デスゲームでオワタ式を強制されたのでゾンビプレイします   作:にゃー

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今回は会話多いのでテンポ悪いかも知れません。
というか会話文苦手なのでいつにも増してひどい出来になってるかと


カフェでの座り方って結構重要だと思う

 店を出てそこまで広くはない通路で俺とサボテンが向かい合う。

 なんやかんや今まで走るために【疾走】を有効化していたし、【軽業】に変更しておくか。

 一撃決着で送られた決闘メニューを見て、ついこれでいいのか? と質問する。

 俺の装備からして敏捷ファイターって分かってるだろうし、コロッセオのようなところならともかく、ここでは俺が圧倒的に有利だ。

 

 サボテンは早くしろと言うので受諾を押して、カウントダウンを待つ。

 

 六十あるカウントがゼロになったその時、俺は右前方に思いっきり飛び出した。

 右前方には当然建物があり、その建物の壁を紫色の破壊不可というメッセージとともに蹴り飛ばし、サボテンの後ろ側に回り込み、癖で首筋へ伸びる剣を無理やり下側に修正しながら切りつける。

 サボテンも攻略組。何とか反応し、ギリギリ剣先が触れる程度で回避するとそのまま振り向いて突進してくる。

 かすった程度だから一撃決着の条件に満たないと思ったのだろう。

 しかし、それと同時に俺の勝利を告げるウィンドウが開かれた。

 

 かすっただけでもダメージがクリーンヒットと認識される程のものならば一撃決着は終了するようだ。

 事実、サボテンのHPは二割ほど削れている。

 

 サボテンはケッと面白くなさそうな声を出してから負けを認め、俺の攻略組入りも認め、帰っていった。

 

 ……あれ? てっきり負けを認めないとか攻略組に入れてくれないとかあると思ってたけど、意外とすんなり行ったな。

 ちょっと頑固でベータテスター嫌いでめんどくさいところはあるけど筋は通す人なのか?

 

 あまり好ましい人ではないのは事実だけど、アレみたいなのとは違って付き合いがあっても平気そうな人間だな。

 

 観戦していたアルゴ以外はなんだあの動きといった感じの顔をしている。

 ぶっちゃけ、俺ってチーターみたいなもんだしな。

 なんか罪悪感が湧いてきた。ステータスで数倍勝ってたからあんなに圧倒的な戦いになったんですごめんなさい。

 それもこれも全部茅場晶彦ってやつが悪いんだ。

 まあ、一応リスクも背負ってるし。と、意識を切り替えて一番話しかけやすいリンドに話しかける。

 リンドは俺に話しかけられると意識が戻ってきたのか、何度か頷いて次のボス攻略は頼むよと言って去っていった。

 

 残ったカップルはどうしようか迷ったが無視する。

 表に出たらブラックコーヒー……と言うほどイチャイチャしてないな。

 ビターチョコでも食べよう。あるか知らないけど。

 帰ろうとした時にアルゴに腕を引っ張られ、カフェに引きずり込まれる。

 そのままテーブル席に連行され、俺を窓際に座らせて、蓋をするようにその隣に座る。

 カップル達に座るように促して、二人が座るとまだお互い自己紹介がまだだったろ。と、自己紹介が始まった。

 

 始まったと言っても、俺も優男も口を開かずに美少女がオロオロしている。

 深呼吸した美少女は意を決した用に自己紹介を始める――と思ったら普通に俺に質問してきた。

 

 質問は簡単にまとめれば、私も敏捷ファイターだけどそんなに速くなるにはどうすればいいですかとかスキルはどんな感じですかとかそんな感じ。

 途中で優男に止められたが、まあそれくらいなら問題ないだろう。

 デスゲームとなったこのゲームではスキル構成やステータス振りがバレるということはPKの難易度が下がり、命の危険に直結するのだ。

 とはいえ、流石に【成長の代償】の話はしないし、殺されることは多分ないだろう。

 こいつらはそこまで悪い人に見えないし。アルゴのお気に入りっぽいし。

 

