僕の艦隊これくしょん ~提督になれば艦娘とイチャラブできると思っていた~   作:荒井うみウシ

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エタるかとおもいましたか?
僕は思いました。



ごめんなさい。
ちなみに磯波視点です。


白雪さんと磯波さん_裏2

眠りから覚めるように意識が体の奥から広がる。

閉じている瞼には光を感じることができた。

さぁ、その時が来たようだ。

 

「あっ、あの。磯波と申します。よろしくお願いいたします。」

 

瞼を開け、目の前の人物に名乗る。

そして自分が磯波であることを再度認識する。

 

「よろしくねー、磯波ちゃん。提督じゃなくてごめんね」

 

少し茶目っ気を含みつつも謝る明石さん。

ふと周りを見ると提督はその場には居なかった。

 

「あの、提督は…?」

 

「提督は今手が離せないみたいで、秘書艦を向かわせるって伺ってますよ。もう少ししたら来るんじゃないでしょうか」

 

私が質問をすると明石さんは丁寧に教えてくれた。

 

「磯波さん?」

 

手持ち無沙汰に周囲を見回していると声がかかった。

そちらを向くと白雪ちゃんが居た。

 

「あっ、白雪ちゃん。磯波、着任しました。これからよろしくね」

 

慌てて挨拶をする。

 

「はい、よろしくおねがいします」

 

綺麗なお辞儀をして返礼してくれる白雪ちゃん。

姿勢を正して踵を返しながら口を開く。

 

「では司令のところに着任の挨拶をしにいきましょうか」

 

司令。提督のことだ。私たち艦娘はそれぞれ呼び方が違うが、艦娘をまとめ、指揮する者のことだ。

決して多くは無いが、さまざまな人がいるという。

私の提督はどんな人だろうか?

 

厳しい人だろうか?怖い人だろうか?勇ましい人だろうか?

できれば優しい人がいいな。

 

「あの、提督ってどんな方ですか?」

 

白雪ちゃんに尋ねる。

 

「とても素敵な方ですよ。外見はちょっと厳しそうですけど実際にはとても優しい方ですし」

 

それまでの凛とした顔ではなく、外見相応の、それも恋する少女のような柔らかで幸せそうな顔をして答えてくれる白雪ちゃん。

 

あぁ、きっと素敵な提督なのだろう。

 

「ふふっ、白雪ちゃんがそんな風に思うぐらいいい人なんですね」

 

微笑ましい気持ちになりながら言うと、白雪ちゃんは少し恥ずかしそうに顔を伏せながら言う。

 

「えぇ、とても。優しく、真摯で、頼りがいがあって…」

 

そこまで言うとハッとした顔をして区切る。

 

「これじゃまるで惚気話ですね。ごめんなさい」

 

恋する乙女な白雪ちゃんはとってもかわいいです。

そんな風な提督の下で働けるのは運が良かったのでしょう。

 

しばし黙々と歩くと、あることに気が付く。

 

そう、人気が無いのだ。

妖精さんは居るようだけれど、艦娘と全然会わない。

不思議に思って白雪ちゃんに尋ねる。

 

「えっと、あんまり人気がないけど、ここ(この鎮守府)にはどれぐらい艦娘が所属しているの?」

 

少しだけ視線を上にして考える仕草をした後、白雪ちゃんが答える。

 

「確か16名、磯波さんを含めれば17名ですね。内駆逐艦は磯波さん含め8名ですよ。ただアイテム屋さんと任務娘さんは大本営所属ですが」

 

「あいてむ?」

 

アイテム屋さんに任務娘さん?

聞きなれない単語にハテナがついてしまう。

 

「アイテム屋さんが明石さんで、任務娘さんが大淀さんです」

 

一体どうしてそんな呼び方なのでしょうか?

そんな疑問を抱いていると白雪ちゃんが扉の前に止まった。

 

「こちらに司令がいらっしゃいます」

 

 

―・―・―・―・―・―

 

少し深呼吸をした後、白雪ちゃんがノックをする。

 

「白雪です。入ります」

 

「どうぞー」

 

中から男の人の声で返事があった。

おそらく提督であろうその声は若く優しげな雰囲気だ。

 

白雪ちゃんに招かれ中に入る。

部屋の中には男性、歳は30手前のようだが、活気のある目から若々しさがある。

しかしながら少々鋭い目つきや纏う空気から怖さと威厳そして貫禄を醸し出していた。

 

「と、特型駆逐艦き、9番艦のい、磯波です」

 

何とか敬礼と挨拶を行う。

ちょっと怖いけど、結構怖いけど、嫌な感じはしない。

ここで怖がってたらダメな娘だと思われてしまいそうで、それはなんだかとてもいやだと思った。

 

じっと睨みつけるが如く見つめていた彼はふとその鋭さを控え、優しげな空気を出しながら口を開いた。

 

「よろしく。しばらくはここでの生活に慣れてもらうことを優先するために、雑務を多く受け持ってもらうけど、すぐに海に出てもらうようになると思うので、心積もりをしてくださいね」

