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A.C.195。
“オペレーション・メテオ”というミッションが開始され、コロニーから五機のガンダムと呼ばれるMSが直接的に地上へと降下をしてきた。
それはいずれ、戦争という名の悲劇を巻き起こして地球圏の人々――コロニーも地球も無関係に惹き付けていったのだと云う。
然しながら、コロニーと地球は共存の道を選び抜いて、恒久平和の為の地球圏統一連合が誕生。
それから一年の刻が過ぎた。
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木星圏統合理事国、それは地球圏より短くとも六億kmという長大なる距離に、人造の衛星を浮かべてるセイバートロン星を拠点とした国。
最大限では九億kmは離れている木星圏に在るだけあって、地球圏からの干渉は最低限にすらも無い。
A.C.100には既に木星の衛星軌道を周回していたセイバートロン星、此処にはユート・オガタがMSという人型機動兵器を用い暮らしてた。
正確には初めて来たこのガンダム系の世界に、しかも年代的に未だ地球圏でMSは存在しない。
已むを得ないから、ちょっと適当にガンダムっぽいMSをユーキに頼んで造って貰う事にした。
ガンダムジェミニオン。
ガンダニュウム合金を装甲や関節部に使用し、ビームライフルとビームサーベルとビームシールドとビームバルカン、プラズマジェネレーターの有り余るエネルギーを用いての粒子兵器三昧だ。
勿論、リニアシートと全天周囲モニターは標準装備されていた。
ジェミニの名前はいずれはガンダムジェミナスが登場するが、今現在――A.C.100ではガンダニュウム合金すら存在はしていないのである。
数十年後、オペレーション・メテオ――通称は『M作戦』が始まったまでは良かったのだけど、それは凄惨極まりないコロニーを地球へと落下させた上で、五機のガンダムによって地上制圧へと乗り出すという、『真のオペレーション・メテオ』が敢行をされていた。
これにより、とんでもない人数の地上人類が死亡したのである。
その中で、頭に酷いダメージを負ったリリーナ・ドーリアンを発見した、彼女の保護をした後で五機のガンダムを討ち果たしてやり、戦利品としてウイングガンダム、ガンダムサンドロック、ガンダムデスサイズ、シェンロンガンダム、ガンダムヘビーアームズを鹵獲してやった。
序でに、始まりのMS――トールギスだったり、リーオーやエアリーズやトーラスやビルゴなどの量産機なども幾つかを戴いて、セイバートロン星へ持ち帰るがMDは時期的に存在してなかったらしい。
壊滅した地球には興味も懐かず、ユートはリリーナ・ドーリアンを連れ去るのみだったと云う。
リリーナ・ドーリアンは頭を強く打った影響だろうが、完全に自身がドーリア外務次官の娘として育てられていた事すら忘却をしていた。
いずれは記憶を取り戻すにせよ、残念だったがそれを待ってやる訳にはいかなかったのである。
セイバートロン星を過去へ遡らせてやる事で、『真のオペレーション・メテオ』では無い云わば偽りの、ヒイロ・ユイ達の『オペレーション・メテオ』に繋がる様に、裏から操作をしてやった。
結果、【新機動戦記ガンダムW】その侭に於ける結末を辿り、一年後の【Endless Waltz】の時間へと進み出して、デキム・バートンが単純な子供でしかないマリーメイア・クシュリナーダを操って暴れ出す。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「プリベンター?」
「そうだ」
「所謂、
特務部隊たるOZのレディ・アン特佐として、トレーズ・クシュリナーダに付き従っていた彼女だったが、あの戦争の最中で彼を喪った事も有ったのだろうけれど、般若の如く人格と聖母の如く人格が上手くミックスされたのか、可成り落ち着いた性格と成って今は……
「この、プリベンターに……参加……を、してくれないか?」
ベッドの上で裸に成り、ユートのモノを胎内へと受け容れる関係性として、こうしてセ○クスへと耽っており、幾度も肢体を重ねていた。
「まぁ、構わない」
「そ、そうか……助……か……る……んんっ!」
絶頂に導かれた後も、バスルームで再びヤりまくって互いに絶頂。
正直に云ってしまえば、レディ・アンとこんな関係を築く事自体ははっきりキッパリ想定外だ。
性格的には不一致というか、間違いなく苦手なタイプであったから、こんな関係には成らないと考えていたのは確かな事だった。
レディ・アンは所謂、トレーズ・クシュリナーダに対する信仰心に近い感情を持っていたのだ。
