IS~紅の戦乙女~   作:ピーナ

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今回は会話が多いですし、物語は進みません。


第二十六話 「準備は迅速に、そして確実に、だ」

ルルーシュがIS学園に転校してきて数週間が経ち、IS学園は夏休みに突入していた。

しかし、いくら夏休みだろうと生徒会には若干の仕事がある。それに、そもそもカレンとルルーシュは異世界人なので、IS学園に居るしかない。

しかしそんなとある日の午後、生徒会の仕事ではなく、別の用で生徒会室に集まっていた。

 

「さて、楯無に頼まれていたミステリアス・レイディと打鉄弐式の改造プランなんだが。とりあえず纏めてみた。だから今から説明していく」

 

何時の間にか用意されていたスクリーンに二人の専用機が映し出される。

 

「まずは、両機共通の改造だ。…その前にこの場の全員に聞くが、戦闘に置いて俺が一番大事だと考えている物は分かるか?」

 

ルルーシュの質問にそれぞれが考えるが答えが出ない。

 

「…それは人それぞれの特性によって変わってくるんじゃない? たとえば織斑君なら格闘能力とか、機動性になるだろうし、遠距離重視のセシリアちゃんや簪ちゃんは射撃能力になると思うよ」

「まあ、個々人の能力で必要な物が確実に変わってくるが、どれにも共通して必要な物があるだろう?」

「「「「「共通して必要な物?」」」」」

 

ルルーシュの問いに全員が首をひねる。

 

「ああ。それは継戦能力だ。例え、どんなに性能面で優秀だとしても継続して力を発揮し続ける力が無ければ、それは失敗作だ。まあこれは俺の考えだがな」

「…ルルーシュの考えだと、第三世代はすべからく失敗作なんじゃ…」

 

第三世代は特徴として特殊兵装を積んでいるが、その弊害によって従来機よりも燃費が悪い。

 

「それに、おりむーの白式もだね」

「あの辺はあれで良いと思うぞ。技術検証の試作機の面もある訳だし、何より『競技用』のISなのだからな。しかし、ここ数か月の様々な事件でそれでは力不足だと感じたから、改造を頼んだのだろう?」

「ええそうよ。私は日本を影から護る対暗部用暗部で荒事の経験もあるけれど、実際の戦いなんて知らない。この学園を護るためには、力不足かもしれない。だから、戦いに精通しているルルーシュに改造を任せたの」

「やはりか。…では、俺のプランがその期待に応えられると良いのだが。前置きが長くなったな。今回は先程言った、俺が戦闘に置いて必要と思う物を重点的に伸ばした形になっている。共通の改造として、燃費面の改善。機動能力を殺さずに消費エネルギーを減らす事。AIの頃、訓練機を見たが、この改修で1~2割ほどは良くなると思う。これに関しては、どこまで伸びしろが有るか分からんがな。それと、共通の装備として輻射障壁を搭載した。紅蓮の輻射波動のシールドと思えば良い。これもシールドとは別のバッテリーエネルギーで発動するようになっている」

「…ルルーシュ、質問良い?」

 

話の途中で手を上げてそう言う簪。

 

「構わないぞ、簪」

「ISには絶対防御があるのに、どうしてシールドを付けたの?」

「理由は二つ。一つは絶対防御を発動させるとエネルギーをものすごく食うから。回避に水のヴェールや絶対守護領域もあるが、一つの手段としてだ。手段はいくつも用意しておいた方が良い。絶対防御は最後の手段と考えろ。二つ目は、命を護るためだ」

「どういう事?」

「無いとは思うが、ISのシールドエネルギーが減り過ぎて全身展開出来ない状況なった場合の為だ。輻射障壁は最低限、腕さえ展開できれば発動できるようにしてある。…ISは直せばまた使えるが、失った命は二度と戻ってこないからな」

 

ルルーシュの言葉には重みが有った。多くの犠牲を戦いを指揮していた人間なのだから。

 

