IS~紅の戦乙女~   作:ピーナ

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お久しぶりです。お待たせした方はすみません。

本作は夏休みをキングクリムゾンさせていただきました。なのでここから二学期編です。

遅ればせながら、お気に入り1000件突破&UA100000突破ありがとうございます。
三人称が少し難しいのでこれからも遅れがちになると思いますがよろしくお願いします。


第二十七話 『経験が有っただけです」

夏休みも明けて九月、IS学園は二学期が始まっていた。

カレン達生徒会組(カレン+更識姉妹+布仏姉妹)は夏休みの間、ほとんどIS学園で訓練をしていた。

その理由と言うのは…

 

「全く、俺など気にせずに遊びに行けば良かったものを…」

「良いじゃん、ルルーシュ。それは私達の勝手なんだし」

「そーそー。るーるー一人置いて遊びには行けないよー」

「…それを聞いてルルーシュも『勝手にしろ』って言ったから私達も勝手にした」

 

生徒会組はルルーシュに気を使ってIS学園に居たのだ。

専用機を持っている、カレン、楯無、簪は訓練、ルルーシュは機体の改造、虚と本音はそれのサポートとルルーシュの見張り。最初はサポートだけだったのだが、集中しすぎて5日間食事以外不眠不休、食事も作業しながらなのを見て、全員が見張りが必要だと悟った。

ちなみにその5日間、サポートをしていた二人に「早く来たから、先にやっている」「もう少しできりが良いから、そこまでやって終わる。先に休め」とルルーシュは二人に言っていた。

これが発覚したのは、同室だった一夏が「かれこれ5日、ルルーシュが帰ってこないんだけど、カレン、知らない?」とカレンに聞いたからだ。

発覚した時のカレンはルルーシュ曰く「死ぬ恐怖を味わった」ぐらい怒っていた。

 

「まあ、そのおかげで予定を前倒しに出来たのだがな」

「内容を教えてくれない、新システムの話?」

「緊急事態用の物だ。使わない事を祈っているがな」

 

『打鉄弐式』と『ミステリアス・レイディ』の改修を終えたルルーシュは来たるべきに備え、新システムの開発を行っていた。

 

「まあ、それは後々聞かせてもらうとして、今は授業に集中しましょ」

 

そう、現在は授業中なのだ。新学期始まっての初めてのIS実習、4クラス合同の物だ。四人は簪、カレン、ルルーシュ、本音の順に並んで見学している。

 

「しかし、簪は夏休みの俺の見ていない内に腕を上げたな。今日の模擬戦で唯一負けなしだろ?」

 

今日の実習の一番の目的は代表候補生や専用機持ちの長期休暇での実力向上を確かめるためが大きい。一般の生徒は見て学ぶ。

ルルーシュは機体のメンテナンス中で、カレンはそもそもの実力で参加していない。

そんな中で簪は他の専用機持ち全員と模擬戦をし、無敗で勝ち抜いた。しかも、かなりの圧勝で。

 

「…訓練を付き合ってくれたカレンとお姉ちゃんと、機体の改修をしてくれたルルーシュや虚さん、本音のお蔭だよ」

「私達は力を貸しただけだよ~。全部かんちゃんの努力の結果だよ」

「本音の言う通りよ。会長だって『下手な国家代表よりも強い。ここまでよく頑張った』って言ってたし」

「機体の改修も途中からかなり手伝ってもらったしな」

「…今回は上手く得意パターンにはめれただけ。慣れたら対処される」

 

手放しに褒められて恥ずかしそうにそう言う簪。

ちなみに改修後の簪の得意パターンは『春雷』の連射と『山嵐』で相手の回避方向を限定させ、『春雷』のフルバーストで仕留めるというパターンだ。

 

「やはり、一対一での『山嵐』の制圧力は凄まじいな」

「お姉ちゃんやカレンにはそんなに通用しないけどね」

 

カレンは全弾回避、楯無は水のヴェールですべてを受け止めてしまう。

 

「楯無はともかく、カレンは桁違いだからな。俺がここに入った時の織斑先生のカレンを評価した言葉を覚えているか?」

「えーっと、ヴァルキリークラスだっけ?」

「ああ。次にカレンの『紅蓮』がモンド・グロッソに出場するとしたら何になる?」

「それは格闘部門でしょ~」

 

聞いていた本音が入ってくる。

 

