本日も晴天なり。ここ最近やけに静かだ、そして暇だ。原因は分かっているのだが、まぁいいだろう。さて、今日はどんな素敵な出会いがあるのだろうか
「いっらっしゃい!なんだ、バンダナのあんちゃんか〜どしたの?そんな焦った顔して。ん?この記事?」
汗をかきながら入店してきたのは素敵な美人さんでも可愛らしい天使でもなく、野武士面に趣味の悪いバンダナを巻いたあんちゃんだった。とても急いでいたのか、着いてすぐにある記事を見せてくる
「なになに…黒の剣士の二刀流、神聖剣に届かず。まぁだろうな。っておいおい、別に団長殿に肩入れしてるわけじゃねーぞ?それに、この試合なら生で見たしな〜」
そう、実は坊主はあの血盟騎士団団長と副団長殿をかけてデュエルをすることになっていた。まぁ、坊主も弱いわけではないが何分相性が悪い。実際に守りの硬い団長相手にかなり攻めあぐねていた。しかし、善戦した方だろう。なにせ相手は…
「ちょっ!バンダナのあんちゃん落ち着けって!坊主だって1人のプレイヤーだ。最強ってわけじゃねーだろ。あ?そうじゃない?血盟騎士団入団について?あぁ…そいうことか…」
いつもなら2人でそんな時もあると笑い話で終わりなのだが、坊主が負けた暁にはなんと血盟騎士団に入ることになっていた。バンダナのあんちゃんはそれを危惧していたのだ。これは坊主の過去を知るものにしか分からない苦悩である。
「バンダナのあんちゃんは心配性だね〜坊主なら大丈夫だって。もう俺達が出る幕じゃねーよ。隣には相応しい人がいるだろ?」
バンダナのあんちゃんの気持ちは正直わかる。坊主の過去を知った2人だからこそ、今回のことを重く考えてしまう。だが、あの時とは明確に違いがある。なにせ、隣には副団長殿がいるのだ。
「でもじゃねー…あんちゃんには副団長殿がどう見えた?」
あんちゃんはかなり重症だ。心配性に拍車がかかっている。だが、無理もないあの時の坊主ほど見てるだけで痛々しいやつはいない。そんな坊主をあんちゃんはすぐ近くにいたのに助けてやれなかったのだ。だからこそ今でもそれを引きずっている
「美人で可愛くて強くて可愛くて優しい…まぁ、まぁ…その通りだけどね?!でもなんか違うくない?!
そうじゃなくて、守られるだけの御方に見えたか?違うだろ。もう、俺達が守ってやる必要はねーよ」
そう、副団長殿は強い。坊主の隣で坊主を守ってくれるだろう。あの時から前に進ませてくれるだろう。あんちゃんにはそれが伝わったようで椅子に座り込んでしまう。
「たっく、あんちゃんは泣きぐせが直んねーな!ここは酒場じゃねーんだぞ?それにな、あいつはずっと独りなんかじゃなかっただろ?あんちゃんがいて旦那がいてそんで一応俺もいた!もう充分だろ…
ほら!そうと決まれば…次は俺たちの幸せに協力してもらわねーとな」
つい歓喜あまってあんちゃんは泣いていた。男泣きというものだが、何故か今はそれを見ても気分が悪くない。そんなあんちゃんを元気づけつために悪い笑顔を浮かべながら会話を進める。
「あんちゃん…実はな坊主の伝で聞いてもらったんだが…年上好きの刀使いに興味がある女が数名いるらしい…分かるな…?……合コンだぁぁぁ!」
さっきまでのシリアステンションは何処に?と言わんばかりに漢2人は叫んだ。あんちゃんも涙は消え、出会いを求める瞳に早変わりだ。
「そうと決まれば!あんちゃん、そんなしょっぱい刀使ってねーでこいつ使いな!風林火山リーダーならやっぱ《来國長》だろ!さぁ、女作るぞー!!!」
過去を乗り越え仲間を見据え、今日も今日とて鍛冶屋は正常運転。