僕の艦隊これくしょん ~提督になれば艦娘とイチャラブできると思っていた~   作:荒井うみウシ

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はじめまして。

しょっぱなからなんだこの話はと思うかも知れませんが、多めに見てくださいな。


曙さんとお迎え

「司令官さーん」

 

柔らかな笑みを浮かべながら早歩きで電が歩み寄ってくる。

会議とかいう下っ端の僕らにはただただ退屈な仕事であっても、あのような迎えが来るのであれば悪くない。

 

「こっちだよ、電」

声をかけられ、さらに良い顔をしながら電は早歩きから小走りになって近寄ってきた。

 

「もうお帰りになるのですか?」

可愛らしく小首を傾げながらたずねる。

 

「あぁ、会議も終わって、軽く雑談していただけだからね」

 

「では帰りましょうか?」

帰宅した主人に対する飼い犬のような目をしている。

電も犬属性があったのか。

 

「いや、この際だし、少し寄り道してから帰ろう。みんなには内緒でね」

 

「やっ・・・でもみんなに悪いのです」

一瞬やったといいかけ、顔を輝かせるが、すぐに他の子を想い、辞退しようとする。

かわいい。

 

「内緒にしてれば大丈夫だよ。それに、なんだったら面倒を引き受けた特別報酬ってことにしておけばいいさ」

 

電は少し悩んだのち、困惑顔で問う。

「・・・内緒ならわからないのです、よね?」

 

罪悪感を感じながらも特別扱いに喜んでいる様子。

かわいい。

 

「そうそう、それに、内緒にさせたのは俺だから、電は何も気にしなくていいんだよ」

 

頭を撫でられる電。

「はわわ、そういうのは二人のときに、なのですー」

などと言いながらほわほわとした顔になり、喜ぶ電。

かわいい。

かわいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあそういう訳で、そろそろ行くわ。じゃあな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう()が言うと、慌ててこちらに頭を下げ、ついて行く電。

 

 

彼女の司令官は()ではない。

 

羨ましい限りだ。かわいい娘に慕われて、頭ナデナデなんてできるのだから。

うちにいる娘は、うん、かわいいはかわいいよ?

でもね・・・

 

「悪かったわね、かわいくなくて」

後ろから声をかけるは一部界隈ではラブリーエンジェルで通ってるあの娘。

 

「曙さんがかわいくないはずないじゃないですかー」

 

「棒読みになってるわよ。それに、他所の娘、それも駆逐艦に鼻の下を伸ばすようなクソ提督にかわいいなんて思われたくもないわ」

 

フンッと悪態をつくのはうちの曙さん。

他所ではやれツンデレだの、やれ裏提督love勢だのいう話があるが、うちでは完全に好意ゼロですわ。

 

きっとお迎えにきてくれたのも仕事だからだろう。

 

「お迎えありがとうこざいます。ちなみに曙さんがきてくれた理由はなんでせう?」

 

ほんの少しの期待でたずねてみる。

 

「クソ提督でも提督は提督なんだから護衛はいるでしょう?そんなこともわからないの?私なのはくじ引きの結果よ」

 

仕事&くじの結果。残当ですな。

 

「あとその変な物言いはやめて。キモイから」

 

すいませんね、キモくて。

 

「さっさと帰るわよ。あと寄り道なんか許さないから」

 

さっきの二人のやりとりをみていたのだろうか。

 

「いや、行きませんけど」

 

そう返す前にすでに踵を返している曙さんに後に続き、帰路につく。

うちにも電みたいなかわいくて僕loveな艦娘来てほしいわ。

かわいい娘でもちょっと癖の強い娘が多いので気疲れするのです・・・

 




タイトルが曙としておきながらほとんど電とよその提督というこの話。

なんというかすいません。でもやりたかったんです。

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