デスゲームでオワタ式を強制されたのでゾンビプレイします   作:にゃー

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アルゴって書くの難しいな?

あとそれとは別にアルゴを若干改変してキャラ崩壊?してます

リアルの同級生の知り合い→リアルの知り合いに変更


デスゲームで情報不足とか笑えないから

 街をふらふらとさまよい歩くこと十数分、もう宿屋マークの店に泊まろうかと考えていた。

 宿屋マークの店はインスタンスであり、何人でも泊まれ、値段も格安なのだが、その代わり風呂なし布団なし窓なしスペースなしと酷いものである。

 十層を越えるくらいからは宿屋マークでもそこそこのサービスが提供されるようになるのだが、ここは一層である。

 まともな寝床を探さないとまたあのボロ宿に逆戻りだ。

 金はあっても寝床がないって言うのは辛いところだな。

 

 ふと、ベータ時代に鍛えたシステム外索敵スキルが反応した。

 うなだれたまま路地裏に入り、敏捷値を解放して一本向こうの曲がり角を曲がる。

 

 路地裏を確認した鼠は俺がいないことに気がつき、そのまま路地裏を駆けてくる。

 俺が曲がった十字路に差し掛かると同時、鼠の右手を掴んでこちらへ引っ張り込むと、鼠の正体は文字通りの鼠ちゃんであった。

 

「まさか戻ってきてくれるとは思わなかったな。とりあえず宿の場所を教えて欲しいんだが?」

 

「ベータ時代からオレっちから隠れるためのシステム外スキルを身につけていたヤツがよく言うヨ。宿には案内してヤルから解放してほしいネ」

 

「はいはい、じゃあさっき言った宿を頼むよ。こっちはもうクタクタなんだ」

 

 アルゴに先導されてNPCの民宿に到達する。

 一晩100コルとかなり割高だが風呂も広いしベッドもフカフカだったので許容範囲内である。

 

 部屋に入って椅子を二つ持ってきてアルゴを座らせると、自分は椅子を前後逆に使って座る。

 

「で、なんで鼠がこんなところにいるんだ? てっきり最前線か始まりの街のどっちかにいると思ってたんだが。まあ、一週間全く会わなかったから前線にいると思ってたけど」

 

「…………だヨ」

 

「ん? なんだって? もう一回言ってくれ」

 

「バーストを探してたって言ったんだよ!」

 

「俺を? そりゃなんでだ?」

 

 アルゴは一瞬間を開けて、深呼吸をしたあとに

「そんなの決まってるヨ。ベータテスト時代のトップタンカーのお前さんが前線にいない、かと言ってログインしていないワケでも死んだ訳でもナイ。始まりの街で腐ってるはずもナイ。にも関わらずお前さんの姿は愚か噂すら聞こえてこない。そりゃ、ベータ時代の知り合いとして心配もするサ」

 

「んー。そうか。心配かけて悪かったな。とりあえずフレンド登録するか?」

 

 心配をかけていたようなので正直に謝る。

 俺はちょっとどこがおかしいのか他人に共感することがほとんどできない。

 リアルで二つ下の知り合いの過去を聞いても「で?」とか、「それが?」としか思えなかったくらいである。

 客観的に見て、彼女の過去はそんな一言で済ませていいはずもなく、俺は黙ることで彼女との関係を壊さないようにした。

 今回も、「そのくらいで?」としか思えていないのだが、流石に成長して思ってもいないことを言えるようになった。

 

 アルゴにフレンド申請を送り、可否を待つ。

 アルゴはたっぷり十秒ほどウィンドウを睨んでから

「情報屋としては情報の売買以外のためにこういうことはしたくないんだけどネ。バーストは特別だヨ」

 そう言って受諾のボタンを押した。

 

「そんで、本当に俺を探してただけなのか?」

 

「そうだヨ。でもここに来たのはお前さんがなかなか見つからないから食い扶持を稼ぐための情報収集。まさかお前さんが噂の風になったプレイヤーだったとは思わなかったケドね。一体どういった風の吹き回しだい?」

 

 お前は元タンカーの癖にデスゲーム環境下で慣れない敏捷振りをしてどういうことだと言いたいのだろう。

 さて、こいつは売れるものなら自分のステータスですら値段をつけて売る女だ。

 喋っていいものか悩んでいると

 

