IS~紅の戦乙女~   作:ピーナ

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気付いたらお気に入りが500件を超えていた…。

僕の下手な文が少なくとも500人には読まれているのを考えると変な感じです。


第十六話 「いいね、若いって…」

シュヴァルツェア・レーゲンの暴走事件から数時間が経ち、一年生のトーナメントの中止が正式に決まった。残りの学年も一回戦のみ行い、残りは別の日となった。

しかし、生徒の運用データは今後の為に必要なので、中止になった一年生も一回戦のみ行われる事となり、既に一回戦が終了した三年生が使っていたアリーナで開かれる事となった。

 

「開幕二戦目だったはずなのに、気付いたら一番最後に回されてるし…」

 

アリーナの控室でカレンがそう呟いた。

一クラス30人×4クラスで120人+男性操縦者の特別枠で一夏、転入生の鈴、シャルル、ラウラで一年生は124人でペアは62組作れるはずだったのだが、今回のトーナメントはセシリアと鈴が参加していないので、ペアの数は61組となり必然的に1組余る。

トーナメントならシードとしておけば問題ないが、今の一回戦のみ行おうとすると当然、問題が発生する。

 

「…でも、相手誰になるんだろう?」

「さあ?」

 

その余りに選ばれた、カレン・簪ペアは未だに知らされていない対戦相手の事を話していた。

 

『紅月、更識、居るな。お前たちの対戦相手が決まったぞ』

「あっ、織斑先生。で、相手って誰なんですか」

『織斑とデュノアだ』

 

千冬の言葉を聞いて、控室は沈黙に包まれた。

 

「…織斑先生、織斑とデュノアというのは、織斑君とシャルル君ですか?」

『更識、一年で織斑もデュノアも一人しかいない。そして、それはお前の指している人物だけだ』

「でも、あの二人もう一回戦終えてますよ?」

『その通りだ、紅月。しかし、専用機持ちの相手を量産機、しかも一年にさせるには荷が重すぎる。それに、その二人以外の専用機持ち、オルコット、凰、ボーデヴィッヒは出れない。必然的に織斑とデュノアしか相手はいないのだ』

「なるほど、二人に休養させるために私達を一番最後に回したんですね」

『その通りだ。織斑とデュノアの二人にはもう伝えてある。お前たちも準備をしろ』

 

そう言い残して、通信を終えた織斑先生。

 

「準備って言われても、ISスーツはもう着てるし」

「アリーナで待機してよっか」

 

二人は各々のISを装備してアリーナに出て行った。

 

 

「織斑君とシャルル君、連戦だけど疲れてない?」

「俺は大丈夫だ」

「僕も平気だよ」

「いいね、若いって…」

「カレンも十分若いでしょ。確かに年上だけど、まだ十代なんだし」

 

試合開始の合図を待つ間、そんな軽口を叩きあう四人。

 

『全員、準備は出来ているみたいだな。それでは試合開始!』

 

織斑先生の言葉で試合の火ぶたが切って落とされた。

 

 

開始直後、出方を窺っていた、カレン・簪ペアに一夏・シャルルペアが攻撃を仕掛ける。マッチアップはカレン対一夏、簪対シャルルとなった。

 

 

カレン対一夏サイド

 

「腕を上げたね、一夏!」

 

高機動の格闘戦を繰り広げながら、カレンはそう言った。

 

「そりゃ、どうも!」

 

それに答える一夏。

 

「それに、タッグマッチなら、そう簡単に輻射波動で一撃って事も出来ないだろ?」

 

自信満々に一夏はそう言う。

 

輻射波動は性質上結構な隙を生む。

一対一なら、当てれれば勝利に繋がる可能性も非常に高いのだが、タッグマッチだと的になる可能性も結構ある。

それでも、強い武器ではあるので、確実に当てていくだけでも十分だったりするのだが。

 

「まあ、クラス代表決定の時みたいな事は出来ないね」

 

一夏の言葉を肯定するカレン。

 

「前の時よりも距離を詰めれている!格闘戦なら!」

 

そう言って、どんどん距離を詰めていく一夏。

 

「一夏、自分が、ボーデヴィッヒさんの時に言った言葉を思い出してみなよ」

「何だよ?」

「これはタッグマッチなんだよ」

 

カレンの言葉と同時に白式に荷電粒子砲が直撃する。

 

「なっ、どこから!?」

「どこからって、簪からに決まってるじゃん。しっかり周りも見ないと。それよりも隙だらけだよ」

 

体勢を崩している白式に一気に接近、ブレードで切りかかる。

 

「あとさ、格闘戦なら私も割と得意なんだよね」

『お前のレベルで割となら世界中の人間の大半が得意じゃなくなるからやめろ』

 

そのまま連続攻撃を仕掛ける紅蓮。

斬撃、蹴撃、銃撃、打撃を織り交ぜた攻撃が高速で白式を襲う。

 

「くっ、攻撃の回転が速い!凌ぎ切れねえ」

 

一夏も隙を見て反撃を行うも、紅蓮には届かない。

 

『カレンを格闘で倒そうと思ったら、スザクレベルは確実に必要になるな…』

 

それを見ていたルルーシュが誰にも聞こえないように呟いた。

 

 

簪対シャルルサイド

 

一方で簪対シャルルは牽制の射撃から入る静かな立ち上がりだった。

 

「(でも、シャルル君はどこかで接近戦を仕掛けてくるはず…)」

 

一夏経由や模擬戦の映像を見ているなら、カレンの腕の高さも一夏との腕の差も知っているはず。なら、一夏が落とされる前に動き出すのが道理という物だ。

 

「(そして、ISの戦いで早く決着を付けれるのは接近戦!)」

 

どちらも高レベルにまとまっていて、中々均衡が崩れない。

 

