ダンジョンで様々な出会いをするのは間違っているだろうか   作:ダーク・シリウス

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二回目の異世界交流

 

異世界から帰った俺達からお土産を貰うロキ達。どれもこれもこの世界にはない物ばかりで、アマテラス達から聞かされる異世界の未知の土産話を聞かされては、予想通りの反応をするわけで。

 

「イッセー、うちらも異世界に行きたいんやけどー」

 

「異世界でも恩恵が働くなら構わないぞ? でも、フィン達の恩恵が封印された状態になるならダメだ」

 

「アマテラス達。キミ達の子供達に刻まれた恩恵は、主神自ら異世界に行っている間は変わらなかったかい?」

 

交流ある神々も招いた集会中に、ヘルメスの質問に対する答えは否だった。

 

「封印された状態だったらしいわ。まるで、神々が天界に送還されたみたいに恩恵を刻まれる前に力が無くなったって。彼の予想通りだったわ」

 

「イッセーがそうなる可能性があるから、私達がホームに帰るまでダンジョンの探索は禁止するべきだと言われたから」

 

「特地、異世界の日本に行くならば命に関わる行動をする子供をホームに待機させるか、共に異世界に行くことが懸命だ」

 

三柱の神で判明したことが、ロキ達を残念がらせた中でデメテルが微笑んだ。

 

「私なら大丈夫そうね。イッセー、次は私も異世界に連れていってくれない?」

 

「デメテル・・・・・なら、まぁ大丈夫か。オラリオの『食』を支える【ファミリア】だけど一日ぐらいは」

 

「やった!」

 

うら若き少女のように喜んではしゃぐデメテル。その反動で豊かな双丘が揺れるのを間近で見てしまったロキがタジタジになった。何とも珍しい反応だ。

 

「そうなると、私は無理ね。恩恵がないと鍛冶ができないし、ダンジョンにも行けなくなる死活問題になってしまうし」

 

「一時【ゴブニュ・ファミリア】に眷族を預かってもらう手もあるぞ。もしくはこれ」

 

「『ステータスプレート』?」

 

見せる主神無しでもダンジョンで活動できるカード。ヘファイストスはそれがどうかしたのと風に視線を送ってくる。

 

「これをヘファイストスの眷族に渡して持ってもらうことだ」

 

「っ!!」

 

「元々ファミリアに所属していたアイズ達が、今もダンジョンで活動できて【ステイタス】が成長してるのはこのカードのおかげだ。主神がいなくても『ステータスプレート』が神の恩恵代わりを果たし・・・・・あっ」

 

ヘファイストスと離れたくない気持ちでつい提案してしまった。それが、他の神々にも喉から手が出るほど欲しがる代物で・・・・・キラーンと目を妖しく煌めかせる神々が俺に迫って来た。

 

「イッセー・・・・・【神の血】が必要だったら送還寸前までならたーっぷり用意したるでー?」

 

「ガネーシャの血もガネーシャだ」

 

「オレも協力は惜しまないよイッセーくん。その代わりと言ってはなんだけど、異世界に案内してほしいなーなんて思ってはいないぜ?」

 

「くぅ、眷族が多いことがここで仇になるなんて!」

 

「どうしていままで気づけなかったの私。ファミリアから離れても問題ない解決できることがすぐ近くにあったっ」

 

「そうねぇ。本当に困った新事実に気づいてしまうなんて」

 

この場にいる神々が『ステータスプレート』を欲しがると言うことは、俺自身がその製作の地獄の作業をしなくてはならないという道理になってしまう!

 

「そういえばイッセー、また異世界に行くのはいつなんや?」

 

「それは異世界のお偉いさん次第だ。こっちの世界の十日間は、異世界じゃあ一か月近くも時間の流れが違うから、十日間も待てばその間に向こうから接触してくると思う。確定ではないがな」

 

素直な感想を言うと、ヘルメスが嫌らしい笑みを浮かべて交渉してくる。

 

「わかった、それじゃそれまでにオレ達の子供達の分の『ステータスプレート』を作ってもらえるかな。勿論タダとは言わないよ。魔導書、一冊分でどうかな? なんならうちの団長とアスフィと一夜共にしてもいいぜ」

 

「ヘルメス様!?」

 

「ウチは五千万ヴァリスでどうや!」

 

「・・・・・フィン、止めるべきであろうこれは」

 

