから、試してみたいんだよね。美歩も使い心地、試してみたくない?」
こっそり耳元で囁かれる言葉に話を遮られた。
唾を飲み込んで、無意識にコクリと頷いてしまった私は我に返ってから「ああ、もう負けでいいや」と小さく笑った。
―――
拝啓
二年前の私へ。
二年後の私は、今のあなたからでは信じられないほどの幸せを迎えています。
でも恋人がSっ気たっぷりなので、今のうちから体力をつけておくことをオススメします。
敬具