IS~紅の戦乙女~   作:ピーナ

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がんがん行きますよー


第四話 「姐さんって…」

『初日から災難だったな、カレン』

『だね…。まあ、勉強の方は問題無さそうだし、とりあえず一週間後に向けて用意しますか』

『まあ、特に用意しなくても勝てるだろう。イギリス人の方はともかくあの男は素人だぞ』

『でも、専用機用意するみたいだよ?』

『だとしても、お前は負けないだろう?』

『意外とKMFと感覚変わらなかったから、負ける気は無いよ』

 

授業も終わり、日も暮れてきたので、夕食を食べながら話している二人。脳内の専用回線を使っているので、食べながらでも話せる便利機能である。

すると、

 

「紅月さんだっけ?ここ空いてる?」

 

黒髪の少年が話しかけてきた。後ろにはポニーテイルの少女が居る。

 

「どうぞ、織斑君。あ、後カレンで良いよ。クラスメイトなんだし」

「分かったカレン。俺も一夏で構わない。…にしてもカレンは良く食べるんだな」

「そう?普通じゃない?私、三食しっかり食べないとつらいのよね。燃費悪いみたい」

「いや、昼、同席した女の子はあまり食べてなかったから、そんな食べないのかなって」

「体重気にしているんじゃない?横のえーっと、篠ノ之さんはしっかり食べているけど」

「これくらい普通だろう。後、私も箒で構わない。カレン」

「分かった、そうする。ま、後は食べた分動くからね。とりあえず一週間は」

「あー、そうだったな。カレンは練習、どうするんだ?機体貸出手間掛かるらしいけど」

「専用機持ってるし、問題無いよ」

「病気だったんではないのか?」

「うん、そうだよ。でも、罹る前から今の機体、紅蓮のテストパイロットをしてたんだよ。で、治った後にまた乗ったら、誰よりもいい成績を出したから、もう一回テストパイロットに返り咲いたって感じかな」

 

これも、どうせ聞かれると思ってあらかじめ二人で考えた設定だった。

というより、ルルーシュがあらゆる可能性を考えてかなり細かく設定を考えた。

曰く「これで、どんな質問にも大丈夫だろう」だそうだ。

しかし、それを覚えさせられたカレンにとっては不幸だっただろう。

 

「そっか、凄いんだな。じゃあさ、俺にISの事教えてくれよ」

「無理だね。私かなりの感覚で動かしているから人に教えられないんだよね。練習相手位ならできるけど、一応敵なんだから、手の内は見せたくないしね」

「そうか…。勉強もしないといけないし、こりゃ大変だな」

「いきなり、さっぱり分かりませんだもんね。笑いをこらえるのに必死だったよ。まあ、勉強位ならルームメイトにでも教えてもらえば?」

「そうするか。もし、ダメだったら箒、教えてくれるか?」

「わ、分かった」

「ふーん…」

 

二人を見ているカレン。その目はなんだか楽しそうだ。

そう、アッシュフォード学院、前生徒会長ミレイ・アッシュフォードと同じ目をしている。

 

「ま、いいや。私には関係ないし?」

「何がだ?」

「気にしないで、独り言だから。ごちそう様。後は二人でごゆっくり」

 

そう言ってカレンは席を立った。残ったのは、

 

「何なんだ?」

 

訳のわからない鈍感野郎と、

 

「もしかして、ばれてる…」

 

少し顔の赤い女の子だった。

 

 

 

『いやー、あれを見るとミレイ会長の気持ちも分かるわ』

『何の事だ?』

『そういや、ここにも鈍感野郎が居た』

『ああ、そう言う事か。にしてもお前を含め、女はそう言う事に気付くのが早いよな』

『男が遅いだけでしょ』

 

部屋に向かう間、そんな話をしていた。

IS学園は全寮制の学校であり、一部屋に二人の生徒が住むことになっている。

 

「えーっと、1026号室は…っとここか」

 

ノックして返事を待つ。

 

「…はい」

 

少しして、ドアが開いた。その先には水色のセミロングのメガネをかけた少女が立っていた。

部屋に入った後、

 

「どうも、同室になります、1組の紅月カレンです」

「4組の更識簪。よろしく…」

 

と簡単に自己紹介をする。

 

