IS~紅の戦乙女~   作:ピーナ

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今回は更新感覚が短くできました。


第二十一話 「もったいないからな」

結果的に福音は一撃必殺の攻撃力を持つ一夏の白式、メンバー中最高速を出せる箒の紅椿、そして、一年最強を誇るカレンの紅蓮の三機で当たる事になった。そして、現在は作戦空域に向けて進行中である。

 

『こんな事もあろうかと、追加エネルギーバッテリーを作っておいて正解だな』

 

ルルーシュは遠隔地への移動が出来る様に紅蓮用の追加エネルギーのバッテリーを用意していた。これで移動の時のエネルギーを気にせず戦闘に集中できる。

 

『まさか使う事になろうとはね…』

 

カレンがそう思うのも仕方ない。こういうのはこのバッテリーは試合で使う事が出来ないものなのだ。なので、使用できるのは非常事態のみ。まさか使用するとは彼女自身が思ってなかったのだ。

 

『俺も保険に用意しただけなのだがな。カレン、バッテリーが切れても捨ててくるなよ。もったいないからな』

『まあ、拡張領域には余裕あるし、分かった、気を付けとく。しかし、らしくないんじゃない。もったいないって』

『そうか? 咲世子がいたとはいえ、料理は俺が作る事も多かったんだ。その時、出来る限り余らない様に材料を使っていたのだが、それと同じだろう』

 

どうやら、ルルーシュには余った材料と空のバッテリーは同じものらしい。

 

『…そろそろだぞカレン。集中しろよ』

『分かってる。伊達に何回も死線を潜り抜けて来ていないよ。でも、今回は織斑先生に二人を頼むって言われたからね』

『そうだったな。そっちは俺が見ておこう』

『お願いね、ルルーシュ』

 

カレンは会話を終え、集中力を高める。

 

「カレン先に行く! 一夏、加速するぞ!」

 

箒はそう言って紅椿を加速させる。

 

『あーもう、こっちはこれで限界だっていうのに! 無謀だし、浮かれすぎだよ』

『貧乏くじだな』

『かもね…。でも、見捨てるわけにはいかない!』

 

カレンも二人の後を追う。

 

 

 

カレンが現場に着いた時、白式は海へと落とされていた。箒はそれに気を取られている。

 

『間に合わなかったか…。しかも、箒も具現維持限界を迎えてるみたいだし…』

『切り替えろ、カレン!』

『分かってる!』

 

一夏に気を取られている箒の背後から福音が攻撃を仕掛けようとしている。

 

「ちっ、面倒な!」

 

カレンはそのスピードを維持したまま両者の間に身を割り込ませる。

 

「箒、早く一夏を連れて退いて! 機体も限界でしょ!?」

「しかし…私は…」

「早く治療しないと! ここは私が抑えるから!」

「…分かった。済まない」

 

それだけ言って、箒は一夏を連れてこの場を去った。

 

『正直な所、負傷している一夏と戦える状態じゃない箒を気にしながらじゃ私が戦えないからね』

『そうだな。言葉が悪いが今のあの二人は足手まといだ。退かせるのが正解だ』

『…シャーリーは必ず助ける。たとえ、私達の知っているシャーリーじゃなくても』

『…頼む、カレン。俺も何故暴走したか調べる』

 

二人は動き出す。今は亡き二人の友人と瓜二つの少女を助け出すために。

 

 

福音と紅蓮の戦いは福音の『銀の鐘』の猛烈な射撃の嵐から始まった。

 

「無茶苦茶な弾幕だね! でも、こういうのはアーニャのお蔭で慣れてる!」

 

カレンはそれを的確に回避していく。

 

「回避は出来るけど接近は骨が折れるね…エネルギーも無限じゃないし。それなら!」

 

紅蓮は集束させた輻射波動砲を発射する。それは福音から放たれる光弾を打ち消しながら福音へと襲い掛かる。しかし、福音は何事も無かったかのように避ける。

 

「まあ、それも予想通りだけど!」

 

弾幕が消えた隙に距離を一気に詰めるカレン。狙いは紅蓮最大の武器、輻射波動。

 

『La…』

 

甲高いマシンボイスが響く。その音の後福音は再び光弾で弾幕を張る。

 