「ンー・・・・・個人的にロキが最悪送還されても、リヴェリア達のようにダンジョン攻略ができる環境になれるなら僕もほしいと思うよガレス。ロキ以外の【ファミリア】に入る気はないからね」

 

「椿、構わないわね」

 

「既にもらっている手前だ。主神様の自由にするがよい」

 

「アマテラス、これは一刻も争うこと」

 

「そうね。足軽の子供達の分も必要だから今すぐ血を用意しなくちゃ」

 

「ペルセフォネも連れて異世界の農業を見てみたいわ」

 

「オッタル、十冊の魔導書と瓶を用意してもらえるかしら」

 

「いけませんフレイヤ様」

 

俺もこれから大変だけど一部の眷族も大変ダナー。と他人事、現実逃避をした俺は後日、自分の大量の血を瓶に入れて持ってきたロキ達に催促されて一週間以上も食わず飲まず、眠らずの徹夜作業の地獄の時間を過ごされたのであった! それまでの時間の経過とともに作業机のまわりを占めるプレート。様子を見に来くるだろうアスナ達には悪いけど、一分一秒でも早く終わらせたいから部屋の前に立ち入り厳禁のプレートを張らせた。

 

「・・・・・お、おわ・・・・・た・・・・・」

 

だからロキ達それぞれのファミリアの人数分のプレートに囲まれた机から離れ、ベッドに移って身体を沈めると底なしの沼に沈むかのように意識を落とした。ヘルメスに振り回されるアスフィの気持ちはこんな感じなのかと思いながら・・・・・。

 

・・・・・。・・・・・。・・・・・。

 

・・・・・。・・・・・。

 

・・・・・。

 

起きてすぐ空腹に苛まれる俺は特典の力で直ぐに食べられる異世界のお総菜や弁当、果物や野菜を満腹なるまで買い込んで食べ尽くす。今から料理なんて誰かに作って貰うのも自分で作るのも辛抱が絶えられない自信がある。だからすぐに買って食べられる環境は凄くありがたい。一心不乱に食べている最中に腕輪の宝玉が光り、相手は誰なのか確認すると、狭間陸将からだった。

 

「久し振り狭間さん」

 

『久しぶりですなイッセー君。今ご時間は大丈夫かな?』

 

「飯食っているところだけど問題ない。そっちに問題でも起きた?」

 

『いや問題はない。至って平和そのものであるが、少し頼みたいことが一つ。18階層の上層か下層のどちらかに少数の部隊を送りたい。目的は実地調査のためにだ』

 

「俺、もしくは冒険者達の協力を借りたいということか」

 

『話が早くて助かる。今日明日ではないのですが近い内に行うつもりだ』

 

「了解。ダンジョンはどういう所なのか実体験してもらった方が心に残るものだ」

 

『感謝する。後日お礼の品を用意するが何がよろしいかな』

 

「あーじゃあまた近い内に日本を観光しに行くことを総理に伝えてくれ。今度は違う面々の神々とその眷族の冒険者だ。それとこっちのヴァリス通貨と日本円を500万ほど換金してほしいことも。そうすれば今度オラリオの案内の時に何か買えるだろ」

 

『特地の現地住民達と触れ合う機会を設けてくれるとは願ったり叶ったりだ。確と総理にお伝えするよ』

 

狭間陸将から連絡を受けてから後日、何故かまた会合の日程を報告を受けた。そして明日異世界に行く前夜。今回は『ステータスプレート』を受け取った各神々を始め、【探索系】の各派閥の団長を始めとした主力となる眷族達に幽玄の白天城のトレーニングルームに集まってもらった。

 

「さて錚々たるメンツが揃ったところで、この場に集まったみんなに異世界の武器の脅威と危険を認知してもらいたい」

 

「異世界の武器? 武器と魔法じゃないの?」

 

「明日お前らの神々が観光気分で行く異世界には魔法は存在しない。刀剣類の武器ならあるけど、今はほとんど使用が禁じられている。その代わりに主力となっている武器がこれだ」

 

黒塗りのLの形をした手の平サイズの拳銃を見せつける。初めて見る冒険者達は怪訝、好奇心、疑惑の目となって拳銃を見つめるようになった。

 

「何だそれは」

 

「銃、という名称の武器だ。これ以外にも様々な形をした銃があって、種類によっては数Mから離れた距離から弓のように、矢より早く狙撃することができるものもある。こいつもまた神々と人類を殺す武器の一つ。こういう武器が異世界に量産されている」