 俺は武器の要求値を満たすため以外には筋力に振ってないと言い、大体対比は1:9くらいだと思うという。

 ついでにさっきの決闘で使ったスキルは【軽業】だけだと答える。

 ちなみに、一般的な敏捷ファイターの筋力:敏捷の割合は3:7から4:6程であり、筋力多めのダメージディーラーは半々から6:4くらいだと思う。

 あくまでもベータ時代の話なんで今もそうかは分からないが。

 

「あとはあれだな。君は金属鎧着てるけど俺は着てないでしょ? 俺の防具は防御力ほとんどないんだよね。金属とか皮と比べてって意味じゃなくて文字通り。各部位が初期防具の三倍か四倍くらいかな?」

 

 アルゴに紹介された防具たちは俺の事情を知っているアルゴが最もいいと思った装備たちだ。

 つまり、防御力を切り捨ててほかのところにステータスが振り分けられてる装備である。

 

 一層のキャンペーンで入手したものはそこそこ防御力があるが、一番強い黒猫のコートも軽金属鎧と同等程度だ。

 

「あ、勘違いして欲しくないからいうけど、これが一般的とかそういうんじゃないから。俺はさっさと攻略組になりたくてこんなアホみたいな振り方と防具選択をしてるだけで普通は軽金属か皮の鎧を着て防御力を上げて、筋力に振って補正でHP底上げするものだから」

 

「あの、どうしてそんなことが出来るんですか? 元テスターならこのゲームの難易度を知ってると思いますし、普通から逸れているということはそれだけやりづらいということだと思います。ただ、攻略組になりたいと言うだけでそこまで出来るのはどうしてですか?」

 

 そりゃあんた、【食いしばり】でゾンビプレイができるからだよ。とは口が裂けても言えない。

 どう答えるか迷ったが、これならば嘘でもないしいいだろう。

 

「俺には世話になった奴がいてな。そいつと約束してるってわけだ。攻略組に返り咲くってね。ついでに言えば開始二ヶ月くらいは一層の二つ目の村にいてね。スタートが遅れたからそれなら走る速度をあげるしかないでしょ?」

 

 なるほど。という納得の表情とともに、約束で命をかけられるのかという困惑も混じりあった顔をする美少女。

 

「まあ、その世話になったってやつがこいつなんだけどね」

 

 と、隣に座ってるアルゴの肩を抱き寄せ、両側からほっぺをむにむにする。

 

「あ、ああ! キリトくん! この人あれだよ! 今朝の記事の人!」

 

 キリトくんと言われた優男ははてなマークを浮かべている。

 ってキリト?

 

「今更だけど自己紹介しない? お互いに名前知らないわけじゃん?」

 

「あ、えっとアスナです。キリトくんとコンビを組んでます」

 

「キリトだ。元テスターでビーターとか呼ばれてるな。アスナとコンビを組ませてもらってる」

 

 おお、まさかこいつがキリト君だとは。

 なんかイメージと違う気がするが、こいつはすごい偶然。

 いや、ここに集められたのは攻略組トップだし、必然だったのかもな。

 相変わらずLAの多くをかっさらっていってるんだろうか?

 

「バーストだ。よろしく。ソロでやってる」

 

「!? ッッ! アルゴ、ちょっと来い」

 

 驚いたキリト君が立ち上がり、机に太ももをぶつけて悶えてアルゴを連れてどこかに行った。

 

「え、キリトくん? ……バーストさんってキリトくんと知り合いかなにかですか?」

 

「俺も元テスターだったからな。それで知られてるのかもしれないな」

 

 とりあえず誤魔化してみる。キリト君の反応が楽しみだ。

 

「あっ、そうでしたね。ベータテスターって千人だし知ってるってこともあるのかも」

 

「それはそうとアスナちゃんはキリト君のこと好きだったりするの? 男女でコンビって半端な信頼関係じゃ難しいでしょ」

 

「違います! キリトくんは、その……頼りになるパートナーなんです。 恋愛感情とか、そういうのは……」

 

「ふーん。そっか、キリトと宿は同じ?」

 

「はい、部屋は違いますけど同じ宿を取ってます。えと、私も聞きたいことがあるんですけどいいですか?」

 

「はいどうぞ。アスナちゃんみたいに可愛い子の質問ならなんでも答えちゃう」

 

 そう答えたと同時に脇腹を思いっきり突かれる。

 いつ戻ってきたのかとても不機嫌そうな顔のアルゴがいた。

 

