昼は刀鍛冶、夜は酒場   作:kouga

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※注意※

SAO編における最終回です。酒場のほうなどお読みになってから読むことを推奨します。

では、どうぞ。


団長殿

―――ゲームはクリアされました

 

 

 

「なんて愉快な鐘がなってんだよ」

 

 

 

本日も晴天なり!まぁ、昨日最後の客として来た夫婦がこの世界を―――俺を終わらせたようだ。刻一刻と生存プレイヤー達のログアウトが進んでいる中、自分は未だに鍛冶屋で店番をしていた。

 

 

 

「とうとう、か…」

 

 

 

なんやかんや、長い間プレイヤー達もめげずに頑張ってくれたものだろう。でも、自分にとってはあっという間の時間だった。

 

 

 

「終わっちまったな〜アッキー」

 

「あぁ、そのようだな…」

 

 

 

誰もいなかったはずの店内にはいつの間にかこの世界に不相応な身なりの男がいた。そう、白衣を着たその男こそが…本当のアッキーなのだ。

 

 

 

「随分と落ち着いてんな」

 

「君の方こそ、人間のように動揺したりするべきではないか?」

 

「なぁーにが、人間だ。そんな出来た生き物じゃねーだろ?俺は…」

 

「そうだな…《世界の意思》よ…」

 

 

 

そう、何故自分がログアウトしないかと言うと自分は世界そのものだったのだ。名前を知らせなかったのはそういうことである。

 

 

 

「少し、場所変えるか?」

 

「あぁ。」

 

 

 

自分の指パッチン1つで世界は景色を変え、ある場所へと移動する。そこはアッキーと自分の始まりの場所

 

 

 

「懐かしいな、ここ…」

 

「ふっ…私はつい先程ここに訪れ、あの2人と別れたがね。」

 

「流石、ゲームマスターあの二人は特別待遇か〜?」

 

「勿論だとも。彼らはシステムの力を超えたもっと先…私の知り得ない力でこの世界に勝利したのだからな」

 

 

そこはアインクラッドを一望出来てる雲の上。そこで眺める。城の崩壊を、そして語り合うことの結末を。

 

 

 

「流石は勇者だな」

 

「勇者が最初から勇者であったのではない。君が育てたのだろう?」

 

「はっ、育てすぎたかもな。」

 

「いや、彼なくしてはこの終焉は起こりえなかった…君は道しるべとして、しっかりと仕事を果たしたさ…」

 

 

 

何ともまぁ満足気な顔を浮かべる。つい先日の語り合いの際、足りないと言っていたものはどうなったのか。そんなことは自分に分からないはずがない。

 

 

 

「そうかよ…」

 

「あぁ…」

 

「なぁ、アッキー。覚えてるか?開口一番に俺に言った言葉、そこからのやり取り。」

 

「あぁ、今でも鮮明に記憶している…

 

―――君は何者だ?」

 

「…私は、この世界の意思だよ。」

 

『世界の意思?』

 

『君が望んだのだろう。あらゆるものを超越した世界を作り出し、その先を見たいと。

だからこそ、それを見せるために生まれたのだ。』

 

 

 

今でも互いに覚えている。初めての会話は機械同士の会話みたいに面白みもなく冷たいものだけだったこと。

 

 

 

『君に見せてもらうのではない。私は、私の目で見届けたいんだ。』

 

『それはなぜ?』

 

『それが、私の夢だからだよ…』

 

 

 

その時に零れた一瞬の笑みに何故か興味を持った。だがらこそ今に至ったのだ。

 

 

 

「ははっ!マジで一語一句違わずに覚えてんのかよ!」

 

「勿論だとも。あれ程印象的な出会いはない。それにここまで俗世に染まるとも思っていなかったよ。」

 

「ぐっ…人間らしくなるために頑張った結果だ!そういうアッキーは全然変わんねーな。団長殿の時の方が幾分か人間味があったぜ〜」

 

「そうだろな…だが、もう終えたんだ。ヒースクリフの役目はもうない。」

 