「それはうっとおしいけど、同じ攻撃は通じないよ!」

 

と、とんでもない事を言いながら突撃していくカレン。伊達に不利な戦場にばかり身を置いてきた訳では無い。

その弾幕をかいくぐり、やがてその右腕は福音の翼を捉える。

 

「まずは、その翼を片方貰うよ!」

 

輻射波動を発動させる。させたのだが、カレンはすぐに距離を取る。

今までの戦いを切り抜けてきた彼女の直感がその場は危険だと知らせる。

輻射波動を中止して、離れる。次の瞬間、紅蓮の居た場所に光弾の雨が降り注ぐ。

しかし、成果が無かった訳では無い。輻射波動でダメージを負った右翼はその光弾の発射に耐え切れず壊れる。

 

「ふう、まずは一つ。後はもう一つの方を何とかしないとね…」

 

カレンがそう呟いた時、福音は残っている砲門を使い、弾幕を張りながら距離を取り始める。

 

「それくらいなら! …いや、距離を取るんじゃない!?」

 

そのまま、離脱を選ぶ福音。

 

「逃がさない!」

 

追撃を掛けようとするカレン。

 

「待て、カレン! 紅蓮は直撃こそ受けていないが、ダメージレベルはBに達している。それにエネルギーも心もとない。ここでの追撃は無謀だ!」

 

そんなカレンを止めるルルーシュ。

彼の言う通りカレンの超絶技巧の操縦で直撃は無かったものの、光弾がかすめたり、輻射波動を使って防いだ時の余波によってだったりで、紅蓮の装甲はいたる所にヒビが見える。そして、シールドエネルギーは既に残り2割を下回っている。紅蓮に追撃の出来るエネルギーは残っていない。

 

「…そうだね。このままじゃ危なかったよ。ありがとうルルーシュ。でも…」

『気になるか? 福音のパイロットが』

「うん。気にならない訳無いじゃん」

『まあ…な』

「でも、助け出したかった。自惚れじゃないけど、私はそれが出来る力があると思ってた。でも、出来なかった。出来なかったんだよ…」

『カレン、自分を追い込むな。今はゆっくり休め。お前にも紅蓮にも休養が必要だ』

「うん。…ルルーシュの方は何か分かった?」

『何もだ。暴走の原因も分からず、コアに直接干渉しようとしても出来ず、ただ見ているだけ。これほど自分の力の無さを嘆きたくなったのは初めてだよ。いっそ、俺にも肉体が有って、戦う事が出来ればとどれだけ思ったか』

「そうなんだ。…無力って言ったけどトウキョウ租界のナナリーの時はどうなの?」

『確かにあの時に近い感じがするが、今思うとあれは全面的に俺のミスだ。スザクに掛けたギアス、アイツの言葉の真意、そして、怒りに身を任せ、判断力を失わせた自分自身。無力よりも一勢力の長として、そして、ナナリーの兄としての責任感と罪悪感の方が大きかったな』

「そうだったんだ…」

『俺の話はこの辺にして、一度帰投するぞ。さっきも言ったがお前は休め。後の指示は織斑教諭がしてくれるだろう』

「うん、そうだね」

 

カレンは戦闘空域を後にし旅館へと戻っていく。

七月の空は何処までも青く澄んだ空。しかし、帰路についた二人の胸の内はその空とは正反対の重く暗い。




ふと思ったんですが、もしもルルーシュが黒の騎士団に残っていて、母親の死の真相と父親への復讐まで成功して、ナナリーの静かに暮らせる世界が作れたとして、それからどうするつもりだったのでしょうか? 
僕個人の考えではそのままゼロは消えたのではと思います。
確かにルルーシュ個人の能力は凄い物が有ります。しかし、世界がある程度平和になった時それが必要なのかと聞かれたら、微妙な所だと思います。
なんだかんだ、黒の騎士団や超合衆国にはそれなりに人材が揃っていると思います。
一人でルルーシュに匹敵する能力が無くてもそれぞれの持ち味を生かせば、瓦解せずに行けると思います。

…ちょっと眠たい頭で考えているので何書いてるか自分でも分かってないんですけど。
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