 

「そんな玩具でどうやって殺すってんだ」

 

「なら実際に試そうか。全員、二列に並んでくれ。そしたら少しだけ離れて・・・・・そうそう、そのままちょっと立ってくれ」

 

猫人のアレン・フローメルの疑心を解消するべく全員を立ち並んでもらい。

 

「長男、兜を借りるぞ」

 

「何をするっ」

 

小人族のアルフレリッグから兜を拝借して魔力で創造した氷の台に乗せる。

 

最後尾に立つ俺を皆からの視線を浴びなから銃を兜に向けて突きつける構えをとる。

 

「これからここからあの兜に攻撃する。その瞬間を第一級冒険者の以下、第三級冒険者がそれを捉えられるかな?」

 

「何をくだらんこと(バァンッ!!! ガンッ!!!)」

 

白妖精のヘディンの言葉を遮る発砲音。同時に兜が吹っ飛び床に転げ落ちる。それから静寂に包まれたトレーニングルームにいる冒険者達は空気が破裂し、大気を震わすような砲音で硬直した後、床に揺れる兜を見つめていて俺はそれを拾い上げる。

 

「どうだ、貫通してるだろ。第一級冒険者ですら死に至らしめる凶弾の威力は、これで嫌でもわかったろ」

 

二つの穴が真っ直ぐ空いた兜を見せつけ、長男に返す。

 

「その兜をつけたまま、今みたいに俺から撃たれたらお前は即死だったぞ」

 

「っ・・・!」

 

「それが数多の種類がある銃の威力、その一種だ。今回はこの銃で知ってもらったけど、モンスターには威力が足りず倒せない銃もあることもある。が、人間相手には全員平等に死を与える。神の力を封印したロキやフレイヤ達も例外なくだ。肉を穿ち骨を砕くぐらいの威力は平等にある」

 

理解したか、と問えば誰一人としてすぐには返答をしなかった。

 

「ねぇ、イッセー。異世界の人達って強いの?」

 

「いや全然。強いのは銃の武器であって扱う人間は訓練された程度で戦闘経験は殆どない。だから銃を使わない白兵戦ならアリーゼ達が圧勝するよ」

 

「あ、なんだ。意外と大したことはないのね」

 

安堵で慎ましい胸を撫で下ろすアリーゼに更なる不安をもたらす言葉を俺は贈った。

 

「まぁ、数Mから離れた場所から狙い打ちされたら、誰もその不意打ちに気付かれず全滅する可能性はあるがな。銃以外の武器や兵器が数百数千万も保有している国があるし。なんなら、オラリオの大半も吹き飛ばす兵器だってあるぞ」

 

「おっそろしいな異世界の武器って!!」

 

「そんな異世界に主神を連れていって大丈夫なのか不安になったぞイッセー」

 

シャクティの気持ちは尤もだ。

 

「絶対ではないけど平和な国だから安心してもいい。誘拐や拉致をする国の人間が潜んでいるがな」

 

「「「「安心できるか」」」」

 

「だって美の女神が狙われても仕方ない美貌じゃん。違うか?」

 

「「「「違わないが、フレイヤ様を危険なところに行かせるか!」」」」

 

ガリバー四兄弟からそんな言葉を頂戴したがここで一つの疑問をぶつけてみた。

 

「ところでフレイヤの自由奔放を止められた数は何回だ? 【フレイヤ・ファミリア】」

 

「「「「「「「「・・・・・」」」」」」」」

 

オッタルすら答えないとは。ああ、止められなかったのか。そしてその度に苦労していると。

 

「明日行く異世界は未知の塊だから、フレイヤが単独で独断で動く可能性は非常に高い。今日中にフレイヤを追跡できる魔道具と姿を消すローブを作ってやるよ」

 

「・・・・・よろしく頼む」

 

「「「「マジで助かるぞお前」」」」

 

「ククク・・・・・捉えきれない美の女神の風がようやく我が手中に収まる時がきたか」

 

「「・・・・・」」

 

お前ら、ほんと苦労しているんだなぁ・・・・・。

 

「ところで、その銃を持っている人間の特徴はわかるかい?」

 

「訓練された人間が当然のように持っている。歩き方と統率、目付きと雰囲気、それと分かるなら人の血の臭いがついているはず。それと追跡している人間は必ず建物の陰に潜んだり、視線を常に送ってくる。人で溢れているから味方と見分けるのも見つけるのも困難だろうがな」

