IS~紅の戦乙女~   作:ピーナ

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オリ展開は考えるのが難しいですね。


第三十三話 「同じ秘密を共有する共犯者といった所か」

コンソールからのハッキングで内部情報と、警備システムの掌握を済ませた二人は基地に侵入した。

 

「秘密組織だからか、人が少ないね」

「かなりオートメーションが進んでいるらしいな。だが、だからこそこういうのには弱いな」

「警備システムを掌握して、逆に使うとはね。……やっぱりルルーシュを敵に回したくないよ。気付かない内に自分の手足を絡め捕られる感じだし」

「俺もカレンを敵に回したくはないぞ。経験を積んだから、案外挑発とか策にも乗らないし、乗っても単機で打開してしまうからな。スザクも同じだが、やっててこっちが必死に考えたものをぶち壊していくんだからな」

 

知略派と武力派の認識の違いを言い合いながら二人は進んで行く。

 

 

時たま出てくる歩兵やISを順調に制圧していき、二人はルルーシュがあたりを付けた部屋に入る。

 

「ねえ、ルルーシュ。どうしてここだと思うの?」

「ここに電力が集中していた割に、ネットワークは別にされていたからな。何かあると思ったんだ」

「正解よ。……まさか、ここにたった二機でやってきて、制圧するなんてね」

「誰!」

 

暗闇から出て来たのは、金髪で長身の女性。

 

「私はスコール・ミューゼル。ここの、亡国機業(ファントムタスク)の実行部隊のトップをしているわ」

 

そこの言葉に声を出さず驚くカレン。ルルーシュはじっと見ている。

 

「そんな人間がどうしてここに? しかも生身で」

「理由なんて無いわ。私のISがあれば別だけど、生憎オーバーホール中で出撃できず、オータムの方も大破。他の量産機は制圧されて、勝ち目はないわ。正直お手上げ。強いて言うなら、私達を倒した人間を見てみたかっただけよ」

「そうか。……1つ聞きたい。何故、ここは作られた?」

「最初の理由は知らないわ。前の世界大戦の頃まで遡るから。まあ、大方戦争の利権に目のくらんだ誰かが作ったんでしょう。今は、ISによって生まれた女の利権を守るために裏で暗躍をしていたけど…実行部隊はぼろぼろで、どうしようもないわね。……時に、黒いISの方は男性よね? 二人目のルルーシュ・ランペルージさん?」

「ああ、そうだ」

「そんなアナタにとって今の世界はどう映るの?」

「女の利権という下らない物にしがみつく愚物のせいで、大多数の人間が男女問わず、損をし続けている世界だな」

 

ルルーシュの言葉に驚きの表情を浮かべる、スコール。

 

「男性は分かるけど、女性もなの?」

「ああ。男性はどれだけの偉業をしても『男の癖に』と難癖を付けられそれを消されてしまう。女性はどれだけ大きな仕事をしても『優遇されている女だから』と男性には評価されず、女性には逆に過大に評価されてしまう。自分の能力以上の評価など毒でしかない。だから、一部の女性を除けば、損しかない世界だ」

「そうかもしれないわね。能力以上の評価を得た女が会社や国を傾けているのは事実だし。それなら、アナタは男尊女卑の方が正しいと言うの?」

「女尊男卑と男尊女卑のどちらかを選べと言われたら、俺は後者を選ぶ。正確に言うと男尊女卑に寄った男女平等の社会がベストだと俺は考える」

「理由はあるの?」

「ある。社会でくらい、男に威張らせろ。身内、家庭内では男は女に尻に敷かれている。神話の時代からな。どう社会が動いたところで、男は惚れた女や美人には弱い物だ。そうでなければ『傾国の美女』なんて言葉は生まれないからな。男がちょっと偉そうにしている位が丁度良いんだよ」

「歴史が証明しているって訳ね。そう考えるアナタはこれからどうしていくの?」

「さあな。邪魔をしないなら、ここで手に入れた情報を使って、少しずつ世界を変えていくさ。ここにある情報は劇薬だろうが、用法と用量を間違えなければ確実に世界をいい方向に向かわす良薬になるはずだ」

「……ふふ、もう少し、早くアナタに出会えていれば良かったのにね。そうしたら、ここまで世界に絶望しなかったかもしれないのに。私の身の上話、聞いてくれる?」

「良いだろう」

「私は元はアメリカの軍人だった。でも、とある極秘作戦で重傷を負って体の一部を機械に置き換えれた、所謂サイボーグになったのよ。公式には死亡。でも、私は生かされて、権力者の犬になって今、ここに居る。鎖につながれた犬ね」

