本日も晴天なり。だがどうしてだろう晴れ渡る空に対して自分の心はなぜが曇りがかっている。これは、なにか面倒な客が来ると思い、開いたばかりの店を閉じようとした時。
「へぼぉっ!」
外にでて看板をしまおうとした瞬間ボール程の大きさの何かが背中へと突っ込んでその衝撃で店内にまで吹っ飛ばされた。
「って〜…んだよやっぱりお前か、ちんちくりん!」
仰向けのまま店内で静止していると視界に見覚えのある幼い顔が覗き込んできた。
「はぁ…雲の正体はこいつ……どうせだったらボンキュッボンのべっぴんさんが良かった…なぁ、ピナ~」
そう言われてほっぺを膨らまし顔を真っ赤にするちんちくりんを横目に胸の上で丸くなっていた小竜を優しく撫でる。
「発育途中?無理無理無理、坊主が力士になるくらい無理ぃー!なぁ、ピナ〜」
そう言うと余計に顔を赤く染めもはや噴火寸前の火山のようになっているちんちくりん。それをなだめるためにすかさずジュースを取り出しご機嫌取りをする
「まぁ、細かいことは忘れよう。そんで今日はどういったご要件で?
あ?新しいダガーを作ってほしい?
んー…あっ!ちょうどいいのがあった。よく逆手持ちするお前にピッタリなやつ」
そう言うと抱えていたピナをカウンターへ下ろし倉庫へと向かい数本のダガーナイフを持ち出してくる。
「じゃん!どーよ、ククリ刀っつてな本来は内刃なんだが坂手持ちのダガー使いように外刃に仕上げてみたんだ。耐久値はちと心許ないが切れ味は抜群だぜ!
あ?刺せる奴がいい?たく注文が多いな~。こいつなんかどうだ?」
そう言って渡した1本のダガーナイフを持ちちんちくりんは試し斬りとして店内にある不要な木材を切り刻んだ。
「へっへーん。すげーだろ?名前はグルカナイフっつてまぁククリ刀の別名なんだが細かい事は気にすんな!」
その光景に自分で驚きながらま目を輝かせながらちんちくりんはすぐさま購入の手続きを済ませる。
「よしっ!毎度あり〜。また頼むぜちんちくりん。ん?せめて呼び方を変えてほしい?えー…幼児体型とか?
っ?!ご、ごめんなさい…」
出会った時からの呼び名を今更帰るのも難しく提案した案は一瞬にして眼前に突きつけされたダガーナイフと共に却下された。
「んー…つってもな…やっぱ、ちんちくりんだな!
あ?どうして?そりゃあお前がまだガキだからだよ~名前で呼んで欲しかったらあと10歳年とってボンキュッボンのべっぴんさんになってから出直せ。」
もう突っ込む気力もないのか肩をガクッと落としちんちくりんはダガーナイフをしまい、ピナを肩に乗せた。
「まぁ、落ち込むなって。そんなお前に俺からのプレゼントだ!え?いらない?坊主の情報だよ?」
坊主という言葉が誰をさしているのか知っているちんちくりんは急に向きを変えこちらに飛びかかって胸ぐらを掴みかかる
「ちょっ!ま、待って!ほんとにっ、頭もげるから!
はぁはぁ…坊主の周りにはマシな女はいねーのか…たく…あいつは今副団長殿と迷宮区に潜ってる。クタクタで帰ってくるだろうから何かしら奉仕するチャンスだぜ。はっ、今更奉仕くらいで赤くなんなよ」
落ち着いたかと思えば副団長殿という言葉に落ち込みかと思えば奉仕くらいで赤くなる。表情がよく変わって面白がっていると、急に立ち上がり胸の前で拳を握りしめる。
「ちんちくりん、頑張れよ!」
そう言って突き出した拳に合わせるようにちんちくりんもまた拳を突き出し、店を飛び出していった
「はぁ…坊主とちんちくりんならギリギリ犯罪か?いやぁ…まぁ大丈夫か。さてと片付けよ…」
小さな火種は鎮火した、今日も今日とて鍛冶屋は正常運転