 

 

どこか哀しそうな表情で空を見上げるアッキー。それを見て、まだやり残したことがあるのに気づく。

 

 

 

「いや、まだあんだろ。」

 

「何?」

 

「最後の役目が悪役だなんて団長殿も報われねーよ。少年はいつだって―――勇者に憧れんだろーが!」

 

「っ!…正気かね?」

 

「モチのロン!アッキーもやる気じゃねーか、口調戻ってんぜ?」

 

 

 

いつの間にか、2人は戦闘態勢に入っていた。一方は白と紅を基調とした鎧に盾と剣を携える勇者。もう一方は黒の袴に朱を基調とした防具を纏い、短刀と長刀を携える魔王。

 

 

 

「そのようだね。この気持ちの高揚は、あの戦いとはまた違うものだ。

では、語らいは…―――剣に託すとしよう」

 

「あぁ、存分に死合おう…!」

 

「「っ!」」

 

 

 

合図は不要。同時に駆け出し剣を交える。

 

 

 

「シッ!!」

 

「ふんっ!」

 

 

 

空間に鳴り響くは剣戟のみ。そして、感じる。世界の崩壊とともに崩れだした自分の身体。消えゆく意識。それでも

 

 

 

「らぁっ!」

 

「はぁっ!」

 

 

 

何度も四肢を斬ったつもりだった。何度も首をはねたつもりだった。だが、未だに繋がっている。それに恐怖するどころか団長殿は少年のように笑っていたのだ。そして、

 

 

 

「次で、決めるぜ…!」

 

「あぁ、終わりにしよう…」

 

「「…」」

 

 

 

数秒の沈黙の後、勇者の剣は魔王の心を刀身ごと貫いた。

 

 

 

「俺の負けかぁ〜…まさか、俺の剣に俺の刀が負けるとはな…」

 

「……」

 

「んな顔すんなよ。アッキー…俺はここで終わりだ。けどな、アッキーの旅はまだ続くんだろ?」

 

「あぁ…今一度電子の海へと溶けるさ。そして、この目で見て回るとするよ。」

 

「そうかい…んじゃ、俺はこの城と共に―――アッキーの帰りを待ってるぜ。」

 

「なに?」

 

 

 

意表を突かれたかのように驚きの表情を浮かべるアッキー。この世界は崩壊している。まぁ、驚くのも無理はないが、自分にはそれができるのだ。

 

 

 

「こいつの名前は世界の種子―――《ザ・シード》だ。

アッキーに託す。まぁ、満足がいったらこいつを使え。そんで、この世界の続きを聞かせてくれ!」

 

「…約束しよう。必ずこの場所でまた語り合おう。」

 

「あぁ!」

 

「ふっ…では、私は先に行くとする。」

 

「またな、アッキー。」

 

「……」

 

 

 

一足先にアッキーが消えていく。それを眺め、城を見つめる。その中で発見した自分の鍛冶屋。

 

 

 

「おっ、あったあった!さてと…

 

―――本日をもって、鍛冶屋閉店!!!」

 

 

 

世界は崩れ電子の世界へと溶けていった。それでも鍛冶屋は正常運転。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




Q.なんで鍛冶屋と酒場なんですか?


A.「とりあえずアッキーの剣を作った延長線で刀打ってたら何となくこうなってた!酒場の方は単純に酒が好きになったから!」



Q.短刀と長刀を持ってますが、ユニークスキル持ちですか?


A.「ちげーよ。カッコイイからだ!ソードスキルが使えなくても技術だけでどうにかなんだよ」





とまぁ、リアルで質問されたことに対する答えです。




えー、SAO編における物語はこれにて終了となります。本当にこんな駄作を読んでいただきありがとうございます┏○┓
ギャグなんだかシリアスなんだかよく分からない不安定な作品でしたが、楽しんでいただけたのであれば幸いです。
次回の開業はいつになるかまだ未定ですが、気長にお待ち下さい。


では、またのご来店お待ちしております

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