 

「異世界では武器の持ち込みは?」

 

「杖なら問題ない。刃がある武器は布で巻いておけば持ち込めるはずだ。ハンマーも念のために布で巻いてくれるとありがたい。あと、緊急時を除いて異世界の一般人を傷つけることも殺すこともダメだからな」

 

「それ以外であればいいのだな」

 

「俺達に銃を突きつけ、殺すつもりで撃ってくる敵のみだけな。とまぁ、俺からの注意事項はこれで終わりだけど、異世界について気になってることあるなら今の内に答えるぞ」

 

拳銃を弄りながら全員に訊ねると、アーディが挙手した。

 

「異世界にも神様いる?」

 

「書物にその存在は記されてるけど、この世界のように下界に降臨していないぞ」

 

「書物に? じゃあアストレア様のことも書かれてある書物もあるの?」

 

「短いけどあるぞ。というか、ここにいる【ファミリア】の主神の事が記されてる書物を探せば見つかるかもな」

 

「異世界でのフレイヤ様の詳細か・・・・・」

 

「気になるか? その他にも名前だけは記されてる存在もあるぞ。例えば猪のオッタルとか、戦車を引く猫とか、フレイヤに首飾りの装飾品を渡す四人の小人とか」

 

「「「「「「なにっ・・・・・」」」」」」

 

うん、反応すると思った。そして、アリーゼさん。私に関することもある? 的な期待の眼差しは・・・・・。

 

「全員が全員、存在しているわけじゃないからな。神々に関わってるのがあればそうでもないこともある。あー・・・・・あとはそうだな、エルフと獣人のみんなに質問だけど、空気に肌が合わないとか悪い臭気に敏感か?」

 

「それがどうしたというのだ」

 

「この世界ほど空気が綺麗でなくてな。空気が汚れているとか空気が臭いんだよ。もしも敏感ならそれを感じなくさせる魔道具も作っておこうかと」

 

「・・・・・そのような世界にフレイヤ様を連れて行こうとするのか貴様は」

 

「あの方の肌が穢れる汚ぇ空気の世界に連れて行けるか」

 

「日本の空気にそこまでの影響はないって。逆にお前らの方が影響を受けやすそうだから質問しているんだ」

 

とにかく必要か否か訊けばリヴェリア以外は全員いらないって言い出す始末だ。後で後悔しても知らないからな・・・・・。

 

「それと最後なんだけど、こんな大勢連れて行けれない。だから主神を含めて三人しか異世界に案内出来ない」

 

『・・・・・』

 

「悪いけど身内同士で二人になるまでじゃんけんして決めてくれるか?」

 

「「「「おい、僕達は四人で一人だ。僕達が勝ったら―――」」」」

 

四兄弟がそんな事を言い出す。四人で一人ってもう古いんだけど・・・・・。

 

「そんなの認められるか。認めてほしいなら身体を一つにしてこい四兄弟」

 

「「「ヘディンみたいに頭でっかちだなお前」」」

 

「わかった、今そんなこと言ったガリバー三兄弟は除かせてもらう。よかったな長男、一人勝ちだ」

 

何故か白妖精のヘディンまでディスられるが、当の本人は気にした風でもない。そして俺がそういうと四兄弟の長男アルフリッグが他の兄弟達に勝ち誇った態度とドヤ顔を・・・・・。

 

「ふっ、愚弟共。僕が勝ったら指を銜えて異世界から戻る僕とフレイヤ様を待っていろ」

 

「「「横柄だ!!! 横暴だ!!!」」」

 

「おかしなことを言う。お前らが言ってたじゃん。四人で一人だと。何も間違ってないと思うが?」

 

「ああ、間違ってないぞ。なぁ兄弟達?」

 

「「「愚兄ィーッ!!!」」」

 

「決めるなら早くしろ」

 

こうして始まった主神と異世界へ赴くじゃんけん大会。何気に熱い戦いとなってたのは【フレイヤ・ファミリア】のみで、これまた十回以上の「あいこでしょ!」が続いた果てに―――ようやく二人が決まった。

 

 

翌日―――。

 

 

「というわけで、今回は原住民で構成した大人数で行くから」

 

「そ、そうか・・・・・」

 