「よろしくね、更識さん」

「苗字で呼ばないで」

「う、うん。…じゃあ、簪でいい?」

「いい…」

「なら、私もカレンでいいよ。…もしかして、簪って生徒会長の妹?」

「知ってるの?」

「うん、試験の模擬戦の相手だったし」

「どうなったの?」

「一応勝ったけど、多分凄い手を抜かれたと思う。凄いねお姉さん」

「…姉さんは勝負であんまり手を抜かない。カレンの実力が凄いんだと思う」

 

そう言う簪の顔は嬉しいような、でもつらいような顔をしていた。

 

「もしかして、簪ってシスコン?」

「違うよ!」

「ああ、良く使われる意味じゃなくて、読んで字の如く、姉に劣等感、コンプレックスを持っているって事だったんだけど。もちろん良く使われる方も少しはあると思うけど」

「それは…」

「ゴメンね、初対面なのにこんな事聞いて」

「ううん、今はまだ言いたくないけど。自分の中で整理が付いたら相談する」

「うん。解決できるかは分からないけど、話聞く位なら私でも出来るから」

「ありがとう。…やっぱり年上だね」

「あれ?私、言ったけ?」

「言ってないけど、本音に聞いた」

「本音って?」

 

カレンが聞こうとした時、部屋のドアが開いて、

 

「かんちゃーん、遊びにきたよー。お、そこに居るのは姐さんこと、つっきーじゃありませんか」

「かんちゃんはやめて…本音。」

「えーっと、たしか、布仏さん。で、姐さんって何で…」

「つっきーのあのせっしーへの返しをみた何人かの子がそう呼んでたよ。年上だし『お姉さま』よりは『姐さん』だよねーって。あ、あと本音って呼んでほしいな、つっきー」

 

どこまでも、マイペースな本音であった。

 

「聞きたくなかった…」

「でも、代表候補生にあそこまで言うなんて凄いよねー」

「代表候補生だろうと、何だろうと同じ学生でしょ?それよりも私は模擬戦の方が不安だよ」

「模擬戦って?」

 

事情の知らない簪が本音に聞いた。

 

「おりむーとつっきーとせっしーがクラス代表を懸けての総当たり戦をするんだよ。ちなみにオッズはおりむーリードだよ」

「そんな事やっての!?」

「そうだよー。私はまだ掛けてないけど、かんちゃんと同室だし、つっきーに掛けようかなー。大穴狙いで」

「…つまり私は最下位なのね。まあ、どうでもいいけど」

 

ぶっちゃけ、自分の知らない所でしていた事なのだから、興味は無い。

 

「私も応援に行く。だから、頑張って」

「ありがとう、簪。それじゃ頑張りますか。応援してくれる友達のためにも!」

「えっ!?」

「何、驚いた顔してるの?ルームメイトだし、応援に来てくれるんだから、もう友達だよ」

「うん!」

「おっ、やっと笑ったね」

「かんちゃんは笑顔が良いよー」

「だね」

「ふたりともやめて…」

 

顔を真っ赤にする簪。

女が三人よれば姦しいと言うが、喋っているのが実質二人でも時によっては姦しい。

三人で色々話しながら夜は過ぎていった。

 

「そういや、ISの訓練のアリーナって朝使えるかな?」

「使えたと思うけど、どうして?」

 

本音が帰って、消灯時間にもなり、ベットの中で二人はそんな話をしていた。

 

「良く言うじゃない。敵を知り、己を知れば百戦危うからずって。なら、自分の練習は朝早くにして放課後は情報収集に使う方が良いんじゃない?これなら、自分の情報を抑えられて、相手の情報は入ってくるし」

 

もちろん、カレンの考えではなく、ルルーシュの入れ知恵である。

 

「勝つ気満々だね」

「その気で行かないとね。それに一週間しかないから、新しい事は流石に出来ないし、基本から今できる事をしっかりこなせるように反復するだけだし、そんなに練習に時間は掛けるつもりないし」

「頑張って」

「うん。じゃあ、おやすみ」

「おやすみ…」

 

そう言って、会話は終わった。

 

『ルルーシュ、明日朝5時30分に起こして』

『俺は目覚ましか!』

『まあ、私にしか聞こえない便利目覚ましではあるわね』

『まったく…。まあ、今の俺にはこれしかできんからな。ゆっくり休め、ってもう寝ているのか。お休みカレン』

 

こうしてIS学園初日が過ぎていった。




初日が終わりました。超フライングで簪登場。好きなキャラなので…。
さて次回はついに模擬戦となっていきます。

総当たりなので、
一夏VSカレン
一夏VSセシリア
セシリアVSカレンの三戦があります。
順番などはまだ決めていませんが、お楽しみに。
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