肉体的な繋がりなど無くても精神で繋がると、彼の考えこそが自分の考えであるとさえ言い放てる可能性も有ったが、時に彼女はトレーズの思惑から外れた考えで暴走的に動いた事もある程。
まぁ、それは余り『エレガント』であるとは云えない手段だったから、トレーズに窘められた。
勿論、彼が望めばいつだって肢体を捧げたのだろうけど、生憎とそれはトレーズが望まぬ関係。
結局、彼女はトレーズ・クシュリナーダの秘書である以上の関係にまでは成れていなかった。
戦後、トレーズ・クシュリナーダの理想を体現をするべく、精力的に働いていたレディ・アンではあったのだけど、無理に無理を重ねていたのが見え見えだったのも間違いの無い事実であろう。
まぁ、原典を鑑みれば勝手に立ち直っていそうではあったのだが、レディ・ドゥーモードだったのも手伝ってユートが彼女を支えて、その結果として精力的に疲れ果てていた時期の彼女は謂わば麻疹に罹ったみたいに、熱に浮かされて肉体的な繋がりを求めて来たのである。
とはいえ、ユートが心の病の妙薬として弱い酒精を勧めたのも原因、正しく酔いに任せてだったから。
今では、こうして偶に肉体を重ねるだけの逢瀬も愉しんでいた。
開発自体はユートの主観時間で随分と前に建造したガンダムジェミニオン、然しながらコロニーで建造された五大博士作のどのガンダムより強力であり、更にはウイングガンダムゼロ・カスタムの背部バインダーをも手に入れ、ウイングガンダムのバスターライフルも入手して更に強化され、ガンダムエピオンやウイングガンダムゼロ・カスタムより強いガンダムジェミニオン・フルブラストに成ってしまう。
それはそれとして、OZプライズが使用していたカスタムリーオー・レオス、カスタムリーオー・レオール、カスタムリーオー・レオンの方も確りデータを獲ていたから、余りにも強力に成り過ぎたガンダムジェミニオン・フルブラストの代わりとして、このレオールを更にカスタマイズして使う事にした。
具体的なカスタマイズの箇所は、背部バインダーとしてウイングガンダム(EW版)の物を使用し、更に同じくバスターライフルを持たせる。
存外と気に入ったプロポーションからだろう、ユートは他のガンダム世界に行っても乗る機体が無ければ使ったし、他の世界で獲た技術の試験的運用の為の実証機としても使うくらいであった。
尚、ガンダムジェミナスも全機のデータが揃っているので、建造をしようと思ったらいつだって可能と成っているが、現状では不要である。
また、【新機動戦記ガンダムW GーUNIT】にて登場したアルモニア姉妹も、巻き戻す前の世界で死亡をしていたのは確認していたので、折角だからと父親がコロニー解放の為に落命した頃に接触を果たした事で、OZプライズに入るより前に確保して地味に原典を破壊してしまう。
この二人はユートのチームメイトとして確りと働いて貰い、時にはベッドの上でも働いて貰ったりもしているけど、二人は言ってみればトレーズ・クシュリナーダに拾われたレディ・アン状態な為、ユートに如何なる形でも心身共に全てを捧げ尽くす事を悦びとする様に成っていた。
あのユートからしたなら莫迦みたいな戦争から約一年――資源衛星ウルカヌス、その内部に於いて五つのポッドが鎮座して中には四機のMSが入っている状態にある。
そのMSとはガンダム。
ガンダニュウム合金により、コロニーにて建造された五機のガンダムの内の四機という訳だ。
五番目のポッドは空、本来ならこれにも同じくガンダムが入っていなければならなかったけど、パイロットと共に行方を眩ませていた。
それが
「で、お前さんはガンダムを捨てないのかよ?」
「捨てる気も、その意味も無い。僕のガンダムジェミニオン・フルブラストは木星圏のMSだぞ? 地球圏でどうこう云われる筋合いは無い」
「ちぇっ、相変わらずかよ」
ユートに憎まれ口を叩くのは長い茶髪を後ろで三つ編み御下げにしてる少年――デュオ・マクスウェル、彼こそはガンダムデスサイズ・ヘルのパイロットだった。
その隣に居る金髪の少年はカトル・ラバーバ・ウィナー、ウィナー家の現当主として動いているけどガンダムサンドロック改のパイロットでもあった為、こうしてガンダムの放棄という重大なる事象への積極的な行動も起こしている。
「仕方がありませんよ、彼は基本的に木星圏に住んでいるんです。地球圏に進出して来たのだって不穏な状態だったからこそですからね」
「わ~ってるよ!」
苦笑いを浮かべるカトルに対して仏頂面で返したデュオ。
「それにガンダムジェミニオン・フルブラストは木星圏の資金で建造した、破棄を申し出るんならその資金をきっちり耳を揃えて払って貰うけど、カトルだって支払うのは難しいのを払うのか?」
「うぐっ!」
カトルは確かにウィナー家に属しているけど、その資産を私事で自由に使える訳では当然無い。