前回より多い神々とその眷族の原住民に圧倒されている狭間。他の自衛隊達も緊張の面持ちで様子見をしている。逆にオラリオ勢の面々はダンジョンに異質で異空間が出来上がっている場にとても興味津々で見回している。

 

「ねぇねぇ、イッセー! なんか見たことのない建物があるし、足場も石畳じゃないし地面じゃないわ! これ、どういうこと?」

 

「こういう地面や建物が異世界では当たり前のようにあるぞ。ここはその一部に過ぎない」

 

「ほー、そうなんやなぁー」

 

「(彼、彼女・・・? とにかくなぜ異世界に関西弁で話す原住民がいるのだろうか)」

 

何か思考の海に飛び込んでいる様子の狭間だが、気にせず俺達はゲートを潜るように入って暗いトンネルの中を歩いて―――個人的に二度目の異世界の日本へ足を踏み込んだ。

 

「「「「「「「「「「―――――」」」」」」」」」」

 

異世界の神々と原住民達はオラリオと違う町並みの風景と空気をその目と肌で感じ、唖然と目と口を開いたまま固まっていたのが多かった。今度はバスではなく徒歩で国会議事堂まで歩き、大衆の目に注目を浴びながらも長々と移動する時間の間は、ロキ達は終始田舎から都会に上京した人間そのものの反応を隠さないでいた。

 

「まさに未知だ! 見たことのない建物! 道具! 乗り物! 光景! ああ、オレは全てを知り得たい!」

 

「俺がガネーシャだぁああああああああああああ!!!」

 

特にこの二人が声を出してはしゃぐもんだから無関心な人間以外は反応して振り向く。外国人のコスプレ集団だと思われても構わないが正体を知ったら大騒ぎだろうな。と、思いながら国会議事堂の正門が見えてそこで立ち止まる。

 

「着いた。ここが国会議事堂、オラリオで言うとギルドみたいな場所だ」

 

「随分と立派やなぁ」

 

「他の国はもっと立派らしいがな」

 

開かれる正門の鉄製の柵扉。その奥から横並びで並ぶ黒スーツで身に包んだ中年男性達が立って俺達を待ち構えてた。そのうちの一人、中年男性が前に出て俺に近寄ってきた。

 

「お久し振りです。またお会いできて嬉しいです」

 

「こちらこそまた総理と交流ができて感謝する。突然の顔合わせの機会を汲んでもらいありがとうございます」

 

「いえいえ、本来ならばこちらからそちらにご挨拶をお伺いするべきです。わざわざこちらに来ていただき申し訳ありません」

 

おっと、またカメラマンが控えていて俺達の様子を写真に納め始める。本位はロキ達に目線を向け、フレイヤを見るや見惚れた。

 

「総理、女神に見惚れるのは当然だが案内を頼む」

 

「っ! す、すみません。こちらです」

 

あせあせと催促された本位の足が国会議事堂へと向き、俺達を道案内する。

 

「総理、諸々のお願いの方は?」

 

「全て許可を取りました。この後にそれぞれご案内させていただきます」

 

「ありがとうございます」

 

短い確認の取り合いをする俺達は、前回とは違う会場の部屋で会合が行われることになっていた。全員分の席はないが後に追加のパイプ椅子が用意されて、俺と神々は前の列、眷族は後ろの席に座るよう誘導される。その通りに座れば後からカメラマンや記者の人達が入ってきて、対面の形で座る本位との会合のやりとりを生中継で世界各国に配信するのだろう。

 

「始まる前にこの世界の言葉を翻訳する耳飾りを着けてくれ。質問された時はこれに向かって喋って答えてくれ。共通語の言語をこの世界の言葉に翻訳してくれるから」

 

「こうかい? イッセー君、好きだー! オレと結婚してくれー!」

 

「ヘルメス様ふざけないでください!?」

 

「・・・・・凄いわね。片耳しかない耳飾りで聞く言葉と耳飾りがない耳から聞くヘルメスの言葉がそれぞれ違って聞こえてくるわ」

 

「ほんまやで。この世界の言葉、ウチらが知らん言葉や。この耳飾りがなかったら、何言っとるんのか神なのに全然わからへんで」

 

「相変わらず凄い魔道具を作るイッセーはやっぱり特別ね。好きよ」

 

「「っ(フレイヤ様から羨ましい言葉をっ)!!」」

 