「お前は犬などではないだろう。理知的に物事を考えられる人間だ。戦力差を考えてはっきり敗北を理解できるほど冷徹に物事を見れる人間だ。本当に鎖を繋がれた犬なら、そんなものを考えずここで攻撃しているはずだ。お前を犬と言うのはお前と言う人間に無礼だ。だが……気に食わないな。それほどの人間が腐って、諦めを選ぶなど。お前が人間というなら死の瞬間まで諦めるな。あがいてみせろ」

「諦めるな。あがいてみせろ、……か。厳しいわね。でも、それが人間らしい生き方なのかもね。……ならばあがかせてもらうわ。私はアナタ達と取引をしたい」

「ほう。話を聞くだけ聞こう」

「ここにあるデータと私達が知っているだけのデータを全て渡すわ」

「何を望む?」

「私達の安全の確保と、アナタの元で働く事ね。それが面白そうだもの」

「俺はただの学生だぞ?」

「私達の情報網を舐めてもらっては困るわ。アナタは実質日本の暗部『更識』の現当主の懐刀といえる存在。さらに、デュノア社前社長夫妻解任劇の裏で何かをやったのもアナタ。どう?」

「…ふっ、やはり中々の人物だったな。分かった。現当主には俺から話そう。どうなるかは彼女次第だが。それに、俺の予想が正しければ『カレンちゃん、ルルーシュ!』やはり来たか。カレン、楯無と恐らくいる簪を呼んできてくれ」

「ん、了解」

 

そう言って、部屋を後にするカレン。

 

「あの子はアナタの恋人?」

「そのような関係ではないな」

「なら、どんな関係?」

「そうだな……同じ秘密を共有する共犯者といった所か。最も犯罪は犯してはいないが、この表現がしっくりくる」

「ふふ、なかなか面白い関係ね」

 

 

 

カレンが楯無と簪の二人を連れてきて、ルルーシュはスコールとの取引についてを話し始める。

 

「うん、分かった。『更識』は貴女たちを受け入れるわ。まあ、当分は監視を付けさせてもらうけど」

「……受け入れられて一安心なのだけど、アナタ正気なの?」

 

驚き八割、疑い二割と言った感じで聞き返すスコール。

 

「過去、歴代の更識でこういう事が無かったわけじゃないし、更識のISの実働部隊は私と簪ちゃん位なのよ。これから、織斑君とルルーシュの存在で世界は動くわ。その時私達がやるべき事のためには戦力は欲しいのよ。それに清濁を併せ呑めないと裏のトップはやってけないわ」

「……アナタも、中々面白いわね。気に入ったわ。私達の力、アナタに預けるわ」

「それはどうも。……とりあえず、まずはここを廃棄しましょうか。丁度、ウチが所有している無人島があるから、ほとぼりが冷めるまではそこに居てくれるかしら?」

「分かったわ」

「それで、早速で悪いんだけど、ルルーシュはここにあるデータの調査をお願い。取捨選択は貴方に任せるわ。簪ちゃんはそれのサポートを」

「了解だ」

「分かったよ、お姉ちゃん」

「楯無さん、私達はどうします?」

「そうねえ……使えそうな物を漁りますか」

「ここを廃棄するにも物資がもったいないわね。初仕事として、私の部下と一緒にやりましょうか?」

「お願いするわ。ここの構造を一番理解しているのは貴女たちだろうし」

 

楯無の指示で全員が動き出す。

 

 

 

(お久しぶりです、カレンさん、ルルーシュさん)

 

作業をしていた時、無意識集合体の声が二人の脳内に響いた。

 

(久しぶりだな。接触をして来たという事は、依頼の方は進んだのか?)

(ええっ⁉)

(ええ。後は時間を掛けた自浄で何とかなるでしょう。お二人への、正確にはカレンさんへの依頼はこれで終わりです。最もルルーシュさんはそのために夏休みの期間を全て、準備に費やしたようですが)

(……どういう事? ルルーシュ)

(それは、帰ってから説明する。夜に寮の屋上に来てくれ)

(分かった)

 

 

そして、物語は収束していく……。

 




この後日付が変わるころに投下を予定しています。
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