IS~紅の戦乙女~   作:ピーナ

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お昼&訓練です。原作とは時系列が少し違います。


第十二話 「これから、忙しくなりそうだわ…」

さて、授業も終わり昼食の時間、カレン達は生徒会室に来ていた。

いつもなら食堂か屋上で食べるのだが、今日に関しては授業後ルルーシュが『シャルル・デュノアを見に来るために食堂は混むだろうから食堂で食べるのはやめておいた方が良い』と言ったのと朝、楯無が『ストレス発散にお弁当作ったら、作り過ぎたから一緒に食べよ♪』と連絡を入れたからの二つの理由だった。

ルルーシュの秘密回線を使った会話は口を使わないので食べながらできるし、音が聞こえないので聞かれる心配もない。

 

『転入生のシャルル君が女の子の可能性がある?』

 

朝のルルーシュの推理を聞いて、楯無がそう言った。

 

『あくまでも、俺の推測だがな。しかし、世界二番目の男性操縦者と男装の操縦者なら後者の方が全然あり得るだろう。奴の後ろにはデュノア社というフランスの大企業もあるんだ。書類の偽造はたやすいだろう』

『まあ、そうだけど…。他にもそう思った理由はあるの?』

『そうだな、さっき挙げた物以外だと、タイミングだな。なぜ今になってなのだ?世界的に男性を調査したのは織斑一夏がISに乗れる事が分かってすぐだろう?そこで発見してなぜ発表しない?』

『プライベートを気にしたとか』

『一般人ならそうだろう。しかし、シャルル・デュノアはデュノア社の人間だ。しかも、自社の製品のカスタム機を専用機にしている。どうして広告塔として使わない。むしろ大々的に発表するべきだし、早いタイミングならIS学園にも普通に入学できただろう』

『たしかにそうね…。理由は考えるまでもなく、織斑一夏と白式ね』

『そうだろう。それ以外もあるだろうがな』

『イグニッション・プランね』

『そうだ。今のIS学園には日本、イギリス、中国、ロシアの第三世代試作機が来ている。今はドイツも増えたがな。いくら世界シェア第三位といえど第二世代までしか作れず、イグニッション・プランから外されたフランスだ。その状況から見れば今のIS学園の情報は喉から手が出るほど欲しい物だろう』

『…シャルル・デュノア君の件は調べておくわ。今は保留の方向で。この学園で事件が起こらない限りは観察に留めておくべきでしょう』

『まあ、それくらいしか出来ないだろうな。実質上ここに来ている代表候補生はほとんどスパイみたいなものだろう?』

『ぶっちゃけると、そうね』

 

IS学園にわざわざ代表候補生や専用機を送り込む理由は大きく二つある。

一つは人とISに経験を積ませる。そのためにトーナメントや訓練アリーナの解放がある。

もう一つは他国の人やISの情報を得る事。ISの方は言ってしまえば、一つ目の事を行っているから発生するものである。人の方は国、企業問わずスカウトの為であり、その最たる例が日本人でありながらロシアの国家代表になっている、生徒会長・更識楯無である。

 

『それに、どちらかというと、事件を起こしそうなのはもう一人の方だと思うぞ』

『もう一人って、ドイツの代表候補生、ラウラ・ボーデヴィッヒ?』

『ああ、いきなり織斑一夏をはたいていたしな』

『『『うわあ…』』』

 

そう口を合わせて言ったのは、現場にいなかった楯無、簪、虚。

 

