IS~紅の戦乙女~   作:ピーナ

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これ、どうなんだろ? と思われる方もいるかもしれない感じです。


第二十話 「ベクトルが違い過ぎる…」

臨海学校二日目。

今日は朝から日が暮れるまでIS学園のスポンサー企業から送られてきたパーツのテストを行う。

 

『しかし、こんなの企業側がちゃんとしたテストパイロットを雇ってした方がちゃんとしたデータも取れるし、早いと思うけど』

『…多分、一年生に色々経験させるためだと思う。IS学園の卒業生のほとんどはISに関わる仕事に就くからこのころから経験してくんじゃないかな?』

『学園側はそうだろうな。逆に企業側は、素質のある生徒を探すためというのが大きそうだ』

『でも、臨海学校のせいで一年生の一学期は行事が多くてしんどいんだよね~』

 

集まって前で織斑先生が話しているのを聞きながら、秘密回線の方で話している四人。

 

「さて、それでは各班ごとに振り分けられたISの装備のテストを行うように。専用機持ちは専用のパーツのテストだ。全員、迅速に行え」

 

織斑先生の言葉に全員が返事をした後、動き出す。

 

「…本音、私とカレンのデータ収集よろしく」

「あいあいさー」

『本音、『サー』は男性に付ける物だ。ここは『マム』が正しい』

『いや、別にツッコまなくてもいいからね、ルルーシュ』

 

本音はカレンと簪のパーツのデータ収集に回る。これはちゃんと織斑先生の許可も得ている。

 

『さて、ならば俺も動くか。本音、手筈通りに頼む』

『分かってるよー』

「? 何の事? カレン知ってる?」

「いや?」

 

事情を呑み込めない二人をスルーしてルルーシュと本音は話を進めて行く。

 

「…これで、おっけー。るーるー」

「準備は終わったか。さて、テストを始めるぞ」

『『ちょっと待ったルルーシュ!』』

 

いきなり普通に映像通信として出てきたルルーシュに驚き秘密回線の方で大声を出すカレンと簪。

 

『どうした、二人とも』

『何いきなり出て来てんのよ!』

『なに、今の俺はお前のISのAIでは無く、お前のISの開発者で今回の専用パーツのテストの為に通信をしているという設定だ。合わせろ』

『『無茶ぶりだ!』』

 

二人のツッコミもどこ吹く風、ルルーシュはどんどん話を進めて行く。

 

「紅蓮は、背部ミサイルポットのプログラム変更。まあ、これは俺がやった物だから把握はしているが…打鉄弐式は近接武器を全部オミットして背部の『春雷』と同型の『雷華』二門に20ミリ機関砲『轟雷』四門、極め付けが『山嵐』が8発×10門…これらを全部合わせた、火力増加パッケージ『万雷』…。これを作った奴は馬鹿か? どう考えても火力過多だろ」

 

いきなり毒舌を吐くルルーシュ。

 

「それは思う。火器管制システムが煩雑すぎてイマイチだし」

「そこからか…。カレン!」

「何!」

「お前のテストは後回しだ、休んでいろ。先にシステムの調整を行ってからだ。お前のは30分もあれば出来るからな」

「了解」

「本音も手伝ってくれ」

「はいはーい」

 

三人は突貫で管制システムを作り直していく。

 

「ねえカレン」

 

少し離れていたカレンに、専用パーツのインストール中なので暇だった専用機持ち達が話しかけてきた。

 

「あそこで無駄に凄い能力を発揮してる奴誰?」

「紅蓮の主任研究員。名前はルルーシュ。フリーランスでいろんなものを作ったりしてるけどね」

「いろんなものとはなんですの?」

「んー、一番わかりやすいのは、簪の打鉄弐式のマルチロックオンシステムかな」

「だが、それの開発が難航していたから、日本は第三世代の開発が遅れていたのではないのか?」

「らしいね。でも、私がルルーシュを紹介したら、一月足らずで出来てたよ」

「「「「ひ、一月…」」」」

 

あまりの早さに驚く四人。

 

「それは…少し早すぎるかな…」

「いや、早すぎるってもんじゃないでしょ!」

「しかも、ルルーシュと簪の二人でだからね。人が居ればもう少し早かったんじゃない?」

「そうでも無いぞ」

 

作業をしながら話に入ってくるルルーシュ。

 

「この手の作業は人海戦術よりも少数で当たる方が良い。それより、向こうが騒がしいが一体なんだ?」

「さあ?」

「今、あっちに篠ノ之博士が来ているのよ」

「「へえー」」

「…なんか二人とも興味無さそうだね」

「それよりやる事があるからな」

「誰が居てもやる事は変わらないからね。篠ノ之博士が来ているって事は一夏か箒関係?」

 

来た理由に大体の察しを付けるカレン。

 