「なあ、バースト。一応アルゴに確認したけど()()バーストだよな? トップタンカーでベータ時代にここのボスの壁役をほとんど一人で務めた」

 

「まあ、それであってるぞ。ついでに言えば勇者顔のLA独占野郎と組んで使わない装備を流してもらってたやつでもある」

 

「……なんで敏捷ファイターに転向したんだ? お前の腕ならタンクでも……というよりタンクの方が死ににくいだろうし攻略組としても十分やれただろ?」

 

「まあ、俺にも事情があるってことで。そんなことより、キリト君って男だったんだな。てっきりネナベだと思ってたわ」

 

「はあ!? 昔の俺ってそんなに女っぽかったか?」

 

「超勇者顔といい、仕草と言い、王子様に憧れてる女の子が自分で王子様作ったと思わされるような感じだったな。多分ボス戦参加してたやつの半分くらいはそう思ってたはずだぞ? な?」

 

 アルゴに話を降ってみる。実際ベータ時代にはそんな感じの話をしたことがある。

 

「フン」

 

 が、無視。俺なんかしたか?

 

「正式サービスでもお前達はそのままなんだな。なんか羨ましいよ。俺はそういうことを出来るやつがいないからな……」

 

 キリト君がそう言うと、フンッという声とともにアスナちゃんの肘がキリト君の脇腹に突き刺さった。

 

「「お互い大変ですね(ダナ)」」

 

 アルゴとアスナちゃんがお互いにため息を吐く。

 

 つか、そろそろレベリング行きたい。攻略組としてトップには認められたけどまだ平均レベルに届いてないからな。

 そう思っているとアスナちゃんが、

「あっ! そうだった。今朝の記事のアルゴさんと写ってるのってバーストさんですよね?」

 

 そう言って記事を渡される。

 

「そうだな。つっても前日にすっぱ抜かれたから記者を探したいってアルゴに頼まれて一緒にいたんだけどな。結局見つかんなかったけど」

 

「デートじゃなかったんですか?」

 

「おとり捜査みたいなものじゃないか?」

 

「はぁ……アルゴさん頑張ってくださいね……」

 

 女の子の空気に入ってしまった二人を見て、俺はキリト君と首を傾げる。

 

「あ、俺のことは呼び捨てでいいぞ。お前に君付けされるとなんかムズ痒いし」

 

 キリト君のことは呼び捨てで呼ぶことになり、フレンド登録をして店を出た。

 なんか、女の子って思ってたよりかなり難しいな。

 特に複数人いると難易度は急上昇するみたいだ。

 

 とりあえず、攻略会議が開かれるまでは迷宮区でレベリングしておこう。

 




なかば自分用も兼ねたオリ主の装備紹介
多分読みにくくなってるのでスルーしていいと思います

頭:髪留め(ピン)/黒騎士を倒して貰った。

耳:太陽神の瞳/バステトを倒して入手した。黄色のクリスタル 毒無効と発光機能

首:勾玉クリスタル/時期が来ればバステトになるらしい。キャンペーンクエスト報酬でもらった。

指:日食みたいなデザイン/隠蔽ボーナス キャンペーンネームドボス報酬

上着/アルゴとビラ配りをして貰った。

ズボン/荷物運びをして貰った。

背中/猫耳付き黒コート。 延焼無効隠蔽、索敵ボーナス、炎ダメージを耐久度に変換。

靴:羽根つきブーツ/迷子の猫を探して貰った

ベルト/索敵を所持スキルで一番熟練度の高いものの半分で有効化。キャンペーンネームドボス報酬

手/指ぬきグローブ。手首に銀の刺繍がある。

武器/両刃直刀 8層のクエスト報酬。素材を過剰に渡したためステータスが強化され、最大強化されている。

予備武器/両刃直刀 予備と呼んでいいのかわからない未だ要求値を満たしていない装備。無強化で上の装備の性能を上回っている。キャンペーンクエスト報酬で貰った。

その他レアアイテム/封印の酒壺 スキルを熟練度そのままに一つだけ外せるもの。使用回数制限は無し。バステト封印の祠となっていたゴーレムの残骸から入手。

光の弓/九層のボスを弱体化させるために使うアイテム

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