デスゲームでオワタ式を強制されたのでゾンビプレイします   作:にゃー

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エディタを開いていた時間に対して文字が少ない(3300字)


弱点を突かれてもいかにも効いてませんよという顔ができないと簡単に死ぬ

 【インカーネイト・オーバーライド】を使用して隙を伺う。 

 被弾したら終わりなので起死回生の一手となるだろうセト(仮)のパーツ投擲までは攻撃は封印だ。

 そもそも、右手に足を左手に男根を持っているために直刀はストレージにあるから攻撃手段はないのだが。

 無手でも攻撃できるスキルとして【体術】なんかがあるが、俺はスキル枠の都合で取っていない。突進系の硬直が短いソードスキルがあるそうなので回避に結構便利そうという理由でいつかは取ろうと思っている。

 

 閑話休題。とにかくアポピスの攻撃を躱し続けて必中のタイミングを伺う。

 アポビスはでかいんだからそんなに伺う必要ないだろと思うかもしれないが、こちらが投げる素振りを見せると慌てて避けようとするのだ。

 なので、相手が完全に間に合わないタイミングを見極めてやらないといけない。

 相手の反応からこのパーツが有効だと確信できるのでより慎重になる。

 

 五分か十分か、流石に一時間ということはないだろう。

 尻尾によるなぎ払いをたまたまこちらが移動していた方向に回避することが出来、いつもよりも早いタイミングで安置にたどり着くことが出来た。

 つまり、未だ攻撃を続けているアポピスへの投擲チャンス。

 【投剣】スキルがなくても使える【投剣】のソードスキル、“シングルシュート”を起動して足を投げる。

 続けて左手の男根も投げつける。

 アポピスは尻尾攻撃が終わったあとに回避しようと移動をしたが、その体が大きかったこと、回避のタイミングが遅れたことが仇となり直撃。

 そして世界が明るくなった。天井に太陽が現れたのだ。

 俺の予想じゃ太陽神の瞳が近づいても光ってくれるようになると思ってたんだが、それ以上とは。

 相手の姿が見えてるならもう怖いものはない。

 このゲームでの死因はバッドステータスを受けてハメ殺されるか集団に袋叩きにされるか、初見MOBに突撃して初見殺しにやられるか、攻撃を欲張って死ぬかのどれかだ。

 俺はソロでボス級を倒すのには慣れているから攻撃を欲張ることは無い。アポピスの初見殺しだろう真っ暗空間も突破した。今回はタイマン戦だし、バッドステータスで一番危険な麻痺は強化された太陽神の瞳が毒無効に加えて麻痺軽減を得ているのでハメ殺しにはならないだろう。

 そもそもバステトが治してくれるし、サブアームに結晶を持っていればさらに安全だ。

 

 つまり――この勝負俺の勝ちだ!

 

 

 太陽が現れてから一時間半ほど、近接戦のパターンを剥ぐためにすこし時間をかけたが、被弾なしで討伐が完了した。

 総戦闘時間は四時間ちょっと、アポピスの最初の隙を伺うのに時間をかけすぎたな。

 

 アポピスのLA報酬はアペプの鎖

 アペプが所持している鎖という訳ではなく、アペプを拘束していた鎖という意味だろう。

 古代エジプトでは描かれたものはそのまま、その通りに存在すると考えられていたため、神に仇なすアペプは必ず拘束された状態で描かれたからだ。

 店売りの鉤爪付きロープの完全上位互換のようで、耐久無限、長さ無限、戦闘時に敵を縛り付けた場合はその拘束の効果が強化されるとのこと。

 もっとも、店売りのロープでも敵を拘束することは基本的にしないし、この鎖で拘束した場合は別枠の耐久度が設定されてそれがゼロになると拘束が解除されるそうなので拘束に使う機会はなさそうだが。

 

 俺がここからどうやって上に戻ろうかを考えていると、先ほど石碑の前で復活させたアピスの牛が降りてきて背に載せて上まで送ってくれた。

 

 そして鎖から解き放たれた蛇を倒してくれてありがとうとテレパシー的なもので伝えられてお礼として睡蓮の髪飾りを受け取った。

 