 

手短に、でも必要なことは着実に伝えられた。

これはきっと彼に認められたのだと直感した。

彼の艦娘としていられることになったのだ。それがとてもうれしく思えた。

 

「はっはい!がんばります」

 

声が上ずりそうになりながらも何とか答えられた。

少し恥ずかしくなって目を伏せてしまう。

 

「では当分の間は白雪さんに教わって、仕事を覚えてください。かまいませんね、白雪さん」

 

提督が白雪ちゃんに指示する。

 

「はい、承りました」

 

まるで敏腕社長とその秘書の如く、実際秘書艦ではあるのだが、やりとりをする提督と白雪ちゃん。

その姿を少しうらやましく思う。

 

返答を聞いた提督は机の上の書類に目をむけ、執務を続ける。

白雪ちゃんは提督の傍に控えたままだ。

 

えっと、どうすればよいのでしょうか?

 

「ん?下がってもよいのですが、まだなにかありますか」

 

動かない私たち二人を不信に思ったのか提督が声をかける。

 

「ぁぅ、いえ、私は特にありません・・・」

 

上手くいえずに困って提督と白雪ちゃんを見比べながらぼそぼそと答えてしまう。

提督は白雪ちゃんに目で問う。

 

「私も特にはありませんよ?」

 

提督を見つめながら凛と答える白雪ちゃん。

 

えっと、私に何か指導していただけるのではないのでしょうか?

 

「えっと、ならどうしてそうじっとこっちをみているのでせうか?」

 

提督も戸惑いからか妙な口調で問い始める。

 

「本日の秘書艦は私ですから。司令のお傍に居るのは当然かと」

 

淡々と答える白雪ちゃん。

いや、そうかもしれませんけど、居るだけでなくお仕事しましょうよ。

 

提督がこちらを見る。

どうしましょう・・・

 

「その、白雪ちゃんにつ、つくよう指示されていますので・・・」

 

こう答えるしか私にはできない。

 

「えっと、じゃあ白雪さんや。磯波さんをつれて鎮守府の案内なり、他の娘との顔合わせなりしてきてくれませんかね?」

 

提督が困惑顔をしながら白雪ちゃんに指示を出す。

 

「それでは秘書艦の仕事ができなくなってしまうのですが、いかがなさいましょうか?」

 

ちょっとムッとした感じで白雪ちゃんが答える。

ひょっとして白雪ちゃん私とお仕事するのが嫌なのかな?

でも嫌われるようなことした覚えはないのだけれど。

 

「今日は特段仕事が多いというわけではありませんし、大半は終っています。磯波さん関連のほうを重視してくださいな」

 

提督が作り笑いをしながら促す。

 

少し暗い顔をしてうつむく白雪ちゃん。

顔を上げても暗い顔ははれていなかった。

 

「・・・わかりました。それでは一通りまわってきます」

 

行きましょうと声をかけられ白雪ちゃんに付いていく。

 

揃って礼をして退室。

 

―・―・―・―・―・―

 

「ね、ねぇ白雪ちゃん、私なにかよくないことした?」

 

我慢できずに白雪ちゃんに問う。

 

「特に問題はありませんが、どうしてですか?」

 

まだ少し冷たい感じに言う白雪ちゃん。

 

「なんだか少し機嫌を悪くさせちゃったみたいだから」

 

立ち止まり振り向く白雪ちゃん。

 

「ごめんなさい、磯波さんに当たるつもりは無かったの。ただ、ちょっと…」

 

少しもじもじし始める白雪ちゃん。

 

「ちょっと?」

 

「もうちょっと司令といたかったのになぁって思っちゃって、それで意地張っちゃいました。ごめんなさい」

 

顔を赤らめながら頭を下げる恋する乙女な白雪ちゃん。

かわいい。

 

「あっあやまらないで!そういうことならむしろ私のせいで離れることになっちゃったんだし、謝るのは私のほうですよ」

 

しどろもどろになりながら何とか謝り倒す白雪ちゃんをなだめる。

 

「少し、錯乱してしまいました。ごめんなさいね」

 

何とか落ち着いた様子の白雪ちゃん。

 

「うぅん、いいですよ。でも素敵な提督だもんね。私も少しお近づきになれたらなぁって思ったもん」

 

「やっぱりですか」

 

ぼそりという白雪ちゃん。

 

「やっぱりってなにがです?」

 

「いえ、こちらの話です。さて、鎮守府を案内するので、付いてきてくださいね」

 

つぶやきの詳細は教えてもらえなかったけれど、鎮守府や所属しているほかの娘たちとの挨拶、簡単な雑務などをその日一日を白雪ちゃんが使ってくれました。

 

 




一応構想はあるんですけどね、上手く書けなかったり、気が乗らなかったり、忙しかったり、遊びたくなったりしてたら遅くなりました。ごめんなさい。

たぶん次話も時間かかると思います。

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