伝説を塗り替える英雄は唯一人(ボッチ)でいい。 作:烈火・抜刀
そして最初からクライマックス(笑)
この話は次回以降から始める本編に先駆けて物語の終盤をあえて披露致しました。
まずは本話を読んで本作がどんなSSなのかご理解いただければと思います。
EPISODE:XX 降りしきる雪の中、比企谷八幡は伝説に挑む……。
2019年1月21日 05:21 a.m.
長野県 九郎ヶ岳遺跡。
遙かな太古から甦った蛮族≪グロンギ≫――世間では『未確認生命体』と呼ばれる者達が封印から目覚めたこの地に、俺――比企谷八幡と、雪ノ下雪乃はバイクを停車させた。
辺り一面は昨晩未明から降り出した雪で真っ白に彩られ、恐ろしい程までの静寂が場を支配していた。
『待ってるよ。思い出の、あの場所で――』
無惨に焼き殺した無数の遺体の中で奴は――未確認生命体第0号は何処までも邪気のない笑顔を浮かべ、俺にそう告げた。
自らの享楽の為だけに、僅かひと月余りで3万という人間を理由もなく殺して周り日本中の人々から笑顔を奪った悪魔が、すぐそこで俺を待っているのだ。
俺は雪乃と向かい合い、これから戦いに赴く前に伝えねばならない事を告げた。
「…………昨日、葉山から聞いたんだけどな。ベルトに出来たキズ、まだ直りきってないらしい。だから、万一の時は――そこを狙ってくれ」
「八幡…………」
辛そうな表情でただ俺の眼を見つめ名を呼ぶことしかできない彼女の顔を見て、胸が痛む。
ああ、我ながら最低な事を言っているという自覚はある。
とどのつまり俺は、自分が“伝説”に負け、心ない生物兵器なった際の責任を、彼女に押しつけようとしているのだ。
この、勝手に首を突っ込んだバカな俺を『巻き込んだ』などと捉え、抱えなくていい責任感を感じる彼女を、どんなに苦しくても負うべき責任を負うその誠意を、アテにしているのだ。
「まあ、その……なんだ。あくまで万一の時の話だから……」
けど、それが分かった上で俺はこの最後の戦いを前に彼女の同行を望んだ。
それは彼女が対策班の中で最も距離が近く、能力が高いと思っているからではない。
第0号が過去への感傷から決戦の地をここに選んだ様に、俺も彼女に見届けて欲しかった。
俺と彼女の再会から始まった―――クウガの、最後の変身を。
「……今更なのは分かってるけど、本当に――本当にごめんなさい。こんな事に巻き込んで……」
許しを乞う様な顔で俺に頭を下げる雪乃。
俺は無言で首を横に振り、その謝罪を拒絶した。当然だ。
「俺は、……良かったと思ってる……。この1年間を。お前や結衣と一緒に1つの目的の為に取り組めたこの時間は、――俺にとって間違いなく、大切な時間、だったと思う」
何故なら俺には、彼女か謝罪を受ける理由など何一つないのだから。
「八幡……」
「だからさ、お前には見届けて欲しいんだ。――――俺の、変身」
さあ、伝説を塗り替えようか――――。
いきなりかましてしまいました(笑)
本作の八幡らは高校卒業から8年後(この話では9年後)という設定になっております。
クウガは『未知なる怪人に立ち向かうカッコいい大人達の物語』なので、そのまま高校生にすると難しいんですよね。
もしやるとしたら、PTAに怒られたと評判のジャラジのゲゲル回くらいしかない(汗)
ただ作品の都合に合わせた進路に進ませつつ、自分なりに『彼らならこういう大人になるのでは?』という考察の下で考えました。
今後ともよろしくお願いします!