僕の艦隊これくしょん ~提督になれば艦娘とイチャラブできると思っていた~   作:荒井うみウシ

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今回もちょっと短めです。


健康診断_準備3

至福のおやつタイムを終え、少し作業を続けていたらすぐに夕食の時間になっていた。

改善しろと言われた直後から無視するのは流石に後が怖いので、今日は早めに切り上げ夕食を食堂で摂ることにする。

この時間ならおそらく多くの娘らが居るだろうし、重巡以上の娘らも居るだろう。

 

―・―・―・―・―・―

 

食堂に行くと思惑通りそれなりに艦娘が居て、目当ての大型艦たちも居た。

今日はそうだな、肉じゃががついているアジフライ定食にしよう。

料理を持って空いている席を探す。いや、ほとんどは空いているのだが、同席しても良さそうな娘が居て座れる場所という意味でだ。

 

ふむ、あそこがちょうど良さそうだな。

 

「同席いいかい?」

 

「姉さま?」

 

残念、僕なんだな…

摩耶と羽黒、そして山城が座っているテーブルに近づき声をかける。

摩耶は怪訝そうに、羽黒は萎縮し、山城は来たのが僕だと分かると無関心な感じで迎えてくれる。

 

「あたし等のところでいいのかよ」

 

「うん、君らとご一緒させてもらいたくてね。無理にとはいわないけどどうかな?」

 

やっぱり摩耶は苦手だ。言動自体もその一因なんだけど、不良な女子高生を連想してね。ちょっとトラウマ…というほど酷くはないけれどそういうのがあるから、不良とかそういうの関係なく女子高生的な娘は苦手なんだよね。

だけどそんなこと言っている場合ではないし、彼女ら自身良い娘であることは重々承知しているからもう少しお近づきになりたい。仲良しとまではいかなくとも気兼ねない関係にはなりたいとは思っている。

 

「ふーん。ま、あたしは良いけど羽黒と山城は?」

 

「か、かまいません」

 

「別にいいわよ」

 

「ありがとう。じゃ、失礼するね」

 

そういって山城の正面、羽黒の隣に腰を下ろす。

ちなみに摩耶は山城の隣、羽黒の正面だ。

 

「いただきます」

 

アイサツは大事。古事記にもそう書いてある。いや知らないけど。

 

「あ、そうだ。近々健康診断で留守にするけれど、その間よろしくお願いしますね」

 

大まかな行動予定は開示しているからチェックしていれば知っているだろうけれど、一応告知しておく。

彼女らはうちの主戦力にあたるので、留守中はいざというときに備えて待機が中心となる。特に摩耶は出撃をしたがるタイプなので、もどかしさが募るだろうが、戻ってきたら多めに出てもらうことで相殺させてもらう。

 

「それで、今回は誰を連れて行くんだ?」

 

出撃が控え目になるからか少々苛立った様な言い方で摩耶が問う。

 

「うーん、まだ考え中。最初は白雪さんにしようかと思っていたけど、新人()さんが来てくれたからね。その教育を考えると彼女も残したほうがいいし。欲を言えば君らのうちの誰かを連れて行きたいのだけど、それだと戦力的に防衛が厳しいから高望みになっちゃうんだよね…」

 

だからまだ決めかねていると伝える。

 

「ふ、ふーん。ま、あたしらが抜けたら戦力低下は激しいもんな。仕方ないな」

 

うんうんと納得してくれた様子の摩耶。羽黒や山城は我関せずといった感じだ。

うーん、那珂ちゃんが言っていたヤキモチだのなんだのって本当なのかな?いや、那珂ちゃんが言っていたのだから本当なんだろうけど、それにしては僕に対して関心なさすぎじゃないかな?

