雰囲気のある夜の街、そんな中で一際賑わって見える1つの酒場。そんな所に今日も1人のプレイヤーが足を運ぶ。
「いらっしゃい!…はぁ、お帰りくださいちんちくりん。」
今日は珍しく人が多かった。まぁ、なんでもこの近くに滞在していた殺人ギルドがあるプレイヤーの手によって捕まったことによりそれを祝しての宴が多かったのだ。それに便乗してなのかこのちんちくりんが迷い込んでしまう。
「うちは君のような幼児t…ゲフンゲフン!未成年にアルコールは与えていませんので。あーあー!そんなキーキー喚くな!頭が痛くなる!1杯だけだぞ…ほい、カルーアミルク。」
流石に言いすぎたのか、かおを茹でタコのように赤くし、肩に乗せたピナの色がものすごく栄える。まぁ、そんなことはいいのだがある疑問が頭をよぎる。
「?そういやーちんちくりん。お前この間ピナがどうだかって言ってが何かあったのか?あ?!1回、死んだ?!」
流石に驚く。こいつは一応中層クラスのプレイヤーの中であればそれなりに強いほうだ。だが、少しばかり危険なやつとパーティにいたのは事実。まぁ、こいつが生きてるだけよしとしよう。問題は何故ピナがここにいるかだ。
「んじゃこいつはピナじゃなくて…正真正銘の焼き鳥?ツヨッ!?ひならぁぁぁぁっっ?!?」
まず初めにピナの尻尾が後頭部を直撃。それにより下を向いた顔に追い討ちをかけるようにちんちくりんがカラになったコップで顎を強打し、自分の巨体が宙を舞い崩れ落ちる。
「冗談に決まってんだろうがぁぁぁ!なんでアッパスイングしやがった!?…っ!ご、ごめんなさい…」
とりあえず起き上がり文句を付けまくると瞬時に喉元に冷たい感触がつたわる。確実にこれは自分がちんちくりんに仕上げたダガーナイフだ。しかもたまたまいい仕上がりになった。業物、そんなもの痛いに決まってる。
「んっん゛!それで、死んだはずのピナが生きてる。だったらあのアイテムが必要なはずだ。でも、お前のレベルじゃ入手できるはずがねぇ…あの殺人ギルドと何か関わりがあんだろ?隠しても無駄だ。お前とパーティー組んでたロザリア?だったか。あのアマはその一員だろうしな、何があった?」
ちんちくりんは最初こそ目を見開きお手上げといった表情だったが、どこか納得したように口を開き全てを打ち明けた。
「ほうほう。つまり、事故でピナを死なせ、それを救った黒の剣士が同行しアイテムを入手。そこで待ち伏せていたロザリア率いる《タイタンズハンド》を全員牢獄送りにし、恋心を抱きつつも攻略の邪魔はしてはいけないと身を引き、後悔と無念の想いにかられやけ酒……マセガキ(笑)
っぐべらぁぁっ?!」
要約した後に軽く煽ったつもりだったのだかたった一杯でよったのかまさかのカウンター越しの腹パンに沈んでしまう。
「じょ、冗談ですよ…にしても坊主がねぇ…いや、こっちの話だ。
酔っ払ってんだろ?2階貸してやる寝てろ!あ?襲うなだと?寝言は寝ていえ!俺はボンキュッボンのお姉さんにしか興味ねえっつの!って、痛ぁ?!てんめっ!…たく…おやすみちんちくりん」
自分の考えている以上に人というのは前に進み過去を乗り越える。その1歩目が坊主のこれで新たらしいスタートの1歩がちんちくりんのそれなのかもな。様々なスタートを祝いつつ
夜の街は今日も賑わう