僕の艦隊これくしょん ~提督になれば艦娘とイチャラブできると思っていた~ 作:荒井うみウシ
でもまだ入れたいお話ががががが
日を跨いで時は1100を過ぎたところ。大将と中将を見送るために門へ向かっていた。
「なかなかに興味深い、特徴的な鎮守府でした。先ほどお伝えした通り、視察の結果については後日郵送するのでしばしお待ちを」
中将がにこやかに伝えてくる。
この人は常にビジネススマイルを崩さないタイプでスキルの低い僕では全く腹のうちが見えない。
まだ大将の方が読み取れる。とはいっても腹のそこはこっちも見えないけどね。
「お忙しいところ出向いていただき大変感謝をいたします」
不得手だとしてもやらざるを得ないビジネススマイルで受け答えする。
明らかにばれているが、しないでぶっきらぼうになるよりは不恰好でもしていることが伝わったほうが印象は良くなる…と聞いた。
「おや、車はもう用意してくださったようで。名残惜しいですがこの後も仕事があるので早々に発たせてもらいますね」
門前には彼らが来たときに乗っていた車が既に待機していた。
「ひとつどうでもいいことを質問したい。貴官は暑いところと寒いところどちらのほうが過ごしやすい?例えるなら沖縄と北海道だ。なに、この質問は今回の視察には関係なく単なる雑談だと捉えて気軽に答えて構わない」
大将のほうから質問が出て驚いた。
いや、質問してくること自体はそこそこあったのだが、あまり業務と関わりないことを尋ねてきたのはこれが初めてじゃないだろうか?
「難しい質問ですね。どちらも苦手なので。強いて言えば暑いほうですね。寒い日に暖房の効いた部屋に居るよりは暑い日に冷房の効いた部屋に居るほうがまだ楽なので」
「そうか、設備ありきの判断ということか。そういう考えはしたことがなかったな。回答に感謝する」
異様に丁寧な対応で驚く。
何を考えているかこちらのほうがマシと思っていたが撤回。どっこいどっこいでわからん。
「大将、そろそろお時間です。君たちもありがとう」
来たときと同じく荷物を持ってくれていた白雪と叢雲に礼をする中将。
荷物を積み込み終えた彼女らは静かに返礼をする。
「では、また。失礼させてもらう」
敬礼をして見送る。
後は待ちの姿勢…とはならないな。
最悪のパターンを、榛名たちを手元に置けなくなる場合を考慮していくらか手を打つことになる。
まぁ使わなければそれに越したことはないが。
―・―・―・―・―・―
「提督、少しよろしいでしょうか?」
見送りを終えて執務室に戻るとすぐに磯波が何か紙を持って寄ってきた。
「どうしたんだい?それは?」
「こちらが客室に残っていまして…処理をどうするか判断するために内容を見てしまいました。申し訳ありません」
謝る磯波を慰めながら受け取り紙の内容に目を通す。
…これは…
「磯波さん。これを読んだんですよね?」
「は、はい…」
シュンと小さくなる磯波。
かわいい。じゃない。
「いや、それ自体は別にいいんだ。内容は暗号化されているし。現にこれが何なのか深く理解できなかっただろう?」
「えっと、はい。一部艦娘の名前があったので何かの作戦における艦隊か何かとは思いましたが…」
そこまでなら問題なし。
というかむしろ分かったら磯波にも話を聞く必要がでてくる。
「まぁそんなところ。書いてあったことは秘匿するように。これは命令だ。とはいえ完全に黙っていることが君にとって負担となるなら、何か艦娘の名前を使った暗号が書いてあったが理解は出来なかった程度の話であれば僕の配下の艦娘にのみ同条件…ようは他所には伝えなければ伝えてもいいよ。秘匿するよう命令されたことも含めてね」
「へっ?は、はい!わかりまし…た?」
こちらの伝えて良いんだか悪いんだかよくわからない指示に若干戸惑っている様子の磯波。
これが何を示すのかは秘匿だけど、なにか暗号を受け取った程度なら伝えて良い。ただし仲間内に限る。
こう伝えなおすと理解できたのか礼をして去って行った。
掃除の途中だったらしい。
改めて紙を見る。
これの暗号がわかるのは
暗号のままであれば広まってもそれほど問題ではない。
ただ、
相反する相手なら非常にやり難くなる。
故に向こうもこちらのことを視察として見定めてから
榛名の反応から判断したか?それとも僕のやり方をみて判断したか?
いや、まだ確定できていないからこそのこの暗号なのかもしれない。
或いは相手は
ちょっと作戦会議が必要だけど、内容的に榛名しか呼べないな…
この際他の娘にも打ち明けるか?
うーん、僕への信頼度はまだ打ち明けられるほど高くないように思えるから控えたいんだけど。
その選択肢についても相談してから考えるべきだな。
―・―・―・―・―・―
「おかえりなさい、ていとわきゃっ!」
視察から戻ってくると出迎えようとした五月雨が見事なコケっぷりを見せてくれた。
そんないつもの様子に心和ませながら手を貸し立たせる。
「大丈夫かい?」
「はい、ありがとうございますぅ…」
軽く見たが擦りむいたりあざになっている様子もなく、問題ないようだ。
「それで、どうでした?」
「うん、7割ぐらい当たり。はずれでもアレだけの人材なら味方に引き入れたいね。こちらの
十中八九彼から連絡がくるだろう。それまでちょっともどかしさを感じるが我慢のしどころだ。
「それほど気に入られたのですか?」
「うーん、単に同じ
実際、朧気な記憶にある遠征成功条件や開発・建造のレシピをどうも彼は覚えている様子だ。
それとこちらで揃えた実測値を交えて共有化できれば深海棲艦への対処が、ひいてはこの戦いを終らせる道筋が明るくなる。
一個人としても元帥という立場としても彼の力は魅力的だ。
「そうですか。提督以上の方というのはちょっと想像できないですが、提督がそうおっしゃるならとってもすごい方なんですね!」
五月雨が明るくいう。
そう、彼が協力してくれればこの姿をずっと見続けられるようになるのだ。
そのために私は全力を尽くそう。
「あぁ、
「はい!」
はい、後半は意図して誰の視点かぼかしています。
まぁ丸わかりでしょうけど。
イチャラブはよという方、もうしばらくお待ちください。