「…話を続けるぞ。次はそれぞれの改造だ。と言っても、改造からの慣らしの時間がほとんどないから、大幅な変更はしていない」

「慣らしの時間が無いって?」

「同じ相手かどうかは分からんが、相手はここの行事の時を狙ってきている。次は文化祭、もしくはキャノン・ボール・ファストだ。突貫で終わらせて、どれだけ早くても夏休みの終わる直前。下手したら、もっとかかる。慣熟訓練に当てれるのは一月も無い。しかも、学校も始まる。戦場で慣れない物ほど危ない物は無い。なので、現在使用している物の改修で済ます、という訳だ」

「なるほどね」

 

納得の言葉を言うのは楯無。言葉にしたのは楯無だけだったが、その理由に全員納得をしたのか頷いている。

 

「話が逸れたな。まずはミステリアス・レイディからだ」

 

スクリーンの映像が切り替わり、ミステリアス・レイディのみが映し出される。

 

「ラスティーネイルは変更なし。蒼流旋は内臓のガトリングガンを現在の物より小口径の物に変更だ」

「理由は?」

「楯無の使い方が主に牽制などだったからな。威力よりも、弾数の数を増やす方が得策かと思ってな。これは、実際に使ってから、どうするかを決めてもらいたい」

「OK、分かったわ」

「最後にアクアクリスタルだがな、まず、ミステリアス・レイディの武装の中でこいつが一番の大食らいだ」

「そうね。そこは、一番の改善点よね」

「そもそも、シールドエネルギーですべてを賄おうとしているから、燃費が悪くなるわけだ。なので、紅蓮に用意した追加エネルギーのバッテリーパックを小型化したものを内蔵する。バッテリーパック自体がかなりの容量だから、普通に使えば、結構な時間持つはずだ。それに、シールドエネルギーと併用して、一時的にナノマシンの生成量を増やす事も出来る」

「それは…凄いわね」

「その代わり、アクアクリスタルが若干大きくなるがな。これくらいだ」

 

スクリーンの映像が変更後に変わる。

 

「そんなに、変わってないわね。これくらいなら平気よ」

「それと、使い捨て用のナノマシン貯蔵タンクを用意しておいた。威力を求めたり、攻撃範囲を広げたり、味方を護ったりと、色々使ってくれ」

「分かったわ。ありがとう」

「次に、打鉄弐式だ」

 

スクリーンがミステリアス・レイディから、打鉄弐式に切り替わる。

 

「夢現は変更なし、春雷は背部から手持ち武器に変更だ」

「そうだね。前々から、射角の狭さが気になってた」

「機体に直接付いている火器の共通の欠点だな。蜃気楼の相転移砲みたいな無理やり拡散させる手段が無い限りはそれがネックだ。春雷もエネルギーシールドからではなく、カートリッジ式にしてある。それと、出力の切替、拡散、集束の変更も出来る。威力を抑えて細かく連射、集束させて長距離狙撃、拡散させて面制圧。使い方は色々だ」

「うん」

「それと、背部の春雷の代わりに、接続部を付けた。手持ちになった春雷に接続する事で、シールドエネルギーと併用しての大威力砲も撃てる。扱いは難しいだろうが、その威力は折り紙付だ」

「…映像に出てきた白いKMFの武器に似てる」

「というより、それ、ランスロットのヴァリスを参考にしている。あれは、途中から当初の機体コンセプトや、パイロットの特性と離れて行ったが、遠距離向きの簪にはかなり相性のいい物だと思う」

「色々使える、遠距離武器…。扱いは難しそうだけど、面白そう」

「そう言ってもらえると助かる。最後に山嵐だが、特殊弾頭を用意した」

「特殊弾頭?」

「ああ。名前は『PICネット』。その名の通りISの根幹であるPICに干渉するフィールドを発生させ、対象の動きを止める物だ」

「それ、紅蓮に載せてた、ゲフィオンネットだよね?」

 

途中でそう言うカレン。やはり、自分の使っていた物なので、すぐに気付く。

 