ガンダム一機分、しかも相当なカスタマイズが成された逸品を買い取る資金など出せる訳も無かったし、基本的にカトルはユートを信用しているから態々ガンダムを買い取って、破棄するなんて事をしなくても大丈夫だと考えているのである。
抑々、ユートに野心は無い。
少なくとも地球をどうにかしたいと思う様な野心を持っていないと、カトルは間違いなく知っていた。
「それで、ヒイロとトロワがガンダムを送り付けた反面、五飛は行方不明という事か。個人で某かを仕出かさないだろうが、何か事が起きた場合は色々と動きそうだな」
「そうだよなぁ……」
「それなのに、今からガンダムを破棄して大丈夫なのか? この世の中は『いつだってこんな筈じゃ無い事ばかり』が起きるもんだからね」
「嫌な事を言うよな」
デュオは本当に嫌そうな顔だ。
「でもそれは真理……であるのかも知れないよ、だからこそ僕も父を喪ってしまったんだから」
「カトル……」
カトルの自嘲して沈んだ言葉にデュオは困った表情になる。
「いずれにせよ、僕はガンダムを手放すにはまだ早い。時期尚早じゃないかと思ってるんだがな」
「どういうこった?」
「新政権樹立とは云っても、未だに不安定な政権なのは間違いない。それに何やら勘違いした輩が『自分こそ支配者に相応しい』とか抜かして武力を行使してくるかもだし、そんな輩がMSを秘密裏に増産していたとしても、僕は何も驚かないな」
「そりゃ、よ~」
「抑々、先の“オペレーション・メテオ”自体が正しくそれだったし、OZの蜂起もそうだった筈」
結果的にオペレーション・メテオはガンダムのパイロット、そして五人の博士の思惑など絡み合ったからあんな形に落ち着いたに過ぎない。
そして、真のオペレーション・メテオが実施された際の悲劇を、ユートは確りと視ているのだ。
リリーナ・D・P・スプリングフィールドという名を与えられた、前の時間線で起きたあの悲劇の被害者も未だに記憶を喪っている侭で、現在は木星圏に於けるセイバートロン星に住んでいる。
(まぁ、ウイングガンダムゼロ・カスタムにせよガンダムデスサイズ・ヘルにせよ、ガンダムサンドロック改にしても既に木星で再建済みだ)
今回での一件が落着を見せても、木星に戻ったら全てのMSを再建してしまう事はいつでも可能。
トールギスのデチューン版なリーオーだって、実は可成り優秀な機体だから獅子シリーズみたいなカスタム機のベースに成ったし、リーオー量産は中身のアップデートをすれば現実的なプランであると思われる。
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デキム・バートンが、マリーメイア・バートンを『マリーメイア・クシュリナーダ』として擁立を行い、世界に対して喧嘩を売り始めた。
カトル達はユートから言われていた事が現実化して頭を抱え、カトルが太陽に破棄をするべく飛ばした資源衛星ウルカヌスを追う事になる。
それは正しく、最悪なクリスマスイブに成ってしまう。
「プリベンターに?」
「ああ。以前、寝物語にも話していただろう?」
「そうだな、だったら今回のマリーメイアの件に限り、プリベンター・ダークとして動こうか」
「そうか、助かる。情を利用した形に成るから少し後ろめたかったが、本当に良かったのか?」
「構わんよ、また愉しい時間を過ごさせて貰うからね」
「ば、バカ者め!」
照れているレディ・アンも、それなりに可愛いものだった。
デキム・バートンの側にトロワや五飛が居たりと様々なイレギュラー、ユートからしたら既知の事に過ぎなかったが、取り敢えずは三機のガンダムがそれぞれの乗り手の許へと手早く戻されたのである。
トロワもまたガンダムチームへと戻って来て、元から手放していなかった五飛のアルトロンガンダム(EW)と加え、遂に五機のガンダムが乗り手の許へと戻った事に成ったのだ。
まぁ、アルトロンガンダムはウイングゼロ・カスタムと闘った訳で、味方としてでは無いけど。
ユートはガンダムジェミニオン・フルブラストアークは使わず、リーオーカスタム・レオール改を使っての戦闘を行っていた。
レオール改にはウイングガンダム(EW)の翼――バックパックバインダーを装着して、更に同じくウイングガンダム(EW)のバスターライフルを装備、特殊な出力のビームサーベルを持たせた機体である。
例のアレ、『俺は後何人殺せば良い?』という遣り取りが有ったのは間違いないであろう。
ユートはシェルターの底にまで降りて行くと、デキム・バートンが事を起こすのを見据える。
拳銃を構えてリリーナを狙うデキム・バートンが叫ぶ。
「其処までだ、リリーナ・ピースクラフト! 私のマリーメイアに詰まらん事を吹き込まないで貰おう!」
「撃ちたいならどうぞ! 覚悟は出来ています」
「ならば死ね、敗者としてな!」
BANG!