「(おおう、殺気を感じるー)アルフリッグさんとヘグニさんや。それらは【フレイヤ・ファミリア】の眷族の団員の中じゃ二人しか持っていないことになるから、主神と同じ持ち物を持っていない身内に対して自慢と優越感が叶うぞ?」

 

「「っ!?」」

 

あっ、殺気がなくなった。チョロチョロだな【フレイヤ・ファミリア】の団員って。

 

「ははは、イッセーって扱い方も上手いのかな?」

 

「わっかりやすいと思うけどなー」

 

「他の連中であったら、ああも大人しくならんかもな」

 

「お前達、そろそろ始まりそうだ。私語を慎め」

 

リヴェリアの言う通り。記者達の準備が整った様子で喋っているのは俺達だけだった。こちらも雰囲気で察して静まると、会合が始まった。

 

「それでは、これより第二回異世界交流の会合を始めます。質問のある方は挙手をお願いします。まずは異世界からお越し頂いた方々からの自己紹介をお願いします」

 

「だ、そうだ。最初は神から頼む【ファミリア】の名前から先に言ってから名乗ってくれ。それから続いて神の派閥の団員が自己紹介を頼む」

 

司会を務める人の促しの言葉に、俺からの補足の言葉でいち早く名乗り上げたのは一柱の男神。

 

「俺は【ガネーシャ・ファミリア】の主神! 【群衆の主】ガネーシャ、だっ!! よろしくな、異世界の子供達よ!!」

 

「私は【ガネーシャ・ファミリア】所属のシャクティ・ヴァルマだ」

 

「はーい! 同じく【ガネーシャ・ファミリア】所属のアーディ・ヴァルマです! シャクティお姉ちゃんの妹です!」

 

「オレは【ヘルメス・ファミリア】の主神ヘルメスだ。よろしくね」

 

「【ヘルメス・ファミリア】の団長を務めていますアスフィ・アル・アンドロメダです」

 

「【ヘファイストス・ファミリア】の主神、ヘファイストスよ」

 

「【ヘファイストス・ファミリア】の団長をやっている椿・コルブランドだ」

 

「皆さん初めまして、【デメテル・ファミリア】の主神、デメテルです」

 

「【デメテル・ファミリア】の眷族、団長のペルセフォネです」

 

「初めまして。私は【アストレア・ファミリア】の主神、アストレアです」

 

「正義と秩序を司る【アストレア・ファミリア】の団長のアリーゼ・ローヴェルよ!」

 

「同じくリュー・リオンです・・・・・」

 

以下の【ファミリア】の主神と団員が名乗って最後に名乗っていないのは二柱のみ。

 

「しゃーない、ウチから名乗らんとどっかの色ボケ女神がいつまでも言わんやろうからさっさと終わらせたるで」

 

軽く息を吐く女神がそう言いながら続いて言う。

 

「ウチは【ロキ・ファミリア】の主神のロキ様やでー、異世界の子供達よろしゅうなー」

 

「僕は【ロキ・ファミリア】の団長フィン・ディムナだ」

 

「【ロキ・ファミリア】の副団長リヴェリア・リヨス・アールヴ」

 

「同じく【ロキ・ファミリア】に所属しておるガレス・ランドロックじゃ」

 

「私は【フレイヤ・ファミリア】の主神フレイヤ」

 

「僕は【フレイヤ・ファミリア】の眷族にしてフレイヤ様の忠実なる僕、アルフリッグ・ガリバー、ここにはいないが他に三人の兄弟がいて僕は長男だ」

 

「・・・・・ッ、・・・・・ッ、・・・・・ッ」

 

最後はヘグニだけど・・・・・どした? 何も言わないけど急に具合でも悪くなった? 首をかしげて同じ眷族の身内に問いかけた。

 

「おい長男、ヘグニはどうした?」

 

「こいつ、見知らぬ相手が大勢いる前では口下手になってしまうんだよ」

 

人見知り!? 第一級冒険者が!? 【フレイヤ・ファミリア】の眷族なのに!? 意外すぎるぞおい! 驚愕の事実を知った俺にフィンが朗らかにこう言った。

 

「ああ、イッセーって彼と会うのは初めてだから知らないのも無理はないか」

 

「俺以外は知っていたんかい! いや、事前に教えてくれ! ヘグニが可哀想に見えてきたから!」

 

結局、アルフリッグが代わりにヘグニの紹介を雑だがしてくれたことで、次に進行する。

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