僕の艦隊これくしょん ~提督になれば艦娘とイチャラブできると思っていた~ 作:荒井うみウシ
ぱっと見ではおどおどしているような可憐な雰囲気を持つが、実際にはその瞳の奥に強さをしっかりともっている神通がこちらの返答を待っていた。
「つまり、もっと訓練をすべきである、と?」
出撃から帰還した後、神通が珍しく話がしたいと言い出したので聞いたところ、現状
こちらの返答に対してコクりと小さく頷き肯定した。
「少し考えさせて」
短く宣言し、思考する。
資材を一定量溜まる度に建造や開発を行っているが、建造はダブりばかりな上、開発は失敗がほとんどである。
収集方法は
しかし悪いことばかりではなく、1度の遠征で手に入る資材は多くなっているようだ。
それも練度が高くなるにつれ多くなる傾向がある。
艦娘らに尋ねるとスムーズに作業が行えるようになるためであり、むしろ練度が低いと資材が少ないということらしい。
つまるところ資材の増加が止まるところまで育てた後に遠征を行うのが理想ということだ。
神通が提案していることもこれに当たる。
今練度が最も高い艦娘は那珂で26だ。次いで叢雲の24。
彼女らでも全部を持ってこれるわけではないそうだ。
だから先に限度まで収集できる練度まで上げるべきという考えだ。
確かに一理あるが、現時点ではレベリングに有効な海域にたどりつけていない。
それを考慮するとまだレベリングを行う段階ではないと考えていた。
それに懸念事項はそれだけではないのだが、ちょうど良いきっかけが出てきたことだし、いくらか検証を行おう。
「まず結論から述べますと、練度上げを実施します」
おとなしく待っていてくれた神通に回答をする。
「では早速「待ってください」
とたんに勢いづきそうな神通を遮りなだめる。
でないと今すぐ走りこみしてきますとでもいいそうな雰囲気だったからだ。
「練度を上げる手段についてはこちらで指定します。それに従って行動をしてください」
「わかりました」
平時ではおどおどしていることが多い神通だが、こういうときはしっかりと答えてくれる。
「実を言うと前々から考えてはいたのですが、まだ早いと思っていました。ですが実施する前にいくつか確認をしておきたいことがあったので、今回は実験的にそれを調べることを優先させてもらいます」
目で続きを促される。
「まず一つ目、艦娘の練度は陸上での訓練ではあまり効果がないんすよね?」
「その通りです。ですがまったく効果が無いわけではありません。また海上と違って資材を使用しなくて済みます」
海上に出るには艤装がどうしても必要だ。そうすると必然的に資材を使用することとなる。
神通はそれを抑えて練度をあげるつもりのようだ。
「いや、資材以外のことを含めて考えると圧倒的にパフォーマンスが悪いんすよ。なので、海上に出てもらいます」
投資は当然必要なので出し惜しみはしない。上回るリターンが確実にあることが見えているならなおのことだ。
しかし、この返答に神通は驚いているようだった。
「少ない資材を抑えたい気持ちはわかりますし、ありがたいけどね。次いで二つ目、内部演習よりも実戦のほうが練度が上がりやすい?」
軽く息を吐く神通。
「実戦のほうがより多くのことを身につけることができます。演習でも外部と行うのであれば多少は異なりますが、内部の演習では実戦や外部との時よりは劣っているように感じます」
使用する資材に対して得られる経験値は、内部での演習<外部との演習≦実戦となっている。
「残りの幾つかは実際にやりながら聞いていくので、神通さんにはそのリーダーになってもらいたいんだけどいいかな?」
「私でよろしければ」
「ではよろしく、今日はさすがに予定に隙間がないから無理だけど、明日からならできるから早速お願いしますね」
「はい!ありがとうございます」
お辞儀をして去っていく神通。
さて、いろいろとやらなきゃいけないことが増えたぞと。
―・―・―・―・―・―
確認したいことは
どういうことが起きて、何ができて、何ができないのか。
そしてどう対処していくのか。これらを知り考える必要がある。
「神通さん、どうだい?まだやれそうかい?」
「…はぁっ…はぁっ、ま、まだやれます」
だいぶ息が切れているが、やれるという神通。
表情や体の動きを見ているが、余裕は少ないがこれ以上は無理というラインには至っていないようだった。
「そうですか。なら信じます。次、行ってもらいますね」
「わかりました。神通、出撃します!」
神通たちが出撃した。
今調べているのは疲労度についてだ。
故に1-1キラ付けなどは事実上できない。しかし、コミュニケーションや艦娘の独自行動によってキラ付けがなされることもあり、ここは一長一短だ。
そして個人的に非常に興味深かったのは空母の扱いだ。
今うちには赤城が唯一の空母だから他は違う可能性もあるが、艦載機関連の疲労度は
具体的には開幕航空戦では空母自体の疲労度はそれほど大きく影響しないが、砲撃戦中の攻撃では疲労度に大きく影響されるということだ。
赤城に聞いてみたところ、艦載機自体は妖精さんが動かしているため、妖精さんの疲労が影響されるが、妖精さんは控えが多く居て、十分な休息が毎度取れるため実質考えなくて良いとのこと。では何が影響されるかというと発着艦時の動作であり、開幕航空戦時は疲れていてもある程度落ち着いてしっかり発着艦が行えるが、疲労が溜まっている状態ではそこまで上手くできず、結果命中や威力の低下を引き起こすそうだ。
艦載機の妖精さんに確認したところ、赤城の言で正しいと証言してくれた。
他にも調べたいこととして轟沈関連のことがあるが、さすがにこれは無理な話だ。
とりあえずはここまでとして、練度上げを含めたシフトを再構築する必要があるな。
「潮さん、神通さん達が帰ってきたら今日はもう終わりってことを伝えてくださいな」
今日の秘書艦である潮に伝える。
「はい、わかり…ました。・・・あの、ていとくは・・・その・・・」
もじもじとする潮。おそらく言付けにせずに自分で伝えるべきだと思っているのだろう。
「ちょっと用事が立て込みそうなんで、今のうちに少し仮眠を取りたいんですよ。なので後はよろしく」
ひらひらと手を振りながら潮を残し、その場を去った。
さて、一眠りしたらいろいろと予定を見直さなければ。
シナリオは考えていますが、実際に文にしようとするとしっくりこないことって結構ありますよね。
言い訳ですみませんでした。