IS~紅の戦乙女~   作:ピーナ

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シリアス&オリジナルです。


第三十二話 「これは盲点でしたね」

「さて、まずは何をするの?」

「手始めに、そこにあるコンソールを使って、内部の情報を吸い出す」

「了解。私はその間、ルルーシュを護ればいいのね。まあ、絶対守護領域があるから問題ないだろうけど」

「ああ。後、こいつを使え」

 

そう言って、ルルーシュはある物をカレンに手渡す。

 

「マシンキャノンの弾薬っぽいけど、予備ならあるわよ?」

「それは俺特製のトリモチ弾だ。今回は破壊ではなく、制圧だからな。出来る限り人間は生かした方が良い。そのために用意した。粘着力は凄いぞ。いくらISでも逃れられないレベルだ」

「…それは凄いね」

「長期戦想定だと、紅蓮のエネルギーが心配だからな。戦闘で一機ずつ虱潰ししていくよりもこの方が効率がいい。それに偶然だが少し面白い物を見つけたしな」

「面白い物?」

「原理はよく分からないが、サクラダイトにはISのシールドエネルギーを吸収できるらしい。こっちでサクラダイトの同素体を見つけて実験してみたら、同様の効果を得られた。それをトリモチに混ぜ込んである」

「つまり、このトリモチに捕まると、動きを止められ、なおかつシールドエネルギーが減っていって、最終的には強制解除される、って事よね」

「その通りだ。まあ、これが終わったら、楯無にデータを渡して騒ぎを起こす奴らの鎮圧用にでも使おうか。専用の剥離剤もあるし。……さて始めるぞ」

「了解。どれくらいかかる?」

「10分もあれば出来るだろう。襲撃をしてきた専用機も大破しているから、余裕もあるだろう」

 

作戦の第一段階が始まる。

 

 

 

「……ルルーシュは正気なの」

 

バカ騒ぎから一転、沈黙の生徒会。理由はルルーシュのPCのパスワードを突破したことから始まる。

 

 

 

パスワードを突破したと同時に映像が流れた。

 

「これは?」

「恐らくルルーシュさんがあらかじめ用意していたのでしょう。この事態を見越して」

 

そんな会話をしていると、映像の中のルルーシュは話し出した。

 

『この映像を皆が見ているという事は俺とカレンは今学園に居ないのだろう。俺達は今回の作戦の締めを今行っている。その締めとは、襲撃してきた組織の本拠地への急襲』

「「「「ええっ⁉」」」」

 

ルルーシュの言葉に驚きの声を上げる四人。映像のルルーシュはそんな四人にお構いなく話を進めていく。

 

『無論、勝算があって動いているから、心配はいらない。この日のために色々用意してきたしな。……もし、それでも心配なら、この後表示される画面に三桁の数字を入れて、この作戦を確認してくれ。ただし、チャンスは一度だ。ヒントは「俺とカレンで年上から、年下を引け」だ。健闘を祈る。なおこの映像の終了後は……別にPCが爆発もしないし、この映像が消えるわけでもない。いざという時の織斑先生の説得の材料にでも使ってくれ』

 

そう言い残し、映像が終わった。

 

 

「色々びっくりしましたけど、どうしますお嬢様?」

「これを開ける以外ないわ」

「…お姉ちゃ、更識さんの言う通りだと思う」

「かんちゃん、言い辛いなら元に戻せばいいと思うよ?」

「……年上から年下を引くって言っても二人は同い年のはず」

 

本音の答えを流して、ルルーシュのヒントの意味を考える簪。

 

「というより、年齢で三桁なんてまず無理ですよ」

「だよね~。年齢の関係しそうなことというと誕生日? たしか、ルルーシュが12月5日でカレンちゃんが3月29日だっけ?」

「……それであってる。後はどうやって引くかだけど……」

「月同士、日同士で引いたら、日の方がマイナスになって三桁にならないし…」

「くっ付けて、引き算してもマイナスになりますね。逆にするとルルーシュさんの言った前提条件が変わります」

「そもそも、誕生日なのかしら?」

「つっきーとるーるーでって言ってたし、個人の物で数字がかんけいがありそうな物って生年月日位だよ?」

「そうよねえ」

「行き詰っていますし、一息入れるために紅茶入れてきます」

 

そう言って、席を離れる虚。

 

「……虚さんの言う通り。ちょっと落ち着けば答えが出てくるかもしれない」

「そうね、少し休みましょう」

「簡単につまめるもの用意してくるよ~」

 

全員が小休憩に入る。

 