 

「お土産はあんまり期待しないでね。ドアトゥドアで施設に行くからたぶん買い物できないだろうし」

 

とりあえず無難な話を続けてみよう。

 

「別にいいよ、そういうの。戦うのに必要なものはここにあるし。しいて言うならもう少し資材が欲しいけど、お門違いだろ?」

 

「はは、そうかい。でも、いやだからこそそういう無駄な不必要なものにも価値があるんだよ。まぁできるだけ君らに不自由させないようにするのが僕の仕事だから気兼ねなく話して欲しいな」

 

艦娘たちと話してて感じるのことの一つに、彼女らは根底に戦うことのみを必要としている節がある。かと言って他の事に対する欲求がないわけではない。なので、戦いに不必要でありながら、欲しいと思うことに対して否定的な行動を取ろうとする傾向がある気がする。

この歪みはまだそんな気がする程度なのだが、あながち外れていないと思う。

なので、こちら側から戦い以外も求めて良いと肯定してあげることで歪みを押さえてあげるべきだと考えている。

とはいえ、実際は僕が彼女らの喜ぶ姿が見たくて甘やかしているだけと言われればその通りと肯定せざるを得ない部分も多分にあるけれどね。

 

「で、何か不自由に感じてたり、要望があれば教えて欲しいな。必ずしも叶えてあげられるわけじゃないけど、善処はするからさ」

 

僕は他者の感情等を察する能力は著しく低い。だからこそ口に出して欲しいと何度も発信して応えてくれる娘らに全力で向き合うことにしている。

 

「不自由ねぇ…あたしは別に…」

 

「あ、あの」

 

「ん?なんだい羽黒さん?」

 

静かに食事をしていた羽黒が声をあげた。

 

「て、提督ってパスタが得意料理なんですか?」

 

突然この娘は何を言っているのだろうか?

まぁ答えよう。

 

「えっと、いや、そうでもないけれど…。急に何でですか?」

 

「いえ、その…。ごめんなさい…」

 

しかしなぜにパスタ?

 

「は、はぁ…。パスタ、食べたいのですか?」

 

一応スパゲティはよくメニューにあるけれど、他のパスタ類はあまり食堂で出てこない気がする。

頻繁に来るわけではないから確証はないけれど。

ひょっとしてそれを改善して欲しいのかな?

 

「えっと、食べたいものがあるのなら、要望をいただければ一応妖精さんに交渉しますけど?」

 

「い、いえ、そういう訳じゃ…ないので…」

 

「?は、はぁ…」

 

違うのか。よく分からないな…

 

「…提督って料理得意なの?」

 

山城から声をかけてくれるのは珍しい。

 

「特段得意というわけではありませんよ。でもよほど奇抜なレシピでなければ作り方通りに調理することはできますが…。何か作って欲しいものでもあるのですか?」

 

別に料理下手というわけではない。レシピ通りに作るのは問題なくできる。ただし、適量とばかり書いてあるレシピを除けば、であるが。

 

「元々何か物を作るのは好きなんで時間と材料等があれば作りますけど?」

 

「…そう。じゃあ今度食べたいものがあったら頼むわ」

 

…待てよ。パスタといえば昼間、以前榛名に振舞ったことを指摘された気がする。

ひょっとして羽黒はそれを気にしているのか?

だが食べたいのかと尋ねてもそうではないと言うのだからそういうわけではないのだろうし…

一体何なんだろう?

 

「じ、じゃあ何か作ってくれよ」

 

頭を捻っていると摩耶が言った。

 

「えっと、何を作ればよいですか?」

 

「美味いモンなら何でも良い。戻ってきてからで良いから」

 

何でもというのがとても困る。

 

「何でもかぁ…それもおいしいものって。うーん、期待に添えるかはともかく考えておきますよ。参考までに摩耶さんの好みってどういう食べ物ですか?」

 

「美味いモン」

 

そりゃ誰でもそうでしょうよ。

 

「えっと、できれば具体的なものをあげていただきたいんだけどなぁ…」

 

「具体的って言われてもそうすぐに思いつかないな。提督のお勧めで」

 

割りと真面目にこういうのは困る。

うーん、摩耶は今日オムライスを食べているし、それなら無難だろう。

 

「…考えておきます」

 

何とかフォローしようと思っていたけど、こっちの方はうまくフォローできなかったと思う。

また何か手を打たなきゃなぁ…

 

 




皆さんのノリの良さにひたすら感謝です。

さて、今回提督はフォローに失敗したようですが、今後どのようになっていくんでしょうね。

彼には受動的に作ってくれる料理ではなく、彼の方から能動的に作った料理を振舞って欲しいという乙女心が読み取れなかったようです。

この状況下でそれを読み取れる程の人物ならこんな状況になってないでしょうけどね。
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