デスゲームでオワタ式を強制されたのでゾンビプレイします   作:にゃー

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ちょい短め(2500)


サンタさんは絶望のクリぼっちが撃破する。

 イブ当日。キリトはやはりクリスマスボスをソロで倒そうとしているらしい。

 今日の夜にボス出現ポイントへ行き、日付が変わると同時にボスを倒すつもりなのだろう。

 アルゴには悪いが、イブのお祝いはなしだ。

 今日も朝から夕方までレベリングを続行する。

 それから数時間寝て日付が変わる前にボスの元へ向かうとしよう。

 俺のレベルは現在七十九。ひとつ上げればスキルスロットが増設され、封印の酒壺に入れてある【疾走】を有効化することが出来る。

 キリトとコンビでボスを攻略するという前提でなら【武器防御】が欲しいのだが、流石にボスに通用するほどの熟練度は稼げないだろう。

 まだ眠っているアルゴの頬にキスをしてメッセージで書き置きをしてから宿を出る。

 さあ、分裂モンスターは何体倒せるかな。

 

 

 時刻は夜。キリトは【隠蔽】のスキルでフレンド追跡をされないようにしているようだが、俺の索敵スキルはこの一週間でコンプリートされた。

 分裂モンスターの中心にいたから上がり方がおかしかったんだよね。

 よってその追跡防止策は無効。キリトがいるのは三十五層。となるとキリトがボスが出ると睨んだのは迷いの森か。

 迷いの森といえば巨大な木があったし多分あそこだろう。

 それじゃあ俺も行くとしますか。

 

 転移門から三十五層へ転移し、レベルが八十になったことにより開いたスキルスロットに嵌められた【疾走】のおかげで普段よりも速い速度で走る。

 入り組んだ森の木々は【急制動】によってしっかり躱していき、迷いの森が迷いの森と言われる所以の区画移動が起きる前に中心部へ向かって移動する。

 巨大な木の根元についた時はまだキリトはいなかった。

 遅れてやってきたキリトは呆れたようにため息をついてからお前も止めに来たのか? と尋ねる。

 ここでYESと答えて止まってくれるようならばクラインとエギルが困るわけもなし。

 俺はボスを倒しにきたんだよというと、キリトが譲ってくれないかと頼んでくる。

 蘇生アイテムならやるから二人でやらないかと言ってみるが、キリトは一人でやることに意味を見出しているようだ。

 

 俺にはキリトの気持ちは分からないが――大量のプレイヤー反応だな。キリトがつけられていたかここをボスの出現場所と睨んだ奴がいたか。

 まあどちらでもいいか。

 俺にはキリトの気持ちは分からないが、キリトがそうしたいならそうさせてやるべきだろう。

 キリトの戦いを邪魔させないために俺は外のヤツらを止めておくと言ってキリトにパーティー申請を送る。

 

 キリトはノータイムで拒否を押してくるが、お前のHPがイエローに入ったら問答無用で加勢する。先に来ていた俺がお前にボスを譲る条件だ。

 というと、二度目の申請を受諾した。

 足止めの奴らは先客がいると言っても引かないようなら適当にふんじばってやればいいだろう。

 クラインたちのギルドも来ているみたいだしあいつらと協力すればなんとかなるかな。

 

 

 結論からいえば、キリトは一度もイエローにならずボスをソロで突破した。

 時間こそかかったがそれは本来レイド用コンテンツであるボスにソロで挑んだのだから仕方が無いだろう。

 

 わらわらと集まってきていたのは指定暴力団、もとい聖龍連合。

 フルレイドでやってきた彼らは先客など知ったことかと俺が引いた線を跨いできたので適当にふんじばってやった。

 アペプの鎖がかなり役に立ち、範囲無限、耐久無限、ダメージなしの範囲攻撃を振り回すだけで行えたため、俺がオレンジになることなく相手を全員昏倒させることが出来た。

 まあ、振り回すのが楽しくて適当に戦っていたら攻撃をしてきた聖龍連合の一名がオレンジになったためいつかの宣言通りに攻撃したら、最近レベルを上げすぎて、さらにオレンジへの特攻が付いているからか一撃でレッドゲージまで削ってしまったが、殺してはいないしそのおかげで戦意喪失させることが出来たので問題は無いだろう。

 

 彼らをレベリング途中に何個か入手した回廊結晶で主街区に転移させたあとは入口でキリトの戦いぶりを眺めていた。

 ちなみに、回廊結晶は一定階層以上の全ての敵が低確率で落とすものである。

 そのため中層プレイヤーが一攫千金を狙うことが出来たりするアイテムだ。

 転移場所に赴き、転移場所を指定するコマンドを使うことでそこへ集団転移できるアイテムなのだが、未指定の場合は主街区となる。

 

 キリトの戦いぶりを見ていると、気づいたことがあった。

 なにか、左手が物足りないのだ。まるで、今までは左手に何かを持って戦っていたことを思わせるような動きだ。

 無意識的にだろうが、左手の存在しない剣を振ろうとするような動きが僅かに見える。

 クラインたちは気になっていないようだし、【二刀流】の存在を知っている俺だから気がつくことが出来た違和感だろうか?

 俺の元から消えた【二刀流】がキリトのもとへ回っていたとすると、どのような条件なのだろうか?

 

 ゲージごとに攻撃パターンが増えてくるボスに苦戦したキリトだったが堅実な立ち回りでボスを攻略し、あとに残ったプレゼント袋を漁ってひとつのアイテムを手に取ったあとに崩れ落ち、精神的な柱を失ったような雰囲気で俺たちに蘇生アイテムの詳細を話して転移結晶を割って帰っていった。

 

 ……。まず、残ったアイテムどうしようか。蘇生アイテムはここに残ってるし、プレゼント袋もここに残っている。

 俺一人では運びきれないし風林火山のメンバーに頼んでエギルの店に運ぶか。

 今度キリトに渡してもらえばいい。

 

 エギルへ頼むメッセージを送る際、宛先選択でアスナの名前を見つける。

 昔、アスナに“柱”について話されたことを思い出す。

 アスナの本質が変わってないことを期待して現在のキリトの状態を記したメッセージを送った。

 

 アイテムの運搬の話をクラインにすると、キリトを心配してないのかよと言われたが、それにはとびっきりの人を送ったと言ってアイテムを運ばせる。

 

 あの二人の仲が回復すれば、攻略組の華に憧れて攻略をしているヤツらの士気は下がるだろうが、昔のふたりを知っている古参連中は士気がある程度上がるだろうし、今の攻略組のピリピリした雰囲気もどうにかなるだろう。

 

 エギルの店にアイテムを運んだらしばらく狩りをするのは休憩かな。

 クリスマス、正月と攻略ペースが落ちるだろうし、何より最近戦いすぎてアルゴに構ってやれてない。

 逆に俺がアルゴニウム不足になりそうだ。




キリトのレベルを10も上回るバースト、攻略組レイドを実質一人で無力化するバースト、キリトの無意識的な行動理由を推察するバースト、キリアスの仲をどうにかさせようとするバースト。

オリ主TUEEEEのタグが大活躍する一話でした。
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