「お待たせしました」

「うーん、良い香り。やっぱり紅茶は虚ちゃんに淹れてもらったのが一番美味しいわね」

「……虚さんの紅茶は世界一」

「ありがとうございます、お嬢様、簪様」

「置いてあったクッキー持って来たよ~」

「ありがとうね、本音ちゃん。……にしても、単純そうで案外難しいわね」

「さっきみたいに、るーるーの発想を読んでは出来ないの?」

「本音これは、そう言うのとは違うと思う」

 

休んではいるものの、話の内容はルルーシュから出された物になっている。

そして、行き詰った時にそれを打開するのは意外な人物の意外な言葉である。

 

「同い年なんだから、0三つ打ち込むとかが答えなんじゃないかな~」

「「それよ! 本音(ちゃん)!」」

 

そう叫ぶ更識姉妹。そして二人は手近にあった紙に何かを書きだす。

 

「簪ちゃん、どう?」

「私はこうなった。お姉ちゃんは?」

「私も同じよ」

 

二人が書いた紙には1つの数式が。『1205-329=876』解こうと思えば小学校1年生にも解けるような数式だ。

 

「なるほど、模試のマークシートで生年月日を入れる時みたいに0を入れるのですか。これは盲点でしたね。本当は『1205-0329』とするのが良いのでしょうが意味ないですからね」

「シンプルだけど、よく出来ているわ」

「……それに、今回のMVPは本音だね。0の存在を出してくれたから閃いたんだし」

「そうね。これが終わったら、スイーツでも食べに行きましょ。ルルーシュの奢りで」

「やったー!」

 

盛り上がる本音。いつの間にかルルーシュの知らない所で決まっていた。

 

「お嬢様、いかがします?」

「もちろん、入れるわよ。私と簪ちゃんが同じ答えになったんだから合ってるわよ」

 

そう言って、導き出した答えを打ち込む。そして……ロックが解除される。

再び、映像が流れ出す。

 

『ふむ、やはりここまで来たか。ちなみに、あれは一度ではなく何度も挑めた。一度というのは、入力を躊躇させるために言ったに過ぎない』

 

ルルーシュの言葉に脱力する四人。つまりは悩まずとも、ひたすら入力し続ければいつかは答えにたどり着けたのだ。

 

『まあ、それは良いか。それで、今回の作戦の要を握るのは、警備に使った、ISのコアの反応を探すもののGPS版での追跡だ。持っていった装備やら、現在位置は唯一あるファイルに纏めてある。ロックは掛かっていないから、見たければ見ればいい。以上だ』

「だそうですが、どれから見ますか、お嬢様?」

「そうね、まずは武装のデータを見てみましょう」

「分かりました」

 

虚の操作によりモニターにはルルーシュが用意した武装のデータが表示される。

 

「トリモチね……結構古典的な物を用意したわね」

「しかし、撃破ではなく鎮圧ならばかなり有用だと思いますよ」

「……でも、この金属粉なんだろう?」

「トリモチに意味ないよね~? あっ、これが関連情報かな~?」

「サクラダイト? 聞いた事ないわね。皆は?」

 

楯無の問いに、残りの三人は首を振る。

 

「って、なにこれ⁉ シールドエネルギーの吸収⁉ そんな性質を持つ金属があるなんて!」

「ええっ⁉ なにそれ!」

「……どうして、今まで知られなかったのでしょうか?」

「えーっと…ルルーシュによると、二人の世界では色々使われていた物みたいだけど、こっちではそうじゃなかったみたい。夏休み中、サクラダイトとISの親和性について調べていたら偶然発見したんだって。それで、こっちの世界で同素体を調査、その結果が特製のトリモチなんだって。ルルーシュのコメントは『そこそこの時間触れていないと満足できるような結果を得れないから、案外実用性は低い』ってあるけど…」

「……でも、ISが無敵じゃなくなるかもしれない」

「そうね」

 

ISが無敵と呼ばれる一因に操縦者を護る『絶対防御』の存在がある。しかし、サクラダイトの存在はそれを壊す可能性があるのだ。

 

「……これは、厳重にロックを掛けましょう。これがスタンドアローンの端末で助かりました」

「そうね。……虚ちゃん、本音ちゃん、織斑先生を呼んできて」

「お嬢様方はどうなさるので?」

「ちょっと、『お礼参り』の準備をね、良いわよね、簪ちゃん」

「もちろんだよ、お姉ちゃん」

 

『更識』も動き出す…。




パスワードは暗号と呼ぶには稚拙ですが、この辺は色々考えています。
この計算をして偶然876となって、確かギアスのゲーム作ってるのバンナムだよなあ、凄い一致と一人思ってました。

次回は、ルルカレの方がメインになります。
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