「できそうだから、やってみた。すでに試験もしてある」

「私もその場に立ち会いましたが、確かに動きを止めていましたよ」

「…AICとは何が違うの?」

「こっちはミサイルだからなAICのような早い発動は出来ない。しかし、山嵐の能力をフルに使えば、広範囲の敵の動きを止めれる。後、発動後数分はその効果を持続するから、相手の動きを予測してトラップの様に使えるはずだ」

「これも色々使えそうだね」

「そうだな。選択肢の多い武器は使いこなせれば強いが、その分扱いが難しいぞ」

「望む所だよ」

「そうか、期待している。俺のプランは以上だ。このように改修を進めるぞ。いいな?」

 

ルルーシュの言葉に頷く二人。

 

「二人の許可を得たから、早速今日から作業を始めていく。段階を進めるごとに連絡をする」

「今からやるの?」

「ああ。準備は迅速に、そして確実に、だ」

 

そう言って、部屋を後にするルルーシュ。

 

「…仕事が早いわね」

「そうですね。それがルルーシュさんのポリシーなのでしょうか?」

「昔は限られた時間で色々やってましたからね。一時は中国と日本を行き来しての二重生活でしたし。影武者が居ましたけど、ルルーシュにしかできない仕事がたくさんありましたから」

「仕事に早く取り組む事がるーるーの見つけた時間の有効活用なんだね~」

「…それもあるだろうけど、多分ルルーシュの性格がおおきいと思う」

「「「「確かに」」」」

 

ルルーシュが生徒会室から出て行ったあと、残っていた五人はルルーシュについて話している。

 

「あー、更識の家にルルーシュ、欲しいわー」

「同感です。体力系の仕事を除けば大概の事は早く、的確に行ってくれますし、頭の回転も非常に速いです。頭脳労働系統の仕事なら、恐らくこの学園の誰より、先生方よりも早いでしょう」

「るーるーってばべた褒めだね~」

「…でも、事実だよね。ルルーシュが居なければ、多分まだ、山嵐は完成していなかった」

「後は口の上手さね。三人には言ってなかったけど、デュノア社の一件、あれ、ルルーシュが言葉とちょっとした情報のリークで起こしたことだから」

 

その言葉に事実を知らなかった簪と本音は驚きの表情を浮かべる。

 

「カレンさんは驚かないんですね」

 

カレンの表情が変わらなかったので、尋ねる虚。

 

「ニュースが有った日にもしかしてと思って、本人に聞いたんですよ。そしたら、ルルーシュが教えてくれまして。それに、都合よく事件が起きたんで、なんかやったんじゃないかと」

「経験からの答え?」

「まあ、そんな感じです」

「そっか。おっと、良いくらいの時間だね。夕飯に行こっか」

 

楯無が備え付けられていた、時計を見てそう言う。お昼過ぎに集まったのだが時間が流れるのは彼女達が思っていたよりも早かったようだ。

 

「もうそんな時間? 早いね」

「夏だから、外もまだ薄暗くなってきた位だから、分かんないんだよね」

「でもー、腹時計は正確だよ~。お腹空いてるもん」

「それならば、夕食にしましょうか。ルルーシュさんは…後で、差し入れでも用意しましょう」

「そうですね、虚さん。多分、ルルーシュはキリの良い所まで終わらせないと動かないと思いますから」

「なら、食べ終わってから、私が置いてきますね」

「お願いね虚ちゃん。それじゃ、食堂に行こうか」

 

そうして、全員が生徒会室を後にする。

食堂へ行く道でも、日は少しづつ暮れていく。

こうして、夏休みは一日一日過ぎていくのであった。

 




今回投稿が遅れた最大の理由がミステリアス・レイディと打鉄弐式の改造を考えるのに手間取った事です。
改造というより改修ってレベルですかね。ギアスで言うならランスロット→ランスロット・エアキャヴァルリー→ランスロット・コンクエスターみたいな感じかな? 
本当に改造って言うのは紅蓮可翔式→紅蓮聖天八極式みたいな事を言うと思います(あれは魔改造な気がしますが)

学校が始まったので更新が滞りがちになりますがこれからもよろしくお願いします
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