ブラッキー
本日も晴天だな。女性陣はみんな揃ってショッピングに行き、頼みの綱のクラインもエギルも仕事。暇を持て余した今日、この休日。俺の足は自然とあの場所へと向かっていた。
「リンクスタート!」
赴いた場所は新生アインクラッドのある階層に存在する影の薄い鍛冶屋。
「おーい、邪魔するぞー!」
俺の声に反応したように奥から何やら不思議な格好の男が出てきた。
「…はぁ、毎度の事だけど何でその格好で出てこれるんだ?」
出迎いに来たのはパンツに黒のタンクトップを着た何とも気だるそうな自分と同じスプリガンの男。そう、この男こそがこの店の店主なのだ。
「格好なんてどうでもいいって…あんたなぁ…そんなのだから客が来ないじゃないか?」
余計なお世話だ、と一蹴りにされつつもこちらの言葉を組んだのか、そそくさと服装を整えようやく鍛冶屋らしい格好になった。
「はぁ…ま、いいや。とりあえず武器の手入れを頼む。あと、茶をくれ。出来れば紅茶がいい。」
そう言って、武器を出現させカウンターへ置く。店主はと言うと軽くボヤきながらも寝起きとは思えない速さで紅茶を入れ、こちらに渡してくる。
「お、サンキュー。…相変わらず上手いな。鍛冶屋なんてやめてカフェでもやったらどうだ?…いや、本気にするなよ。冗談だって…」
軽いジョークのつもりだったのだが、本人は儲けのなさを気にしているか意外と俺の言葉を飲み込み悩んでいる様子だ。しかし、この男の紅茶は正直アスナと張り合うほど上手い、料理に関してもそうだ。
「それに、利益なら酒場の方で儲かってるだろ?…はぁ?!この間アスナ達の女子会があった?!…よく、生きてられたな…」
遠い目をして目を潤わせている店主に俺は何も言ってやることが出来なかった。女子会のメンバーから察するに、まぁろくなことにはならなかっただろう
「へ?俺の愚痴?女子会で?……俺が今日リアルでハブかれてたのってそういうことなのか?」
何も言わなず目を逸らす店主を見て、何故か涙が頬を伝ったのかは自分にもわからない。だが、まぁ俺がまた何かしちゃったんだろう。
「…いや、まぁ…。別にいいけど……ちなみに女子会ってどのくらいのペースでやってた?……週…1??あぁ〜……今日アスナに、皆に謝るよ…」
武器の手入れが終わったのか、落ち込み気落ちした俺の肩にソッと手を沿え、そうしろ、と言った店主の顔を俺は一生忘れることはないだろう。
「あんた、俺の不幸の報せがある時は武器の仕上がりいいよな…」
手渡された二本の片手剣ユナイティウォークスとエクスキャリバーは入手時よりも状態がいいのではないかと疑いたくなるほど綺麗に修復されていた。余程こいつの気分が良かったに違いない。
「そんなこと無くはないだろ!たくっ!…お代ここに置いとくからな!デュエル?しないよ。アスナ達への謝罪文考えてくる…」
余りにも気の毒に感じたのか主は笑会うことなく、がんばれと言ったあとにちょっとした朗報を知らせる。
「ん?まだ何かあるのか?…《絶剣》?聞いたことないな…強い?…あんたよりもか?……そりゃあそうか…んじゃそいつを倒したらまたあんたの所に来るよ。っ!60戦じゃない!戦績は57戦57敗だ!間違えるな!…
―――また来るよ。」
あいつのわざとらしいボケにムキになって突っ込んでしまったが今といいSAO時代といい、俺の成長のなさを少し悔やみながら俺は帰路に着く。
「次こそ、追いつくさ。」
今日も今日とて俺は正常運転。
どうでしょう。キリトオンリー視点です。自分としてやはりオリ主である主に口を開いて欲しいのですが、その辺を感想でお願いします!