「箒に専用機を持って来たらしいぞ」

「へえー」

「…これも興味無いみたいね」

「いや、これは現実逃避だな。生徒会の仕事が増える事への」

 

ルルーシュの言葉の後に赤いISを纏った箒が飛び立つ。そして、自分の武器を一つ一つ確かめていく。

 

「凄いんだけど…確実に仕事増えるなあ…はあ…」

 

そんな事を言っている内ににわかに慌ただしくなっていく。カレン達が、いや生徒全員が何事かと思っていたら、

 

「全員注目! これよりIS学園教員は特殊任務に移る。よって本日の稼働テストは中止。各班ISを片付けて部屋で待機していろ。勝手に部屋から出たら厳罰が待っているぞ」

 

脅し込で言う織斑先生。事態を掴めない生徒たち。

 

「とっとと戻れ!」

「「「「「は、はい!」」」」」

 

織斑先生の怒声で慌てて動き出す生徒たち。

 

「専用機持ちは集合しろ! 紅月、織斑、更識、凰、オルコット、デュノア、ボーデヴィッヒ、それに篠ノ之もだ」

「はい!」

 

妙に気合いの入った返事を返したのは箒だった。

 

『なんか気合入ってるね、箒』

『そうだな。だが、確実に早死にするタイプだぞ』

『だよねえ…』

 

その事を危惧するカレンとルルーシュ。

 

 

事態が起こったのは二時間前。ハワイ沖で試験稼働中だった、アメリカ、イスラエル共同開発の軍用IS『銀の福音』が暴走。衛星の追跡によってこの後約1時間後にここから約十キロの沖合を通過する。学園上層部によってこの事態の鎮圧が専用機持ち達に指示されたのだ。

これを聞いた専用機持ち達の反応は三つ。

一つはいまいち状況のつかめていない感じ。これは一夏と箒。まあ、仕方の無い事である。

一つは話して作戦を真剣に話し合っている。これは簪、セシリア、鈴、シャルロット、ラウラの国家代表候補生。この辺は流石代表候補生である。

最後は全く持って何も反応をしていない感じ。これはカレン。戦争を切り抜けてきたカレンにとってこれくらいでは動揺もしない。

 

『ぶっちゃけ、この時間がもったいないと思うんだけど』

『そうだな。予想時間が分かっているなら、作戦空域に行く間に説明して全員で当たれば良いと思うが』

『戦力の分散は愚の骨頂だっけ?』

『ああ。数はこちらが多いのだから超音速の航行さえ止める手段があれば負けは無いだろう。普通にそれでいいと思うがな』

『とは言うけど、一対多じゃ戦いにくいんじゃない?』

『そこだけが問題だな。全員で連携を訓練した訳じゃないからな。まあ、手段が無い事は無いが…無理だな』

『一応聞かせてくれる?』

『それぞれの仕事をはっきりさせる事だ。格闘、援護、防御、囮などをな。その役割をこなす事に集中し一つ一つをはめて行けば連携みたいにはなるだろう。だが、これはそれを上手く指揮する人間がいるがな。連携の場合だとお互いの動きが分かってるから、見ていれば何とでもなるだろうがこの方法ではそう上手くはいかんだろう』

『なるほどね。…出撃の準備と移動の時間も考えるとそこまで余裕はないね。後、やっぱ、私にこういうの向いてないわ』

『実は俺もだぞ。大体俺一人で決めていたからな』

『向いてないのベクトルが違い過ぎる…』

 

ある意味衝撃の事実を知り、若干凹み気味のカレン。

 

「そうだ、織斑先生」

 

一つ思いついたカレンが織斑先生に話しかけた。

 

「なんだ? 紅月」

「銀の福音のパイロットの情報って有るんですか?」

「有るには有るが…それがどうした?」

「いや、その人の情報があればどんな感じで来るか分かるかなって思いまして。いくらISが暴走しているって言っても根本にあるデータの大元はそのパイロットの方の物のはずです。なので念のため目を通そうかなと」

「分かった。と言っても、軍属の奴だからそこまで公開は出来ないがな」

「いえ、ありがとうございます」

 

データを受け取り、見ていくカレン。顔色は変えないが

 

『ル、ルルーシュ…』

 

ルルーシュを呼ぶ声は動揺している。

 

『どうした、カレン?』

『これ…見て』

『福音のパイロットのデータか? それが…何っ!?』

 

驚きの声を上げるルルーシュ。

そこには、元の世界では今は亡き二人の友人、シャーリー・フェネットの名前と顔写真があった。




このシャーリーは並行世界の住人でギアス世界の記憶などは一切ありません。
ぶっちゃけ、この形は結構前からあったのですが、どうなんだろうか自分の中でも葛藤が有りました。しかし、自分で考えたのだからこのまま行こうと思い書いています。
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