「(これが鈴だったら、苛立って無理やり切りかかって来そうだよね。でも、この均衡どうやって崩そう…)」

 

お互いの攻撃を避けて撃つ、それが繰り返されている現状。どちらかが動かなければ永遠に続きそうな感じである。

 

「(絶対守護領域を使って突撃するっていう方法もあるんだけど、弐式には白式や紅蓮、ラファールみたいな強力な近接武器は無いし、なによりリスクが高すぎる…。そうだ!)」

 

今まで手持ちの実弾武器で攻撃していた簪が突然、背部の春雷を放つ。

 

「荷電粒子砲!でも、当たらないよ!」

 

あっさり避けるシャルル。

 

「大丈夫、狙いは完璧」

「どういう…」

 

シャルルの疑問は、白式の春雷の直撃という答えが返ってきた。

 

「…狙ったの?」

「うん。目の前の相手だけじゃなくパートナーでも隙を見て攻撃しないと、ってカレンとお姉ちゃんが言ってたし私もそう思う。私の技量だと、流石に格闘戦だと出来ないけど、射撃戦、しかもまだお互いが様子見の段階ならこれくらいはするよ」

「流石は代表候補生と言った所かな。でも、僕だって!」

 

そう言うと、シャルルの攻撃は激しさを増す。彼の特技『高速切替』をフルに生かした手数の多さで攻めてくる。しかし、そんなシャルルの後方から攻撃が加えられた。

 

「嘘、あの乱戦から?」

「カレンならそれくらいはするよ。本人はあんまり射撃は得意じゃないみたいだけど」

「…十分凄いよ」

「私もそう思う」

 

一度攻撃のリズムを崩されたものの、シャルルは攻撃の手を緩めない。しかも…

 

「(攻撃をしながら、少しずつ接近している?)」

 

簪の思うとおり、シャルルは手数を生かし簪に回避に専念させながらも徐々に距離を詰めだしたのだ。

 

「(でも、裏を返せばシャルル君も焦っているって事!)」

 

簪は回避に専念をしながらチャンスを待つ。

 

 

管制室(千冬&真耶)サイド

 

「…更識さんも紅月さんも凄いですねー」

 

真耶はそう言った。教師としてはまだ新米だが、IS乗りとしては凄腕の彼女は一年生としては並外れた腕を持つ二人に素直に感心していた。

 

「そうだな、更識の精密な援護攻撃も紅月の格闘戦をしながらの援護攻撃もそう簡単にできる物じゃない。付け焼刃とはいえ、準備をしてきたんだろう」

「そうですね。ペアを組んで戦った経験はそれほど多い訳でもないですけど、自分の相方やその相手の事も気にしながら戦うのって凄い難しい事ですよね」

「その通りだ。今までの一年生は一対一を二つ作っての対戦ばかりだったが、あの二人はそれよりもはるかに上を行っているな」

 

二人が話していると、シャルルが簪に向けての攻撃を激しくしていた。

 

「ああー、でもこのまま行くと、デュノア君が更識さんを落としそうですね」

「ああ。だが、あの二人が何も考えていないとは思えない。更識も落ち着いているみたいだしな」

「確かに。言われてみればそう見えますね。何か狙っているのでしょうか?」

「恐らくな。…さあ、お手並み拝見といこうか。紅月、更識」

 

そう呟く千冬。その顔は何処か楽しそうだった。

 

 

「簪はあの戦いの映像見てたんだよね?なら隠す必要もないかな。これで決めるよ!」

 

そう言って、シャルルは隠されていた灰色の鱗殻を展開、簪に攻撃する。

しかし、

 

「なっ!?」

 

絶対守護領域のエネルギーシールドによってバンカー部分のみ突き刺さり、弐式には届かない。

その事に驚き、動きを止めるシャルル。

 

「ここまでは予想通り。そして今のうちに!」

 

その隙に簪は接近し、突き出された腕を掴み、投げる。

 

『カレン!』

『OK!』

 

プライベートチャンネルで簪に呼びかけられたカレンはスラッシュハーケンで一夏を絡め捕り、シャルルの投げられた方向に、白式を投げた。

一夏とシャルルはぶつかった。

これで位置関係が、カレン・簪ペアに挟まれる一夏・シャルルペアという状況になった。

 

「切り札は」

 

突然、カレンはそう言った。それと同時に右手を前に出し、少し前に進む。

 

「!…最後まで取っておく物」

 

カレンの言葉の意味に気付いた簪は山嵐を展開。そして、

 

「全弾、発射」

 

打ち出される無数のミサイル。

 

「逃がさないよ。輻射波動」

 

輻射波動砲を拡散モードで発射する。

ミサイルの直撃と爆風、そして輻射波動の砲撃、凄まじい破壊のエネルギーが間に挟まれた二人の、二機のISに襲いかかる。結果、

 

『…び、白式、およびラファール・リヴァイブ・カスタムⅡの撃墜を確認。よってこの試合、勝者紅月カレン・更識簪ペアの勝利』

 

という山田先生の言葉で、この試合は終わったのだった。

カレンは簪に近付いて、

 

「やったね、簪」

「うん。でも、やり過ぎたかな?」

「少し、山田先生動揺してたし、やり過ぎたかもね。…まあ、でも勝ちは勝ちだよ」

「そうだね」

 

ハイタッチをして引き上げていく二人なのであった。




一つ丸々戦闘シーンになっちゃいました。

次回は…今回影の薄かったルルーシュ大活躍回にでもしようかな?まあ、未定ですけど。

ポケモンをプレイしたいので更新は少し滞るかも知れません。11月にはGE2も出ますし…。

アンケートの締切も10月31日までなので良かったら見ていってください。
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