『織斑先生は1年の間ドイツ軍で教官をしていたらしいし、それと関係あるのかしら』

『なるほど、それで教官と呼んでいたのか。時に楯無、何故織斑教諭はドイツ軍で教官なんかしていたんだ?』

『それはね、ドイツで行われた第二回モンド・グロッソの決勝直前に一夏君がさらわれたんだけど、それを助けるためにドイツ軍の力を借りたらしいのよ。その関係で』

『…ドイツの自作自演じゃないのか?もしくは決勝の相手の国か』

『どっちも可能性としてはありうるけど、真相はいまだ不明よ』

『なるほどな…。織斑千冬を盲信するラウラ・ボーデヴィッヒにとって織斑一夏は織斑千冬の経歴に泥を塗った存在という訳だ』

『盲信って、言い過ぎじゃない?』

『いや、狂信とまで言ってもいいぐらいだ。織斑千冬の判断は間違っていない。楯無も虚ももし、同じ状況になったら絶対に同じ選択をするだろう?』

『当然よ』

『当たり前です』

『クラスの人間は全く気付いていなかったがな、この体は便利で色々よく見えるし聞こえるんだ。はたいた後奴は、「私は認めない。貴様があの人の弟であるなど、認めない」と言ったんだ。そんな物決める権利などあるはずないのに』

『…なるほどね。これは忙しくなりそうだわ』

 

そう言って楯無はため息を吐いた。

 

 

時間は過ぎ、放課後カレンは簪、本音と一緒に訓練をするためにアリーナに居た。

 

「そういえば、『山嵐』はどうなったの?」

「ほとんど、プログラムは組み終わった。明後日試射をするつもり。後、追加で機能も付けた」

「会長権限で貸切にするらしいよ~、アリーナ」

「まあ、安全のためにもね」

 

マルチロックオンといえど最大64発同時発射のミサイルなのだ。周りに人は危ない。

ちなみに、会長権限と言っているが、名目はちゃんと『新装備の試験』で借りているので問題ない。ただ、開発した研究所の人間は全く来ず、参加するメンバーは生徒会メンバーのみになっている。

 

「おお~、おりむー発見」

「ホントだ、後はいつものメンバーに…デュノア君だね」

 

その言葉に気付いたのか、一夏はこっちを向いて、

 

「おっ、カレン達じゃん。そうだ、シャルルを紹介するよ」

 

と言った。

 

「いや、同じクラスだし知ってるよ。むしろ自己紹介しないといけないのは、私達でしょ。という訳で、私は紅月カレン。一応、専用機持ちで、生徒会の副会長をやってる。よろしくね、デュノア君」

「私は布仏本音だよ~。私も生徒会のメンバーの一人だよ。よろしく、でゅっちー」

「…更識簪。4組の代表で日本の代表候補生。よろしく」

「じゃあ、僕も。シャルル・デュノアです。フランスの代表候補生をしてるよ。よろしくね、紅月さん、布仏さん、更識さん」

「簪でいい。同じ学年なんだし。多分これから、模擬戦とか一緒にやっていくだろうから」

「私も、本音で良いよ~」

「じゃあ、私もカレンって呼んでね」

「分かったよ、簪さん、本音さん、カレンさん。僕もシャルルで良いよ」

「了解。…で一体何やってたの?あそこで三人いがみ合ってるけど」

「あー…それは」

 

少し言い辛そうにした後、一夏は説明をした。今までコーチをしていた三人の説明で理解出来なかった事がシャルルの説明で分かったらしい。何故わからないと一夏のせいになっていた。

 

「じゃあ、公平に判断するために、私達にすれば良いじゃん」

 

という訳で、実際聞いて判断することになったのだが、

 

篠ノ之箒の場合

 

「…感覚的過ぎ」

「擬音が多い」

「これは、同じ世界に住む人が居ないと理解できないね~」

 

セシリア・オルコットの場合

 

「…逆に理論的過ぎ」

「頭が痛くなる」

「分かる人には分かるけど、おりむーには合わないんじゃないかな~」

 

凰鈴音の場合

 

「…日本語でお願いします」

「論外だね」

「それは、教えるって言わないんじゃないかな~」

 

と、三人は散々な言われようだった。ちなみに

 

シャルル・デュノアの場合

 

「…分かりやすい」

「分かりやすいね」

「分かりやすいよ~、今までのがあったから余計にだよ~」

 

とこんな感じの判断が下った。

ここで、鈴が悪あがきに、

 

「じゃあ、アンタ達もやってみなさいよ!」

 

と言った。

 