 睡蓮は、プタハとセクメトの息子とされるネフェルトゥムに関係がある花だ。

 原初の水ヌンに咲いた睡蓮が花を開くとその中にはタマオシコガネがいて、そのタマオシコガネが姿を変えてネフェルトゥムとなったとされているのだ。

 また、睡蓮はその中に太陽を生み出したとされ、神殿の池に睡蓮がよく植えられていたという。

 ネフェルトゥムはセクメトの撒く疫病を静められるとされ、癒しの神としての一面ももち、しかし人を罰することもあったという。

 また、ネフェルトゥムは死者の魂の計量に立ち合い、罪人を切り裂くとされた。

 魂の計量については死者の書に記されているのだが、簡単に言えば閻魔大王の裁判が死者の心臓と真実の羽根と言われるものとを天秤にかけるものとなり、心臓が羽根より重ければ生前罪を犯したとされ、心臓――魂をアメミットに食われ、二度と転生出来ないとされていた。

 それに立ち会ったとされるネフェルトゥムに関係のある装備だからか、オレンジプレイヤーへの特攻なんていうデスゲームとなったSAOでは使い物になるか怪しい効果と、もはや過剰となりつつある霊体やアンデッド系への特攻が付与されている。

 また、ネフェルトゥムとなったとされるタマオシコガネ――スカラベが復活と再生の象徴とされているからか、リジェネも付与されていた。

 特攻もリジェネも飽和気味であるが、ないよりはあった方が嬉しいので良しとする。

 

 まあ、俺は一人で髪留めをつけることが出来ないので帰ってからアルゴにつけてもらうとする。

 九層からずっと使っている髪留めも耐久度回復のために外すたびにアルゴにつけ直してもらっていた俺が、飾りがついている髪留めをうまくつけることが出来るとは思えないからな。

 時間もいい感じだし、アルゴももう帰ってそうだ。俺も帰るとしよう。

 

 

 宿に戻ってアルゴに髪留めをつけてもらおうとしたら「ただでさえ前髪が長くて女に見えることもあるのに花飾り付きなんて」と笑われたが、仕方がない。

 前髪が長いのは事実だし、マッチョ系でもないし、黒猫のコートで体の線がさらに隠れるので仕方が無いのだ。

 しかし、言わせてもらえばキリトの方が万倍女っぽい。もしもあいつがビーターと呼ばれることがない世界線があったとしたら確実に“みんなのオトコの娘アイドルキリトちゃん”が俺やアルゴのプロデュースで生まれていただろう。

 

 今日も森で何度か倒したブッシュスネークの肉をバステトにあげて俺達も飯を食う。

 食事中も何度か髪飾りを弄られたので、俺はいつかアルゴに恥ずかしい格好をさせることを心に誓った。

 ……言うほどアレかな? この髪留め。

 ピンの形で、折り返しとなっている側に小さく花が咲いているだけなんだが。

 俺としては花系の髪飾りによくある花の下に留め具がある花が大きいタイプじゃなくてよかったと思っているところだ。

 とりあえず、ないとは思うがズボンの部位がスカートじゃないことを祈ろう。

 もしスカートになっていたらオレンジカーソルになることも厭わず一般プレイヤーとして攻略に参加しに来る茅場を殺そう。

 流石にこのスキルを渡してきたんだからそこら辺の整備もしているはず。

 しているといいなぁ……。

 

 アルゴの弄りの合間に聞いた話では、ここ、二十一層には剣の見た目を比較的自由にデザインできるNPCの鍛冶屋があるらしい。

 今のSAOは鍛冶師が比較的多くなってきていて、超特殊な素材を扱わない限りプレイヤーに頼むのが主流になっている。

 ただし、プレイヤーメイドでは鉱石の傾向によりある程度の造形の傾向を固定できるが、それ以外は完全ランダムになる。

 俺にはセクメト戦の報酬で得た形をコピーして性能をその形に合うように配分しながら武器となる武器の素がある。

 店売りの直刀はそこまでいい形ではないので今まで温存していたのだが、自由に形を決められるというのならちょっとお邪魔しに行きたくなる。

 やはり、アルゴの情報屋としての腕は頭一つ抜けているな。

 他にも鉱石を割り増しで買い取ってくれる回数、個数無制限のお得クエストなんかもあるらしい。

 川の底から拾い集めた中に鉱石は結構あったはずだし今度行ってみようかな。

 そう言うとアルゴは案内を申し出てくれて、明日デートすることになった。 

 因みに、以前アルゴと結婚したので財布が共有となり情報代は発生しなくなっている。

 稼ぎは狩りに出ている俺の方が多いが、アルゴは本来コルで買えないものを持ってきてくれているし、二人とも財布の紐は固めのようなのでコルは溜まる一方だ。

 景色がいいところに家でも買ってみたいな。




武器の素とかいう便利なアイテムを作った過去の私を評価すると同時に便利すぎるのでぶん殴りたくもある。

一番悩んだのはプタハから貰う装備です。
結果睡蓮の髪飾りに。
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