本日も晴天ね。あの世界でキリトに救われ、早いもので数ヶ月が経過した。様々な事を体験し、今に至る。その中でも記憶に色濃く残っている『エクスキャリバー事件』。私の足はあの場所へと向かい出した。
「リンクスタート!」
赴いた場所は新生アインクラッドのある階層に存在する影の薄い鍛冶屋。
「邪魔するわよ。……はぁ、服着なさい」
時刻は午後だと言うのに扉を開けた向こうには寝起きの男が全裸で立っていた。ハラスメントコードが発生するが、もうどうでも良い。
「よっ…じゃないわよ。何度目?それでアスナにボコボコにされたの忘れたわけ?…アンタ、本当にアスナの事になると弱いのね。生まれたての子鹿よりも震えてるわよ…」
詳しい話は聞いていないのだがこの男はSAO時代アスナに半殺しにされたらしい。その原因がこれなのだが、本人はいつになっても治らない。この間のリーファの時は服を着ていたらしいが…
「はぁ…ところで私の弓は復元出来たのかしら?…アンタとキリトが言ったのよねぇ?責任とるって…」
ついこの間、キリトに連れられあるクエストに行った時。このバカ店主の矢が私の弓を射抜いたのだ。確かにエネミーに捕まった私を助けようとした結果なのだが…キリトは案の定ラッキースケベを発動し、こいつは単純に幸運ステータスの低さにこうなったのだ。
「あのね…誰にでも土下座するんじゃないわよ…え?自称世界一頭が軽い男?…それ誇れるようなもんじゃないでしょ…」
目の前には瞬き一つついた瞬間、綺麗な土下座を繰り出す店主。今更だがこのモーションが1番早いのではないだろうかと錯覚してしまう。すると…
「あら…いい弓ね。え?アンタが打ったの?!…かなりの業物じゃない…よかったら譲るって、いいわよ。流石にただでは貰えない。」
目につき手に取ったのは弓使いなら皆が驚くほどの業物。見る限り西洋の弓ではなく、日本古来のもののようだ。それを譲ると言い出したのだ。流石に断ったのだが、こいつは煽りを入れてくる。
「ただとは言ってない、ですって…?俺に勝てたら……?その安い挑発に乗ってあげるわよ!」
売り言葉に買い言葉とはよく言ったものだ。そして自分の負けず嫌いも相当なものだ。実際この男にはある勝負を持ちかけ負け越している。そうして、2人はいつもの裏庭へと移動する。
「ルールはダーツのゼロワン。数字は1001、いいわね?」
店主お手製の的には過去の勝負の後が刻まれている。ちなみにだが戦績は37戦12勝25敗だ。それも初めは10連勝したというのに結果はこのザマである。だからこそ余計に闘争心に火をつける。
「見てなさい…すぐに吠え面かかせてあげる!」
矢を三つ手にし一斉に放つ。勝負はまだ始まったばかりだ。
今日も今日とて私は正常運転。
主が口開かんと…ボケられない、だと…?!