「私はパス。だって、口で言ったら鈴や箒とほとんど変わんないもん。それに、かなり前に教えられないって一夏に言ったし」

 

と言って、カレンが降りたので、簪と本音がやる事に。判定は一夏とシャルル。

 

更識簪の場合

 

「うん、要点もまとまっていたし分かりやすいと思うよ」

「たしかになー。シャルルほどスラスラって感じじゃないけど、分かりやすかった」

 

布仏本音の場合

 

「分かりやすかったけど…」

「口調の問題か、凄く眠たくなりそうだな」

 

という結果に終わった。

すると、周りが騒がしい。

注目の的になっていたのは漆黒のIS。そして銀髪の転校生。

 

「おい」

「…なんだよ」

「貴様も専用機持ちだそうだな。ならば話が早い。私と戦え」

「嫌だ、戦う理由がねえよ」

「貴様に無くても私にはある。貴様が居なければ教官が大会二連覇の偉業をなしえただろうことは容易に想像できる。だから、私は貴様を、貴様の存在を認めない」

『酷い言いようだね』

『だな。織斑一夏が言い返さない所を見ると、彼自身も何か思う所があるのだろう。後、一応警戒しておいた方が良い。あの手合いは何をするか分からないからな』

『軍人だから大丈夫だと思うけど…。了解』

 

カレンとルルーシュがそう言ってる間、場は無言だった。

 

「また今度な」

「ふん。ならば、戦わざるを得ないようにしてやる!」

 

言葉と共にラウラはISを戦闘状態にし、左肩の実弾砲を一夏に向かって放った。

しかし、それは届かない。なぜなら、

 

「…こんな、密集空間でいきなり戦闘を始めようとするなんて、ドイツの人はずいぶん沸点が低いんだね。ビールだけでなく頭の中までホットなのかな?」

 

シールドとアサルトカノン『ガルム』を展開したシャルルと、

 

「…同感。こんな所で戦闘をするなんてどうかしている。もう少し考えるべき」

 

二連装荷電粒子砲『春雷』を構えた簪と、

 

「そうだね。ISに乗っていない人が居る状態であんなのぶっ放すなんて、人としてどうなの?」

 

右手を前に出したカレンが居たからだ。

 

「フランスの第二世代機と日本の未完成の試作機達ごときが私の前に立ちふさがるとはな」

「未だに量産化のめどの立たないドイツの第三世代機よりは動けるだろうね」

「…弐式は完成している。試作機はあなたと同じ」

「ていうか、アンタには試作機で十分だよ」

 

にらみ合いが続く。それをやぶったのは、

 

『そこの生徒!何をやっている!学年とクラス、出席番号を言え!』

 

という、騒ぎを聞きつけた教師の声だった。

 

「…ふん、今日は退こう」

 

そう言い残して、ラウラはアリーナピットの戻っていった。

 

『これは、本当に一波乱ありそうだね…』

『そうだな。面倒な事が起こらなければ良いが…』




原作ではこの後、シャルルの性別発覚イベントがありますが…そこはオリ話になるでしょう。

そういや、暮桜って第何世代になるんでしょうか?多分、第二世代ですよね。第三世代でない事は間違いないと思います。

ISの世界で現行第二世代(打鉄、ラファール・リヴァイブ)、現在第三世代開発中(シャル、一夏、箒除く専用機持ちの機体)という事になります。第四世代は机上の空論レベル。
これをギアス世界で考えてみると、現行第五世代(サザーランド、グロースター)から第七世代(ガレス、ヴィンセント)への過渡期、現在第八世代(ラウンズ専用機は第八世代相当)量産機研究中。第九世代は魔改造により登場。
みたいになります。
ただ、違うのはISの世代間の差は腕でカバーできていますが、(シャルが良い例です)ギアスは驚異的なまでに世代差が出ます。(名前有りキャラのレベルになると少なくとも同世代でないと勝てません。第九世代に乗ったカレンやスザクの無双ぶりは一目瞭然です)

後、2,3話くらいで、学年別トーナメント編突入です。
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