引き金が引かれて放たれた弾丸、撃たれてしまったリリーナを守る様に飛び出すマリーメイア、本来の歴史なら彼女の身体を弾丸が貫く。
「愚かな敗者は貴様の方だ、デキム・バートン」
「なっ!?」
ユートがリリーナとマリーメイアの前に立ち、放たれた弾丸を掴み取って二人を救っていた。
BANG! デキム・バートンの傍で拳銃の炸裂音が鳴り響き、頭から血を噴き出して倒れ伏してしまった奴は即死をしてしまったらしい。
「逆賊は処刑した。これでトレーズ閣下への裏切りを御詫びしたい」
デキム・バートンを撃った男が敬礼をしながら言う、他の元OZだった者達だろう男共も敬礼をしてきっとトレーズに詫びたのだろう。
その後にちょっとした一幕こそあったものの、五機のガンダムは乗り手の意志で破棄をされる。
自爆ボタンを『ポチっとな』ってな感じにだ。
マリーメイア・クシュリナーダを名乗っていた少女は、地球でのデキム・バートンの反乱の折りに奴により殺されたとされ、二度と地球に姿を見せる事も無く歴史の裏側へと消えたのだと云う。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
木星圏 セイバートロン星、その内部に地球と同規模の広さを持つ空間が広がって、この地には地球圏に居場所を無くした者達がユートから好意で住まう事を赦され、暮らしている人造衛星だ。
「人造の星にしては、自然が豊かなのですね?」
「機械的では味気無いし、大自然の中でこそ生きている感じがするとは思わないか? マリーメイア」
「そうかも知れませんね」
トレーズ・クシュリナーダの後継者を名乗り、彼の後を継ぐのだと言いながら勝利者に成らんとした少女は、晴々とした表情でセイバートロン星を見回しながら笑顔を浮かべている。
彼女はマリーメイア・スプリングフィールドと名を変えて、このセイバートロン星で第二の人生を歩むのだと宣誓すらもしていた。
「先ずは学びなさい」
「はい、ユート兄様」
地頭は良いマリーメイア、学校で学べば学ぶだけ知識を吸収して真の意味で賢くなるであろう。
「MSの操縦を学んでも良いでしょうか、兄様?」
「構わんよ。好きに、そして大いに学ぶと良い」
「はい♪」
生命を救って貰った、心を救って貰った、故にマリーメイアはユートに寄り添いたいと思った。
そして出逢ったのはリリーナ。
「な、何故リリーナさんが?」
「初めまして、マリーメイアさん。わたくしはリリーナと申します」
「???」
大混乱中のマリーメイア。
「このリリーナは地球圏に居るリリーナとは別人なんだ。正確に云えば彼女は、前回に於けるこの世界のリリーナ・ドーリアンだ」
「前回の?」
「そうだ。この世界は最初のオペレーション・メテオで滅びた。その際に頭を強く打って気絶していたのを助けたんだ。目は覚ましたが、記憶喪失に成っていてね。加えてリリーナ・ドーリアンは地球圏に普通に居るから居場所が無かったんだ」
「それで、兄様が?」
「そうなるな」
助けたなら中途半端で投げ出すのは良くない、だからこのリリーナはこのセイバートロン星に暮らしている訳で、マリーメイアも頷いた。
ユートはこの最初に訪れたガンダム世界を百年暮らし、リリーナとマリーメイアとレディ・アンの三人とも仲好く暮らしていく事に。
勿論、その最中に地球圏で事が起きればレディ・アンの要請で動いてもいたし、その中であっても仲好く成れた者は木星圏に誘った。
A.C.300――全てを終わらせたユートはこの地で仲好く成った者達を伴い、【新機動戦記ガンダムW】の世界を離脱してしまって、次元を渡ると【機動新世紀ガンダムX】の世界へと渡って行ったのだと云う。
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00とどっちにするかで此方に成ったのは、単純にSEEDでマリーメイアを出していたからですね。