「別にコレをタネに稼ごうってワケじゃないヨ。単純に知り合いがどうしてこんなことをしてるのかが気になっただけ。だから、()は教えてくれると嬉しいかな」

 

 アルゴの一人称が切り替わったのを聞いてこいつならば話せると瞬時に答えを出した俺は、ウィンドウを可視化してアルゴに見せる。

 

「【成長の代償】? 聞いたことのないスキルだね。覗いていい?」

 

 アルゴの問いに俺は頷いて返す。

 アルゴは俺のウィンドウをタップしてスキルの詳細を開いたあと、じっくり三度読み返して顔色を変えた。

 

「強力なスキルだね。でも、あまりにもデメリットがキツすぎる。もしかしなくてもこれがタンクを諦めた理由?」

 

 俺は頷いて、タンクとして戦えなくても、体力が増えなくても、強力なスキルを得た人間として、元ベータテスターとしてこのゲームをクリアする義務があると答える。

 アルゴはダメだと言うが、戦わないということはこのまま腐っていくことしかできないということだ。

 それに、【食いしばり】もある。

 あれさえ取得、育成できればひとまずゾンビプレイは可能だ。

 そう言えば、

「ふざけるな! バーストは【食いしばり】の取得条件と育成条件を知ってて言っているのか!?」

 と怒鳴られる。

 

 【食いしばり】の取得条件はHPが10回1になること。

 これは発動条件とは違い、九割以上とか、一発で、みたいなものは無いはずだ。

 次に、育成条件。これは【食いしばり】を発動するという単純なもの。

 つまり、俺がゾンビになるまでにはエネミーにワンパンされて、【食いしばり】を発動。正真正銘のオワタ式の中で敵を倒すか逃げ切るかをしてから体力を全快して再びワンパンされる。

 これを約二百回繰り返す必要があるのだ。

 だが、死ななくなるんだ、それくらいの修羅場超えても余裕でお釣りが来るだろう。

 

「…………きっと私が何を言っても考えは改めないよね。分かった。ただし、約束。絶対に死なないこと。死なずに攻略組まで上がっていけば何でもしてあげるから、だから絶対に死んじゃダメ」

 

「ハナから死ぬ気はねーよ。俺は絶対に攻略組に返り咲くからそれまで男を作らず待ってろよ」

 

 アルゴは再び赤面して咳払いをひとつ入れてから

「それじゃあ商売の時間だ。今回は特別に安くしとくヨ?」

 

「じゃあ、俺の戦い方に合いそうなものはないか? 特に武器だな。細剣は細すぎてどうもしっくりこない。かと言って片手剣も曲刀も短剣もダメだ。欲張るなら片手剣より軽くて細剣より斬ることに向いてるのがいいんだけど」

 

「……直刀がいいだろうナ。あれはSAOの一般的な片手剣とは違い細身だからナ」

 

 ちなみに、直刀はこの街の非戦闘クエストで手に入るらしい。

 そのクエストの内容は簡単で、1000コルを納品するだけである。

 序盤で1000コル使うということでその性能はそこそこと言ったところで、強化すれば2層中盤あたりまでは通用するらしい。

 

 次にスキルだが、スリップダメージ無効のものである。

 毒や出血などの無効化系スキルを育てていくと一定までのダメージを無効にするスキルが取得可能になるらしい。

 ベータ終盤に見つかったスキルなのでまだ詳細はわからないが、少なくとも存在は確認されているとのこと。

 HP%でのダメージ無効ではなく、固定値での無効ならば将来的にスリップダメージ対策と【食いしばり】をひとつのスロットで満たせるようになるかもしれない。

 

 最後に、【食いしばり】の育成方法。

 完全に安全とはいえないが、この街から迷宮区とは逆に行ったところに攻撃間隔が長めで基本的に一体しかいない敵が出るらしい。

 レベルが上がって【食いしばり】を有効化したら行ってみようと思う。

 

 そして、外もいい時間になっていたためフカフカのベッドに身を投げ、久しぶりにぐっすりと眠った。

 アルゴも一緒に。

 ベータ時代からネカマだとは思っていなかったが、まさかここまでの美少女とは思わなかったな。

 役得役得。

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