「最後に今現在格闘部門のヴァルキリーになった事のある人間は一人だけだが、それは誰だ?」

「…ひょっとして、あの言葉って…」

「暗につっきーの事を自分と同等だと言ってたの?」

「俺の予想だがな。だが実際、二次移行後のカレンは強いだろう? 楯無ですら勝てないんだ。惜しい所までは行くがな」

「そうだね…。格上相手の訓練は学ぶところが多いから、きついけど楽しいし、頑張るよ」

「さて、今の行われている戦いだが……」

「一夏、射撃下手だねー」

 

カレンがバッサリと一言で片付ける。

 

「IS戦の射撃は覚えることが多くて難しいし、仕方ない」

「でもでも、荷電粒子砲だから、実弾銃よりは扱いが簡単なんじゃないの~?」

「だが、一発必中の高火力型だから扱いは難しいぞ。アサルトライフルなどの弾幕系やショットガンの面制圧の方がまだ使いやすい」

「ぶっちゃけ、あれを使うより、近接戦した方が良いと思うよ」

「…それなら、荷電粒子砲も近付いて撃てばいい。私もそうする事があるし」

「初勝利の決め手はそれだったねー。『春雷』を撃ちきったと思わせておいて、接近してフルバーストを当てる」

「近接武器がある、という意識を持っているからこそ、近い距離で射撃があるという可能性を捨ててしまうという事だな」

 

IS戦において近接格闘戦はハイリスクハイリターンだ。よっぽどの大威力の銃器で無い限り、格闘武器の方が威力があり、技術次第では、シールドエネルギーをマックスからゼロにする事も出来る。そのかわり、近付けなければ、一方的に負ける。

なのである程度近い距離での戦闘になったら、場合によるがダメージ覚悟で突っ込む方が一般的に有効とされている。

しかし、戦闘を行うのは人間でありセオリーを崩す事で相手の意表を突く事もできる。そして意表を突き、相手のリズムを崩す事が出来る。

リズムを崩されるという事はたとえ一流の使い手でもそこから戦闘中に立て直すことは難しい。

 

「実際、楯無さんはその攻撃でリズムを崩されて負けたと言ったし、手段としてはありだよね」

「近い距離=格闘、遠い距離=射撃という固定観念はある程度捨てた方が良い。格闘武器も投げれば遠くに攻撃できる」

「投げればって…。まあ、でも私の輻射波動も二次移行でちょっとの距離なら使えるしね」

「投げるのも、別に予備を用意すれば問題無い」

「整備課志望の私としては、武器も大事に使ってほしいよ~」

 

こんな話をしながら実習の時間は過ぎて行った。

 

 

 

そして、HRの時間。今日の議題は間近に迫った、文化祭のクラスの出し物。

しかし、黒板に書かれた物は男性2人(一夏、ルルーシュ)に何かをやらせるものばかり。一夏と何人かのクラスメイトはヒートアップしている。それをそっちのけで、

 

「山田先生、いくつか質問があるんですが」

 

と山田先生に話しかけるルルーシュ。

 

「なんですか、ランペルージ君?」

「文化祭まで二週間なのに出し物決めるの遅くないですか?」

「…例年も一年生は色々あるので、決めるのは他の学年よりも遅いのですが、今年は色々ありすぎましたから…」

「…すみません」

「ら、ランペルージ君のせいではないですよ!」

「そう言ってもらえると助かります。それと喫茶店等の模擬店を出しても役所への手続きやらが間に合うとは思えないんですが…」

「その辺は大丈夫です。ここは日本であって日本でないので、書類は内部処理されます。食材は食堂から分けてもらいます。それと、衛生についての講習を2時間ほど受けてもらえば大丈夫です。でも、そこまで気の利く生徒さんは初めてですね」

「経験が有っただけです」

 

無茶ぶりのとはルルーシュは言わなかった。その時はそうだったのかもしれないが、今となっては良い思い出だ。

その後、色々あって結局1年1組の出し物は『執事&メイド喫茶』になった。

 

「メイド…それは、家事から裏の仕事までをこなす完璧な存在」

「いやルルーシュ、それは咲世子さんだけだから」

「分かっている、冗談だ」

「るーるー、燕尾服似合いそうだよね~」

「見た目も良いからね」

 




ルルーシュが極めて常識人な件。
でも、アッシュフォード学園生徒会の中で会長に書類仕事をまとめて押し付けられてそうなイメージがあります。なので、準備に必要な手続きにも無駄に詳しかったり。

一、二話挟んで文化祭に行くと思います。

本作投稿も間もなく一年が経ちます。何とか完結まで持っていくのでよろしくお願いします。
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